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アルゼンチン
Argentina
アルゼンチンは、約4,000万の人口を抱える農牧資源大国で、豊かな天然資源も有します。製造業等における技術水準も比較的高く、G20メンバー国であるなど、国際社会においても影響力のある国です。今後、持続的な経済成長を達成するためには、各種製造業における生産性・品質向上と輸出振興が不可欠ですが、地域貧困の問題も依然として深刻です。また、地球温暖化や開発に伴う環境負荷の増大などの問題も顕在化しています。JICAは、(1)環境保全、(2)地域経済活性化を重点分野として支援しています。
Project プロジェクト
JICAがアルゼンチンで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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気象災害に脆弱な人口密集地域のための数値天気予報と防災情報提供システム
アルゼンチンは、アンデス山系の氷河後退、海面上昇による沿岸部の侵食、全国的な河川の氾濫・洪水の増加等、気候変動の影響に対して脆弱性が非常に高い国のひとつです。国立気象局が気象予報業務、国立水文局が洪水に関する業務を担っているほか、危機管理局が警報伝達システムと危機管理計画の策定と実施の業務を担っていますが、精度が低いため。洪水災害に政府及び社会が適切に対応するためには、気象及び洪水情報の精度向上が必要とされています。 本事業は、ブエノスアイレス及びコルドバにおいて、気象観測・予測の高度化や洪水・氾濫予測等の情報を住民へ伝達するシステムを開発することにより、対象の都市域における気象・洪水災害に関するリスクの削減を目指します。 【上位目標】 気象・洪水災害のための観測・予測・警報・伝達のトータルパッケージの開発、運用によるリスクの削減につながる行政側の計画が策定される 【プロジェクト目標】 対象の都市域における気象・洪水リスク削減のための観測・予測・警報・伝達の試行的トータルパッケージの開発、運用 【成果】 成果1:気象・水文観測ネットワークの構築 成果2:解析雨量・ナウキャストの開発 成果3:ビッグデータ同化と数値予報モデルによる降水予報の開発 成果4:水文予測モデルの開発 成果5:防災情報提供システムの開発 成果6:地域社会と連携した防災活動 成果7:専門的・科学的な能力を持つ人材の育成
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レコンキスタ川流域衛生環境改善事業
アルゼンチンのブエノスアイレス首都圏北部に位置するレコンキスタ川下流域は、工業化政策で経済インフラの整備が早期から進められた一方、社会インフラの整備が遅れていました。特に上下水道など衛生サービスの普及率が低く、汚水の大部分が河川などに不法投棄されていました。また、多雨期に起こるレコンキスタ川の氾濫や、浸水による洪水被害も問題となっていました。この協力では、レコンキスタ川流域における河川改修、排水改善、汚泥処理を支援しました。これにより、地域住民の衛生環境の改善と洪水被害の軽減に寄与しました。
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先進的地質リモートセンシング
アルゼンチンは広大な国土を有し、鉱物資源のポテンシャルが高い地質環境を有していますが、鉱物資源の探査・開発に必要な基礎的地質情報が未整備な状況でした。この協力では、地質・鉱物資源研究所(IGRM)において、地質技師が、鉱物資源探査のための地質図・テーマ図作成に際して先進的な衛星データを利用するために必要な技術を移転しました。これにより、IGRMによって、資源探査のための地質図や鉱床生成図が整備され、同国の鉱物資源の探査・開発に寄与しました。
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イグアス地域自然環境保全計画プロジェクト
アルゼンチンの北部ミシオネス州に位置するイグアス国立公園では、公園内に住民の流入や焼畑などは見られないものの、公園外のバッファー・ゾーンについては公園当局の権限がほとんどおよんでおらず、州政府は国立公園、州立公園および州立保護区を繋ぐグリーン・コリドー(緑の回廊)計画などのバッファー・ゾーン管理のための諸施策を模索していました。この協力では、対象地域の国立公園局、州政府および市職員の自然環境管理能力の向上を図り、関係機関間の自然環境情報の共有や住民および観光客を対象とした自然環境保全の普及啓発活動の促進、教材作成の改善などを支援しました。これにより、同国立公園および州立保護区の管理が改善され、グリーン・コリドーにおける自然環境保全の強化に寄与しました。
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南米における大気環境リスク管理システムの開発プロジェクト
アルゼンチンおよびチリ南部のパタゴニア地域では、オゾン層の破壊による紫外線量の増加が深刻な問題となっており、紫外線量を正確かつタイムリーに測定することにより、皮膚がんや白内障対策に迅速かつ適切な対応が求められています。この協力では、現存するオゾンと紫外線観測システム(ミリ波分光放射計、オゾンライダー、および他の関連測定器)の高精度化や、オゾンホールの変動、低オゾン状態の空気塊の南米中緯度帯への拡散・混合過程の分析、およびこれらのデータを関係各機関と共有するシステムの開発などを支援しました。これにより、大気環境リスク管理システムが開発され、関係機関が同システムを活用して紫外線などの大気環境要因によるリスクや損失を最小限に抑えることに貢献することが期待されます。
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国営放送局番組ソフト及び番組制作機材整備計画
アルゼンチンは2009年に、より遠隔の地域住民まで番組放送を提供することが可能なデジタル放送日本方式(ISDB-T方式)の導入を決定しました。同国唯一の国営放送局は、民営放送がサービスを提供していない遠隔地域まで教育文化番組を提供することで、地方と都市との情報格差是正に大きな役割を果たしており、同国のデジタル放送導入における先導役として期待されていました。この協力で日本は、国営放送局に対し、デジタル放送規格に対応する日本の良質な教育・文化番組ソフトと番組制作のための機材整備を支援しました。これにより、同国における円滑なデジタル放送移行の促進に寄与するとともに、日本関連番組の放送による対日関心を醸成しました。
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アルゼンチン一村一品のコンセプトに沿った市場志向型インクルーシブバリューチェーンの構築プロジェクト
アルゼンチンは南米地域をリードする国の一つですが、地方における貧困と所得格差の解消が課題となっています。また、同国では所得向上のための生産活動支援・地域人材育成を通じた地域の自立的発展を促す政策への転換が必要とされています。この協力では、アルゼンチン国内5州において、保健・社会開発省の支援実施能力の強化と、地域の資源を活かした農産加工品・伝統工芸品・農村観光商品の開発・改善・プロモーションを行います。ターゲットとする市場のニーズを反映した商品を通じて地域のブランディングを行い、生産から販売までに至るバリューチェーンの構築を支援することで、地域開発を担う関係者と支援機関の能力強化に寄与します。
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工業分野省エネルギー
アルゼンチンは、肥沃な土地と天然資源に恵まれた国ですが、国内のエネルギー消費が増加の一途を辿っているにもかかわらず、長期にわたる経済活動の停滞により工業分野の設備は老朽化しておりエネルギー使用効率が低い水準にありました。同国政府は、国立工業技術院(INTI)などを通じ、工場への指導や工場エネルギー消費状況の調査を実施してきましたが、診断技術・機材などの面で多くの問題を抱えていました。この協力では、INTIにある省エネルギー研究開発センターにおいて省エネルギーを推進・指導する人材の育成やエネルギー管理者を育成したり省エネルギーを啓蒙・普及するための機能の強化を支援しました。これにより、同国工業分野における省エネルギーの推進に貢献しました。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
アルゼンチンで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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