『Весенний джаз』(ヴェシェンヌィー・ジャズ)=スプリング・ジャズ:<サハリンアートカレッジ>(2019年03月16日)

「Absolute Jazz」(アブソリュートジャズ)と称し、4人で演奏すれば"カルテット"を名乗り、5人になれば"クィンテット"を名乗る<AJQ>が登場する演奏会の情報が入って来ました。現在、彼らはギター、テナーサックス、ドラムス、ピアノ、ベースの編成で<アブソリュートジャズクィンテット>を名乗っています。

会場は<文化センター ローディナ>で、音楽関係の催しで何度か足を運んだ経過も在る場所です。

<AJQ>の登場するという催しですが、これは<サハリンアートカレッジ>による催しでした。

<サハリンアートカレッジ>の音楽関係の部門の一つに「ポピュラーミュージック」という部門が在るということですが、設立されて15年になるということで、「記念の催し」と位置付けられ、1月に校舎内を会場に催された演奏会に続いて、少し大きな会場で開催する運びとなった訳です。

↓1月の催しにも足を運んでいます。
『ЗИМНЫЙ ДЖАЗ』(ズィームヌィー・ジャズ)=ウィンター・ジャズ:<サハリンアートカレッジ>(2019年01月21日)

<文化センター ローディナ>のホールは概ね満員となり、2部構成の演奏会が賑やかに始まりました。

↓前半に<AJQ>が登場しました。
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彼らは所謂"フュージョン"というスタイルのジャズを演奏します。テナーサックス、ギター、ピアノ、時々ドラムスとソロパートがリレーされて紡がれる演奏で、正しく「ジャズの生演奏を聴いている!!」という感じです。聞き覚えが在るメロディーが入る、かなり有名な曲も取り上げているのですが、独自なアレンジで「オリジナル作品?!」というようにさえ聞こえる場面も在ります。

↓今回はゲストのシンガーとピアニストを迎えて、普段とは違う感じの作品も聴かせてくれました。
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↓後半は、<サハリンアートカレッジ>の学生やその他の関係者による、指揮者まで入る大編成のオーケストラで演奏し、ボーカルを務める学生達が次々と登場する非常に華やかなステージとなりました。
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↓女性ボーカリストが主流でしたが、何れも力溢れる熱唱でした。
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↓男性ボーカリストも登場しました。
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↓赤い衣装の女性がメインで、他の歌で登場した黒い衣装の2人がコーラスを務めるというのも在りました。
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↑歌が入る楽曲に関しては、日本国内ではテレビ番組でさえも視る機会が激減している「少し大きな編成のオーケストラが演奏している中でシンガーが華々しく歌を披露」という状況を想い起しました。

↓後半は、演奏のみの楽曲と歌が入る楽曲を概ね交互に披露していました。
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今回の催しですが「公立学校による文化発表催事で入場無料」ということでした。「こういう素晴らしいモノ」に入場無料で親しめるというのは本当に嬉しいことですが、「これだけのレベルのモノが"無料"で本当に善いのか?」と複雑な気分にさえなってしまいます。

ユジノサハリンスクに関しては、音楽を学ぼうとする人達、研鑽を重ねようとする人達が大勢在って、一定以上に豊かな音楽関係の活動が展開されているということが、こんな催し一つに足を運んでみるだけで判ります。

ユジノサハリンスクは100万人からの人口を擁するような大都市ということでもありません。20万人程度の規模の街です。古くから目指されていた「文化的豊かさ」というものが在り、"ポストソ連"の混乱の一時期に多少損なわれたことも在ったのかもしれませんが、現在では従前以上にその「文化的豊かさ」が街に滲むようになったのかもしれません。

<ルースキー・テーレム>:稚内市内の児童生徒などによるグループ<エンジェルボイス>と共演(2019年03月09日)

稚内で公演中の<ルースキー・テーレム>は、通常公演と内容を変えた公演も行いますが、3月9日の18時開始の公演では稚内市内の子ども達との共演という場面が在りました。

稚内で、市内の児童生徒を中心に、一部に保護者や大学生や若い有志が加わって、オリジナル作品のミュージカル公演の制作や合唱に取り組んでいる<エンジェルボイス>というグループが在ります。

稚内では<稚内副港市場>での公演を何年にも亘って続けていて、市内の様々な場所への訪問も行い、「御馴染みのサハリンからやって来ているミュージシャン」ということになる<ルースキー・テーレム>と同じステージに立つということで、30名程の皆さんが集まりました。

