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パキスタン
Pakistan
パキスタンは2億人を超える人口を有する大国である一方、社会指標は概して低く、ジェンダー指標は世界でも最低水準、災害脆 弱国でもあるなど、多くの開発課題を抱えています。また、パキスタンは、インド、中国、アフガニスタン、イランに 囲まれた地政学的に重要な国であることから、その安定的発展が国際社会でも一層重要視されています。
JICAは、(1)人的資本への投資 と社会サービスの 拡充を通じた人間 の安全保障の確保 と社会の安定化、(2)投資環境の整備を 通じた質の高い経 済成長の推進、(3)平和と安定の確立、の三点を重点分野として支援を進めています。特に、技術協力と無償資金協力を柔軟に組み合わせて、教育、保健、水と衛生、ジェンダー等の開発課題に取り組むとともに、災害大国である日本の知見を活かした国家レベルでの防災対策を支援しています。
Project プロジェクト
JICAがパキスタンで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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手術台:10年以上使用、経年劣化により適切なポジションを保持できない ハイバル・パフトゥンハー州の洪水被災地域及び周辺地域における母子保健機材整備計画
パキスタンは2022年の大洪水により国土の1/3が水没等の影響を受け、全国の医療施設の約13%が被災。同州でも157カ所の医療施設が被災し、基本的な母子保健サービスに必要な機材が損壊、医療体制に支障をきたしています。 本事業は、KP州において、2022年の洪水による被災地域及び隣接地域に位置する一次・二次・三次医療施設(21施設)を対象に、各医療施設の役割に応じて母子への医療サービスにかかる診断・治療に必要な医療機材の整備を行います。これにより、各医療施設における診断・治療体制の強化および地域の患者紹介制度の健全化を図り、もって母子を対象にした保健・医療サービスの質の向上に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は、KP州において、2022年の洪水による被災地域及び隣接地域に位置する一次・二次・三次医療施設(21施設)を対象に、各医療施設の役割に応じて母子への医療サービスにかかる診断・治療に必要な医療機材の整備を行うことにより、各医療施設における診断・治療体制の強化および地域の患者紹介制度の健全化を図り、もって母子を対象にした保健・医療サービスの質の向上に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 【機材】産前・産後健診等の母子保健サービスやハイリスク妊産婦及び新生児などを含む母子への医療サービスにかかる診断・治療に必要な医療機材、基礎インフラの整備に係る機材(超音波診断装置、麻酔器(人工呼吸器付)、手術台、血液銀行冷蔵庫、胎児心拍陣痛計、X線透視撮影装置、搬送用保育器等) 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、施工・調達監理、調達機材の運営・維持管理に係る技術指導
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破損して水漏れしている灌漑用水路(Mohra Ghazan 地区) インダス川流域における洪水管理強化計画
パキスタン・イスラム共和国は、洪水、土砂災害、地震など災害多発国です。特に、当国中央部を流れるインダス川とその支川では毎年モンスーン期の豪雨による洪水は多額の経済損失を生み出しています。このような状況を踏まえ、河川構造物の改修・補強や水位や流量データを取得する水文・水理及び気象観測網の拡張を行うとしています。 本事業はインダス川及び支川流域等において水文・水理及び気象観測機器・データモニタリングシステムの整備及び河川構造物等の改修・補強を行います。これにより、将来の河川整備に必要な基礎データの量・質の改善及び鉄砲水に対する護岸施設の強度向上を図り、もってインフラ整備による洪水リスク削減に資するものです。 