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北マケドニア共和国
Republic of North Macedonia
北マケドニアは、EU及びNATO加盟を国家基本政策に据え、2005年12月にはEU加盟候補国ステイタスを獲得しました。経済面では、税制優遇措置、民営化及び事業環境の改善を通して国内産業の活性化や海外直接投資(FDI)の誘致にも取り組んでいます。その結果、世界銀行「ビジネス環境の現状(Doing Business)」の2016年ランキングでは、日本よりも高い世界10位の評価を得ています。近年、所謂欧州債務危機により輸出及びFDIが減少し打撃は受けたものの、財政緊縮や世銀の融資等により乗り切り、経済全体は回復傾向にあります。但し、個人消費の冷え込み及び輸出の停滞が引き続き経済成長の障壁となることが予想されると共に、23%を超える失業率に対応する雇用創出も喫緊の課題です。
JICAは、「持続可能な経済発展の促進」という基本方針のもと、「環境インフラ整備と管理能力向上」及び「民間セクター開発」を重点分野として支援しています。「環境インフラ整備と管理能力向上」では、我が国の有する優れた技術と知見を活かしつつ、北マケドニアの持続可能な経済発展に必要な環境インフラ整備や人材育成を支援しています。「民間セクター開発」では、生産性向上・観光開発・中小企業支援などの分野において、主に技術協力を通じて、各種行政機関の人材育成や実施体制整備のための取組を行っています。
基礎情報(2015年)
人口:2,080,000人
GNI総額:10,674百万米ドル
GNI一人あたり:5,140米ドル
失業率:23%
国土面積:25,710平方キロメートル
(出典:世界銀行「World Development Indicators」)
News ニュース
Project プロジェクト
JICAが北マケドニア共和国で実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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国立オペラ・バレエのための楽器・音響・照明機材整備計画
北マケドニアでは、今なお複数の民族の間の緊張・対立関係が続いています。民族問題を早期に克服して持続可能な経済発展を遂げることは、同国のみならず、西バルカン地域、そして欧州地域全体の平和と安定にとっても不可欠です。本協力の実施機関である国立オペラ・バレエ(National Opera and Ballet:NOB)は当国の最も重要な文化施設のひとつです。また、NOBは民族融和の精神を掲げ、少数民族を積極的に雇用したり、公演に地方在住者や首都在住の貧困層を招待したり、多民族が共存する地方での公演を行っています。しかしながら、現在NOBが所有する楽器や音響機材及び照明機材には、破損や故障により一部機能が使用できないものが多く、また、基本的な打楽器や音響・照明機材の不足により、公演やコンサート等の実施に支障が生じています。本協力は国立オペラ・バレエに対し楽器、音響機材及び照明機材を整備するもので、民族融和に繋がる文化的活動の促進を進めます。
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第二次一次医療機材整備計画
北マケドニアの保健医療は、旧ユーゴスラビアの体制を受け継ぎ、医療施設と医療従事者の数は充実し、医療水準も比較的高いレベルにあります。しかし、1991年の独立以来不安定な経済状況が続いており、特に保健医療分野の課題の解決に重要な役割を果たす一次医療レベルのヘルスセンター(HC)における施設・機材の老朽化は著しい状況でした。この協力では、X線装置、超音波診断装置、血球計数装置、歯科ユニット、救急車などの機材の調達を支援しました。これにより、HCが所掌する一次レベルの保健医療サービスの機能が回復し、より正確な診断が可能となり、各行政区における一次レベルの医療サービスの質・量の向上に寄与しました。
※(注記)「北マケドニア」の国名呼称は、平成31年2月12日以降「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」から「北マケドニア共和国」へ変更しています。 -
ズレトヴィッツァ水利用改善事業
北マケドニア東部は少雨地域で、年間降水量が少ないため、生活用水や農業用水の確保に大きな支障を来たしています。また、水の安定供給は、農業の発展や新規産業誘致においてもボトルネックとなっており、対象地域での新しい水源確保、安定的な供給体制の整備が急務になっています。この協力では、ズレトヴィッツァ川において、多目的ダム(総貯水容量23.5百万立方メートル)や取水・導水設備の建設を支援しました。これにより、衛生的な飲料水と工業用水の安定供給を図り、地域の産業開発に寄与しました。
※(注記)「北マケドニア」の国名呼称は、平成31年2月12日以降「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」から「北マケドニア共和国」へ変更しています。 -
スコピエ市呼吸器関連医療施設医療機材整備計画
北マケドニアでは、大気汚染による気管支炎の罹患率の高さが問題となっています。しかし旧ユーゴ紛争の影響により、医療施設・サービスの改善や更新が滞っていました。日本は、同国の呼吸器疾患分野の中心的役割を担うスコピエ大学医学部病院付属「肺・アレルギー・クリニックセンター」において、医療機材の整備を支援しました。これにより、検査実績は、2002年と2006年の比較で、スパイロメーターは3,476件から8,914件へ、X線診断装置は0件から3,793件へと大幅に増大し、呼吸器疾患医療サービスの向上に貢献しました。
※(注記)「北マケドニア」の国名呼称は、平成31年2月12日以降「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」から「北マケドニア共和国」へ変更しています。 -
持続的な森林管理を通じた、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)能力向上プロジェクト
北マケドニアは、国土全体の約8割が山岳・丘陵地帯であり、土壌保全や流域管理の観点から山地における森林生態系の維持・管理が課題となっています。1998年以降、森林火災が毎年90件以上発生しており、森林生態系に大きな脅威となっていることから、JICAは2011年から2014年まで森林火災を中心とした災害に対応できる体制の構築を支援しました(森林火災危機管理能力向上プロジェクト)。この成果を受け、この協力では土壌侵食、地すべり、洪水の防止のためのシステム開発を行いつつ、森林計画・管理に関する制度の強化と治山や育苗に関する技術能力の向上を支援します。これにより、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)のモデルが開発され、災害リスクの軽減を図ります。
※(注記)「北マケドニア」の国名呼称は、平成31年2月12日以降「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」から「北マケドニア共和国」へ変更しています。
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森林火災危機管理能力向上プロジェクト
北マケドニアは、国土面積の約38パーセントを森林地帯が占めていますが、森林火災が多発していました。こうした状況に対処するため、2005年に危機管理センターを設立して災害情報の蓄積と分析、関係各機関との連携・調整などを行っていました。しかし地理情報(GIS)システムの運用能力の不足や情報集約体制の未確立など改善が必要な状況でした。この協力では、同センターにおける森林火災の予防・早期警戒についての情報収集能力・発信力、関係者間の調整能力の強化を支援しました。これにより、森林火災の予防・早期警戒を実現し、大規模森林火災の抑制に寄与しました。
※(注記)「北マケドニア」の国名呼称は、平成31年2月12日以降「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」から「北マケドニア共和国」へ変更しています。
- 事業別プロジェクト一覧
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
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