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ウズベキスタン
Uzbekistan
ウズベキスタンは金やウランなどの鉱物資源を産出しますが、近年は国営企業の民営化や地方での企業家の育成など構造改革を進めることにより、旺盛な民間消費と設備投資に牽引された高い経済成長を維持しています。しかしながら、今後も質の高い成長を維持していくためには、グリーン・エネルギーの取り込みと効率的な利用、周辺国との国際回廊を活用したコネクティビティ―の強化、産業高度化を担う人材の育成等が必要になっています。日本政府の対ウズベキスタン国別開発協力方針では、持続可能な経済成長と産業の多角化・高度化、公平かつ持続可能な社会の構築、ガバナンスの強化の3つが重点分野とされています。これらに基づき、JICAは省エネ・再生可能エネルギーの推進、ビジネス人材の育成、農業の多角化、基礎的社会サービスの向上(保健・医療・教育)等に関する協力を行っています。
Project プロジェクト
JICAがウズベキスタンで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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カルシ-テルメズ鉄道電化事業
ウズベキスタン国内の鉄道の中でも、カルシ-テルメズ間は、同国から他国を経由せずアフガニスタンへ至る唯一の鉄道路線です。貨物輸送にも重要な役割を果たしており、その鉄道輸送需要はさらなる拡大が予想されています。しかし、カルシ-テルメズ区間には急勾配の山岳地帯が含まれるため、複線化による輸送力増強が困難です。この協力では、同区間において、現行の牽引方式であるディーゼル方式よりも牽引力の高い電気方式への改良を支援しました。これにより、増加が見込まれる貨物輸送需要への対応および貨物輸送の効率化を図りました。 【事業の目的】 本事業は、カルシ‐テルメズ区間(総延長 325km)の鉄道を電化する(現在はディーゼル方式)ことにより、今後増加が見込まれる貨物輸送需要への対応及び貨物輸送の効率化を図り、もって当国及びアフガニスタン等周辺国の社会経済発展に寄与するもの。 【事業内容】 カルシ‐テルメズ間(総延長 325 km)において、以下の1〜10を行うもの。 1信号設備導入、2通信設備導入、3車両基地改良、4鉄道用変電所建設、5架線敷 設、6変電所建設、7送電線建設、8建設・保守車両の調達、9軌道リハビリ、10コンサルティング・サービス(基本設計、詳細設計、入札補助、施工監理)
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電力セクター能力強化事業
ウズベキスタンの電源構成の約9割を占める火力発電所の多くは、40〜50年以上前に運転を開始した古い設備であり、電力供給の安定性、信頼性低下が課題となっています。また、これら老朽化した設備はエネルギー効率が低く、燃料である天然ガスの消費量や二酸化炭素排出量の増大要因となっています。この協力では、従来型の発電方式に比べて発電効率が高く、環境負荷のより低いコンバインドサイクル・ガスタービン火力発電所にかかる事業計画策定や運転・維持管理にかかる資機材およびサービスの供与を支援し、これにより、同国の電力供給の安定化およびエネルギー効率化に寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、当国が導入を進めつつあるコンバインド・サイクル・ガス火力発電所に係る事業計画策定や運転・維持管理に係る資機材及びサービスの供与を通じ実施機関の能力向上を図り、もって当国の電力供給の安定化及びエネルギー効率化に寄与するものである。 【事業内容】 1) エンジニアリング・サービス(以下、E/S)(当国中部のシルダリア火力発電所へのCCPP 新規導入(×ばつ2 基)にかかる F/S、基本設計、環境社会配慮関連文書等作成、用地取得状況の調査、入札書類作成支援を実施) 2) CCPP 運用保守トレーニングセンター用機材(カットモデル、シミュレーター等) 3) 既設発電所スペアパーツ等(タービンの定期点検用資機材、テクニカル・アドバイザリー・サービス)
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非感染性疾患予防対策プロジェクト
ウズベキスタンでは、全死因の84パーセントを非感染性疾患(NCDs)が占めており、その中では循環器系疾患が58パーセントで最も多く、がん(8パーセント)、糖尿病(3パーセント)、慢性呼吸器疾患(2パーセント)と続いています(WHO 2016)。また、NCDsによる死亡のうち、70歳以下の死亡率が25パーセントと、日本の9パーセントと比較しても高水準で、早期死亡による経済的、社会的影響が懸念されており、効果的なNCDs対策が急務となっています。このような状況の下、日本は、2002年から2013年にかけて、ナボイ州で3つのプロジェクトを実施し、医療施設の機能改善やNCDsの予防・早期発見に係る能力強化を支援しました。しかし、質の高い保健医療サービスの提供には課題が残っており、更なる協力が必要となっています。この協力は、タシケント州とナボイ州において、NCDs対策に関するヘルスプロモーションの強化、保健サービス提供能力の強化、州の行政レベルにおけるモニタリング能力の強化などを通じ、一次医療施設を中心にNCDs予防、早期発見及び患者管理に係る対策能力の強化を図り、同国のNCDs予防管理能力の強化に寄与します。
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園芸作物バリューチェーン強化事業(フェーズ2)
