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パレスチナ
Palestine
2006年7月、日本政府は将来のイスラエルとパレスチナの共存共栄に向けた中長期的取り組みとして「平和と繁栄の回廊」構想を提唱しました。この構想は、イスラエル・パレスチナ間の和平には「二国家構想」の実現が重要であり、将来的な国家樹立に向けてパレスチナ経済を可能な限り円滑に自立させるため、パレスチナ、イスラエル、ヨルダンとの域内協力を通じて近隣国との信頼醸成を図りつつ、パレスチナの経済社会基盤を強化していくことを目的としています。JICAは「平和と繁栄の回廊」構想の実現に向けて、農業技術向上や持続可能な観光振興のための技術協力、ジェリコ農産加工団地建設のための技術協力とインフラ整備支援を実施しています。
Project プロジェクト
JICAがパレスチナで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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丘陵地に広がる市街地(ラマッラ県)丘陵地に市街地が形成されており、街中には急峻な道路が多く、消防車が走行する上では決して良い条件ではない 西岸地区における消防機材整備計画
パレスチナのヨルダン川西岸地区(西岸地区)では、火の不始末や放火、家電事故等を主な原因として年間約1万件の火災が発生しています。一方で、パレスチナ自治政府の慢性的な財政不足による消防車両の不足と老朽化は、適時・適切な消火・救助活動を妨げ、被災規模を拡大させる要因となっています。加えて、旧市街地を含む都市部の道路では細街路や狭小な路地で結ばれており、消防車の進入が困難であるばかりでなく、未舗装道路が多いために走行が困難な状況にあります。 本事業は、西岸地区の3県(ジェニン県、ラマッラ・アル=ビーレ県及びトゥルカレム県)において、消防機材等を整備することにより、消火及び救助活動能力の向上を図ります。これをもって行政の質の向上及び災害リスクの軽減に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は、西岸地区の3県(ジェニン県、ラマッラ・アル=ビーレ県及びトゥルカレム県)において、消防機材等を整備することにより、消火及び救助活動能力の向上を図り、もって行政の質の向上及び災害リスクの軽減に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 【機材】水槽付消防車(3,000L、ダブルキャビン)14 台(搭載資機材を含む)。 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理に加え、ソフトコンポーネントでは1安全性を確保しながら、個々の隊員および単隊による消防・救助資機材の操作要領の習熟度を高めるとともに、2複数の消防署・部隊間における連携した消火・救助活動能力の向上に係る技術支援を行う。
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最終処分場(アルメニヤ最終処分場) 感染性廃棄物管理改善計画
近年、世界的に新型コロナウイルス感染症が拡大・長期化する中、パレスチナにおいても医療施設で発生した感染性廃棄物の発生量が増加の一途にあります。廃棄物管理サービスを行う広域行政カウンシルにおいては、廃棄物の収集・運搬、無害化処理、及び、最終処分にかかる負担が急増しています。 本事業は、西岸地区において、感染性廃棄物の無害化、収集運搬及び最終処分に必要な機材を整備することにより、同地区における感染性廃棄物管理体制の構築を図り、もって廃棄物由来の感染症拡大防止に寄与するもの。 【事業の目的】 本事業は、西岸地区において、感染性廃棄物の無害化、収集運搬及び最終処分に必要な機材を整備することにより、同地区における感染性廃棄物管理体制の構築を図り、もって廃棄物由来の感染症拡大防止に寄与するもの。 【事業内容】 (ア)施設、機材等の内容: ・ 感染性廃棄物滅菌装置 ・ 廃棄物収集運搬機材 ・ 最終処分場整備用機材 ・ 廃棄物分別・収集排出用コンテナ (イ)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容: 詳細設計、入札補助、調達監理、医療施設での分別排出・保管に係る安全性の向上についての活動支援、感染性廃棄物の収集・運搬に係るマニュアル作成支援、処理後の感染性廃棄物の適切な処分に係る支援、機材の維持管理に係る技術支援等。
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市場志向型農業普及主流化プロジェクト
