さなぎ日記:あさなぎクリニック心療内科のブログです。こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも。

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「ベンゾジアゼピンは大衆のアヘンである」 byマルコム・レイダー

「ベンゾジアゼピンは大衆のアヘンである」 byマルコム・レイダー(英国ロンドン大学精神医学研究所名誉教授・1978年)「ベンゾジアゼピンから離脱させることは、ヘロインから離脱させるよりも困難である。その依存はかなり深く染み込み、禁断症状も非常に耐え難いため、薬を止めるのに相当な問題が生じる」 byマルコム・レイダー(1999年)不眠症やパニック障害のが大勢クリニックに来院しますが、元はそうだったものの...全文を表示
「ベンゾジアゼピンは大衆のアヘンである」 byマルコム・レイダー(英国ロンドン大学精神医学研究所名誉教授・1978年)



「ベンゾジアゼピンから離脱させることは、ヘロインから離脱させるよりも困難である。その依存はかなり深く染み込み、禁断症状も非常に耐え難いため、薬を止めるのに相当な問題が生じる」 byマルコム・レイダー(1999年)

不眠症やパニック障害のが大勢クリニックに来院しますが、元はそうだったものの現在はベンゾジアゼピン系(BZD)抗不安薬の依存症になっている方も多いです。

以前からこのブログで繰り返して書き、不安障害や不眠症の講演をする際にはその冒頭で必ず強調しているのですが、

日本は世界一BZD系を消費する国です。BZDは常用量でも極めて強い依存を引き起こします。

パニック障害の患者さんが初診で来院した場合、BZD系を毎食後服用しているかどうかによって、予後(治るかどうか)が決定的に違います。飲んでなければ多くの方が治ります。この場合、治るとは薬を飲まずに生活ができることです。

毎食後服用している場合は、BZD依存症の治療をすることになります。これはパニック障害の治療の何倍も困難です。

何の罪もない患者さんがBZD依存症になっています。不安障害の方に毎食後BZD系を投与することは、犯罪行為に近いのではないかと思います(極めて情けないことに、精神科にもこういう医師が少なくありません)。

7月11日は「世界ベンゾ注意喚起の日」とのことです。711は、セブンイレブンですね。7月11日はアシュトンマニュアルという、BZD依存に関するマニュアルを作った、ヘザー・アシュトンさんの誕生日だそうです。

BZD系は出さない、あるいは短期間で止めることを前提として投与することが決定的に重要です。SSRIはBZD系に比べたら止めるのはとても簡単です(パロキセチン以外はですが・・)。

ーーーーーーーーーーーーーー

Benzodiazepines
BBC Radio 4, Face The Facts, broadcast on March 16, 1999

PROFESSOR LADER: It's more difficult to withdraw people from benzodiazepines than it is from heroin – it just seems that the dependence is so ingrained and the withdrawal symptoms you get are so intolerable that people have a great deal of problem coming off. The other aspect is that with heroin usually the withdrawal is over within a week or so. With benzodiazepines a proportion of patients go on to long-term withdrawal and they have very unpleasant symptoms for month after month and I get letters from people saying that it can go on for 2 years or more. Some of the tranquilliser groups can document people who still have symptoms 10 years after stopping.


「ベンゾジアゼピンは大衆のアヘンである」 byマルコム・レイダー(英国ロンドン大学精神医学研究所名誉教授・1978年)



「ベンゾジアゼピンから離脱させることは、ヘロインから離脱させるよりも困難である。その依存はかなり深く染み込み、禁断症状も非常に耐え難いため、薬を止めるのに相当な問題が生じる」 byマルコム・レイダー(1999年)

不眠症やパニック障害のが大勢クリニックに来院しますが、元はそうだったものの現在はベンゾジアゼピン系(BZD)抗不安薬の依存症になっている方も多いです。

以前からこのブログで繰り返して書き、不安障害や不眠症の講演をする際にはその冒頭で必ず強調しているのですが、

日本は世界一BZD系を消費する国です。BZDは常用量でも極めて強い依存を引き起こします。

パニック障害の患者さんが初診で来院した場合、BZD系を毎食後服用しているかどうかによって、予後(治るかどうか)が決定的に違います。飲んでなければ多くの方が治ります。この場合、治るとは薬を飲まずに生活ができることです。

毎食後服用している場合は、BZD依存症の治療をすることになります。これはパニック障害の治療の何倍も困難です。

何の罪もない患者さんがBZD依存症になっています。不安障害の方に毎食後BZD系を投与することは、犯罪行為に近いのではないかと思います(極めて情けないことに、精神科にもこういう医師が少なくありません)。

7月11日は「世界ベンゾ注意喚起の日」とのことです。711は、セブンイレブンですね。7月11日はアシュトンマニュアルという、BZD依存に関するマニュアルを作った、ヘザー・アシュトンさんの誕生日だそうです。

BZD系は出さない、あるいは短期間で止めることを前提として投与することが決定的に重要です。SSRIはBZD系に比べたら止めるのはとても簡単です(パロキセチン以外はですが・・)。

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Benzodiazepines
BBC Radio 4, Face The Facts, broadcast on March 16, 1999

PROFESSOR LADER: It's more difficult to withdraw people from benzodiazepines than it is from heroin – it just seems that the dependence is so ingrained and the withdrawal symptoms you get are so intolerable that people have a great deal of problem coming off. The other aspect is that with heroin usually the withdrawal is over within a week or so. With benzodiazepines a proportion of patients go on to long-term withdrawal and they have very unpleasant symptoms for month after month and I get letters from people saying that it can go on for 2 years or more. Some of the tranquilliser groups can document people who still have symptoms 10 years after stopping.


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