<横尾歌舞伎>のサハリン公演:『ロシアにおける日本年』の催事(2018年11月11日)

↓ユジノサハリンスクの街の南東側、商業施設であり、オフィスビルでもある<スタリッツァ>に日本語の文字も入った看板が掲出されました。
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↑看板が掲出されている側が地下1階、地上3階に様々なテナントが入っている商業施設で、奥の硝子張りの建物はオフィスビルで、一部に飲食店も入っています。硝子張りの横に、主なテナントの看板も掲出されています。このビルの3階に<カンファレンスホール>という場所が在り、数百人規模の会合やコンサート等に利用されています。

↓この<スタリッツァ>の<カンファレンスホール>で、『ロシアにおける日本年』の催しである<横尾歌舞伎>のサハリン公演が行われました。
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<横尾歌舞伎>というのは、静岡県浜松市の引佐横尾(いなさよこお)地区に受け継がれている伝統芸能です。

歌舞伎は江戸時代を通じて幅広く親しまれるようになって行った演劇です。江戸、大坂、京というような大都市に常設の芝居小屋が設けられて賑わい、発展を続けた他、地方巡業を行う一座も多く見受けられ、全国各地に広まりました。そして各地で「自分達でやってみよう」という動きも起こり、土地の祭りで神社に奉納する芸能のようになる等して永く受け継がれました。横尾の歌舞伎も、そうやって普及して受け継がれるようになったモノの一つで、既に二百数十年の伝統が在るといいます。

引佐横尾地区は概ね200世帯程度の地区ということですが、<横尾歌舞伎>の公演には「殆ど全ての世帯の人々」というような、小学生からお年寄りまでの百数十名が関わっており、演者、音楽、大道具や小道具、衣装、着付けやメイクアップ、その他何でも必要なことを行っているといいます。

その引佐横尾地区の<横尾歌舞伎>に携わる皆さんがサハリンへやって来て公演を行うことになりました。在ユジノサハリンスク日本国総領事館の尽力で様々な準備が進められ、公演本番を迎えています。

↓会場の<カンファレンスホール>に着いてみると、未だ客席が埋まる前でした。少し面白い様子なので、1枚写真を撮っておきました。公演開始直前には、数百席が殆ど埋まりました。
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↑「あっ!歌舞伎...」という独特な色彩の幕が舞台に据えられていました。

芝居そのものの開演に先駆けて、こういうモノを全く初めて視るサハリンの皆さんに向けて、歌舞伎を観る場合に見受けられる"投げ花"や"大向こう"というような、小銭を紙で包んだモノを投げることや掛け声をかけるというような慣習も含めた「歌舞伎ワンポイント講座」のような内容が入りました。

そしていよいよ公演です。

演目は『菅原伝授手習鑑』の第三段からというモノでした。

『菅原伝授手習鑑』は、平安時代の菅原道真の失脚事件を中心に、道真の周囲の人々の生き様を描くという物語です。

上演された第三段の主要な役は、松王丸、梅王丸、桜丸の三兄弟です。三兄弟は各々に貴人に仕えていましたが、梅王丸や桜丸の主人達は失脚の憂き目を見てしまい、二人は浪々の身です。神社の近くで二人が出くわした時、大袈裟な行列が現れ、聞けば二人の主人達を失脚に追い込んだ張本人の時平(しへい)の行列だといいます。二人は行列の襲撃を企てます。が、そこに立ちはだかるのが二人の兄で、時平に仕える松王丸だったのです。

上演中、脇のスクリーンに台詞の概要が「ロシア語字幕」で示されて内容が伝えられていました。が、近くの席の人達の様子を何気なく視ると、独特な所作を見せる、サハリンの皆さんには「不思議?」に視えるかもしれない衣装の演者達をじっと見入っているような人も多かったように見受けられました。そして、三味線や拍子木の音と共に、独特な抑揚で為されるナレーションも、不思議な音楽のようで聴き入ってしまいます。

↓松王丸、梅王丸、桜丸、時平と4人の主要キャストが配布されたリーフレットにも紹介されていました。
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芝居の後は、司会者が関係者に「これはどういうことなの?」と質問をして、それに答えるというトークセッションでした。