【事業の目的】 本事業はインダス川及び支川流域等において水文・水理及び気象観測機器・データモニタリングシステムの整備及び河川構造物等の改修・補強を行うことにより、将来の河川整備に必要な基礎データの量・質の改善及び鉄砲水に対する護岸施設の強度向上を図り、もってインフラ整備による洪水リスク削減に資するもの 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 【施設】中央データ管理センター(2箇所)、河川構造物の改修・補強(総延長約 1,500m) 【機材】水位・雨量観測機器(46基)、流速計(6基)、自動気象観測装置(5基)、データディスプレイシステム(12基) 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理、ソフトコンポーネントとして水文・水理観測機器・気象観測機器・データモニタリングシステムの移設及び利活用のためのデータ形式変換等に係る技術支援。
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シンド州における母子保健医療施設拡充計画
パキスタンは国民の約3割が貧困層と言われ、医療費が安価な公的医療機関における母子保健・医療サービスの強化が重点です。大都市カラチがあるシンド州は、医療アクセスが十分でないこと等により、母子保健指標がとりわけ低い州の一つです。そのため、同州政府は「医療サービスへのアクセス格差の是正」を「シンド州保健セクター戦略2012-2020」の柱の一つに掲げ、その方策の一つとして医療施設の不足によりカラチに集中する患者を分散するため、州内各県でのリファラル体制構築を目指しています。
この協力は、同州ハイデラバード県のリアクアット大学病院ジャムショロ分院において、母子保健センターの新設及び医療機材の整備を行うことにより、母子保健に係る診断・治療体制の強化を図り、同州の母子を対象とした保健・医療サービスの質の向上に寄与します。 -
ポリオ撲滅事業(フェーズ2)
パキスタンにおける2015年のポリオ発症数は、前年の306件から54件と大幅に減少しているものの、同年の世界のポリオウイルス発症数の約7割を占めていることから、撲滅へ向けた最後の取り組み強化が必要となっています。この協力(フェーズ2)では、ポリオの早期撲滅の実現に向けて、ポリオ対策に必要なポリオ・ワクチンの調達および円滑な接種を支援しました。また、この協力は、同国政府が一定の目標を達成した場合、世界中のポリオ撲滅を使命として掲げるビル&メリンダ・ゲイツ財団が債務返済を肩代わりする「ローン・コンバージョン」という革新的手法を取り入れました。 【事業の目的】 パキスタン全国に対するポリオワクチン調達を通じ、5歳未満児に対するポリオワクチンの円滑な接種を図り、もって同国におけるポリオの早期撲滅に寄与するもの。 【事業内容】 ポリオワクチン約273百万ドースの調達
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パンジャブ州技術短期大学工業系ディプロマ機械学科強化プロジェクト
パキスタン政府は、中所得国への移行を目指し、製造業を育成・発展させていく方針です。製造業の強化のためには、工場などで指導的役割を果たす産業人材が不足しており、これら中堅技術者の人材供給を増加させ、製造業の発展に人材面から貢献することが急務です。この協力では、パンジャブ州の技術短期大学工業系ディプロマ機械学科において、製造業の人材ニーズに対応した教育カリキュラムの改訂、自動車産業、金属加工業などの企業との産学連携の促進を行うことにより、質の高い教育を提供するための組織体制の強化を支援し、産業界のニーズを満たす人材を輩出することに寄与しました。 【上位目標 】 パンジャブ州における GCT 校工業系ディプロマ機械科コース卒業生が、産業界のニーズを満たす能力を習得する。 【プロジェクト目標】 パンジャブ州東部の各 GCT 工業系ディプロマ機械科 ( 2 Center of Excellence(CoE)及び 11GCT)において質の高い教育を提供するための組織体制が強化される。 【成果】 成果 1 GCT レイルウェイロード校の研修管理サイクル(TMC)が再検討され、各GCT と共有される。 成果 2 対象 GCT 工業系ディプロマ機械科のカリキュラムが製造業の人材育成ニーズを満たす内容に改訂される。 成果 3 改訂カリキュラムの実施のために、GCT ファイサラーバード校工業系ディプロマ機械科の設備が拡充される。 成果 4 GCT レイルウェイロード校と GCT ファイサラーバード校が、CoE として改訂カリキュラムに基づくTrainers of Training(ToT)が実施できるマスタートレーナーを持つ 成果 5 産学連携が強化される