↓<ルースキー・テーレム>の皆さんの「日本語の歌」のレパートリーに在る『恋するフォーチュンクッキー』では、<エンジェルボイス>の子ども達が一緒に踊りました。
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日頃の成果を発表すべく登場した<エンジェルボイス>の皆さんでしたが、指導されている先生によれば「<ルースキー・テーレム>の皆さんの豊かな声量には驚かされた。リハーサルでは、1人のシンガーが"10人分"、"30人分"という力強い声だった」とされていました。そういう凄いメンバーと同じステージで歌ったというのは、<エンジェルボイス>の皆さんにとって好い経験になったことは間違いないでしょう。そして<ルースキー・テーレム>の皆さんの側でも、サハリンの街で見受けられるような児童生徒による合唱等の活動に携わる皆さんと稚内で出会ったことは嬉しい経験であったことでしょう。

↓何か「稚内のテーマソング」のようになっている『宗谷岬』をみんなで合唱しました。
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↑<ルースキー・テーレム>のステージで、シンガーの皆さんはマイクを使うのですが、今般は敢えてマイクを使っていません。<エンジェルボイス>の先制が指摘していたとおり、なかなかに豊かな声量のサハリンのシンガー達が稚内の児童生徒や関係者の皆さんとのハーモニーを奏でました。

こういうような、稚内で音楽関係の活動に取り組む皆さんと、サハリンからやって来た皆さんが同じステージで一緒に歌うようなことは素晴らしいことであると思います。

<ルースキー・テーレム>の公演に関しては、稚内の人達が、他の誰よりも楽しみにしているという感に見受けられます。始まった頃には「未だ先が長い...」と思うものですが、「残るは来週の4日間(火曜日が休演です。)」ということになって来ました。3月15日までです。

<女性の日>の<ルースキー・テーレム>(2019年03月08日)

<ルースキー・テーレム>の稚内での公演について、以前は例えば「2月1日から3月1日」というような形で行われていました。が、2017年から「2月15日から3月15日」という形で催行して現在に至っています。

<ルースキー・テーレム>が「3月15日まで稚内で活動」というようなことになった時、「そう言えば...<ひな祭り>や<女性の日>というような、"3月の催事"というような時季に彼らが公演を行うような感じ?」という話しになりました。

という訳で、彼らは『うれしいひな祭り』(「灯りを点けましょ、ぼんぼりに〜♪お花をあげましょ、桃の花〜♪」の、御馴染みな歌です。)を、稚内公演を中心に採り入れている「日本語の歌」のレパートリーに加えるようになり、更に<女性の日>に公演会場で細やかなお祝いをしようということになりました。

↓こういうモノを用意します。
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↑ロシアでは「〇〇の日」ということで、グリーティングカードを用意して贈物に添えることや、遠方の方に送るようなことが一定程度盛んに行われます。<女性の日>もそういう例に漏れないのですが、稚内で「<ルースキー・テーレム>の<女性の日>グリーティングカードを用意してみよう」ということになり、既に3回目となったカードです。

今年は、メンバーの皆さんが日本の着物を着てみた時の写真を使い、和風な柄を採り入れ、「<女性の日> 和風バージョン」というようなことにしました。このカードは、来場された皆さんに配布されます。

↓1日に2回の公演から、2回目の午後6時開始の公演に関して、「<女性の日>特別企画」として、選曲を大きく変えた公演を催しました。
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↑稚内公演を中心に彼らが取り上げている「日本語の歌」を主体に披露するという内容を工夫しました。

上述の『うれしいひな祭り』だけではなく、稚内では御馴染みの『宗谷岬』というレパートリーも在りますが、日本では古くから日本語歌詞を付けてロシアの歌が歌われている例も色々と在るので、そういう歌も幾つも披露されました。

↓そしてこれが見逃せません!"特別企画"限定でレオニード・ミロノフさんがギターを手に登場します。
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↑アンドレイ・メリニチェンコさんのバヤンやワレーリアさんのタンバリンを伴奏に、自らもギターを爪弾きながら、朗々たるバリトンで『青い山脈』を披露してくれました。

↓ロシアでの<女性の日>の例に倣い、連日の公演で活躍中の女性メンバーに花が贈られました。
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↑女性メンバーを代表し、イリーナさんが「多くの皆さんにとって幸多からんことを...翼が生えて自由に飛び回れてしまうかのような、朗らかで明るい気持ちで過ごすことが出来るように...」と一言御挨拶が在りました。

<女性の日>に関してですが、「日本に在ると、3月3日に<ひな祭り>で、3月8日が<女性の日>で、3月14日が<ホワイトデー>というようなことなので、"3日から14日まで"が"女性のための期間"という気がしないでもない」という冗談も耳にしました。

こうした企画を通じて、<ルースキー・テーレム>の皆さんは「多彩な表現」をステージで披露してくれます。公演は3月15日までです。

<稚内副港市場>以外の場所で...:<ルースキー・テーレム>の活躍(2019年03月04日)