パレスチナの農業セクターは、紛争影響下での食料安全保障、コミュニティ再建、農地保全、治安の安定、さらには経済発展において重要な役割を果たしています。農業庁は、農業の持続的な発展を目指して農業普及活動に取り組んでいます。しかし、パレスチナの農業生産は、近隣諸国と比較して生産性が低く、さらに紛争地特有の課題も多く存在しています。また、紛争の影響で普及員がアクセスできない農家や、広範囲に移動しながら放牧を行う遊牧民、また宗教的慣習でグループ普及に参加しづらい女性農家など、対面での農業普及では支援が届かない農家層も多く存在しています。 このプロジェクトでは、農業庁の普及実施体制と普及員の能力を強化し、市場志向型の営農技術指導を実践できるようにすることを目指しています。特に、対面での農業普及に参加しづらい農家層を対象に、多様な農家が生計向上のための普及支援を受けられるよう取り組んでいます。また、農家同士の交流を通じて学び合う機会を推進し、農家間での普及活動も積極的に実施しています。 パレスチナの農業には、一般的な農業生産性の低さに加え、紛争特有の問題も多く、農家の心理にも影響を与えています。本プロジェクトでは、農家への丁寧なインタビューや現地調査を通じて、紛争地特有の課題を把握し、改善策を実施しています。また、同じ紛争地でも経営改善の工夫をしている農家と話すことで、対象農家に前向きな気持ちを持ってもらうよう支援しています。紛争という大きな外部要因があるパレスチナでは、特有の課題と農家のメンタリティを十分に理解し、それに基づいた普及手法を考案し、実施することが重要です。 【事業目的】 持続可能な統合EVAP普及パッケージ(※(注記)対面によるグループによる農業普及とIT利用を含む普及システムを統合したもの)とそのエッセンスの開発・実施を通じて、多様な農家の生計向上を図り、もって普及サービスの改善・持続的拡大に寄与すること。 【上位目標】 統合EVAP普及パッケージの持続的な実施とそのエッセンスの活用が広く行われることで、パレスチナの普及サービスが改善する。 【プロジェクト目標】 統合EVAP改良普及パッケージとそのエッセンスの開発・実施を通じて、多様な農家の生計が改善され、普及サービスが拡大する。 【期待される成果】 成果1:プロジェクトの実施体制が確立する。 成果2:高い効果があり持続的な EVAP普及パッケージ改良版が提案される。 成果3:EVAP-3で新たに対象となるリーチが困難とされる多様な農家についての情報が整理され、IT利用を含む普及システムが特定される。 成果4:成果2で簡素化された高い効果があり持続的なEVAP普及パッケージ改良版(※(注記)対面によるグループによる農業普及)が実践される。 成果5:成果3で特定されたIT利用を含む普及システムが試行実施を経て最適化される。 成果6:成果4と成果5の知見が取りまとめられ、EVAP普及パッケージ改良版とオンライン普及手法が構築される。
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ジェニン市上下水道部庁舎(本事業でSCADA中央監視室を設置する)撮影:2022年 ジェニンにおける上水道改善計画
パレスチナ自治区の降水量は時期により偏りがあり、特に夏季の水源確保が難しい地域です。また、ヨルダン川西岸地区北部に位置する主要都市であるジェニン市は、送配水管の老朽化などに起因して無収水率が60%(2020年)と他のパレスチナ主要都市の無収水率(25〜50%前後)に対し高く、課題となっています。加えて、ジェニン市の人口は増加傾向にあり、今後水需要量に対し大幅な水不足が予測されています。 本案件は、上記のような課題を抱えるジェニン市において、送配水施設の改修・新設及び取水施設の改修を行うことにより、水道サービスの向上を支援するものです。 【事業の目的】 本事業は、ヨルダン川西岸地区のジェニン市において、送配水施設の改修・新設及び取水施設の改修を行うことにより、水道サービスの向上を図り、もって住民の生活環境の改善に寄与するもの。 【事業内容】 1)取水施設(市営井戸)の改修(1本)、送水ポンプ設備の更新(1箇所)、配水池の改修(2箇所)、配水本管の新設(約8km)、配水支管の更新・新設(約55km)、配水区の構築、送配水監視システム(監視制御)の導入。 2)ソフトコンポーネント(施設の運転・維持管理、配水管理・水運用支援、新規給水接続支援、監視システム運用支援)
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Qatannah男子中学校既存パソコンルーム 遠隔教育機材整備計画
パレスチナでは、教育の質向上のためにICTを活用する方針としており、パレスチナ教育庁においても教育におけるデジタル化の拡大・促進、Eラーニングや遠隔教育の改善といった教育におけるICTの活用を推し進めています。しかし、既存機材は撮影できる量と質には限界があり、データの一次処理に必要な機材が不足しています。また、教材として通常授業の中でも有効活用するとともに、自主学習、教員の能力強化、教材作成等にも活用するためには、学校側においてもインタラクティブフラットパネルやPCを備えた多目的教室(スマート教室)の整備が望まれています。 本事業では、ヨルダン川西岸地区のテレビ局に視聴覚教材制作用の撮影機材を整備し、同地区の学校に、遠隔授業等に対応可能な視聴覚機材及びICT機材を整備します。これにより、初等教育の学習環境の改善を図り、もってパレスチナの教育分野における基礎生活の基盤整備を行い、人間の安全保障に基づく民生の安定と向上に寄与することが期待されます。 