ガガーリン公園の桜(2017年05月23日)

確りと宗谷海峡を越えた「桜前線」ですが、ユジノサハリンスク辺りに未だ留まっているような、或いは「更に北」を目指そうとしているのか、よく判らない感じになってきました。

「妙に気が早くないか?」という木を目に留めた―5月14日でした―後、方々で順次桜の花が咲いている様子を視ました。何か「好い感じに」と花が占める部分が拡がって行くまでに時間を要し、そのうちに葉も大きくなって目立つようになり、花が目立たなくなって、散ってしまうまでが酷く短いようにも思えました。

一週間余り、方々の桜の様子を視ましたが、5月20日にガガーリン公園の中を通った際、あの辺りは「花の咲き方」に木による個別差が目立つ感じで、然程見栄えはしませんでした。或る方が「山寄りな公園の側は、ユジノサハリンスク市内では"最後の方"な順番のように見える」と仰っていたのですが、そのとおりという感じでした。

今朝、好天である様子だったので、酷く大回りにはなりますが「朝の散策」ということで少し早めに出て、事務所に出る前にガガーリン公園の桜の様子を視てみました。

↓宇宙飛行士のガガーリンのモニュメントが在る入口から園内への散策路の辺りが"桜並木"になっています。
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↑桜の花の時季以外には気付き難いのですが、散策路のベンチは花の下を占めています。

↓並木を多少外れた場所でも、美しく咲いている木が見受けられます。
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↓この"桜並木"ですが、未だ「木が大きく育って行く途上」という感じもします。
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↑街の発展を見詰めながら、少しずつこの木々も大きくなって行くのだと思います。

こういう「花が咲いている様子」を写真に撮ろうというような場合、「朝が静かで撮り易い」というのは、日本国内でもユジノサハリンスクでも余り違いは無いと思いました。

今季は「本当に有名な桜の名所」という場所で花を愛でる機会は設けられなかった筆者ですが、ユジノサハリンスクで「少し長い期間に亘って散見出来る桜」を愉しむことが叶ったという感です。

「親水」海岸...(2017年05月16日)

↓ホルムスクの海岸に整備された緑地の辺りで視掛けた様子です。
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↑親子連れが水辺で寛いでいます。手前のオレンジの上着の方は、お子さんの写真でも撮ろうとしていた感じでした。

ユジノサハリンスクでもホルムスクでも、こういうような「親子で歩き回っている」という姿をよく視掛けます。

日本では"少子高齢化"と言われて久しいのですが、ロシアでもそういう問題意識は在る、または高いそうで、お子さんを産み育てることへの支援というようなことも行われているらしいのです。が、そういう話しも聞こえる他方で、「親子連れをよく視掛ける」という気がします。

更に言えば、整備された都市緑地のような場所で「歩き回っている人達」を「よく視掛ける」という気がします。実はサハリンの方を稚内にお迎えした際、「よくある質問」が在ります。「この街の人は何処に居るんだ?」という質問です。彼らの目線では、稚内では「余りにも歩き回っている人達が居ない」というように見えるらしいのです。「訳が判らない質問」とも思える「この街の人は何処に居るんだ?」でしたが、サハリンの都市の様子を見ると、少し納得出来ます。

この画の様子を視掛けた日は、ホルムスクでの打合せのために出向いて、約束の時間に少し間が在ったことから、この場所で一息入れていたのでした。

「ШАШЛИЧНЫЙ СЕЗОН」(シャシリーチヌィー・セゾン)?

↓5月に入って、こういうような広告看板が幾分目に留まるようになりました。
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↑それなりに多くの店舗を視掛ける地元のスーパーのチェーンが幾らか見受けられるのですが、そのチェーン店の一つが掲出していると見受けられるモノです。

「СЕЗОН」(セゾン)は「シーズン」ということで、日本語でも「しろまるしろまるシーズン到来」とか、スポーツのリーグ戦等で言う「シーズン開幕」と似たような型で、ロシア語でも用いられています。

その「СЕЗОН」(セゾン)は判るのですが、「ШАШЛИЧНЫЙ」(シャシリーチヌィー)という形容詞は「何?」と思えます。看板の画を視れば、画は"シャシリク"です。狭義には、コーカサス地方や中央アジアが発祥らしい、串に刺した肉を炭火等で焼き上げるモノですが、広義には「焼肉系のモノ全般」を指しているようです。サハリンの方を稚内に迎えて、「焼き肉店に御案内」というような場面でも「シャシリク!」と言えば理解して頂けます。

その「シャシリクのシーズン」というのが「ШАШЛИЧНЫЙ СЕЗОН」(シャシリーチヌィー・セゾン)という意味らしいのですが?