ユジノサハリンスクから稚内へやって来た<ルースキー・テーレム>は、<稚内副港市場>を会場に連日公演中です。

↓その公演会場の<稚内副港市場>とは明らかに様子が違う場所に、リーダーのアンドレイ・メリニチェンコさんの姿が在りました。
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↑ステージ衣装ではない普段の服装のアンドレイ・メリニチェンコさんがバヤンを演奏中です。朗らかな表情で、愉しそうに演奏しています。

アンドレイ・メリニチェンコさんは、何台かのバヤンを愛用されているようですが、今般は最も新しい楽器を稚内に持ち込んで演奏されているようです。

↓実はこういう状況で演奏していたのでした。
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↑アンドレイ・メリニチェンコさんの右側がシンガーソングライターでフォークギターを演奏する松山隆宏さん、左側が様々な演奏活動を展開するベース奏者のタンク宮本さんです。

松山隆宏さんは、文字どおりに「全国各地」を巡ってライヴ活動を展開しているフォークシンガーで、ベース奏者のタンク宮本さんとのコンビでも方々に登場していて、稚内にもかなり永い期間に亘って何度もやって来ています。

既に7年程も経ったそうですが、松山隆宏さんは稚内で公演中であったアンドレイ・メリニチェンコさんや、グループに同行していて日本語も堪能なレオニード・ミロノフさんと知り合いました。以来、<ルースキー・テーレム>の稚内公演の時季に稚内で再会することを互いに愉しみにする「善き音楽仲間」となって行きました。

フォークギターとバヤン、加えてエレキベースの合奏で松山隆宏さんが歌い、タンク宮本さんのコーラスを入れるというスタイルを試行し、ライヴにアンドレイ・メリニチェンコさんが「友情出演」で、3人の見事なパフォーマンスを披露というのが"恒例化"しました。松山隆宏さんは、年間に100本前後にはなると見受けられますが、北海道から四国や九州まで、日本全国の方々で多数の公演を催していますが、「こういう演奏」が観られるのは「稚内だけ」です。

回を重ねる都度、アンドレイ・メリニチェンコさんが参加する演奏曲は少しずつ増え、昨日のライヴでは計6曲を演奏しました。何れも「バヤンによる見事なアレンジの伴奏」が加わり、松山隆宏さんが演奏を続けている各楽曲がより豊かな音となっています。

3人は互いに外国語が得意ということでもありません。が、「音楽」という「最高の共通語」が在って、友情を育んでいる訳です。

↓ライヴ終了後の笑顔です。
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稚内は、旅する人達が互いに出会い、友情を育んで行くような場所と言えるかもしれません。ユジノサハリンスクからやって来たアンドレイ・メリニチェンコさん、普段は東京都内にお住まいであるという松山隆宏さん、旭川市内にお住まいであるというタンク宮本さんという、音楽に携わる互いに遠くに居る3人を結びつけたのが稚内です。

因みに、3月5日の午後2時半から、JR稚内駅が入っている<キタカラ>で3人による演奏が催されます。

<ルースキー・テーレム>の稚内公演 開催中!!(2019年03月03日)

稚内で、ユジノサハリンスクからやって来て公演中の<ルースキー・テーレム>と再会を果たすことが叶いました。

↓司会で御馴染みのレオニード・ミロノフさんも元気で、冒頭に登場した辺りを見て嬉しくなってしまいました。
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↓午後5時の公演で、メンバーはこういう感じの衣装で登場します。
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↓午後6時の公演ではこういう感じです。
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↓2人の女性ダンサーによるパフォーマンスの中では、この「椅子取りゲーム?」というような動きのダンスが面白かったと思います。
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↓アンドレイ・メリニチェンコさんの独奏です。「イタリア製のロシア流な楽器を使って、フランスの曲を日本の稚内で演奏」とミロノフさんが紹介して場内の笑いを誘っていましたが、何時も見事な演奏です。
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↑ワレーリアさんがタンバリンでリズムを担当しています。

<ルースキー・テーレム>の公演は、火曜日の休演日を除く毎日、3月15日まで開催中です。40分前後の公演で、午後5時開始、午後6時開始の2回です。

<ルースキー・テーレム>が稚内に還って来た!(2019年02月15日)

「ユジノサハリンスクからやって来る稚内の人気者」という感の<ルースキー・テーレム>ですが、恒例化している<稚内副港市場>での公演が2月15日から始まりました。

稚内から会場の様子の写真が届きました。

↓既に稚内では御馴染の、4人の女性シンガーです。美しく力強い歌声を聴かせてくれます。
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↑左からイリーナさん、ワレーリアさん、ペラゲーアさん、リュドミーラさんです。バックでアコーディオンのようなロシアの楽器<バヤン>を演奏しているのが、リーダーのアンドレイ・メリニチェンコさんです。