"花道"を意識して、一般的に演劇では演者が立たない位置で演じていたこと。舞台上に居るのに「居ないことになっている」という"黒子"のこと。「黒」、「柿色」、「萌葱」の3色を使う定式幕(じょうしきまく)のこと。赤は正義、青は悪、茶色は幽霊や妖怪ということになっているメイクのこと。そういうような、「日本の人でも知らない場合が在る?」ようなことがトークを通じて紹介されました。

また<横尾歌舞伎>の舞台に立った演者の皆さんは、普段は普通の仕事をしている市井の普通な人々なのですが、松王丸、梅王丸、桜丸の三兄弟を演じた皆さんも、各々にコンピュータ関係、地元の浜松市役所、自動車会社と普通に仕事をされていることが紹介されました。

伝統芸が市井の普通の人々によって永く受け継がれているという事例が在って、それがサハリンの皆さんに紹介されました。サハリンに居て様々な活動に携わる日本の関係者も、筆者自身も含めて来場していましたが、こういうものは日本国内に在っても頻繁に観られるでもない訳で、貴重な機会となりました。

ロシアも演劇文化が盛んと言える国で、ユジノサハリンスクでも舞台を観るのが好きな方は多いようです。そういう皆さんに、地域の人達が支える伝統的な舞台というモノは、強い余韻を残してくれたようです。

8戦目で6勝!!善戦継続中!!:<ヴォストーク65>:バスケットボール<スーパーリーグ>(2018年11月10日)

バスケットボールの<スーパーリーグ>の熱戦が続いています。

↓ロシアバスケットボール連盟では、<スーパーリーグ>の「好プレートップ10:10月後半」(ТОП-10 моментов Суперлиги-1 / Октябрь / Выпуск No2)というモノを発表しています。
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↑「第10位...第9位...」と10の好プレーを紹介するビデオです。ロシア語のナレーションが入りますが「スポーツの好プレイ紹介」というビデオは、何故か何処の国の言葉で作っても「似たような話し口調?」と、少々笑ってしまいます。

このビデオに<ヴォストーク65>の選手達のプレーが取り上げられています。

#27 ダニール・アクショーノフの絶妙なパスを受けて#21 二コラ・エフィチチがシュートを決めた様子が第10位です。第9位には#41 ダニール・ソロヴィヨフがブロックして弾いたボールを手にした#63 アレクセイ・ゴリャホフが、前半終了のブザーが鳴る瞬間に3点シュートを入れてしまった場面です。

数々の素晴らしいプレイが収められている映像ですが、多少気になることが在りました。一部の会場に関して「やや空席が多くないか?」という場所が見受けられました。

ユジノサハリンスクの<ヴォストーク65>の試合会場に関しては、空席は然程目立ちません。会場は1200名前後を収容すると聞きますが、ここまで開催された試合での空席は何時も少なめです。<ヴォストーク65>は今季からリーグに参戦した新興チームですが、早くも「ビジターチームがやり悪いと感じる場合さえある程度に熱い」という状況になっているのかもしれません。

11月10日は、観戦し易いという人達が多いと見受けられる土曜日で、他の日の試合以上に会場が賑わいました。筆者自身も、「休日にスポーツ観戦というのは実に素晴らしい!!」と会場に足を運んでみました。

迎えた対戦チームは<ウニヴェルシチェート・ユグラ>で、スルグートという街からやって来ました。

スルグートは西部シベリアのハントゥイマンシ自治管区に在る街です。ハントゥイマンシ自治管区の辺りの旧い呼称がユグラというそうです。1960年代のチュメニ油田の開発に伴い、石油関係の産業が立地している地域だといいます。スルグートは30万人程の人口を擁する街です。

<ウニヴェルシチェート・ユグラ>というチームは1974年に起こった<ストライーチェリ>というチームに起源を有します。ソ連国内のリーグで永く活動を続け、ロシア連邦体制になって以降も活動が続きます。1993年に至ってチーム名を<ウニヴェルシチェート>に改称しました。ロシアのリーグ戦が色々と変遷していた中でも<ウニヴェルシチェート>は活動を続けていましたが、2005年に至ってハントゥイマンシ自治管区政府の支援を受けることとなったことから、地域の古称である"ユグラ"をチーム名に入れて<ウニヴェルシチェート・ユグラ>と改称しました。

