都市間バス:ユジノサハリンスク → ネベリスク → ユジノサハリンスク

↓どう見ても、「スーパーで飲物でも買い求めた時にもらう、そのうち何処かにやってしまうレシート」のようにしか見えないモノなのですが、これは「都市間バスの乗車券」です。
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↑「ユジノサハリンスク・ネベリスク間」には「518」という路線番号が冠せられています。

5月6日の休日の早朝、「好くない?」という話しだった予報の割には「悪くない?」と見えた天候だったので、何処かへ出掛けてみようと思い立ちました。話しには聞く「ネベリスクのトド」をゆっくり眺めたことが無かったことを思い出し、「駆け足でネベリスクを往復」と思い立ったのです。

↓運行情報を視ると、ユジノサハリンスク・ネベリスク間は、毎日6往復の運行です。例えば「朝8時にユジノサハリンスクを発ち、午後3時にネベリスクを発つ」ということなら、然程草臥れるでもなく"小旅行"気分が楽しめると考えました。
>>Расписание междугородных автобусов

ユジノサハリンスクと方々の街との間では都市間バスが盛んに運行されています。例えばユジノサハリンスク・コルサコフ間のように、一部が「ユジノサハリンスクの市内線」にもなっていて、朝から夜まで15分から20分間隔で数十往復も運行している路線であれば「乗務員に直接運賃を支払う」ことになっていますが、ユジノサハリンスク・ネベリスクのような運行頻度で一定の運行時間を要する路線は鉄道駅近隣の窓口で乗車券を求めることになっています。

朝、КАССА(カッサ)と呼ばれる窓口へ出向き、「朝8時にユジノサハリンスクを発ち、午後3時にネベリスクを発つ」というようなことをする往復の乗車券を求めようとしましたが、要領を得ませんでした。そういう販売形式は無いようです。飽くまでも「ユジノサハリンスク→ネベリスク」の乗車券しか求めることが出来ません。券は1枚300ルーブルでした。

「そのうち何処かにやってしまうレシート」のようにしか見えない乗車券を大切に持って、近隣で少々時間を潰しながら待っていると、発車の15分位前にバスが乗場に登場しました。

↓40人程度が乗車可能な大型車です。
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乗車券には、"席番号"がとりあえず書いてあります。前の方の「No01」から順番に発券しているようです。乗車時に乗務員(=運転手)が券を改め、予定の乗客が来ているか否かを確かめていました。バス車内の後尾側は空席である場合が多めなようで、「何となく混んでいる...」とさり気なく後尾側に陣取っても、特段に咎められませんでした。

ユジノサハリンスク・ネベリスク間は何度となく往復している経験が在るのですが、「なかなか竣工しない道路整備...」という区間が在って「一寸大変な行程」というイメージが拭い切れませんでした。しかし、現在ではそれは正しくありません。右側通行で北海道内とは勝手が異なるものの、走行時の感じとしては北海道内と大差が無いような、山間を縫って日本海側に至る道路の舗装整備が完成しています。

ユジノサハリンスクの鉄道駅辺りを発車したバスは、駅の脇の線路沿いの道路を北上し、"豊原"の時代には「南1丁目」と「北1丁目」の基点になっていたサハリンスカヤ通に出て左折します。このサハリンスカヤ通が日本海側へ延びる街道に通じていて、途中から北寄りなホルムスクへ向かう道路と、南寄りなネベリスクへ向かう道路とに分かれるのです。

バスに乗車して「日本海側へ向かうコースに乗った...」と思って、何時の間にか居眠りをしてしまいましたが、変な揺れで目を覚ますようなこともなく、気付くと大きな坂道を上って下りるような場所を走っていて、ネベリスクの街へ連なる平坦な場所に出ていました。

サハリンでは道路沿いに"しろまるしろまる市"とか"しろまるしろまる町"というような各地域に入ったことを示す、大きな文字の標識が在ります。その一つである<г.Невельск>(ネベリスク市)という看板が見える辺りまで、ユジノサハリンスクの鉄道駅辺りから「1時間半」を少し切りました。そしてネベリスク市内をゆっくりと動き、地区行政府庁舎の若干北に在る「起点/終点」の停留所に着くまで15分前後でした。ユジノサハリンスク・ネベリスク間は、交通量が少な目な休日朝ではありますが、大型の路線バスでも2時間を切りました。

↓今度は、ネベリスクからユジノサハリンスクへ引き揚げるバスの券を、ネベリスクの「起点/終点」の停留所近くに在るКАССА(カッサ)と呼ばれる窓口で求めました。料金は往路と同じ300ルーブルでした。
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↑こちらの方が、型が細長い感じで、同じ「レシート風」でも「少しだけ乗車券"らしい"?」ように思えました。書式が完全に異なり、ネベリスク、ユジノサハリンスクの両窓口間で「連携」が無いことが伺えます。

ネベリスクでは、市内を気侭に動いて念願のトドも眺め、新しい教会、博物館、ネヴェリスコイ提督の大きな像を観たのでしたが、適当にランチを摂って一息入れていた間に雨が交じり始めました。

↓雨の中、ユジノサハリンスクへ向かう真っ赤なバスが登場しました。
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↑朝の往路よりも込み合っていました。

実は博物館で、館の方に「ネヴェリスコイ提督の大きな像」の場所をお尋ねして、「バスに間に合うかな?」と時計を見たところ「3時のバス?全然大丈夫ですよ。直ぐですから...」と館の方は仰ったのでした。「ユジノサハリンスクへ向かう午後3時の...」と、ネベリスクの皆さんの認知度が高めなのなもしれません。

この真っ赤なバスも順調に、雨が交じる中をユジノサハリンスクへ向かいました。この復路でも「気持ち好く走っている...」と思い始めた辺りで居眠りに及んでしまい、気付けばユジノサハリンスク市内のサハリンスカヤ通に繋がるような辺りでした。

サハリンスカヤ通の鉄道駅に寄った辺りは「何時も込み合っている」というイメージも在る道路です。休日の夕方のややは止めな時間帯だったのですが、道路は少し込み合っていて、「何やら停車...」が少し気になる感じでの進行になりました。そういう状態でしたが、ユジノサハリンスクの鉄道駅の前に到着した時、時計を見れば出発から未だ2時間経っていませんでした。

↓朝に乗車した紫のバスと真っ赤なバスが並んでユジノサハリンスクの鉄道駅前に停車しました。
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↑紫のバスには、朝の往路で視掛けた乗務員(=運転手)が見えました。2往復か、1往復半か、その程度の乗務なのでしょうか?または運用する車輛毎に"担当"の乗務員が決まっているのかもしれません。

ネベリスクでは、道路整備の完成を受けて「地域への来訪者の増加」に期待しているようですが、最近の道路の様子であれば「かなり手軽」に小旅行を楽しめるような感じです。