<ヴォストーク65>:レギュラーシーズンを首位で終了!:バスケットボール<スーパーリーグ>(2019年03月17日)
ユジノサハリンスクを本拠地とし、ユニフォームに"САХАЛИН"(サハリン)という文字がフランチャイズ地域名として入る<ヴォストーク65>は、2018-19シーズン(=現在のシーズン)から<スーパーリーグ>に参加したバスケットボールチームです。
16チームが参加し、ホームで15試合、アウェイで15試合の30試合を戦うリーグ戦は10月に始まり、年を跨いで3月17日でレギュラーシーズンの最終戦ということになりました。(※(注記) 実際には、各チームは28試合または29試合をプレイしています。1チームが事情により途中離脱、解散となってしまったことから、当該チームは各チームとの試合に0対20で全敗したことになって、他チームは当該チームとの2試合を20対0で勝ったという形で処理されました。)
「新規参入」で「挑戦者」であった<ヴォストーク65>は、善戦を続けて勝ち星を重ね、首位に躍り出て、リーグ戦の後半では寧ろ「各チームの全力を賭けた挑戦を受ける」という側に廻った感でした。どういう競技のリーグ戦でも、「新規参入で優勝を争う」というのは「滅多に在るものでもない」という訳で、観ることにも次第に力が入って行きました。
1月末にユジノサハリンスクでの試合を観戦する機会が在った後、暫く観戦機会を設けられず、漸くこのレギュラーシーズン最終戦で観戦機会を設けることが叶いました。
最終戦を前に2試合戦った様子をこのブログでは取り上げ損なってしまっていました。
3月08日 レヴダ 〇<テンプ・スムースUGMK>78:71<ヴォストーク65>●くろまる
3月14日 ユジノサハリンスク 〇<ヴォストーク65>96:80<ツェスカ2>●くろまる
遠征の最終戦で敗れ、ホームに戻って勝ち、25勝4敗という成績になったのですが、この時点で「レギュラーシーズン首位」を確定しました。
そして3月17日に臨んだ最終戦ですが、相手は2位の<サマーラ>です。<サマーラ>とは首位の座を競り続け、彼の地での試合では72対73と「試合最終盤の1本のシュート」で辛くも勝ったという強敵です。とりあえずレギュラーシーズンの順位は確定しましたが、<ヴォストーク65>としてはプレイオフでの対決可能性も在る相手で、好い戦いをして勝っておきたい相手です。
<スーパーリーグ>の各チームでは、レギュラーシーズン最終盤に至っても選手の異動が見受けられますが、<ヴォストーク65>でも2人目の外国人選手の加入や、入れ替わりが幾分生じました。筆者としては、そうした選手達を初めて観ることにもなりました。
<ヴォストーク65>は#3 ミッチェル、#6 グドゥマーク、#11 アニシーモフ、#10 グラチョフというここまでに馴染みな選手達に加え、最近新たに加入の米国出身選手#18 モーゼス・イハンビという先発陣でした。この#18 イハンビですが、試合開始直前にコートに現れる時、客席に向かって両手を軽く上げるように拍手をして笑顔を見せました。「俺達、力一杯やるから、応援してね!」という感でした。何か、チーム加入から日が浅いものの既に"ムードメーカー"のような存在感を醸し出していて、溌溂としたプレイぶりが魅力的な選手でした。
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元気に試合に入ろうとした<ヴォストーク65>でしたが、第1クォータで先制点を挙げたのは<サマーラ>でした。<サマーラ>が得点を連続し、<ヴォストーク65>は「追う展開」となっていました。攻守に幅広い活躍を見せる#12 シャシコフの得点で8対8の同点としたのでしたが、<サマーラ>が先行する展開に直ぐに戻ってしまいました。何となくパスがカットされてボールを奪われてしまうような場面も眼に留まり、<ヴォストーク65>はやや苦しい戦いを続けます。第1クォータは16対26で<サマーラ>が先行です。