こうした「古豪」という趣の<ウニヴェルシチェート・ユグラ>ですが、今季は前節までの7戦で3勝4敗でした。5勝2敗だった<ヴォストーク65>が少しだけ先行している感ではあります。

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試合開始前、場内のスクリーンには11月7日の試合で勇戦する<ヴォストーク65>の様子が映し出され、ダンスチームの華やかなパフォーマンスが入り、両チームの選手紹介が始まりました。

<ウニヴェルシチェート・ユグラ>の12名の選手の氏名と背番号がコールされ、「我らが<ヴォストーク65>!!」となるのですが、この場面で「あれ??」と思いました。場内のスクリーンに背番号、名前と選手の姿が大きく映し出されながらの紹介が恒例なのですが、「画が一瞬映って、名前が呼ばれない」という選手が見受けられました。<ヴォストーク65>は2名が欠場で10名です。後から聞けば、高熱で寝込んでしまったそうですが、早く元気になって欲しいものです。

試合が始まりました。<ヴォストーク65>は出番の多目な中軸選手が病欠ですから、他の試合では出番が少な目だった若い選手がコートに立つ機会が増えています。ファンとしては「こういう機会に好プレイを見せてアピールし、ドンドン活躍の場を拡げて...」と応援したいような状況ではあるかもしれませんが、コート上では「多少勝手が...」と多少の戸惑いが交じりながらのプレイとなる場合も在るでしょう。

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試合の出足は、「互いの様子を探りながら」という風な攻守が繰り広げられますが、<ヴォストーク65>の側に「やや硬い?」という感も在り、外れたシュートのリバウンドを守備側選手が掴んで反転攻勢を仕掛け、そこでのシュートも守備側選手がリバウンドを掴むというような、なかなか得点が伸びない感じが少し続いた感でした。が、次第に調子に乗り切れない<ヴォストーク65>の隙を突くように<ウニヴェルシチェート・ユグラ>が得点を多少伸ばし始めます。それでも<ヴォストーク65>は「離されないように...」と追い縋っています。第1クォータは16対18で<ウニヴェルシチェート・ユグラ>が僅かに先行でした。試合終了時点でもない限り、「2点差」というような差は然程問題でもありません。

第2クォータも一進一退で、互いに「離されないように...」という感でしたが、<ヴォストーク65>の各選手に見事なプレイが散見するようになりました。絶妙な3点シュートや、華やかなダンクシュートが飛び出し、各選手が元気になって来ました。<ウニヴェルシチェート・ユグラ>側はタイムアウトで流れを変えようとすることや、選手交代を繰り返しましたが、<ヴォストーク65>は"流れ"を掴んでしまって果敢に仕掛け続けました。第2クォータは25対17と<ヴォストーク65>が少し抜け出し、41対35で折り返しです。

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「41対35」という前半であれば、後半の逆転は幾らでも在る点差です。"勝負"が賭けられた後半に突入です。

後半の第3クォータが始まりますが、<ヴォストーク65>の側は第2クォータで得た勢いを些かも損なわず、ドンドン得点を伸ばしました。他方で<ウニヴェルシチェート・ユグラ>は反撃の機会を造り損なっていた感でした。第3クォータは29対19となり、累計で70対54と前半からの点差が少し拡がってしまいました。

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第4クォータに入ると、<ヴォストーク65>の側は「勝ち」が視えて来た感な中、連続得点を許さない態勢を取ろうとし、<ウニヴェルシチェート・ユグラ>の側は追い縋って点差を詰めようとします。が、<ウニヴェルシチェート・ユグラ>の思惑は奏功せず、第4クォータそのものは22対22で、試合は92対76で<ヴォストーク65>の勝利です。

8試合目を終えた時点で<ヴォストーク65>は6勝2敗、<ウニヴェルシチェート・ユグラ>は3勝5敗です。

リーグ戦の様子を視れば、「7勝1敗」が2チームで、「6勝2敗」が2チームです。<ヴォストーク65>は目下16チーム中の4位です。以下、「5勝3敗」が2チーム、「4勝4敗」が2チームです。

次第に街の寒さは増す中ですが、バスケットボールの<スーパーリーグ>も熱さを増して行くようです。

やや「遅れている?」雪...:雨のレーニン広場(2018年11月09日)

