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メキシコ
Mexico
メキシコは、一人当たりのGNIが9,000ドルを超えるOECD加盟国であり、国際競争力を一層強化することが大きな開発課題となっています。このような中、2013年5月には、包摂国家の実現、経済的繁栄、グローバル社会での責任などを重点分野とする「国家開発計画2013〜2018」を発表しました。JICAは、同計画を念頭に置きつつ、(1)産業振興(中小企業・裾野産業の強化)、(2)三角協力/南南協力支援(日墨パートナーシップ・プログラム)を重点分野として支援しています。
Project プロジェクト
JICAがメキシコで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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自動車産業基盤強化プロジェクト
自動車生産台数が世界7位、輸出量が世界第3位(2016年)のメキシコ。日系自動車メーカーの生産工場もあり、自動車生産拠点としての重要性が高まっている一方で、地場企業の競争力(品質・コスト・納期)が弱く、日系企業による部品の現地調達率が低いことが課題となっています。本協力では、この課題を克服すべく、メキシコ自動車部品企業の競争力強化を通じて日系自動車部品企業(Tier-1)とメキシコ自動車部品企業(Tier-2)とのサプライチェーンの強化を支援しました。メキシコ部品企業27社に対して技術支援を行い、およそ8割の企業が日系企業との新規取引または取引増加を実現しました。加えて、メキシコ政府の自動車産業支援体制の強化(メキシコ自動車部品企業のデータベースの構築など)を通じて、メキシコ企業と日系企業との間の取引促進を支援しました。
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TRI法に焦点をあてた低侵襲医療技術の普及プロジェクト
メキシコにおける死亡要因は、食生活の変化や生活習慣病の増加により、第1位が糖尿病、第2位が心臓疾患となっています。現在の足の付け根からカテーテルを挿入する治療法は、患者への身体的負担や入院期間が長くなることにより、医療コストが高くなり、病床数が不足する公立病院では深刻な問題です。この協力では、手首からカテーテルを挿入する「経橈骨動脈インターベンション(TRI法)」などの低侵襲医療技術を用いた虚血性心疾患の検査・治療の普及に関する支援を行いました。これにより、公的医療サービスへの同国民の効果的なアクセス、公的医療コストの削減、安全で質の高い医療サービスの強化に貢献しました。 【上位目標】 メキシコに於いて虚血性心疾患で低侵襲医療技術により検査・治療を受ける患者の QOL が改善され、虚血性心疾患治療にかかる医療費が削減される。 【プロジェクト目標】 メキシコに於いて低侵襲医療技術を用いた虚血性心疾患の検査・治療が普及する。 【結果】 成果1)心臓インターベンション専修医と心臓インターベンション専門医の、低侵襲医療技術を用いた虚血性心疾患の検査・治療にかかる能力が強化される。 成果2)虚血性心疾患の検査・治療法としての低侵襲医療技術が、心臓インターベンション専門医の認定・更新にかかる制度の中に含まれる。 成果3)心疾患の検査・治療法としての低侵襲医療技術が全国、さらには他中南米地域に共有される。
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マヤ族居住地域女性支援計画プロジェクト
国際的に有名な観光地として知られる「カンクン」がある、メキシコのキンタナロー州内には、先住民のマヤ族居住地域があります。彼らの所得は都市住民の約20分の1、農業生産性も他の一般農民と比べて10分の1程度と、大きな貧富の格差に直面していました。また、マヤ族の女性たちが製作する刺繍などの民芸品は、品質やデザインのレベルが低く、1ヶ月の収益は数百円ほどにしかなりませんでした。この協力では、マヤ族の女性たちの活動を支援する「女性庁」の能力強化、そして民芸品の販売促進・改善を支援しました。
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農業機械検査・評価事業計画プロジェクト
メキシコの農牧業政策においては、小規模農家の機械化を促進して生産性の向上を図ることが重要な課題となっていましたが、公的機関による統一的な検査や評価体制が未整備な状況でした。この協力では、農業機械の評価基準の策定や評価試験技術にかかる人材育成や体制の強化を支援しました。これにより、同国における中小規模農家向けの適性で安全な農業機械の開発と普及に寄与しました。
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ハリスコ州家畜衛生診断技術向上計画プロジェクト
メキシコでは、国土の38パーセントを占める天然草地・牧草地を有効活用できる畜産業は有望な産業です。しかし、各種の家畜伝染病により、産業振興は進んでいませんでした。この協力では、畜産が主要産業であるハリスコ州地域中央診断研究所に対し、家畜伝染病の基礎的な診断体制および診断技術の改善と、同州における2ヵ所の小規模研究所職員の衛生知識や技術の移転を実施しました。これにより、同州の総合的な家畜感染病診断体制が強化され、家畜衛生状況の向上に寄与しました。
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ユカタン半島沿岸湿地保全計画プロジェクト
メキシコのユカタン半島は、その独特な沿岸湿地生態系で自然環境保全上重要な場所として世界的に知られています。しかしながら、開発に伴う人為的な湿地生態系の悪化、観光客や地域住民による保護区資源に対する利用圧の増加など環境に悪影響を及ぼす多くの問題を抱えており、人材開発や必要な施設整備を含む湿地生態系の保全体制の強化が緊急に求められていました。この協力では、リア・セレストン生物圏保護区(RBRC)を対象地域とし、RBRC管理事務所のリーダーシップにのもと環境管理活動が適切に実施できるよう支援しました。これにより、RBRCの湿地生態系の保全状況の改善に寄与しました。
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プレス加工技術向上プロジェクト
メキシコでは、中小企業振興・中小企業の競争力の強化が重要な政策と位置付けられています。特に、自動車、電子・電気産業を中心とする分野の国内部品調達率を改善することが重要となっていますが、金属プレス加工などの要素技術の蓄積が必ずしも十分でないため、これらの多くは輸入に頼っている状況でした。日本の技術協力により、産業技術開発センター(CIDESI)に対して、プレス加工技術の基礎知識を移転し、関連中小企業への技術支援に必要な基礎を築きました。この協力では、これまでの技術協力の成果を活用し、CIDESIが中小プレス加工企業に対し、適正な技術サービスが提供できるよう支援をしました。これにより、ケレタロ州周辺の中小プレス加工企業の技術能力の向上に寄与しました。
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南部州子宮頸がん対策プロジェクト
メキシコでは、25歳以上の女性のがんによる死亡件数の中で最も多いのが子宮頸がんですが、死亡率を下げるために最も効果的ながんの早期発見に必要な診断システムが未整備の状況でした。これまで、日本は、同国ベラクルス州をモデル州として、子宮がん検診の受診率向上と細胞診断システムの改善を目的とした支援を行ってきましたが、この協力では、その成果を他6州にも普及させるべく、これらの州の保健所の医師や看護師に対して、細胞診断や病理診断技術の向上などを支援しました。これにより、対象地域において子宮頸がんの早期発見率が増加し、子宮頸がんによる死亡率の減少に寄与しました。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
メキシコで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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