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南アフリカ共和国
South Africa
南アフリカでは、1991年にアパルトヘイト(人種隔離政策)が廃止され、1994年に全人種が参加する選挙を経て民主政権が発足し、多様な人種・民族が共存する「虹の国」として歩み出しました。鉱物資源に恵まれ、白金、金、石炭、鉄鉱、バナジウムなどの工業原料を供給する世界有数の産出国です。経済面では国際物流の拠点となるダーバン港を擁し、サハラ以南のアフリカの国内総生産(GDP)の2割を占めるアフリカ屈指の大国(アフリカ諸国で唯一のG20メンバー国)として大陸の発展を牽引しています。一方で、民主化から約30年が経過しようとしていますが、経済格差や若年層の高い失業率が依然として大きな社会問題となっています。
JICAは国別開発協力方針の基本方針「成長の加速化と貧困層の底上げ」及び3つの重点分野、(1)成長加速化に向けた人材基盤の強化とインフラ開発促進支援、(2)経済・社会的格差是正に向けた支援、(3)南部アフリカの開発促進に基づき、産業人材育成、経済基盤インフラ整備、社会的弱者の経済・社会参加の促進等の支援をしています。また、アフリカ及び南部アフリカ地域共通の課題解決に寄与するため、「アフリカ連合開発庁-アフリカ開発のための新パートナーシップ計画調整庁(AUDA-NEPAD)」や「南部アフリカ開発共同体(SADC)」といった組織との連携を強化しています。
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Project プロジェクト
JICAが南アフリカ共和国で実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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南部アフリカにおける気候予測モデルをもとにした感染症流行の早期警戒システムの構築プロジェクト
貧困が顕著な南部アフリカでは、感染症の流行が人々の生活を脅かしていますが、近年の気候変動の影響により、これまでと異なった地域や規模で感染症の流行が発生する危険性が高いことが考えられています。この協力では、主に気候が流行発生に影響しているマラリア・肺炎・コレラなどの下痢症を対象に、気候変動予測モデルに様々な環境因子の影響を加味した感染症流行予測モデルを開発し、効果的な感染症対策実施のための早期警戒システムの構築を支援しました。これにより、危険性の高い時期や地域への適切な予防措置を通じ罹患者数の減少に寄与しました。 【プロジェクト目標】 南部アフリカへの適用に向けた先駆けとして、感染症対策のための気候予測に基づいた早期警戒システムモデル(iDEWS)が確立される。 【結果】 1)特にマラリア、肺炎、下痢症について、気候に基づいた感染症流行予測モデルが開発される。 2)感染症流行予測モデルを用いた iDEWS の運用指針がリンポポ州向けに策定される。 3)iDEWS の予測性能と運用性が実証される。
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障害児および家族のためのレスパイトケアサービス拡大プロジェクト
2011年の南アフリカ国勢調査によると、南アフリカには、全人口の7.5%である約280万人の障害者がいるとされています。南アフリカ政府は、障害者権利条約や子どもの権利条約批准国として、障害児やその家族支援の保障に取り組んでいます。しかし、障害児や家族の地域生活支援サービスが十分ではないため、主に家族介護者が障害児のケアを担っており、それが長時間・長期化する事で、保護責任放棄や虐待に繋がるリスクが高い状況です。 本事業は、ムプマランガ州及び北ケープ州において、レスパイトケアサービスのサービス利用者や既存の社会的リソースの情報収集、レスパイトケアサービス人材の能力強化、費用算出モデルの確立及び資金調達メカニズムの特定により、地域に根差した持続可能なレスパイトケアサービスモデルの開発を図ります。これをもって南アフリカ全州におけるレスパイトケアサービス提供の能力向上を目指します。 【上位目標】 南アフリカの全州において、障害児と家族のための持続可能な地域に根差したレスパイトケアサービス提供モデル実施のための能力が備わる 【プロジェクト目標】 ムプマランガ州と北ケープ州において、障害児及び家族のための地域に根差した持続可能なレスパイトケアサービス提供モデルが開発される 【成果】 成果 1 サービス紹介(リファーラル)のために、サービス利用者や既存の社会的リソースの情報を共有する仕組みが構築される 成果 2 レスパイトケアサービス提供のための人材の能力が向上する 成果 3 居宅ケアや通所ケアの実施に対する費用算出モデルと利用可能な資金調達メカニズムが特定される 成果 4 開発された提供モデルが関係者に共有される
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プロジェクト研究施設(写真提供:勝矢眞美) 再生可能エネルギー水素を用いた新しいアンモニア合成システムの研究開発