↓結局、「こういうこと」をやるのに好適な時季が到来したという意味のようです。
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↑これは鍋の様な容器にタレとスペアリブを漬け込んでおいて、それを焼くというものでした。

↓こちらは持ち込んだ肉をその場で切り、豪快に焼いて、焼き上がったらまたそれを切り分けるということをしました。
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↑一口に「戸外で焼肉」と言っても、色々なやり方が在るようです。

サハリンでは「休日の娯楽」ということで、気の合った仲間で誘い合って、戸外に繰り出して焼肉をやるというのが「定番」であるようで、5月から9月位がサハリンでは「シーズン」と考えているようです。これには"個人差"や「年による天候の差異」も在って、多少の前後も見受けられるらしいですが。

稚内でも「夏の休日」と言えば、家の前やガレージというような戸外や戸外に準じるような場所で「ジンギスカン」というのが「定番」と言って差し支えない感じが在ります。実際、7月後半から8月位の時季に住宅街を通り抜けると、薄く炭火の煙が見えて、美味しそうな匂いが漂っている一画に出くわす場合が多々在ります。

例えばユジノサハリンスクの街中で、そういう雰囲気が在るのか否かは判りませんが、サハリンの人達は誘い合って郊外に出て、戸外で過ごしながら焼肉をやります。

↓広告看板が「シーズン到来」を謳いますが、こういう景色が好い場所の辺りでは、「既に色々な人達がやって来て、焼き肉をやった痕跡」(燃え残った木炭のカスや、やや残念ながらゴミが散らかっている場合も在ります。)が見受けられます。
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↑特段に「焼肉をやる場所」が指定されているのでもありません。何時の間にか人伝に"定番"な場所が形成されている様子です。

↓とりあえず肉を焼いたモノにケチャップのようなモノというのは、ロシアでは定番のようになっているようですが、有名なメーカーが旧ソ連諸国向けに広く売り出している製品にはわざわざ「シャシリク向け」と書いています。わざわざ書いてあることに少し驚きましたが、逆に言えば「求められている」ということでもあります。
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↑焼くための肉の他、その場で切って頂くパンや野菜も持参するのが普通なようです。

「シャシリクのシーズン」という広告を掲出しているチェーン店等、スーパーに立ち寄ると、肉や野菜やパンや調味料に留まらず、「戸外で焼肉」に使う炭や、炭火を扱う道具や、肉等を挟んで焼く網、戸外に持ち出して使用後に捨てる場合も在るカップや皿等、色々と「使うモノ」が売られています。広告看板には「ピクニックに要るモノは何でも在ります」というようなことも書かれています。

実は、この「ШАШЛИЧНЫЙ СЕЗОН」(シャシリーチヌィー・セゾン)の広告を筆者は何となく気に掛けてはいたのですが、別段にそういうことをする予定はありませんでした。が、お誘いを頂いたので訳も分らずに御一緒すると、川辺で焼肉が始まったというような次第でした。シーズン中、何度か機会は在るかもしれません。

「南北」に加えて「上下」に市街が拡がるホルムスク(2017年05月16日)

ユジノサハリンスクから北西方向に進み、ユジノサハリンスク市内のスキー場である<ゴールヌィー・ヴォーズドゥフ>の高台から「市街後背に連なる山地」というように見える辺りに入り、高台から日本海が見えるとホルムスクは直ぐです。2時間弱の行程で、道路状況によってはもっと早く到着します。

↓下り坂から市街に入っていくと、海岸部を南北に貫いて市街地が拡がっています。
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↑ホルムスクは樺太時代には「眞岡」(まおか)と呼ばれていて、西海岸の代表的な街でした。現在でも、サハリンではユジノサハリンスクが圧倒的に大きく、それに次ぐ街と言えばこのホルムスクか、またはコルサコフかという感じです。

↓海に突き出すようになった広めな場所が都市緑地として整備されており、その辺りで海辺に佇むと画のような光景に出会います。
「南北」に加えて「上下」に拡がる市街 (2).jpg
↑ホルムスクは丘陵の間に階段状に市街を拓いたという独特な構造を持っています。海岸部に家並が延びていて、上の方にも家並が並行して延びているように見えます。