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自動車部品製造業技術移転プロジェクト
パキスタンの自動車産業は1950年代に始まりましたが、現地自動車部品メーカーの品質・生産能力向上が、同国の産業発展にとり大きな課題となっていました。日本は、過去の技術協力によって、様々な課題を解決するために自動車産業振興施策・制度の策定など17項目の施策を提案し、自動車部品製造中小企業を対象に、生産管理、金型、溶接の3分野における技術指導を実施しました。この協力では、これまでの実績を踏まえ、同国中小企業開発庁による自動車部品産業への支援体制の整備や関連人材の能力強化を通じ、自動車部品の品質・生産性の向上を支援しました。これにより、自動車部品メーカーの競争力の強化に貢献しました。 【上位目標】 1)品質・生産性向上に係る活動が自動車部品メーカー並びに他セクターの中小企業へ普及される。 2)自動車部品メーカーの競争力が強化される。 【プロジェクト目標】 自動車部品産業への支援体制整備を通じ、対象企業が製造する自動車部品の品質・生産性が向上する。 【結果】 成果 1 自動車部品メーカーへの支援体制の枠組が形成される。 成果 2 自動車部品メーカーへの支援によりモデル事例が作られる。 成果 3 関連人員(SMEDA、PAAPAM エンジニア、ローカルコンサルタント)の基礎的な技術的知識・指導能力が向上する。 成果 4 品質・生産性向上に関する情報を他企業にも普及させる SMEDA の能力が向上する。
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ファイサラバード上下水道・排水マスタープランプロジェクト
ファイザラバード市は、推定人口約300万人(2016年)、パキスタン第3の都市です。急激な都市化による水需要の増加に対して水供給量が不足しており、水源の確保と水道施設の整備が急務となっています。下水道・排水については、整備地域では維持管理上の問題を抱え、未整備地域では未処理排水による不衛生状態の慢性化が課題です。加えて、低い上下水道料金の徴収率と低い料金設定が上下水道公社(WASA-F)の経営状況を悪化させています。この協力では、2038年を目標年次とした同市における上下水道・排水の運営改善や施設投資に係る総合的なマスタープランの作成、およびパイロット活動の実施により、WASA-Fの人材育成・能力強化を図り、同市の環境改善に貢献しました。
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シンド州小規模園芸農家支援プロジェクト
パキスタンのシンド州は、インダス川下流に位置し農業が盛んであり、パキスタンのGDPの11%は同州の農業が貢献しています。同州は水資源や気候条件に恵まれた主要穀物生産地域であり、コメや小麦等の他、園芸作物栽培も盛んです。しかし、生産性や品質の低さ、農業インフラや市場アクセスの不足、農家や農業関係者の農業技術や経営に係る能力不足といった恒常的な課題に直面してます。 本事業は、パキスタンのシンド州において、同州の状況に合致したSHEPアプローチが開発され、同アプローチを用いた農業普及活動が小規模農家を対象に実施します。これにより、対象農家の所得向上を図り、もって、同州政府による市場志向型農業の推進を目指します。 【上位目標】 シンド州の状況に合致した市場志向型農業促進のための普及活動が、広く小規模農家に実施される 【プロジェクト目標】 生産性及びマーケティング力強化の普及活動により、小規模農家の所得が向上する。 【成果】 成果 1 シンド州の主要な園芸適地における洪水被害及び復旧・復興状況及び営農実態を勘案した活動計画が立案される。 成果 2 シンド州農業・供給・価格局において、SHEPアプローチに基づいた農業普及活動を実施する職員が育成され、職員の普及能力が強化される。 成果 3 シンド州の状況に合致した SHEPアプローチが開発される。 成果 4 対象県において、小規模農家がSHEP活動に参加する。 成果 5 SHEPアプローチの制度化が提案される。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
パキスタンで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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