さなぎ日記:あさなぎクリニック心療内科のブログです。こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも。

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3種類のアポ蛋白について。 アポE2 E3 E4

3種類のアポ蛋白について。 アポE2 E3 E4 サムネイル画像
ApoE2 E3 E4について。前回の続きです(「悪玉(LDL)と善玉(HDL)のコレステロール」←クリック)。ちょっと専門的ですが、じっくり読めば分かると思います。アポ蛋白には3種類あります。・ApoE2・ApoE3 元々はこれです(=野生型)・ApoE4シュークリームで言うなら、アポ蛋白はクリーム(コレステロールやリン脂質や中性脂肪=トリグリセライド・・)を包むシュー皮です(皮がないとベタベタとするので)。この皮に3種類ある...全文を表示
ApoE2 E3 E4について。

前回の続きです(「悪玉(LDL)と善玉(HDL)のコレステロール」←クリック)。ちょっと専門的ですが、じっくり読めば分かると思います。

リポ蛋白

アポ蛋白には3種類あります。

・ApoE2
・ApoE3 元々はこれです(=野生型)
・ApoE4

シュークリームで言うなら、アポ蛋白はクリーム(コレステロールやリン脂質や中性脂肪=トリグリセライド・・)を包むシュー皮です(皮がないとベタベタとするので)。

この皮に3種類あるわけです。ApoE3が本来の形で、E2とE4はE3が変異したものです。E4が多いとアルツハイマーになりやすいことが知られています(=リスクファクター)。

<人によって、ApoEのタイプは生まれつき決まっています。このタイプは検査で調べることができます。家族に何人かADの方がいる時には調べておくといいでしょう。保険適用ではありませんが>

E2、E3、E4 の違い

ApoE2 E3 E4

図a

一番多いタイプはE3(77.9%)で、次いでE4(13.7%)、E2(8.4%)の順です。もっともアルツハイマー病の患者さんではApoE4の割合がグンと増えます(36.7%)。

E2は少ないので以下はE3とE4について説明します。

E3とE4の違いは、112番目のアミノ酸がCys(システイン)かArg(アルギニン)かです。元々はArgだったのですが、突然変異によってCysに置き換わったのです。

図b

この図はApoE4(表現形)のアレル(複対立遺伝子、 ApoE-ε4)の有無による分類です。ε4が、

・ない人(non-carrier)
・一つある人(Hetero)
・2つある人(Homo)

これによって、アルツハイマー病(AD)になる確率と、ADに発病する時期が変わります。

<ApoEに関する遺伝子(対立遺伝子)は血液型と同じようにε2、ε3、ε4の3種類あります(=複対立遺伝子)。父方からと母方からの遺伝子を1つづつ受け継いでいるので、2・2、2・3、3・4、4・4の4つの組み合わせになります。ε4のヘテロとは3・4のことで、ホモは4・4です(血液型の。A・B、A・O、B・B・・・・みたいに)>

ε4が2つある人は、ADになる人が多く(91%)、しかも早い(68才)ことが分かります。

ApoE4とApoE3は実際にはこんな形をしています。

ApoE2,3,4

ApoE3とApoE4ではこのように形が違います。E3の方は開いた形で、E4は閉じています。よく分かりませんが(すみません)、112番がArgだと61のArgに255のGluがくっつきます。形が変わるとAβの結合しやすさなどが変わります。

そんなこんなで、E4が多いとあまりいいことがありません。

ApoE4.jpg

E4が増えると、

・脳が萎縮する
・細胞毒となる
・Aβ(アミロイドβ)が凝縮する
・タングル(神経原線維)が作られる
・脳が異常に興奮する

などです。

<付け焼き刃の勉強です。詳しい方教えていただければと思います。>

ApoE2 E3 E4について。

前回の続きです(「悪玉(LDL)と善玉(HDL)のコレステロール」←クリック)。ちょっと専門的ですが、じっくり読めば分かると思います。

リポ蛋白

アポ蛋白には3種類あります。

・ApoE2
・ApoE3 元々はこれです(=野生型)
・ApoE4

シュークリームで言うなら、アポ蛋白はクリーム(コレステロールやリン脂質や中性脂肪=トリグリセライド・・)を包むシュー皮です(皮がないとベタベタとするので)。

この皮に3種類あるわけです。ApoE3が本来の形で、E2とE4はE3が変異したものです。E4が多いとアルツハイマーになりやすいことが知られています(=リスクファクター)。

<人によって、ApoEのタイプは生まれつき決まっています。このタイプは検査で調べることができます。家族に何人かADの方がいる時には調べておくといいでしょう。保険適用ではありませんが>

E2、E3、E4 の違い

ApoE2 E3 E4

図a

一番多いタイプはE3(77.9%)で、次いでE4(13.7%)、E2(8.4%)の順です。もっともアルツハイマー病の患者さんではApoE4の割合がグンと増えます(36.7%)。

E2は少ないので以下はE3とE4について説明します。

E3とE4の違いは、112番目のアミノ酸がCys(システイン)かArg(アルギニン)かです。元々はArgだったのですが、突然変異によってCysに置き換わったのです。

図b

この図はApoE4(表現形)のアレル(複対立遺伝子、 ApoE-ε4)の有無による分類です。ε4が、

・ない人(non-carrier)
・一つある人(Hetero)
・2つある人(Homo)

これによって、アルツハイマー病(AD)になる確率と、ADに発病する時期が変わります。

<ApoEに関する遺伝子(対立遺伝子)は血液型と同じようにε2、ε3、ε4の3種類あります(=複対立遺伝子)。父方からと母方からの遺伝子を1つづつ受け継いでいるので、2・2、2・3、3・4、4・4の4つの組み合わせになります。ε4のヘテロとは3・4のことで、ホモは4・4です(血液型の。A・B、A・O、B・B・・・・みたいに)>

ε4が2つある人は、ADになる人が多く(91%)、しかも早い(68才)ことが分かります。

ApoE4とApoE3は実際にはこんな形をしています。

ApoE2,3,4

ApoE3とApoE4ではこのように形が違います。E3の方は開いた形で、E4は閉じています。よく分かりませんが(すみません)、112番がArgだと61のArgに255のGluがくっつきます。形が変わるとAβの結合しやすさなどが変わります。

そんなこんなで、E4が多いとあまりいいことがありません。

ApoE4.jpg

E4が増えると、

・脳が萎縮する
・細胞毒となる
・Aβ(アミロイドβ)が凝縮する
・タングル(神経原線維)が作られる
・脳が異常に興奮する

などです。

<付け焼き刃の勉強です。詳しい方教えていただければと思います。>

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