朝の気温が「0°C以下」というのも珍しくない具合になって来ています。

こういうようになると、「そのうちに雪...」と思うのですが、低温の日は好天傾向で、雪にはなかなか見舞われません。

↓金曜日の夕刻、こういう按配になりました。
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↑昼頃から雨が交じるようになり、路面が濡れ、前日には「何故か点かない?」という状況だった広場の街灯が灯り、光やレーニン像等の構造物が路面に映り込んでいます。

雨の様子を眺め、「気温が低めな時間帯の降水なら雪になる...」と考えましたが、雨交じりな状況になって気温は多少上昇して「プラス8°C」というような次元が続いています。多少「寒々しい」ことは否めないものの、未だ"雨"で、"雪"ではありません。

↓何処となく「前年と勝手が違う?」という気がしていたのですが、前年の同日(=2017年11月9日)には雪が降り積もっていました。
>>雪が本格化へ?(2017年11月09日)

前年との比較で「雪がやや遅れている?」という感ではありますが、それでも冬用の温かいアンダーウェア等を引っ張り出してみたり、店で視掛けた使い易そうな手袋を求めてみたりと、「冬が近付く」とか「冬を迎えている」という"気分"に大きな差は在りません。

灯りが点かない?!:レーニン広場(2018年11月08日)

このところ「早朝は0°C以下(=氷点下)」という気温が"定着"した感で、薄暗い朝に戸外へ出る場面では「妙な凍結箇所が?」と少し注意するので、変に気が張ります。対して日中にはプラス6°Cやプラス8°Cという具合で、好天であれば陽射しが心地好い場合さえ在ります。そして日が傾き、沈んで行くような頃に至っても、未だ然程気温は下がりません。そんな「気温が下がり切らない」という感じで好天の夕刻は、「妙な凍結箇所が?」という懸念も無用で、何か安堵感のようなモノを抱きながらゆったりと辺りを動き回ることが出来ます。

好天傾向が続いていて、ゆったりと辺りを歩くことも出来るような雰囲気な夕刻、ユジノサハリンスク市行政府本庁舎前に差し掛かりました。

↓大きなレーニン像が在る広場は、レーニン像の背中側が西寄りで、夕刻に眺めると美しい場合が多く在ります。そして空の様子は毎日変わる訳で、何度視ても愉しいものです。
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↑この日も、西日の光線で空の一部が染まり、なかなかに好い感じに視えました。

「無事に一日が過ぎたことに感謝」というような気分にもなって、好い具合に配置されているベンチに陣取って一息入れながら、景色を眺めました。

↓低い空の夕焼けを、高い空からのナイトブルーが段々と呑込むという具合に、空模様が「夜らしさ」を順次加えて行く感です。
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こういう様子に少し見入っていましたが、程無く「小さな違和感?」を覚えました。

↓「何時も」のこの場所は、下記記事で御紹介したような様子なのですが、「一寸?違う??」という様子なのです。
>>早まる"点灯"...:レーニン広場(2018年10月28日)

レーニン像の脇の側に、ランプが3つ組み合わさった街灯が並んでいて、通常は道路の街灯と同時にそれらが点灯します。が、この日は道路の街灯が点き、道路の街灯の灯りの光に広場の構造物が半ば浮かび上がるかのようになった後も、レーニン像脇の街灯が点かないのです。

何かアナウンスが在ったというのでもないと思いますが、恐らく広場の電気関係の工事でも行っているのでしょう。何か不思議な感じがしました。

「何時ものように」という中で、日々の様子の変化を視るのが面白い訳ですが、時には「何時もと一寸違う?」というのも発生します。

熱戦!「2点差」...惜敗...:<ヴォストーク65>:バスケットボール<スーパーリーグ>(2018年11月07日)

↓何時の間にか、サハリンのニュース情報サイトに、バスケットボール<スーパーリーグ>に今季から参戦したサハリンのチーム<ヴォストーク65>に関する話題を集めたコーナーが出来ていました。
>>Восток65(ロシア語)