↓2人の女性ダンサーも参加しています。左の赤い衣装がアリーナさんで、右の青い衣装がエカテリナさんです。
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↑女性シンガー達の中、ワレーリアさんはタンバリンを、ペラゲーアさんはバラライカを演奏します。ワレーリアさんのタンバリンに関しては、市内の小学生が「あのお姉さんのタンバリンが好い!!」と、親に御願いして似たようなモノを入手して、家で一生懸命にやっているという話しを聞いたことがありました。

↓公演終了後に、こういう具合に記念写真を撮影することも出来ます。
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↑後列の右端に、司会を担当するレオニード・ミロノフさんが写っています。コルサコフの学校で日本語講師を務めていた経過も在り、稚内とサハリンとの地域間交流で永く活躍されている方です。<ルースキー・テーレム>の公演の際にやって来て、公演の司会を務めています。

北海道へ発つ前、稚内市サハリン事務所の辺りでアンドレイ・メリニチェンコさんに出くわし、公演時のレパートリーの整理や渡航手続きを進めていると聞き、張り切っていた様子も視ていますから、こうして稚内に無事に着いて公演が始まったという話しが伝わるのは凄く嬉しいものです。

3月15日まで、毎週火曜日が休演ですが、毎日2回(午後5時開始・午後6時開始)の公演となります。

映画『レニングラードを救え』(СПАСТИ ЛЕНИНГРАД)(スパスチー レニングラード)(2019年02月03日)

居室のテレビで時々観ているチャンネルに、サンクトペテルブルグを本社としている局が在ります。その局では新旧のロシアのテレビドラマを放映していることが多いのですが、時々地域の催事に関連する特別番組を放送する旨の告知をしています。

そんな"告知"として、「レニングラード包囲戦終結の日を記念する催事に関連する番組」という紹介が在りました。"レニングラード"とはサンクトペテルブルグのソ連時代の呼称で、第2次大戦当時もレニングラードと呼ばれていました。

「レニングラード包囲戦」というのは、ロシアの記録では「1941年9月8日から19441月27日までの872日間」に繰り広げられた戦いを示します。大都市での戦闘が行われたことで、殊にソ連側の犠牲者が夥しいものになったとされる独ソ戦の中、「レニングラード包囲戦」は最も熾烈な戦いの一つです。

1941年にドイツ軍がソ連領内に侵入して独ソ戦が始まります。レニングラードを攻略、破壊してソ連を屈服させようという意図で進撃したドイツ軍は、バルト海沿岸を北上してソ連軍の防衛線を突破し、レニングラード周辺地域に至りました。ドイツ軍は、レニングラード都市圏での人やモノの出入りを完全に遮断し、「一冬もすれば干上がってしまう」という状態に陥れようとしました。所謂「兵糧攻め」ということです。そのために重砲による砲撃、空爆でのインフラや物資が集積されていた場所等の破壊を繰り返し、方々で激しい地上戦も展開しました。

そういう状況下、レニングラードは屈することなく抵抗を続け、飢餓や寒さでの犠牲も非常に多かった中、必死に食糧等を運び込み、ドイツ軍による包囲に穴を開け、終に撤退させることに成功しました。

その「レニングラード包囲戦」の終結記念催事の"告知"が気になっていた頃、「1月27日」をロシア全国での公開日ということにした映画の予告篇等が眼に留まるようになりました。

↓こちらが"予告篇"です。
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↑この予告篇を視るだけでも、戦時の出来事に着想を得た、大迫力の映像で史実に想いを巡らせる作品であることが推察出来るというものです。

この映画は、ユジノサハリンスクやホルムスクと言った「映画館の営業が見受けられる街」に留まらず、日曜日等を利用して各地の文化センターでも上映されたようです。関心が高い作品、或いは「あの戦いのことを伝える」ということで「観るべき作品」とされていると見受けられます。

映画の上映情報等が視られるウェブサイトで、入場券のネット販売をやっているウェブサイトへのリンクが在り、それを一寸視てみました。映画館のホールの見取り図が在って、座席の箇所の多くに「赤い丸印」が見受けられ「殆どの座席が埋まっている??」と驚きました。しかしそれは間違いで、「赤い丸印」は「丸印の席の券をお求め頂けます」という意味でした。十分に空席も在り、映画館の窓口で券を求めて鑑賞出来そうな状況と判りました。

大型商業施設の<シティーモール>館内に在るシネコンへ、日曜日の朝から足を運んでみました。

窓口でホールの見取り図が出て、空いている席を選んで券を求める仕組みです。既に券が売れている席は赤で、空いている席は水色で画面上に表示されるようになっていて、空席を示す水色の方が多く視える状況でした。「ここは?スクリーンの真中辺りで、周りに人が居ない"貸切"気分で観られそうな場所...」と席を選び、朝一番の上映で相対的に安価な260ルーブルの券を求めました。

