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ハイチ
Haiti
ハイチ共和国は一人当たりのGNIが1,330ドル(2019年、世界銀行)の、西半球の最貧国です。長年にわたる政情不安や度重なる自然災害等により、基礎社会サービスの欠如など、多くの開発課題を抱えています。さらに、2010年1月、首都近郊を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生し、約32万人の死者、同国の当時のGDPの1.2倍に相当する総額78億ドルという甚大な被害をもたらしました。
地震後、ハイチは各援助機関からの支援を受けながら復興に取り組んでいます。JICAは人間の安全保障の観点から、ハイチの基礎社会サービスの確立のため、「保健・衛生環境の改善」、「教育振興」「食料安全保障・農業農村開発」分野に対して重点的に協力を展開しています。
Project プロジェクト
JICAがハイチで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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クロワ・デ・ミッション橋梁及び新線橋梁架け替え計画
ハイチでは、2010年に発生した大地震により、ポルトープランス首都圏を中心に、主要幹線道路を含むインフラ全体が壊滅的な被害を受けたことや、大地震以前からの政治的混乱が原因で道路網の整備が遅れています。同国政府は、経済や行政機能の首都圏への一極集中が、震災被害を拡大したとの反省に基づき、地方への機能分散を進めています。この協力では、ポルトープランス郡タバレ地区およびシテソレイユ地区において、国道1号線と、そのバイパス道路である新線上の2橋梁の架け替えを支援します。これにより、橋梁の性能と安全性の向上を図り、北部・中部地域の地域開発をはじめとする震災後の社会・経済発展に寄与します。
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中央県及びアルティボニット県小中学校建設計画
ハイチは、同国政府による無償教育プログラムの一部導入の成果から、就学率が向上しているものの、中南米地域の中では、未だ低い水準にあり、その要因の一つとして、教室不足があげられています。この協力では、特に就学率が低く、教室の過密度が高い中央県、アルティボニット県において、災害時にも避難所となる機能を備えた小中学校施設建設と教育家具の整備を行います。これにより、学習環境の改善および地域の災害対応能力の強化に寄与します。
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レオガン市復興のための給水システム復旧整備計画
ハイチのレオガン市は、2010年に発生した大地震の影響で建物の90パーセント以上が倒壊・損傷するなど甚大な被害を受けました。国際社会による支援を通じて復旧・復興に向けた活動が進められ、日本は市街地の一部で配水管路の整備などを行いました。しかし、2013年時の給水普及率は2.8パーセントにとどまっており、安定した水の確保のための給水施設の復旧が引き続き課題となっていました。この協力では、同市における水源、水道管網を含む水道施設(高架水槽、送水管路・配水管など)の復旧整備を支援しました。また、水道料金による安定した水道事業体制を構築するため、施設維持管理・水道メーター管理・料金徴収研修を行い、職員の技術力の向上を図りました。
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南東県ジャクメル病院整備計画
ハイチでは、2010年1月に発生した大地震により、死者約31万人を含む約370万人が被災し、多くの家屋・施設が倒壊する被害を受けました。この大地震により、南東県にあるジャクメル病院は、施設の多くが損壊し、テントや木造の仮設施設などを使用して医療活動を行っていました。この協力では、同病院の中核となる周産期棟、中央診療棟の建設および付随する医療機材の整備を支援しました。これにより、劣悪な診療環境を改善し、同国の保健医療サービスの向上、またハイチ大地震からの復興に寄与しました。
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農業技術者能力向上プロジェクト
中南米・カリブ地域の最貧国であるハイチは、農業が主要産業であり、就労人口の半数以上が農業に従事しています。しかしながら、度重なるハリケーンによる被害の影響や、農業技術の低さなどにより、農業基盤は極めて脆弱です。特に、国土の8割を占める傾斜地では、土壌浸食による土地の劣化が深刻です。中間山地における農業生産性は低い状態に留まり、小規模農家は自給を満たすことも難しい状態にあります。この協力では、農業技術の普及を担う技術者の能力強化を通じ、対象地域の小規模農家が持続的農業技術を適用できるよう支援します。これにより、小規模農家の農業生産量の向上に寄与します。
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レオガン市復興のための市街地道路整備計画
2010年1月に大地震が発生したハイチ。震源地に近いレオガン市においては建物の90パーセント以上が倒壊し、市街地道路の多くが損傷を受けました。そのため、交通に支障をきたしており、道路排水の不良により、降雨時には冠水するため、不衛生な環境となっています。この協力では、同市街地において、道路の舗装・側溝の整備(総延長約11キロメートル)と排水路の改修(約2キロメートル)を支援しました。これにより、交通の改善と衛生環境の向上を図るとともに、被災した地域住民を雇用して工事を行うことにより、住民の生計向上にも貢献しました。
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ハイチ復興支援緊急プロジェクト
2010年1月に発生したハイチの大地震では、全人口の約38パーセントにあたる370万人が被災し、死者約22.2万人、負傷者数約31万人、行方不明者数約5.9万人に及んでいます(2010年2月末時点)。同年3月には岡田外務大臣(当時)が同国を訪問し、復旧・復興プロセスを支援するため約1億米ドル(約93億円)相当の復興支援を表明しました。この協力では、迅速な生活復興と社会経済の再生を促進するため、復興計画策定支援やインフラ復旧計画概要の作成、レオガン市内の給水網緊急リハビリ工事などの技術支援を行いました。
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算数副教材作成支援プロジェクト
ハイチでの初等教育における純就学率は、中南米地域の中でも、まだ低い水準となっています。また、基礎教育課程第1、第2サイクル(6年)を終了する生徒は68パーセント、9年生(第3サイクル)を終了する生徒は33パーセントにとどまるなど、教育の質が十分ではなく、その改善が大きな課題となっています。この協力では、中央県の公立校の1〜6学年の児童向けの算数副教材の開発と導入を支援します。これにより、中央県の公立校児童の算数の学力向上を図り、児童の主体的な学びの促進に寄与します。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
ハイチで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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