「南北」に加えて「上下」に市街が拡がるというホルムスクは、少し不思議な場所です。複雑に上り下りしながら動き回る感じなので「あそこに見えているあの場所へ...」と思っても真っ直ぐに行けない場合が存外に多く在るのです。

こういうような複雑な地形の中に築かれた都市というものは、「写真写りが好い」場合が多いような気がするのですが、ホルムスクもそういう場所の一つに挙げて構わないかもしれないと思います。

博物館敷地の桜(2017年05月20日)

博物館の敷地は、著名な造園家が手掛けたという庭園も設えられ、他に色々な木が植えられていたり、屋外展示が置かれていて、見学者以外も立ち寄る「憩いの場」のようになっています。

↓ここにも桜が植えられていて、綺麗に咲いている様子を見ました。
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↑色々な条件で、花が綺麗に視られる期間が酷く短く思える場合も在るのですが、とりあえず「桜の花とこの建物」という光景は"期間限定"で楽しめるものです。

Биточки(ビトーチキ)=ロシア風ハンバーグ"ビトキー"?(2017年05月19日)

↓ランチに寄る店で登場したメインディッシュです。
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↑Биточки(ビトーチキ)と呼ばれているモノで、「定番付け合せ」のポテトのピューレと一緒に頂きました。

Биточки(ビトーチキ)とは余り聞き慣れないのですが、露和辞典で調べれば"ビトキー"という訳語が出て来ます。この"ビトキー"という語を、例えばインターネットのポータルで検索しようとすると、「"ビッキー"の間違いではないか?」と勝手に"ビッキー"なる商品名やら人名やらを示して来る場合も無いではありません。が、"ビトキー"は日本国内のロシア料理店の一部でメニュー名になっていて、「ロシア風ハンバーグ」と説明されているようです。

↓なるほど、ハンバーグのような感じなのですが、これは一味違います。
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↑「サケマス類」と謳っていましたが、何種類かの魚の身をミンチ状にしたモノを材料に、ハンバーグ風に丸く平板な形にしています。

通常、このБиточки(ビトーチキ)は肉類を材料とし、ミンチ状にした肉類で作りますが、魚の身のような他のモノでも作ります。「ミンチ状のモノを丸く平板な形に」ということでは、Котлета(カトリェータ)((注記))に似ています。しかし、「油を使って揚げるように焼く」ことが基本のКотлета(カトリェータ)((注記))に対して、Биточки(ビトーチキ)は「蒸し焼き」とか「蒸す」という調理を行う場合も多いそうです。

Биточки(ビトーチキ)と一口に言っても、様々な材料のモノ、様々な大きさのモノが在り、飲食店やスーパーの惣菜コーナーで色々なモノを視掛けます。

「サケマス類」の身を使っているという今般のБиточки(ビトーチキ)ですが、塩味が利いているでもない、アッサリした魚の身のミンチを使っているようでした。香草等の味が少し加わり、タルタルソースやドレッシングを思わせるソースを点けて頂く型でした。「或いは、北海道内でも何処かで新しい"創作料理"として挑戦?」というようにも思えました。存外に美味しいモノです。

(注記)以前にКотлета(カトリェータ)を紹介した記事です。
>>Котлета(カトリェータ)=カツレツ?(2017年05月02日)

石炭の積出し(2017年05月06日)

ネベリスクでトドが見える辺りを歩き回ると、当然ながら直ぐ近くということで、ネベリスク港の様子も見えます。

↓こういうような様子が視えます。
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↑埠頭の辺りに「黒い山」を形作っているのは石炭で、船に積み込む作業を行っているように見えました。

サハリン州政府が公表している2016年の資料では、サハリンの石炭産出は年間に489万トンに上り、その中の470万トン近くは輸出に振り向けられ、日本でも36万2千トン程輸入しているそうです。

このサハリンでの石炭産出の中、ネベリスク地区での産出は91万2千トンとのことです。ネベリスクの少し南側、ゴルノザヴォツクがネベリスク地区内の主要な産炭地です。ゴルノザヴォツクは、樺太時代には「内幌」と呼ばれていました。

ゴルノザヴォツクからネベリスクの港に運ばれた石炭が積み上げられ、これが何処かへ送り出すために着岸した船に積まれている様子が見えたという訳です。

ネベリスクは水産関係が地域をリードする産業だった経過が永いのですが、商取引額ベースで考えた場合、近年は石炭関係の存在感が増しているそうです。

Корюшка(コーリュシカ)=キュウリウオ(2017年05月18日)