↓映画の小さなチラシと、窓口で求めた入場券です。
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映画館での映画上映の雰囲気は、日本国内の映画館と然程大きく変わりません。コマーシャルや、これからの上映予定作品の予告篇等が映写され、そのうちに本篇が始まります。

本篇は、原題のサンクトペテルブルグのとあるアパートで、車椅子に乗った老婦人がテレビ取材を受けていて、昔の出来事を語る場面から始まります。そして想い出の古い腕時計を取り出します。

そんな場面の後に1941年9月の物語が始まります。

1941年9月、人やモノの往来を停めてしまおうとしているドイツ軍側に対し、ソ連軍やレニングラードの人達は船での輸送に望みを託しています。レニングラードを離れようとする兵士や民間人は、タグボートで曳航する輸送用の台船(バージ)に乗り込もうと集まります。若い兵士のコースチャは、交際していたナースチャを誘い、その台船(バージ)に乗り込むことにしました。

出発間際になり、コースチャと共に台船(バージ)に乗る筈だった陸軍の分隊は、近くで発生した戦闘に対応すべく、その場を離れることになります。コースチャはそれに従うつもりでしたが、輸送用台船(バージ)等を運用する海軍部隊の幹部である父に呼び出され、「お前は手段を選ばずに紛れ込んで脱出し、生き残るのだ...」と説得を受けます。そして海軍兵士の服装に着替えて紛れ込みました。

輸送用台船(バージ)が出航した頃、コースチャが居た分隊も参加した戦闘が始まります。陸軍の正規部隊の他、港や軍艦という持ち場を失った海軍の兵士達や、レニングラード地区の民間人までかき集めた状態で、必死にドイツ軍に抵抗します。

コースチャの分隊のリーダーであった古参兵は、必死に駆け回っていた自分の周辺の一群に、軍服ではない平服姿で年長の男性が居るのに気付いて訝しみます。「あんた...何者だ?」と問えば「生物学博士をやっています...」との答えです。この"生物学博士"が、ナースチャの父親で、秘密警察にマークされたような経過も在る知識人でした。成人の娘が在る訳で、50歳代に届こうかというような年齢ですが、銃を手に将兵達と共に行動する道を選んだのでした。

やがて俄かな荒天で、強い風浪に輸送用台船(バージ)は翻弄されてしまうのですが、その動きをドイツ軍側が察知します。そして2機の戦闘機が現れるのでした。

というように、レニングラード包囲戦が始まった頃の輸送用台船(バージ)の遭難という事件がリアルに、劇的に描かれるのがこの映画です。約1500人の人達が乗り込んだ輸送用台船(バージ)の運命や、レニングラード地区での激戦の映像は凄いものでした。殊にレニングラード地区での激戦は、銃弾が飛び交う中を両軍兵士が進むという状況に加え、「泥まみれの両軍兵士が終いに掴み合いをする」という凄まじい描写まで在りました。

多大な犠牲を払った先人達に捧げると同時に、大変であった状況を若い世代に伝えようというような強い意志も感じられる作品でした。

<サハリン日本映画祭 2019> (Фестиваль Японского Кино 2019) (2019年02月01日)

今年も、「サハリンの映画館で日本の映画を上映」という<日本映画祭>の時季が巡って来ました。

<サハリン日本映画祭 2019>は、在ユジノサハリンスク日本国総領事館が、日本文化を紹介する活動として、サハリン州政府文化・公文書省の協力を得て催しているものです。ユジノサハリンスクに日本国総領事館が開設された頃から続けている映画祭は17回目となりました。

↓今回の上映スケジュールです。

2月1日(金)
18:00 開会式
18:15 『サバイバルファミリー』(2017年,117分)(16歳以上)
20:20 『カメラを止めるな』(2017年,96分)(18歳以上)

2月2日(土)
11:00 『夜明け告げるルーのうた』(2017年,112分)(12歳以上)
13:20 『サバイバルファミリー』(2017年,117分)(16歳以上)
19:30 『カメラを止めるな』(2017年,96分)(18歳以上)

2月3日(日)
18:00 『曇天に笑う』(2018年,94分)(16歳以上)
20:00 『いぬやしき』(2018年,127分)(16歳以上)

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各上映作品に「X歳以上」と付されています。これは、ロシアでは映画館やテレビ等で流される映像コンテンツに関して、視聴に適した年齢を表示することになっていることを踏まえたものです。映画館で上映される映画でも、テレビドラマでも、更に言えば音楽のプロモーションビデオでも「12+」とか「16+」という、「XX+」で「XX歳以上」という意味の表示が、殆ど必ず脇の方に、或いはポスター等に表示されます。

