<ASIA KID HOCKEY CUP>=ユジノサハリンスクで開催された少年アイスホッケーの国際大会(2017年05月05日)

「少年アイスホッケーの国際大会が開催中!」と耳にしました。

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<ASIA KID HOCKEY CUP>(アジア・キッド・ホッケー・カップ)と名付けられた、初めて開催される大会で、ロシア(ユジノサハリンスクの3チーム、ウラジオストク、ウスリースク)、中国、韓国、日本(さいたま市と苫小牧市の2チーム)の「4ヵ国9チーム」が出場という大会です。試合は<アリーナ・シティー>、<クリスタル>とアイスホッケーの試合が開催可能な2会場を用い、5月1日から5月5日の期間で熱戦が繰り広げられました。

この大会の最終日、何となく華やぐ閉会式が在ると聞き、閉会式の催される<クリスタル>に立ち寄ってみました。

<クリスタル>は「日本のアイスホッケーのトップリーグ」ということにもなる<アジアリーグ>に参加している<サハリン>の本拠地でもあります。

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(<クリスタル>場内に在るアジアリーグ参加各チームの旗)

稚内市サハリン事務所やユジノサハリンスク市行政府の本庁舎が在るような地区から<クリスタル>を訪ねるのであれば、市街を南東側に進む幾つかの運行系統のバスで「ГТС(ゲーテ―エス)」というバス停を目指します。近くに10階建のビルと3階建のショッピングセンターが組み合わさった<スタリッツァ>という施設が在り、目印になります。バスに乗車する際、「市内エリア一律料金=20ルーブル」を運転手さんに支払いますが、その場面で「ゲーテ―エス??」と尋ねて確かめると、運転手さんは大概「ダー!」と言いながら頷いてくれますし、到着時に「ゲーテ―エス!」と「さっき訊いた人?着きましたよ!」という感じで合図してくれる場合も在ります。

<ASIA KID HOCKEY CUP>(アジア・キッド・ホッケー・カップ)の試合は、2会場5日間で36試合にも及び、最終日の閉会式直前にも<クリスタル>で若干の試合が開催されていました。ユジノサハリンスクのチームが登場する試合では、選手の家族達が観客席に陣取って熱心な声援を贈っていました。そして、日本のチームが登場した場面で「がんばれ!しっかり!」と日本語も聞こえていましたから、選手達の家族または地元の関係者がサハリンまで帯同していたのでしょう。

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<ASIA KID HOCKEY CUP>(アジア・キッド・ホッケー・カップ)に出場した9チームですが、基本的には小学校高学年位から中学生位のチームでした。が、各々のチーム間に若干の年代差は在ったようです。そのために「スピードに乗った年上の相手チーム選手に、一回りも体格が小さく見える選手達が、文字どおりに必死で追いすがる」ような場面や、「地力に勝る年上の相手が得点を重ねて、守備が半ば自壊?」と見えてしまう場面等も在りました。

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方々のチームが在ると、例えば「ピリオドの間に監督が選手達に指示を出す」ような場面で、「ベンチに選手達を座らせて、監督が話している」というチームも在れば、「リンク側に選手達が半円状に集まり、ベンチ側に達監督が話している」というチームも在り、何やら面白いと思いながら様子を見ました。

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閉会式間際で、出番が終わった選手達が観客席辺りに座っていました。そういう中、互いに言葉は通じていないのでしょうが、ロシア人の選手達が日本人の選手達に近付いて行って、何やらジャンケンのようなことをして遊んでいる場面が見受けられました。少年達の国際試合らしい雰囲気です。

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閉会式は<クリスタル>で活動していると見受けられる、フィギュアスケートの少女達による演技で幕を開け、地元のユジノサハリンスクから出場のチームから選ばれた少年達が4ヵ国の国旗を持って現れるという具合に始まりました。