第2クォータは点差を詰めようとする<ヴォストーク65>が積極的な攻勢を見せました。18対28となった後、<ヴォストーク65>は一方的にドンドン得点し、場内が沸き上がりました。2分31秒で29対28と逆転しました。やがて「僅差の競り合い」が少し続きますが、34対34と同点になった後に<ヴォストーク65>の各選手の好プレーが出て「勢い!」が出て来ます。第2クォータは32対11と<ヴォストーク65>が<サマーラ>を圧倒してしまい、48対37と逆転し、第1クォータで奪われたリード以上の点差を掴み取ってしまいました。
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第3クォータに入っても、<ヴォストーク65>は第2クォータで掴んだ"流れ"を離しません。各選手の好プレーが観られ、<ヴォストーク65>各選手が生き生きと輝いて場内が沸き上がっていた訳ですが、第3クォータは24対8と<ヴォストーク65>が第2クォータ以上に<サマーラ>を圧倒してしまいました。72対45とリードが拡がりました。
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第4クォータでは<サマーラ>が反撃を試みますが、<ヴォストーク65>の側でも得点は上積みします。第4クォータそのものは<サマーラ>が12対25でリードしましたが、試合全体では84対70で<ヴォストーク65>の優位は揺るがず、そのまま勝利です。
<サマーラ>の2点シュート成功率は44.4%(20/45)、3点シュート成功率は21.1%(4/19)、フリースロー成功率は58.1%(18/31)でした。
<ヴォストーク65>の2点シュート成功率は59.5%(22/37)、3点シュート成功率は50.0%(8/16)、フリースロー成功率は72.7%(16/22)でした。
これは両者を比べると、殊に第2クォータや第3クォータで<ヴォストーク65>が手にしたボールを巧く動かして、思うように得点機会を創出出来た感であったのに対し、<サマーラ>は雑な攻め方を強いられてしまった場面が多かったのかもしれません。
リバウンドは両チーム共に30ですが、<サマーラ>は「ディフェンシヴ16+オフェンシヴ14」であるのに対して<ヴォストーク65>は「ディフェンシヴ27+オフェンシヴ3」というのが面白いかもしれません。<サマーラ>は掴んだシュート機会を、リバウンドも掴んで補うことをある程度巧くやったような反面、護る<ヴォストーク65>に随分とボールを奪われて、反転攻勢を許してしまっていたという図式になります。
スティールは<サマーラ>が10で<ヴォストーク65>が7、ターンオーバーを喫した回数は<サマーラ>が16で<ヴォストーク65>が20ですから、この辺は<サマーラ>が少し優位だったかもしれません。が、これは第1クォータでの差のように見受けられます。第1クォータでは「巧者な<サマーラ>にしてやられているじゃないか...」という雰囲気だったのです。
<ヴォストーク65>は30試合を終えて「26勝4敗」です。次は3月24日にユジノサハリンスクで開催されるプレイオフの試合に臨む予定です。が、ユジノサハリンスクは「最も東に在る試合開催地」なので、他の試合の結果を待たなければ最終的な順位やプレイオフの組み合わせ等は確定出来ません。チームの事務局では「3月19日に公式発表」としています。
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試合会場では毎回ダンスチームがタイムアウトになると登場しています。彼らのパフォーマンスも、昨年10月の開幕の頃に比べると、「練度が高まった」ということなのか動きがより鋭くなった感で、見栄えがより佳くなっていると思います。男女混成のチームでアクロバティックな動きも入るというのは、他チームでの類例も少なく、独特な存在感が在ります。
試合終了後、送迎バスで時々一緒になって言葉を交わす方と出くわし、一寸お話ししましたが、<ヴォストーク65>はホーム開催の試合に関して、2点差で惜敗した対<ウラル>戦以外に敗戦は無かった筈です。敗戦はアウェイでの3敗と、カップ戦のアウェイでの1敗ということになります。
