2018年は「冬季五輪の年」ということでしたが、方々で冬季五輪が催される時、開催地毎に人気競技が多少違うにしても、大概「真っ先にチケットが売り切れる」のはフィギュアスケートであると聞いたことが在ります。外で観戦する競技ではなく、普通に屋内のアリーナで席に着いて観戦する競技の方が人気が高いのは何処でも一定程度共通するようですが、そういう中でもフィギュアスケートは「冬季競技の華」という存在感が在ります。
「冬季競技の華」という感のフィギュアスケートですが、ロシアは「伝統的に多くのメダリストを輩出」という感で、「なかなかに盛ん」というイメージが在ります。ユジノサハリンスクでも市内にアイスアリーナが在って、<アジアリーグアイスホッケー>の試合が催される他方に少年チームや愛好者チームの活動が見受けられるのですが、「フィギュアスケートの活動」というモノも耳にします。実際、華やかにショーアップされる<アジアリーグアイスホッケー>の試合開始前に「国旗を手にした少女がリンクを滑走」というような演出が在るのですが、その役目を担っているのが、フィギュアスケートの活動をしている少女達だと聞いたことが在ります。
そんなことを思い出していたのですが、ユジノサハリンスクで<フィギュアスケート選手権>という、6歳から16歳までの選手が出場するフィギュアスケートの大会が催されています。日曜日の午後からスタートで、出掛け易い時間帯なので、会場となった<クリスタル>に足を運んでみました。
<クリスタル>は<アジアリーグアイスホッケー>の試合や、少年アイスホッケーの大会を観に出掛けたことが何度も在る場所です。
↓アイスホッケーの場合は、得点を挙げた選手の紹介が出るような、或いは広告が流れている場所に<フィギュアスケート選手権>の看板が大きく掲出されています。
APR22 フィギュア (1).JPG 「6歳から16歳までの選手が出場するフィギュアスケートの大会」ということですが、概ね生年毎にグループ分けが為されていて、各グループは8人から9人の出場者が入っています。8人から9人のグループに関して、前半の4人から5人、後半の4人から5人という具合にリンクに出て、1人ずつ順番に滑走、演技を行うようになります。
↓「次の出番」ということになる4人から5人がリンクに現れ、ウォーミングアップを行います。
APR22 フィギュア (2).JPG ↑各々に身体を動かし、「間も無く練習時間が終了です」、「練習時間終了です」とアナウンスが入り、各出場者はアイスホッケーの試合で各チームのベンチになる場所に設けられた待機場所に入ります。
出場者が待機場所に入り、滑走、演技を行う出場者一人だけがリンクに出ます。そして「
○しろまる○しろまる・
△しろさんかく△しろさんかく...ユジノサハリンスク」という具合に出場選手がコールされ、用意の音楽が鳴って、滑走、演技が行われます。
出場者の御家族等が主体だと見受けられますが、客席は半分弱が埋まっていました。そして「...ユジノサハリンスク」というようにコールされる、地元選手の場合は「家の
○しろまる○しろまるちゃん!」と御家族が応援に来ている様子が伺え、少し大きな拍手が聞こえます。この場面で驚くのは、ユジノサハリンスクだけではなく、アルチョムやウラジオストク等の沿海地方や、ハバロフスクというような、遠くからの出場者も在ったということです。
↓足を運んで観戦していた時は、11歳位のグループ、10歳位のグループということで、「各出場者間の技術の差、パワーの差が存外に大きいのか?」と思いながら視ていました。が、他方で「なかなか様になっている!」と驚く出場者も見受けられました。
APR22 フィギュア (3).JPG ↑特にアナウンスも無く、また測っていた訳でもないのですが、1人あたりの滑走、演技時間は概ね2分以内かそれより短いように見受けられました。優雅に滑走、演技をしているように見えるフィギュアスケートですが、かなり体力が要るものでもあります。
滑走、演技の際に使われていた音楽ですが、聞き覚えの在るクラシック作品の他、「何処の音楽?」という感じのジャズボーカルのようなモノも在って、少し面白いと思いました。こういうのは、本人の好みやコーチの薦めや、色々な事で決めるものなのであろうと想像していました。
次々と出場者がリンクに出て滑走、演技をしていましたが、場内では出番を待っている多くの出場者の様子が見受けられました。観ていた11歳、10歳のグループよりも年下と見受けられる、髪を綺麗に結って化粧をした女の子達が大勢居ました。リンクと控室との通路に相当するような場所や、客席を出た辺りのホール等で、身体を動かしてリンクでの動きをチェックするようなことをしている子ども達も多く見受けられました。
些か驚いたのは、「何となく思った以上に、出場者が多い」ということです。「6歳から16歳までの選手」というので年代が少し広く、更にユジノサハリンスク等のサハリン以外の沿海地方やハバロフスク地方の出場者が加わってはいるものの、「100人前後?それ以上?」というエントリーが在りそうです。大会も4月22日に開会し、最終日が4月25日とやや長い日程です。
こういう辺りに、「伝統的に多くのメダリストを輩出」という感である「ロシアのフィギュアスケートの広い裾野」というようなことを思いました。場内で視掛けた出場者と見受けられる子ども達は、圧倒的多数が女の子でしたが。
もしかすると、この<クリスタル>での大会に参加していた中から、「近未来の有名選手」が出て来るかもしれません。