ウズベキスタンの主要産業は農業であり、特に綿花は作物生産面積の約3割を占める主要作物ですが、国際市況価格の変動や天候リスクに対して脆弱です。そのため、同国政府は野菜や果実といった園芸作物の生産への転換、生産から加工・流通を含めた関連産業(園芸作物バリューチェーン)の強化により、農作物の多様化や輸出力強化に取り組んでいます。しかし、園芸作物生産に適した農業機械の不足、設備・環境の未整備、流通施設の不足などの課題があり、そのなかでも、資金不足による関連設備の未整備はバリューチェーン強化の大きな障害となっています。 本事業は、ウズベキスタン国内の金融機関を通じ、園芸作物の生産・加工に従事する農家や農業関連企業へのツーステップローンを供与します。併せてこれら金融機関の能力向上支援、エンドユーザーへの営農支援等を通じて、金融アクセスの改善及び園芸作物バリューチェーンの強化を図ります。これらの支援を通じて輸出力強化及び雇用促進を通じた農業セクターの発展を目指します。 【事業の目的】 本事業は、参加金融機関を通じ、園芸作物の生産・加工・流通に従事する農家や農業関連企業へのツーステップローンの供与及び参加金融機関の能力向上、エンドユーザーへの営農支援等を通じ、金融アクセスの改善及び園芸作物バリューチェーンの強化を図り、もって輸出力強化、所得向上及び雇用促進を通じた農業セクターの発展に資するもの。 【事業内容】 1)ツーステップローン 園芸作物の生産・加工・流通に従事する農家や農業関連企業に対する中長期資金の供給 2)コンサルティング・サービス 参加金融機関の能力向上支援(中小事業者向けの融資強化を含む)、プロジェクト監理支援、エンドユーザー等への営農支援(果実・野菜・品質)、農業振興戦略策定、環境社会配慮支援等
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#有償資金協力
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#農業・農村開発
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カラカルパクスタン医科大学 外観 カラカルパクスタン医科大学病院医療サービス改善計画
ウズベキスタン北西部に位置するカラカルパクスタン自治共和国(カラカルパクスタン)は、綿花向けの過剰灌漑によるアラル海の縮小により環境・地域経済が悪化し、開発が遅れた地域です。カラカルパクスタンではアラル海周辺で汚染された水・土壌・大気による健康への影響も確認されており、先天性疾患の症例も多くなっています。非感染性疾患の中では呼吸器系疾患や腎機能障害の罹患率が全国平均より高いほか、母子保健や感染症による死亡率も依然として高い水準にあります。一方で、医療機器の不備、医療機関へのアクセスの悪さ、医師の経験の不足、救急医療の質の低さが問題となっており、医療サービスの質の改善が喫緊の課題です。本事業は、カラカルパクスタンにおける医療サービス提供・人材育成の拠点となるカラカルパクスタン医科大学病院に対して高度な医療機材等を整備することにより、同地域の医療サービス及び医学教育の質の改善を図り、もって同地域住民の健康状態の改善を目指します。 (1)事業目的:本事業は、カラカルパクスタンにおける医療サービス提供・人材育成の拠点となるカラカルパクスタン医科大学病院に対して高度な医療機材等を整備することにより、同地域の医療サービス及び医学教育の質の改善を図り、もって同地域住民の健康状態の改善に寄与するもの。 (2)事業内容 ア) 施設、機材等の内容: (治療・診断用機材)CT(1 台)、検診車(1 台)、検査機材(2 台)、内視鏡セット(4 セット)、プラズマ滅菌器(1 台)、洗浄殺菌装置セット(1 台)、人工呼吸器(18 台)等 (教育用機材)手術シミュレーター(2 台)、内視鏡シミュレーター(2 台)、患者シミュレーター(6 台)等※(注記)メンテナンスの重要性が高い医療機材に最大計 3 年間の保守契約を付帯する。 イ) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容: 詳細設計、入札補助、調達監理、調達機材の維持管理にかかる研修(予算計画も含む)の実施
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アラル海地域における水利用効率と塩害の制御に向けた気候にレジリエントな革新的技術開発 アラル海地域における水利用効率と塩害の制御に向けた気候にレジリエントな革新的技術開発
乾燥地が広がる中央アジアでは、水利用の効率化と農業生産の多様化、塩害対策が課題となっています。ウズベキスタン政府は、特に干ばつ及び塩害の被害が著しいカラカルパクスタン自治共和国及びアムダリア川の支流であるカシュカダリア上流域において、最適な気候変動対応型農業の構築を目指しています。本事業は、対象地域において気象・水文情報の収集・提供、内部循環型塩生農業技術の開発、研究教育拠点の構築を行うことにより、持続的な農業ビジネスモデルの開発と普及能力の向上を図ります。これをもって限界地の小規模農家のレジリエンスの向上を目指します。
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タシグザール・クムクルガン鉄道新線建設事業
内陸国ウズベキスタンでは、鉄道が輸送手段として重要な役割を担っています。しかし旧ソ連時代に建設された鉄道網は老朽化が進行し、また基幹路線のいくつかが隣国トルクメニスタンを経由しており、国境駅での通関手続きや列車分割などに時間を要するため、遅延が日常化していました。この協力では、国内拠点を最短ルートで結ぶ鉄道新線を建設するとともに、既存の軌道の改修、管理用機材の調達を支援しました。これにより、遅延の解消、輸送距離および時間の短縮、輸送コストの削減や輸送量の増強に貢献しました。
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トゥラクルガン火力発電所建設事業
ウズベキスタンの発電施設は全般に老朽化が進んでおり、供給能力が最大電力需要に追い付いていない状況です。また、電源構成の約9割を占める火力発電所の平均熱効率は約3割と低水準で高環境負荷の一因となっています。特に、全人口の約3割が居住する東部のフェルガナ地方では、電力需要の高い伸びが予測されることから、電力不足の緩和およびCO2排出量抑制のためにも、発電効率の高い発電設備を建設することが急務となっています。この協力では、ナマンガン州において高効率のガス火力発電所および送電線・変電所の建設と改修を支援します。これにより、電力の安定供給を図り、同国の持続的な経済発展に寄与します。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
ウズベキスタンで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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