開会式に足を運び、「何処かで予告篇を観た記憶が在るが...本編は観ていない?」ということであった『サバイバルファミリー』を鑑賞しました。

↓会場の映画館<オクチャブリ>のホールです。入場直後に雰囲気の判る画を撮っておきました。ホール内では日本のヒット曲をアレンジして琴で演奏しているという音楽がBGMに流れていました。
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この<日本映画祭>はなかなかに人気で、「上映前日の朝から映画館の窓口で整理券を配布」ということなのですが、「上映前日」に窓口へ立ち寄ってみれば行列が出来ていて、直ぐに「券の残りは然程多くない」という話しになるようです。

↓主催者で用意の開会式招待券に、映画館<オクチャブリ>で通常使われている入場券の体裁の整理券が付されています。<日本映画祭>の鑑賞希望者は、この整理券の方を窓口で頂く訳です。
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↓因みに、こちらは昨年の様子です。
>><サハリン日本映画祭 2018> (Фестиваль Японского Кино 2018) 開幕(2018年02月02日)

前年や前々年に制作され、一定程度話題になった作品が観られるという機会は、なかなかに興味深いもので、「映画」である以上、観る方各々で「好き?嫌い?」は当然在りますが、多くの人に好評を博している催事です。この機会で「未見だった日本の映画」に触れた他方、ユジノサハリンスク市内の映画館で最近のロシア映画を観る機会も在るのですが、逆に「日本でのロシアの映像作品紹介」というのも、もっと機会が増えると好いというように思いました。

<2019 ロシア劇場年間 『シアターマラソン』>とは?!(2019年01月23日)

ハバロフスクで演劇の活動を続けている<ハバロフスク地方ドラマ劇場>のグループがユジノサハリンスクに乗り込み、<チェーホフセンター>で公演を行うということで、その初日の演目であった『犬の心臓』を大変に興味深く観たところでした。

>>観劇:<ハバロフスク地方ドラマ劇場>のユジノサハリンスク公演から 『犬の心臓』(Собачье Сердце)(2019年01月23日)

同じ小説を原案とする劇が、偶々<チェーホフセンター>でも制作されていて、その公演を観ていたことから強い興味で劇場に入りました。券売窓口で「最後の1枚...」という話しだった、大きなホールの最後列の席の券を手に、ステージの赤系の幕が開くのを待っていました。

そして幕が開くと、ステージ全体を覆うよう真っ白なモノが在りました。スクリーンのようです。「こういう趣向なのか?!」と半ば身を乗り出すように視ていると、何やらロシアの地図の線画的なCGのようなモノが映写され始めました。

「どういうことだ?!何なんだ!?」と思っていると、<2019 ロシア劇場年間 『シアターマラソン』>というような意味の字幕です。そしてステージの脇に司会者が登場しました。

正直に申し上げて「余計なゴタゴタは全く要らない!!!劇を観に来たのだ!!速く見せろ!!」と内心で思わないでもなかったのですが、今般の「<ハバロフスク地方ドラマ劇場>のユジノサハリンスク公演」に関連する「少し興味深く、少々驚かされる」という事柄が紹介されました。

ロシアでは、文化振興策ということで、例えば「劇場年間」というように銘打って、各地で様々な催しを行うようなことが幾つかの分野で行われているようです。今年はその「年間」のテーマに「劇場」が選ばれた訳です。

「劇場」は「театр」(チャートル)と言いますが、これは「客席や舞台の在るホールを備えた"しろまるしろまる劇場"という建物」を指し示す語であると同時に、「劇、オペラ、バレエのような舞台で上演されるモノ全般」を示す語になっています。また"しろまるしろまる劇場"というように言うと、「建物のみではなく、演劇等の公演の制作上演を行うグループが活動している」というイメージになります。「演劇等の公演も可能な建物」というだけの存在であれば、それは例えば"文化センター"とか"しろまるしろまるホール"と呼ばれます。「劇場」、「театр」(チャートル)と言う場合は、色々な含意が感じられる訳です。

「劇場」、「театр」(チャートル)は「活動する人々の集まり」という側面も強く、そしてその活動はロシアに在っては、広大な国土の隅々に及んでいるのです。演劇だけでも、「古典」と言い得るモノから「新しい創作」という性質のモノまで、様々なモノが制作されて公演されています。現に、ユジノサハリンスクの<チェーホフセンター>も活動していれば、ハバロフスクの<ハバロフスク地方ドラマ劇場>も活動していて、彼らが制作した劇の公演を観ている訳です。

真っ白なスクリーンが在るステージに、サハリン州代表とハバロフスク地方代表が登場し、「劇場年間」ということになった2019年に催す取組である<2019 ロシア劇場年間 『シアターマラソン』>の紹介が、劇の上演に先駆けて行われました。