【事業の目的】 本事業は、パレスチナにおいて教育テレビ局撮影スタジオに撮影機材を供与し、ヨルダン川西岸地区の学校に視聴覚機材及びICT機材を整備することにより、初等教育の学習環境の改善を図り、もってパレスチナの教育分野における基礎生活の基盤整備を行い、同国の人間の安全保障に基づく民生の安定と向上に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 【教育テレビ局向け機材】教育テレビ局コンテンツ制作用機材(各局 1セット) 【学校向け機材】ラップトップパソコン等(25 校分) 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理等。 3)調達・施工方法 機材は本邦製品の調達を主としつつ、第三国製品を一部調達する。
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ジェリコ市水環境改善・有効活用計画
パレスチナのジェリコ市とその周辺地域は海抜が低く、市街地から排出される汚水が流れ出にくい環境にあります。各家庭の汚水槽から地下に汚水が浸透したり、涸れ川に汚水をそのまま投棄したりすることにより、土壌や地下水が汚染されていました。この協力では、ジェリコ・ヨルダン渓谷地域において、日本の省エネルギー技術も活用して、同市に下水を収集・処理する下水処理施設の建設を支援しました。これにより、地域の主要な水源である地下水の汚染を防ぐとともに、地域住民の生活・衛生環境の改善に寄与しました。
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ジェリコ農産加工団地運営・サービス機能強化プロジェクト
パレスチナでは、経済インフラ整備の遅れ、物流がイスラエルを経由するために生じる制約など様々な理由で経済発展が進まない状況にあります。特に製造業の停滞は著しく、パレスチナの経済的な自立の観点から、また高い失業率を緩和する雇用創出の観点から、地場製造業の育成は優先度の高い課題です。パレスチナ自治政府は工業団地を開発し、インフラ、物流、諸制度を包括的に整備して内外の企業を誘致し、これら企業の事業拡大を支援して経済開発を促進する取り組みを進めています。日本はジェリコ農産加工団地(JAIP)の開発を支援し、工業団地を運営するパレスチナ工業団地・フリーゾーン庁(PIEFZA)の工業団地運営管理機能やJAIP入居企業へのインセンティブサービス提供機能の向上を図りました。 1) 上位目標 ジェリコ農産加工団地(JAIP)の経済活動が拡大する 2) プロジェクト目標 PIEFZA による入居企業に対するインセンティブサービス提供機能およびJAIPの運営管理機能が強化されることで、JAIPが適切に運営される 3) 成果 成果1 ワンストップショップサービス(OSS)の提供機能およびロジスティックサービス促進機能が強化される 成果 2 ビジネス開発サービス(BDS)の提供機能が強化される 成果 3 資金サービスの促進機能が強化される 成果 4 JAIP運営管理機能が強化される
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非感染性疾患分野中核人材育成プロジェクト 非感染性疾患分野中核人材育成プロジェクト
パレスチナ自治政府では、疾病構造の変化により循環器系疾患、癌、脳血管疾患等を含む非感染性疾患(NCDs)が死亡原因の80%以上を占めています。パレスチナ自治政府は2016年に策定した「国家政策アジェンダ」に基づく「国家保健戦略2017-2022」において、NCDsによる死亡率の低減や重症化予防のための早期発見、医療サービスの向上等の実現を掲げています。本事業は、対象地域における医療サービスの向上を目指し、NCDs分野の医療従事者、特に医師、看護師の能力強化を通して、パレスチナにおけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC) 達成を支援します。 (1) 上位目標 パレスチナ広域にわたり質の高い医療サービスが提供される。 (2) プロジェクト目標 対象地域の医療機関において NCDs に関する質の高い医療サービスが提供される。 (3) 成果 成果 1 現地のニーズに基づいた効果的かつ持続可能な、NCDs に関する研修プログラムが作成される。 成果 2 研修を通して研修員が医療サービス改善のための知識・技術を習得し、普及するための計画が策定される。 成果 3 現地での適時なフォローアップ活動を通して標準的な診断と治療の能力が強化される
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- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
パレスチナで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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