或いは、ニュース情報サイトを運営する会社が手掛ける「チケット販売部門」が、ユジノサハリンスク開催の試合のチケットを扱っているというような関係が在るのかもしれません。アイスホッケーの<SAKHALIN>に関しては、ニュースは配信されますが、こういう「コーナー」が設けられる扱いでもありません。これも考えてみると、バスケットボールの方がアイスホッケーよりも開催される試合数が多いという事情が関連するかもしれません。バスケットボールは、16チームがホームとアウェイでリーグ戦の試合を行い、加えて並行して開催中のカップ戦の試合が在るので、それなりの密度で話題が出て来る訳です。

↓バスケットボール<スーパーリーグ>にサハリンの新興チームということになる<ヴォストーク65>が参戦し、ユジノサハリンスクで初めて開催された試合を観戦した件をこのブログでも御紹介しました。
>>バスケットボールの<スーパーリーグ>がサハリンへ還って来た!:新チーム<ヴォストーク65>始動!!開幕4連勝!!(2018年10月19日&22)

背番号3の選手の写真が入った看板を視て、「"プロ"のバスケットボール?」と考えたのが、この<ヴォストーク65>と出会った切っ掛けでした。後からバスケットボールに明るい方から聞けば、最近のルールでは「4番〜15番」ということでもなく、「00番と0番〜99番」の「任意の1桁または2桁」の背番号を使って構わないルールになっているそうです。そういうことなので、学生や愛好者のチームで憧れの有名プロ選手に肖った番号を使う例も存外に在るらしいです。

<ヴォストーク65>は、10月19・22日のユジノサハリンスクでの試合後、遠征に出ました。カップ戦の1試合とリーグ戦の2試合を戦いました。カップ戦の1試合に勝利し、リーグ戦は1勝1敗でした。

この結果、<ヴォストーク65>は<スーパーリーグ>の戦績を「5勝1敗」ということにしてサハリンへ戻って来ました。「新興チームの善戦」ということで、少し注目され始めている様子です。

11月7日に迎えた対戦チームはエカテリンブルグの<ウラル>です。現在のチームは2005年に起こったものということですが、エカテリンブルグは1924年から1991年まで革命家に因んでスヴェルドロフスクと呼ばれていて、ソ連時代にはソ連国内の大会で優秀な成績を挙げるチームが在り、そういうチームの選手達がナショナルチームに参加した経過も多々在るという、バスケットボールが盛んな大都市です。最近のエカテリンブルグの人口は145万人程度ということです。序でに、バレーボールも盛んなようですし、嘗てロシア連邦大統領を務めたボリス・エリツィンの出身地でもあります。

この<ウラル>は経験豊富な選手が揃い、リーグ戦開幕前の評価は高かったようですが、リーグ戦の出足は「2勝4敗」と少し苦戦していました。が、侮り難い強敵です。「20万人の街の新興チームが、145万人の街の永い伝統を汲むようなチームに挑む」というようなことを勝手に思い、「これは応援したい!」と会場に出掛けてみました。

「ホーム開幕」以降に少し時間が在ったことから、細かい演出やサービスも多少準備が為されていて、様子がほんの少し変わっていました。

会場に入ると<ヴォストーク65>のロゴマークが入ったTシャツやニットキャップを売っている場所が在ります。10月には漫然とテーブルにモノを並べていましたが、何時の間にか街のファッショングッズの店に見受けられるような、モノを見せる硝子ケースが組み合わされた陳列棚が用意されていました。

試合会場のスクリーンで映像が流れますが、チームのマスコットキャラクターの<ティム>(ТИМ)(背番号65のユニフォームを着た、黒猫または黒ヒョウです。場内で「あれはオスの猫か?メスか?もしかしてヒョウか?少なくてもトラではない?」と話している方達が見受けられますが、プロフィールは未だ紹介されていません。)が出演する色々なモノが新たに用意されていました。
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試合が始まれば、両チーム共に力を尽くした、文字どおりに「一進一退」の攻防が繰り広げられました。
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一方が「少し抜け出す?」と思えば、監督の采配でタイムアウトが取られ、少し"流れ"が変わるような具合になり、拮抗した状態が続きました。
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第1クォータは23対21で<ヴォストーク65>、第2クォータも29対26で<ヴォストーク65>が先手を取った形でした。前半を52対47で折り返していますが、両者にマダマダ勝機が残ります。
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第3クォータは<ウラル>が勢いに乗りました。ターンオーバーからの攻撃や、守備場面でのリバウンドからのカウンターアタックが続々と成功し<ウラル>がドンドン得点しました。第3クォータは17対27で<ウラル>が優勢でした。69対74と<ウラル>がリードで、勝負は第4クォータに預けられた形です。