何かロシアのバスケットボールファンの間で語り継がれる"伝説"が産まれる瞬間を見詰めているような気がします。そしてこのチームが、一定程度熱心に地域での活動も行っている訳です。
可能な限り、この<ヴォストーク65>のことはフォローしたい感です。
16チームが参加し、ホームで15試合、アウェイで15試合の30試合を戦うリーグ戦は10月に始まり、年を跨いで3月17日でレギュラーシーズンの最終戦ということになりました。(※(注記) 実際には、各チームは28試合または29試合をプレイしています。1チームが事情により途中離脱、解散となってしまったことから、当該チームは各チームとの試合に0対20で全敗したことになって、他チームは当該チームとの2試合を20対0で勝ったという形で処理されました。)
「新規参入」で「挑戦者」であった<ヴォストーク65>は、善戦を続けて勝ち星を重ね、首位に躍り出て、リーグ戦の後半では寧ろ「各チームの全力を賭けた挑戦を受ける」という側に廻った感でした。どういう競技のリーグ戦でも、「新規参入で優勝を争う」というのは「滅多に在るものでもない」という訳で、観ることにも次第に力が入って行きました。
1月末にユジノサハリンスクでの試合を観戦する機会が在った後、暫く観戦機会を設けられず、漸くこのレギュラーシーズン最終戦で観戦機会を設けることが叶いました。
最終戦を前に2試合戦った様子をこのブログでは取り上げ損なってしまっていました。
3月08日 レヴダ 〇<テンプ・スムースUGMK>78:71<ヴォストーク65>●くろまる
3月14日 ユジノサハリンスク 〇<ヴォストーク65>96:80<ツェスカ2>●くろまる
遠征の最終戦で敗れ、ホームに戻って勝ち、25勝4敗という成績になったのですが、この時点で「レギュラーシーズン首位」を確定しました。
そして3月17日に臨んだ最終戦ですが、相手は2位の<サマーラ>です。<サマーラ>とは首位の座を競り続け、彼の地での試合では72対73と「試合最終盤の1本のシュート」で辛くも勝ったという強敵です。とりあえずレギュラーシーズンの順位は確定しましたが、<ヴォストーク65>としてはプレイオフでの対決可能性も在る相手で、好い戦いをして勝っておきたい相手です。
<スーパーリーグ>の各チームでは、レギュラーシーズン最終盤に至っても選手の異動が見受けられますが、<ヴォストーク65>でも2人目の外国人選手の加入や、入れ替わりが幾分生じました。筆者としては、そうした選手達を初めて観ることにもなりました。
<ヴォストーク65>は#3 ミッチェル、#6 グドゥマーク、#11 アニシーモフ、#10 グラチョフというここまでに馴染みな選手達に加え、最近新たに加入の米国出身選手#18 モーゼス・イハンビという先発陣でした。この#18 イハンビですが、試合開始直前にコートに現れる時、客席に向かって両手を軽く上げるように拍手をして笑顔を見せました。「俺達、力一杯やるから、応援してね!」という感でした。何か、チーム加入から日が浅いものの既に"ムードメーカー"のような存在感を醸し出していて、溌溂としたプレイぶりが魅力的な選手でした。
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元気に試合に入ろうとした<ヴォストーク65>でしたが、第1クォータで先制点を挙げたのは<サマーラ>でした。<サマーラ>が得点を連続し、<ヴォストーク65>は「追う展開」となっていました。攻守に幅広い活躍を見せる#12 シャシコフの得点で8対8の同点としたのでしたが、<サマーラ>が先行する展開に直ぐに戻ってしまいました。何となくパスがカットされてボールを奪われてしまうような場面も眼に留まり、<ヴォストーク65>はやや苦しい戦いを続けます。第1クォータは16対26で<サマーラ>が先行です。
第2クォータは点差を詰めようとする<ヴォストーク65>が積極的な攻勢を見せました。18対28となった後、<ヴォストーク65>は一方的にドンドン得点し、場内が沸き上がりました。2分31秒で29対28と逆転しました。やがて「僅差の競り合い」が少し続きますが、34対34と同点になった後に<ヴォストーク65>の各選手の好プレーが出て「勢い!」が出て来ます。第2クォータは32対11と<ヴォストーク65>が<サマーラ>を圧倒してしまい、48対37と逆転し、第1クォータで奪われたリード以上の点差を掴み取ってしまいました。