来賓を代表し、サハリン州政府のスポーツ・青少年政策担当省からアントン・ザイツェフ大臣が挨拶に立ち「新しく始まった大会で、初めて出場したということで、集まった選手の皆さんは歴史を創った。こういう大会がサハリンの好い伝統になって行くことを願っている。そして選手の皆さんの競技活動での、或いはほかの分野も含めた益々の御活躍を御祈念申し上げる。皆さん、大会に参加して頂き、素晴らしい試合を繰り広げてくださり、ありがとう!」とお話ししていました。

そして優秀選手賞の授与や、最も年少ながら奮戦したチームとそのチームの最年少選手への敢闘賞的な表彰が在り、各チームへの記念品のケーキが配られて順位発表と表彰です。

第3位はウスーリスクからやって来た<ティーグル>(タイガース)です。シベリアの大森林の猛獣、シベリアン・タイガーをイメージしたチーム名なのでしょう。豊かな森林を思わせる緑のユニフォームでした。

第2位はユジノサハリンスクの<アクーラ>(シャークス)です。このクラブのトップチームは、23歳以下を参加要件とする「若手選手によるリーグ」である<МХЛ>(エムハーエル)に参加していることで知られています。 <МХЛ>(エムハーエル)はロシア全土と一部の欧州諸国のチームが参加しています。このチームは<アリーナシティー>を本拠地としています。

第1位はユジノサハリンスクの<クリスタル>です。<クリスタル>で活動する少年チームで、<アジアリーグ>に参加している<サハリン>のビジターユニフォームとそっくりな、水色にサハリン州のエンブレムが描かれたユニフォームでした。

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表彰を受けた上位チームは、何れもロシアのチームでした。彼らはザイツェフ大臣や、優秀選手表彰のプレゼンターとして登場した<サハリン>の選手達と記念撮影をしていました。

アイスホッケーは、ロシアが「自信を持っている」分野でもある訳ですが、それでもそのロシアに在ってサハリンはスポーツ施設が一定程度充実し、こういうような少し規模が大きな競技会も積極的に開催出来るようになって来ました。そして近年のサハリン州では「スポーツ活動を活かした地域づくり」という意識が非常に高くなっているというようにも見えます。

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午後9時のパベーダ通(2017年05月03日)

稚内へ来た経過の在る方が、仲間内での話しで「得意なネタ」にしている話題が在ります。「驚くべき"ワッカナイ"」というお話しです。

「稚内という街を訪ねて、何日間か滞在したんだ。何が驚いたかって?午後9時...否、9時前には通から人間が消えてしまうんだ。嘘じゃない!」というお話しで、聞いている仲間達は大ウケです。

こういうお話しをする方さえ在るユジノサハリンスクの午後9時頃はどういう様子でしょうか?

↓こういう感じです。午後9時頃ですが、車輛の通行もそれなりに在り、通行人も未だ見受けられます。
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↑場所は、街の東寄りの丘陵の麓から、街の西寄りへ延びているパベーダ通です。

"パベーダ"は「勝利」という意味で、独ソ戦に因んで旧ソ連各地で街の中の地名等に多く用いられている語です。そういう名を冠した通なので、「5月9日」を意識した電飾も見受けられます。

5月5日のデータですが、ユジノサハリンスクの日出は6時8分、日没は20時44分とのことです。太陽が出ている時間は14時間36分ということになります。

この時季の午後9時頃というのは、「完全に日が落ちた直ぐ後で、「夜らしさ」が少し強まるような頃という感じです。

住宅地の拡がり(2017年04月29日)

ユジノサハリンスクの街は、嘗ての豊原を基礎としています。が、豊原の時代に何となく賑わっていた範囲を超えてソ連時代に市街が発展し、更にロシア時代、殊に2000年代半ば以降にそういう「拡がり」が拡大していて、そんな傾向は現在でも一部続いているように見えます。