勝負の第4クォータも「一進一退」でした。「ヴォストーク!!ヴォストーク!!」の熱い声援の中、<ヴォストーク65>の各選手が奮戦します。そして「2点差」、「3点差」というような状況が続きます。残り1分少々に至り、「94対94」の同点にとうとう追い付きました。「逆転勝利!!あと一歩!!」と会場は「ヴォストーク!!」のコールで沸き返ります。
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第4クォータそのものは25対22と<ヴォストーク65>が優位でしたが、試合終了間際に2失点し、試合終了のブザーと殆ど同時の<ヴォストーク65>のシュートが外れてしまい、試合は94対96の惜敗でした。
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この試合は僅差で競り合う展開で、両チーム共にタイムアウトを多用しました。タイムアウトになると、会場には"ダンスチーム"の登場です。<ヴォストーク65>のダンスチームは男女混成で、時にアクロバティックな動きも入る愉しいパフォーマンスを披露してくれます。この試合ではダンスチームの出番が多く、真中に居ることが多い、チームのリーダーと見受けられる男性は、試合終盤には客席に向かって拳を振り上げて「盛り上がって行こう!!」と熱くなっている様子でした。
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たとえ「2点差」であろうと「敗戦」です。これが「終了の一瞬」まで加点を競うバスケットボールというゲームです。ここまで<ヴォストーク65>は「5勝1敗」で、16チーム中で5チーム在った「1敗」のグループでした。昨日の試合で「2敗」となりました。「1敗」を堅持したチームが2チームで、「2敗」となったチームが3チームです。現在「16チーム中で5位」です。以下、「3敗」が2チームで、「4敗」が5チームです。

リーグ戦は3月まで続くそうです。マダマダ続くシーズンの、<ヴォストーク65>の奮闘が楽しみです。

他方、試合観戦で空腹になって住まいに引揚げた後、近所のスーパーの総菜コーナーを覗き、やや大き目なパックの"寿司"が残っていて、夜間に見受けられる割引の対象となっていたのを見付けました。それを求め、「<ヴォストーク65>の健闘を讃える"残念会"」と称して、一人で頂きましたが、普段よりやや遅い時間にやや多目に食べた感じで、翌朝の朝食は「パス...」ということにしてしまいました。

中庭の木...(2018年10月31日)

稚内市サハリン事務所が入っている建物の辺りには、辺りの3棟の建物に囲まれている、中庭のようになっている箇所が在ります。こういう構造の故に、表通から稚内市サハリン事務所を目指そうとすると、時々「入口が判り悪い?」ということも在るのですが。そして中庭は駐車スペースに利用されています。

↓その中庭に1本のナナカマドが立っています。
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↑概ね10月一杯で、順次紅く色付いた葉が落ちてしまい、青空に映えるような"赤い実"が枝に残るばかりとなっています。

或る時、「事務所の"大家さん"」ということになるビルのオーナーと建物の玄関辺りで挨拶を交わし、何となく立ち話をしていました。

中庭に在るナナカマドが綺麗に紅葉していて、「なかなかに好い」という話しになりました。ナナカマドはユジノサハリンスクでは人気が在る、市民に親しまれている種類の木であるようにも見受けられます。

ビルのオーナーは、恐らく60歳台と見受けられるのですが、時々お話しを聴く感じでは、古くからサハリンに住んでいたロシア人一家の出である様子で、彼が極若い頃には未だ多目に在ったという樺太時代の建築等が目に馴染んでいたようです。ナナカマドに関しては、古くは「家々の小さな庭に、多く植えられていたものだ」と話されていました。

そして彼は言いました。「あの木を伐ってしまうと...間違いなく車1台分の場所が増えて便利にはなる。が...それだけだ。あの木は、何となく好いから手を着けていない」とされていました。

現在の稚内市サハリン事務所が在る辺りは、樺太時代にも店やオフィスの入った建物が集まった一画だったようすですが、或いはこのナナカマドは、そういう建物の間に植えられていたモノなのかもしれないなどと想像しました。