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第3クォータに入っても、<ヴォストーク65>は第2クォータで掴んだ"流れ"を離しません。各選手の好プレーが観られ、<ヴォストーク65>各選手が生き生きと輝いて場内が沸き上がっていた訳ですが、第3クォータは24対8と<ヴォストーク65>が第2クォータ以上に<サマーラ>を圧倒してしまいました。72対45とリードが拡がりました。
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第4クォータでは<サマーラ>が反撃を試みますが、<ヴォストーク65>の側でも得点は上積みします。第4クォータそのものは<サマーラ>が12対25でリードしましたが、試合全体では84対70で<ヴォストーク65>の優位は揺るがず、そのまま勝利です。
<サマーラ>の2点シュート成功率は44.4%(20/45)、3点シュート成功率は21.1%(4/19)、フリースロー成功率は58.1%(18/31)でした。
<ヴォストーク65>の2点シュート成功率は59.5%(22/37)、3点シュート成功率は50.0%(8/16)、フリースロー成功率は72.7%(16/22)でした。
これは両者を比べると、殊に第2クォータや第3クォータで<ヴォストーク65>が手にしたボールを巧く動かして、思うように得点機会を創出出来た感であったのに対し、<サマーラ>は雑な攻め方を強いられてしまった場面が多かったのかもしれません。
リバウンドは両チーム共に30ですが、<サマーラ>は「ディフェンシヴ16+オフェンシヴ14」であるのに対して<ヴォストーク65>は「ディフェンシヴ27+オフェンシヴ3」というのが面白いかもしれません。<サマーラ>は掴んだシュート機会を、リバウンドも掴んで補うことをある程度巧くやったような反面、護る<ヴォストーク65>に随分とボールを奪われて、反転攻勢を許してしまっていたという図式になります。
スティールは<サマーラ>が10で<ヴォストーク65>が7、ターンオーバーを喫した回数は<サマーラ>が16で<ヴォストーク65>が20ですから、この辺は<サマーラ>が少し優位だったかもしれません。が、これは第1クォータでの差のように見受けられます。第1クォータでは「巧者な<サマーラ>にしてやられているじゃないか...」という雰囲気だったのです。
<ヴォストーク65>は30試合を終えて「26勝4敗」です。次は3月24日にユジノサハリンスクで開催されるプレイオフの試合に臨む予定です。が、ユジノサハリンスクは「最も東に在る試合開催地」なので、他の試合の結果を待たなければ最終的な順位やプレイオフの組み合わせ等は確定出来ません。チームの事務局では「3月19日に公式発表」としています。
17MAR2019 (4).JPG
試合会場では毎回ダンスチームがタイムアウトになると登場しています。彼らのパフォーマンスも、昨年10月の開幕の頃に比べると、「練度が高まった」ということなのか動きがより鋭くなった感で、見栄えがより佳くなっていると思います。男女混成のチームでアクロバティックな動きも入るというのは、他チームでの類例も少なく、独特な存在感が在ります。
試合終了後、送迎バスで時々一緒になって言葉を交わす方と出くわし、一寸お話ししましたが、<ヴォストーク65>はホーム開催の試合に関して、2点差で惜敗した対<ウラル>戦以外に敗戦は無かった筈です。敗戦はアウェイでの3敗と、カップ戦のアウェイでの1敗ということになります。
何かロシアのバスケットボールファンの間で語り継がれる"伝説"が産まれる瞬間を見詰めているような気がします。そしてこのチームが、一定程度熱心に地域での活動も行っている訳です。
可能な限り、この<ヴォストーク65>のことはフォローしたい感です。
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