南アフリカは、アフリカ大陸最大のCO2排出国であり、エネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を拡大して、CO2排出削減を図ることが強調されており、そのひとつの可能性として水素社会を実現するための研究開発に力を入れていくことが掲げられています。 本事業は、ノースウエスト大学工学部南アフリカ水素インフラセンターにおいて、水電解装置、アンモニア合成塔、アンモニア吸収分離塔の開発、アンモニア合成分離システム統合を行うことにより、再生可能エネルギーを用いたアンモニア合成のベンチプラントシステム構築を図ります。現在石炭への依存度が高い南アフリカで再生可能エネルギーの利用が拡大されるとともに、日本のグリーンアンモニア技術が世界へ向けて製造とサービスを行う産業となることを目指します。 【上位目標】 システムスケールアップ(60t/dクラス)の設計準備、産業界との連携を通じて南アフリカ水素社会ロードマップ(HSRM)のビジョン実現に寄与する。 【プロジェクト目標】 再生可能エネルギーを用いたアンモニア合成のベンチプラントシステムが構築される。 【成果】 成果1 水電解装置が開発される。 成果2 アンモニア合成塔が開発される。 成果3 アンモニア吸収分離塔が開発される。 成果4 アンモニア合成分離システムが統合される。
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脱炭素社会に向けた炭酸塩化を利用したカーボンリサイクルシステムの開発 脱炭素社会に向けた炭酸塩化を利用したカーボンリサイクルシステムの開発
南アフリカ政府は、2025年までに2005年時点の温室効果ガスより42%削減することを目標に掲げています。こうした中、本事業は、南アフリカにおける主要なCO2排出源の一つであるセメント産業から排出されるCO2を削減するため、解体コンクリート等の建設廃棄物、生コンクリートの利用に伴い発生するコンクリートスラッジ(汚泥)、火力発電に伴い生成されるフライアッシュ(飛散灰)等の塩基性廃棄物を利用したCO2固定と副生成物の再利用技術の開発を通じ、循環経済の概念に基づく脱炭素社会の構築促進に寄与することを目指します。
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IBTC無収水研修能力強化プロジェクト
南アフリカ共和国では、水資源の確保が国家的な課題となっています。解決策のひとつとして水道の無収水率(浄水場からの配水量のうち料金請求に至らなかった水量の割合)を下げる必要がありますが、そのための技術者が不足しています。このため日本は、東京都水道局にて同国の水道事業関係者に対する研修を、2013年から2015年の3年間にわたって行いました。また、研修効果を同国内で広めるため、2014年には水・衛生省がインフラ整備局センター(IBTC)を設立しましたが、独力でセンターを運営することは容易ではありません。この協力では、IBTCの運営体制を整備し、無収水技術研修を継続的に実施できる研修運営能力の強化を図ります。また、地方の水道事業体(自治体)へも研修を普及していくことが計画されており、国内全土における無収水対策への貢献が期待されます。
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鉱山での地震被害低減のための観測研究プロジェクト
1970年代には世界の3分の2の金を生産した南アフリカ。近年では採掘深度が地下3,400メートルを超す地点もあり、落盤や鉱山地震の災害リスクが増加、労働者の安全確保が大きな課題でした。この協力では、日本の技術を導入し、岩盤にかかる応力をより正確に測定することを可能にするなど金鉱山地震の災害リスク管理体制の改善を支援しました。これにより、地震の発生前に前震の加速度的発生が捉えられ、岩盤の微小破壊も観測されるなど、鉱山地震の分析・理解が進み、鉱山での災害リスク管理の向上に貢献しました。
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気候変動予測とアフリカ南部における応用
アフリカ南部は、自然災害に対する社会基盤の整備が必ずしも十分でない上、自然に大きく依存した農牧畜産業への従事者が多数であることから、気候変動が引き起こす気象変化による影響を受ける住民が多い地域です。この協力では、気象変化の影響を軽減するために、独立行政法人海洋研究開発機構が、東京大学や南アフリカの研究機関などと共同で研究を進め、アフリカ南部の気候変動予測を行なうため大気・海洋結合モデル(SINTEXF)による地球規模予測の高精度化を行いました。これにより、南アフリカを中心としたアフリカ南部地域の気候変動リスクに対する学際的な研究の推進、および行政的な対応策の構築に貢献しました。
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技能工育成のための職業訓練校能力強化プロジェクト
南アフリカ共和国では失業率が27.4パーセントと高く(IMF2017年4月)、特に若年層の雇用創出が課題です。同国政府は「国家開発計画2030」において、2030年までに毎年3万人の技能工の育成を目標に掲げていますが、職業技術教育・訓練(TVET)機関や高等教育は、その育成に十分に対応できていない状況です。この協力では、ハウテン州及び西ケープ州のTVETカレッジ2校をモデル校とし、組立・旋盤に係る訓練機材の整備および教員の能力向上を支援するとともに、学生に対する就職支援の強化を行います。これにより、産業界のニーズを満たす技能工育成の能力を強化し、TVETカレッジから質の高い技能工が南アフリカの産業界に輩出されることに寄与します。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
南アフリカ共和国で実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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