ナナカマドの"赤い実"が枝に残るばかりというように、「色付いた葉」が少なくなってしまうと、冷え込みや雪が間近になって来ます。
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紫...:レーニン広場(2018年11月03日)

好天に恵まれた休日、ゆっくりと気侭にしている間に、何時の間にか夕刻に入っていました。

↓一寸戸外へ出て、思わず足を停めました。
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↑上空の風に雲が流されてしまい、「西日の光で雲が染まる夕暮れ」という状態が発生する確率が意外に低いように思えるので、「これは好い...」と暫し眺め入っていました。

こういうように「思わず足を停める」に出くわすことは多い訳ですが、最近は「余り長く足を停めていられない...」と思える場合も在る程度に風が冷たくなっています。最近、戸外に出る場面ではニットのキャップ―幾つか使っていますが、このところはバスケットボールチームの<ヴォストーク65>のマークが入ったモノが気に入っています。―を被って出るのが賢明と思えるようになりました。日中でも10°Cに届いていないと見受けられる日が多くなっているユジノサハリンスクです。

<スタリッツァ>:早朝(2018年11月03日)

休日の早朝、天候が好さそうなので少し歩きました。

↓都心部の南寄りで東西に延びるプルカエフ通と、都心部の少し東寄りを南北に延びるコムソモリスカヤ通とが交差する辺りです。
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↑商業施設やオフィス、コンサート会場にも使用可能なカンファレンスホールが集まった施設の<スタリッツァ>が視えます。低い方の建物が地下1階の地上3階の建物で、背が高い建物は10階建てです。

何時も交通量が多い箇所なのですが、こうして休日の朝に視ると酷く静かで不思議な感じもします。背が高い方の建物は、壁面が硝子張りなので、写真に撮ると空の色が跳ね返って「青い壁」のように見えます。

駐車場は大概が「殆ど満車...」なのですが、この早朝の時間帯は何かで展示しているらしい乗用車が1台在るだけです。これも少し不思議な感じがします。「何時も一杯の車は何処に?」と妙なことを考えながら、コムソモリスカヤ通を北上しました。

<SAKHALIN>の北海道&韓国遠征=1勝6敗...:アジアリーグアイスホッケー(2018年11月03日)

<SAKHALIN>はユジノサハリンスクを離れて遠征に出ていた訳ですが、「少々苦戦」という感じです。

苫小牧、釧路と北海道に乗り込み、その後が韓国でした。

10月19日 くろまる<王子イーグルス> 2 : 5 <SAKHALIN>〇
10月20日 〇<王子イーグルス> 4 : 3 <SAKHALIN>くろまる

10月23日 〇<日本製紙クレインズ> 3 : 2 <SAKHALIN>くろまる
10月24日 〇<日本製紙クレインズ> 5 : 4 <SAKHALIN>くろまる

10月31日 〇<アニャンハルラ> 2 : 1 <SAKHALIN>くろまる
11月02日 〇<アニャンハルラ> 5 : 0 <SAKHALIN>くろまる
11月03日 〇<アニャンハルラ> 4 : 3 <SAKHALIN>くろまる

17試合で7勝10敗と"黒星先行"の状態に戻ってしまいました。

次の試合はユジノサハリンスク開催で、11月24・25日が対<王子イーグルス>戦、12月1・2日が対<日本製紙クレインズ>戦です。

サハリン州郷土博物館(2018年11月02日)

11月に月が改まりました。戸外へ出る際、「少し温かい帽子...」と思う場面が増えました。殊に早朝です。何時の間にか「0°C」や「氷点下2°C」というような状況の早朝も見受けられるようになりました。

↓サハリン州郷土博物館の辺りを通り掛かりました。朝7時半前です。
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↑広めな歩道に街路樹が植えられていますが、すっかりと葉は落ちてしまっていて、落葉もかなり片付けられた感です。

↓西寄りの側から敷地内を視02NOV2018inmorning (2).jpgてみました。
↑未だ残る灯りに浮かび上がるのは木の幹や枝ばかりで、木の葉はすっかり落ちてしまっています。

↓正面側です。
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↑未だ噴水の水は抜かれていません。そして庭は、未だ存外に鮮やかです。

こういうような感じですが、何か「寒々しい色彩」というように感じられるようになって来ました。
2018年10月 2018年12月