『シアターマラソン』?聞き慣れない表現です。

↓これがその『シアターマラソン』を紹介するリーフレットです。<チェーホフセンター>の館内で配布していました。
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↑「ウラジオストクからカリーニングラードへ 85の街」というキャッチフレーズが入っています。

↓こういう表を開くと、上のような内容が出て来ます。
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↑「劇場年間」のシンボルマークとして、半円形の「劇場の客席」をイメージした図案が使われています。

これはどういうことでしょうか?「ウラジオストクからカリーニングラードへ」と言うだけで「広大なロシアの東端から西端へ」というイメージになると思われます。

これはウラジオストクで『シアターマラソン』を開幕し、ウラジオストクの劇場のグループがハバロフスクへ赴いて公演を催します。次はハバロフスクの劇場がユジノサハリンスクへ赴いて公演します。その次はユジノサハリンスクの劇場がペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ赴いて公演します。こういう要領で、「出向いての公演」をリレーするというのが『シアターマラソン』です。

1月18日にウラジオストクで開幕した『シアターマラソン』ですが、ハバロフスク、ユジノサハリンスクと少しだけ進みました。以降、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ向かって「極東連邦管区」の各連邦構成体の街を巡り、「シベリア連邦管区」、「ウラル連邦管区」、「沿ヴォルガ連邦管区」、「中央連邦管区」、「南連邦管区」、「北コーカサス連邦管区」、「北西連邦管区」とロシア全土をくまなく巡り、11月15日のカリーニングラードが"ゴール"なのです。

「ウラジオストクからカリーニングラードへ」の長い道程で「公演のリレー」が行われるのが、連邦構成体の数である85((注記))なのです。

約11ヶ月間もの長丁場で85都市で「公演のリレー」というのは壮大な話しです。他方、これを聞いて驚いたのは、この取組が実施される以上「国の隅々まで、各連邦構成体の主要な街で、須らく"劇場活動"が見受けられる」ということで、寧ろそのことに関して少し驚かされました。

1月23日の劇の上演に先駆けて、ステージ上ではハバロフスク地方代表から「リレーのバトン」に相当する<2019 ロシア劇場年間>の記念品がサハリン州代表に手渡されました。恐らく、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーでは、サハリン州代表が記念品をカムチャッカ地方代表に渡すことになるのでしょう。

こういうような取組で、国全体の文化活動の活性化を目指しているようで、<2019 ロシア劇場年間 『シアターマラソン』>についてはロシア連邦文化省と各連邦構成体の行政府が支援しているようです。

ロシアに関しては「舞台芸術の国」というイメージも或る程度強いとは思われますが、こういうような振興策が進められているのです。

(注記) ロシアの連邦構成体の数に関して、ロシアでは「85」としています。が、諸外国ではクリミアの2つの構成体に関して「認められない」という立場で「83」としています。

観劇:<ハバロフスク地方ドラマ劇場>のユジノサハリンスク公演から 『犬の心臓』(Собачье Сердце)(2019年01月23日)

演劇等の公演が催される劇場では、その劇場を拠点に活動するグループによる公演の他に、他地域の劇場で活動するグループ等が訪れての公演が催される場合も在ります。ユジノサハリンスクの<チェーホフセンター>でも、そうした例は見受けられます。

↓劇場での公演に関しては、古くからこういうような「今月の演目」というようなモノが掲出されています。
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↑これを視る他、古くはその種の情報を多々掲載した新聞のようなモノが見受けられましたが、最近はネットに情報が多々出されています。

興味が沸く公演が在れば、チケットを入手する訳です。最近はネットでの販売も見受けられますが、昔ながらの「劇場等の窓口」もポピュラーです。

<チェーホフセンター>の事務局は、一般的なオフィスのように午前9時から午後6時で、午後1時から午後2時が昼休みです。窓口は午後2時から午後3時を昼休みにしていて、午前10時頃から開けているようです。公演の日には、開演前まで開けているように見受けられますが、その日の券は「完売」ということも多々在ります。

今シーズン、幾つか興味が沸いた演目が在って窓口を訪ねてみたのですが「完売」という例が続きました。今般、大変に興味が沸いた演目が在り、窓口に立寄って尋ねてみると「1枚?それなら最後の1枚が...」と券が在ったので入手しました。

興味が沸いた演目というのは『犬の心臓』(Собачье Сердце)です。ハバロフスクの<ハバロフスク地方ドラマ劇場>がやって来て、3日間で3本の演目の公演を行うということで、その1本だというのです。

↓実は昨シーズンから<チェーホフセンター>でも『犬の心臓』(Собачье Сердце)を公演しています。これは既に観ています。なかなか好評で、演劇界でも高い評価を得ているようです。
>>観劇:<チェーホフセンター>の新作劇『犬の心臓』(Собачье Сердце)(2018年03月30日)