料理が日替わりで、2種類か3種類から選ぶような方式でランチを供している事務所近所の店が気に入って、昼食を愉しみによく寄ります。

先客が多く、この日は「2種類から選ぶ」ということになっている片方だけが売り切れてしまったのか、「こちらは無い」という話しになりました。が、「では在る方で...」ということにしました。

↓そういう具合にして「何が出て来る?」と思いながら待っていると、魚が2尾出て来ました。
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↑サハリンではなかなかにポピュラーなキュウリウオでした。

このキュウリウオはКорюшка(コーリュシカ)と呼ばれ、馴染みが在るのは「ビールの肴」で人気の干したモノです。実を言えば、これまで口にしたことが在ったのは、その「干したモノ」だけでした。

「揚げる」というのか、「揚げるように焼く」というのか、何処となく"唐揚"的に仕上がった魚で、少しボリュームも在りました。アッサリしてフカフカの白身で、腹には卵も入っていて、何処となく「アッサリした"焼きタラコ"」を想起するような感じで、勢いよく平らげてしまいました。フォークを使って魚の頭から頂き、身を解し、尾に至るまで、極一部の少し硬く感じた背骨を残して綺麗に食べられました。

住んでいる以外の地域に滞在すると、こういう具合の、やや不慣れながら美味しい魚に出くわすことが在るものです。

朝の桜(2017年05月19日)

↓朝8時台、コムニスチ―チェスキー通とアムールスカヤ通が交差する辺りです。
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↑朝の美しい光線を受けて、花がかなり開いた大きな桜の木が立っています。「ユジノサハリンスクの朝8時」は「稚内または日本国内の朝6時」です。日本国内の皆さんは、お住まいの地域の午前6時台の光と比べて頂くと、ユジノサハリンスクの「輝く夏に向かって日が長くなっている昨今」の雰囲気を想像して頂き易いように思います。

ユジノサハリンスクの今日、5月19日の日出は5時49分だったということです。最近は5時台にはもう少し明るくなって来ていて、街灯等は何時の間にか消えています。そして、そういう時間帯の「肌寒さ」が和らぎ、早朝でも10°C前後という具合になりました。日照時間がかなり長くなり、気温も少し上がり、方々の桜が美しい状態になって来ています。

↓多少、時間にゆとりを持って歩き回り、こういう具合に桜が美しい場所では一寸足を停めて、美しい様子を見るというのが最近の小さな楽しみです。
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Хлеб Островной(フリェープ オストロヴノイ)(2017年05月17日)

「島のパン」と言われて、どんなモノを思い浮かべるでしょう?

↓「島のパン」と言ってみても、どうということもない「普通のパン」でした。
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スーパーに寄ると、大概は「パンのコーナー」が在ります。パンが好きな方は、そこを一寸眺めるだけで「幸せ!」と感じてしまうかもしれない程に、色々な種類のパンが在ります。毎日違うモノを求めても、全部を試食するまでに何日掛かるか判らない程に色々と在る店も見受けられます。

その「パンのコーナー」で、主食のように扱われる、日本の感覚で言う"食パン"のようなモノは「ラップに包まれている状態で、レジ用のバーコードを含む、品名や内容物等が書かれたシールが貼り付いている」という状態で棚に並んでいる場合が多く在ります。

今般、「島のパン」という商品名に妙に惹かれて入手したパンは、本来はもっと大き目なサイズのモノを半分にカットした状態で、ラップに包まれている状態でスーパーの棚に在りました。24ルーブルと格安でした。

或いは「島の」というのは「パン しろまるしろまる」という「個別商品名」的に使われているのかもしれません。

「島の」という一般的な形容詞でもある「オストロヴノイ」(Островной)ですが、サハリンでは少し独特な意味で用いられる場合が在ります。「オーストロフ」(島)という語句を「サハリンの代名詞」のように使っているのです。

ラジオを聴いていて、例えば「ヴォシムナッツァチ ノリ ノリ ナ オーストロヴェ」(18-00 на Острове)と聞こえることが在ります。"直訳"としては「島は18時です」と言っているのですが、"島"という語が「サハリンの代名詞」として使われていて、「サハリン時間18時です」と理解すべきなのです。

恐らく、巨大なユーラシア大陸の広大な部分を占めるロシアでは、サハリンのように「島である」ということ自体が「際立った地域の特色」であるために出て来たことなのでしょう。

↓「島のパン」でも「パン "オストロヴノイ"」でも構いませんが、ハッキリと白いパンでもなく、と言って黒パンでもないという感じの美味しいパンでした。
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2017年04月 2017年06月