『Весенний джаз』(ヴェシェンヌィー・ジャズ)=スプリング・ジャズ:<サハリンアートカレッジ>(2019年03月16日)

「Absolute Jazz」(アブソリュートジャズ)と称し、4人で演奏すれば"カルテット"を名乗り、5人になれば"クィンテット"を名乗る<AJQ>が登場する演奏会の情報が入って来ました。現在、彼らはギター、テナーサックス、ドラムス、ピアノ、ベースの編成で<アブソリュートジャズクィンテット>を名乗っています。

会場は<文化センター ローディナ>で、音楽関係の催しで何度か足を運んだ経過も在る場所です。

<AJQ>の登場するという催しですが、これは<サハリンアートカレッジ>による催しでした。

<サハリンアートカレッジ>の音楽関係の部門の一つに「ポピュラーミュージック」という部門が在るということですが、設立されて15年になるということで、「記念の催し」と位置付けられ、1月に校舎内を会場に催された演奏会に続いて、少し大きな会場で開催する運びとなった訳です。

↓1月の催しにも足を運んでいます。
『ЗИМНЫЙ ДЖАЗ』(ズィームヌィー・ジャズ)=ウィンター・ジャズ:<サハリンアートカレッジ>(2019年01月21日)

<文化センター ローディナ>のホールは概ね満員となり、2部構成の演奏会が賑やかに始まりました。

↓前半に<AJQ>が登場しました。
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彼らは所謂"フュージョン"というスタイルのジャズを演奏します。テナーサックス、ギター、ピアノ、時々ドラムスとソロパートがリレーされて紡がれる演奏で、正しく「ジャズの生演奏を聴いている!!」という感じです。聞き覚えが在るメロディーが入る、かなり有名な曲も取り上げているのですが、独自なアレンジで「オリジナル作品?!」というようにさえ聞こえる場面も在ります。

↓今回はゲストのシンガーとピアニストを迎えて、普段とは違う感じの作品も聴かせてくれました。
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↓後半は、<サハリンアートカレッジ>の学生やその他の関係者による、指揮者まで入る大編成のオーケストラで演奏し、ボーカルを務める学生達が次々と登場する非常に華やかなステージとなりました。
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↓女性ボーカリストが主流でしたが、何れも力溢れる熱唱でした。
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↓男性ボーカリストも登場しました。
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↓赤い衣装の女性がメインで、他の歌で登場した黒い衣装の2人がコーラスを務めるというのも在りました。
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↑歌が入る楽曲に関しては、日本国内ではテレビ番組でさえも視る機会が激減している「少し大きな編成のオーケストラが演奏している中でシンガーが華々しく歌を披露」という状況を想い起しました。

↓後半は、演奏のみの楽曲と歌が入る楽曲を概ね交互に披露していました。
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今回の催しですが「公立学校による文化発表催事で入場無料」ということでした。「こういう素晴らしいモノ」に入場無料で親しめるというのは本当に嬉しいことですが、「これだけのレベルのモノが"無料"で本当に善いのか?」と複雑な気分にさえなってしまいます。

ユジノサハリンスクに関しては、音楽を学ぼうとする人達、研鑽を重ねようとする人達が大勢在って、一定以上に豊かな音楽関係の活動が展開されているということが、こんな催し一つに足を運んでみるだけで判ります。

ユジノサハリンスクは100万人からの人口を擁するような大都市ということでもありません。20万人程度の規模の街です。古くから目指されていた「文化的豊かさ」というものが在り、"ポストソ連"の混乱の一時期に多少損なわれたことも在ったのかもしれませんが、現在では従前以上にその「文化的豊かさ」が街に滲むようになったのかもしれません。

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