同じ題の演目、換言すると同じ原案を用いた劇であっても、公演を行う劇場が変われば様子は変わるものです。異なる演者が異なる演出で舞台に登場するのですから。

筆者自身が実際に観て知っている範囲では、少し古い見聞ということになってはしまいますが、チェーホフの戯曲である『ワーニャ伯父さん』(Дядя Ваня)に関して、モスクワの色々な劇場で催された公演を観ていますが、それらは悉く違う雰囲気でした。劇中人物が話す言葉、演者が発する台詞が同じであっても「大きく様子が違う」のです。或る劇場では「動揺して怯えながら発せられた」という台詞が、別な劇場では「怒りを噛みしめて、強めに淡々と発せられていた」というような例さえ在りました。こういうことになれば「同じ場面」のイメージが大きく変わる訳です。

と、「そのまま書かれている台詞を演者が発する」という「戯曲」でも、異なる劇場で異なる感じの劇が登場する訳ですが、『犬の心臓』(Собачье Сердце)となれば、そういう違い、今般の場合は「ユジノサハリンスク版」と「ハバロフスク版」は非常に大きく異なる筈です。何故なら、『犬の心臓』(Собачье Сердце)の原案は、ブルガーコフの「小説」なのです。「そのまま」でストレートに劇を創るのではなく、「小説」に依拠しながら「脚本を創る」ということもして、舞台での色々なことを演出するのです。各々の劇場で、「同じ題名の全く異なる作品」と「ならざるを得ない」のです。同じ戯曲という以上に興味深いことです。

↓<ハバロフスク地方ドラマ劇場>では、今般のユジノサハリンスク公演のリーフレットを用意していました。<チェーホフセンター>の館内で頂くことが出来ました。
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<ハバロフスク地方ドラマ劇場>は1946年からハバロフスクで演劇の活動を続けています。今般は近年好評を博している演目、今シーズンから登場の演目の3本でユジノサハリンスク公演に臨んでいるということでした。<チェーホフセンター>の『犬の心臓』(Собачье Сердце)は昨シーズン登場ですが、<ハバロフスク地方ドラマ劇場>の『犬の心臓』(Собачье Сердце)も昨シーズン登場で、こちらも演劇界で高い評価を得ています。

↓これがハバロフスクから届いて50ルーブルで販売されたプログラムと、手元に残った入場券の半券です。入場券は350ルーブルでした。
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プログラムを視て一寸驚きました。「"シャリコフ"の配役に2名?!」と判りました。

『犬の心臓』(Собачье Сердце)という物語は、1920年代のモスクワを舞台としていますが、SF的な要素が入った一寸独特なものです。

「名も無き野良犬」が"教授"に拾われ"シャリク"と名付けられます。"教授"は研究のための実験で犬に手術を施して"改造"しました。その結果、犬は人間のようになって言葉を話して2本の足で歩き回るようになり、服を着て靴も履くようになります。そして人間の姓名を欲しがって"シャリコフ"と名乗ります。この"シャリコフ"という、「元は文字どおりの野良犬」という男(?)が絡まる騒動という訳です。

<ハバロフスク地方ドラマ劇場>による『犬の心臓』(Собачье Сердце)は、1時間40分程度で幕間を挟まない形での公演でした。「名も無き野良犬」が"教授"に拾われ、"改造"が在って「人間のようになってしまう」という、小説で綴られている経過が限られた時間の中で丁寧に語られたというような感でした。

「"シャリコフ"の配役に2名?!」と驚いたのですが、2人が同時にステージに登場しました。1人は男性で、もう1人は女性でした。男性は"身体"を、女性は"心"を演じていたという感です。多分、あの男性は台詞を発していません。全て女性の側の"シャリコフ"が発していました。これは、かなり驚いた見せ方でした。

全般に、ミュージカル調のような箇所や舞踏劇のような箇所等も在って、「現代的なスタイル」に纏め上げていたように見えました。エレキベースのようでしたが、ステージの隅で随時演奏し、時にはコーラスも在りました。

大変な興味を覚えて、運好く券が手に入って―本当に「完売」になったホールは満員でしたが、開演前に劇場の入口で「どなたか余っている券は在りませんか?!」と呼び掛けているような方も視掛けました。―観ることが叶った公演でした。「ユジノサハリンスク版」と「ハバロフスク版」は、同じ小説を原案とする劇ですが、本当に全然違う個性を放つモノになっていました。

広大なロシアの方々で、こういう「新しい劇」が毎シーズンのように創られているということですが、なかなかに凄いエネルギーが国中に渦巻いているということになります。なかなかに興味深いことです。

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