↓画は、大型商業施設<シティーモール>の直ぐ傍です。
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↑<シティーモール>の大きな敷地は、ユジノサハリンスク都心を南北に貫いているレーニン通の延長線上と、ミール通の延長線上とに挟まれた辺りで、ユジノサハリンスク空港へ向かう途中の、市街の南寄りに相当します。

この「市街の南寄り」というのは、2000年代半ば以降に市街の「拡がり」のようなものが強く感じられた場所です。新しい住宅が次々に出来ていて、大きな<シティーモール>の本館が登場し、やがて別館も出来て、アイスアリーナも在る大型催事会場の<アリーナ・シティー>も出来ました。

この<シティーモール>が見える、ミール通の延長線上に沿った敷地に画のような集合住宅が建設中です。分譲方式なのか、賃貸なのか、何かの掲示物が見えるのでもないので判然とはしません。左側は外装を仕上げながら内装に着手するような感じに見えます。右側は未だ「窓」が嵌っていない感じです。

サハリンでは「州の全般的人口」は減少が続く他方、ユジノサハリンスクと隣接するアニワは若干の増加傾向が視られるそうです。或いは、こういうような住宅建設の状況が、そうした状況の証左なのかもしれません。

「メイド・イン・サハリン」のキムチ(2017年05月04日)

ユジノサハリンスクは、少し寒い感じになってから温かい感じへ移る間隔が短い感じがしますし、「一日の中での温度差」も稚内に比べると大きな感じがします。午後から夕刻に温かめな感じになり、「一寸ビールを...序でに肴になりそうな何かを...」とスーパーに寄り道をしました。

↓こういうモノを売っていたので、思わず入手してしまいました。
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↑スーパーのチェーンの、何となく「二大勢力の一方」のように見える方と繋がりが強いと見受けられ、色々な加工食品を出している企業グループのマークが蓋に貼り付いています。これはキムチです。

サハリンの地元企業グループのロゴマークの縁に、「独自製法(自社)製造」と受け止められる文言も見受けられます。これは「メイド・イン・サハリン」のキムチです。

↓中身はこういう具合でした。白菜が使われています。白菜を意味する「カプースタ・ペキンスカヤ」((注記)直訳すると北京のキャベツ)という語が、容器の脇のシールに材料として刷り込まれていました。何処からやって来た白菜なのかは記載がありませんでしたが。
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↑容器を開けた時の香りも、稚内のスーパーで買い込んだ日本国内製、韓国製のキムチと何等変わらない感じです。

筆者は特段にキムチに造詣が深い訳でも、特別な思い入れや拘りが在るのでもなく、普通に食事の際に、或いはビールの肴に頂くというだけですが、「普段頂くモノと何等変わりが無い」感じで、「あっ!キムチ...」という"らしい"味がします。

これは中身が400g入りということで、190ルーブルでした。10日の消費期限が設定されているようです。今回は「程よく辛く、ビールが進む」と半分程度頂き、残りもゆっくり頂くことにします。

スーパーのチェーンと繋がりが強いと見受けられる企業グループのマークですが、オードブル、パンや菓子、ハムやソーセージ、惣菜関係と色々視掛けます。キムチまでやっているというのは、昨日偶々知ったような感じです。

サハリンは「朝鮮半島に根を有する人達」も在る地域で、古くからキムチのようなモノが造られたり、販売されていた経過も在るものと見受けられます。そうした状況を踏まえて、加工食品を手掛けるグループでも製造ラインを確保して「独自製法(自社)製造」で商品を出しているのでしょう。こういうのは「ロシア国内」という観点では、サハリンに「少し独特」なのかもしれません。

他方、筆者は「良さそうだと思えば、ロシア国内では変わったモノの範疇になりそうなモノでも製造して販売する、大変に意欲の高い地元の加工食品会社が在る」ということに少し驚きました。或いは「材料をサハリンへ売り込む」ということと同時に「在る材料をこういうように加工出来る」を巧く紹介するというようなことが、面白いのかもしれません。