中庭の木...(2018年10月31日)

稚内市サハリン事務所が入っている建物の辺りには、辺りの3棟の建物に囲まれている、中庭のようになっている箇所が在ります。こういう構造の故に、表通から稚内市サハリン事務所を目指そうとすると、時々「入口が判り悪い?」ということも在るのですが。そして中庭は駐車スペースに利用されています。

↓その中庭に1本のナナカマドが立っています。
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↑概ね10月一杯で、順次紅く色付いた葉が落ちてしまい、青空に映えるような"赤い実"が枝に残るばかりとなっています。

或る時、「事務所の"大家さん"」ということになるビルのオーナーと建物の玄関辺りで挨拶を交わし、何となく立ち話をしていました。

中庭に在るナナカマドが綺麗に紅葉していて、「なかなかに好い」という話しになりました。ナナカマドはユジノサハリンスクでは人気が在る、市民に親しまれている種類の木であるようにも見受けられます。

ビルのオーナーは、恐らく60歳台と見受けられるのですが、時々お話しを聴く感じでは、古くからサハリンに住んでいたロシア人一家の出である様子で、彼が極若い頃には未だ多目に在ったという樺太時代の建築等が目に馴染んでいたようです。ナナカマドに関しては、古くは「家々の小さな庭に、多く植えられていたものだ」と話されていました。

そして彼は言いました。「あの木を伐ってしまうと...間違いなく車1台分の場所が増えて便利にはなる。が...それだけだ。あの木は、何となく好いから手を着けていない」とされていました。

現在の稚内市サハリン事務所が在る辺りは、樺太時代にも店やオフィスの入った建物が集まった一画だったようすですが、或いはこのナナカマドは、そういう建物の間に植えられていたモノなのかもしれないなどと想像しました。

ナナカマドの"赤い実"が枝に残るばかりというように、「色付いた葉」が少なくなってしまうと、冷え込みや雪が間近になって来ます。
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