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ブータン
Bhutan
ブータン王国はヒマラヤ山脈の東端に位置する人口約70万人の内陸国で、経済成長のみに偏重せず国民が幸福感を持って暮らせる社会を目標とする「国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)」を開発の基本理念として掲げていることで知られています。過去5年間のGDP成長率9.3%と豊富な水資源を活かした水力発電による経済成長を遂げており、2011年の一人当たりGNIはUS2,130ドルと中所得国の水準となっています。一方で、都市部と農村部の生活水準の格差は依然として大きく、近年は急速な都市化に伴う都市環境問題、雇用創出、経済基盤の脆弱性等が課題となっています。JICAは、ブータン政府の重点分野も踏まえ、(1)農業・農村開発、(2)経済基盤整備、(3)社会開発、(4)ガバナンス強化、を柱として支援を展開しています。
Project プロジェクト
JICAがブータンで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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研修施設視察状況 建設人材育成システム構築プロジェクト
山岳国家であるブータンでは、道路は唯一の輸送・移動手段として重要であるものの、地形や財政上の制約により幹線数が少なくネットワークの脆弱さが課題となっています。また、道路整備において必要となる建設人材について、ブータン側関係機関は必ずしもその育成に十分な経験・能力を有しておらず、建設業の発展に課題を抱えています。 本事業は、ブータンにおいて自国の官民建設技術者及び技能工等の育成に係るモジュールの作成、講師育成、研修モジュールの実施、建設技術者及び技能工や企業の評価制度構築、建設業の魅力化等を実施します。これにより、同国の建設技術者及び技能工の育成システム構築を図り、もって同国の建設分野における人材の持続的な育成に寄与します。 【上位目標】 ブータンの建設分野における人材が持続性をもって育成される。 【プロジェクト目標】 ブータンの建設分野における技術者及び技能工の育成システムが構築される。 【成果】 成果1: ブータン国内で持続的に技術者及び技能工を育成するための研修モジュールが作成される。 成果2: 研修モジュールを提供する講師が ToT で育成される。 成果3: 研修によりブータン人技術者及び技能工が育成される。 成果4: 改善された評価制度を試行的に実施する。 成果5: ブータンの建設業が魅力化される。
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王立感染症センター建設計画 王立感染症センター建設計画
国立感染症病院としての機能を有するギダコム病院は建設から50年以上が経過しており、建物の老朽化により、院内感染防止のための換気設備が整っていないなど、感染症の適切な診断・治療に必要な施設・設備・機材が十分でない状況にあります。また、同病院は人材育成の拠点として機能することが求められていますが、そのための設備や機材が十分に整備されていないため、臨床教育など人材育成の機会が提供できていない状態です。 本事業では、ギダコム病院に隣接し、その感染症診断・治療拠点の機能を移管する形で、新たに保健省直轄の感染症専門病院として王立感染症センターを建設し医療機材を整備します。 1 事業の目的 本事業は、ティンプー県において、王立感染症センターの建設及び医療機材を整備することにより、感染症に対する治療の質の改善及び感染症対策の知見を有する人材育成拠点の構築を図り、もって感染症対策の強化を通じたブータンの持続可能な成長に寄与するもの。 2 事業内容 ア)施設、機材等の内容 【施設】病棟、外来部門、診断部門、研修部門、管理部門等 【機材】感染症の診断・治療に必要な機材(デジタル X 線撮影装置 、ポータブル X 線撮影装置 、超音波診断装置、ポータブル超音波診断装置、患者監視装置、人工呼吸器、気管支鏡、血液培養分析装置、抗酸菌培養検査装置、遺伝子解析装置 等) イ)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、施工・調達監理、院内感染予防のための設備・機材の運営・維持に対する技術支援等 ウ)調達・施工方法 施設は本邦企業が施工。機材は原則として日本製品の調達を対象とするが、日本では製造されていないもしくは製造業者が限られている一部の医療機材に関し、第三国製品から調達する。 放射線機器、検査機器など高額かつ故障により病院機能に大きく支障をきたす一部機材につき、1 年間のメーカー保証期間を含む最大計 5 年間の保守契約を付帯。
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国道四号線橋梁架け替え計画
ブータンの主な道路ネットワークは国土の東西に走る国道一号線と、インド国境まで南下する4本の国道(国道二〜五号線)です。このうち、国道四号線は、国内の人の移動・物流の重要路線であり、またこの路線沿いに今後経済を牽引するであろうマンデチュ水力発電所の建設が進行中のため、その建設のための輸送ルートとして重要な役割を果たしています。しかし、同国道に架かる橋梁の中には、老朽化し現行設計基準を満たしていないものもあり、早急に改修を行う必要があります。この協力では、国道四号線上の4橋(テレガンチュ橋、ベテ二橋、サムカラ橋、パッサン橋)の架け替えを行いました。これにより、橋梁の性能と安全性を向上させ、安定的な運輸交通を図り、地域の経済活性化促進、地方部の生活改善に寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、トンサ県及びサルパン県において、国道 4 号線上の 4 橋、1テレガンチュ橋、2ベテニ橋、3サムカラ橋及び4パッサン橋の架け替えを行い、橋梁の性能及び安全性を向上させることにより、安定的な運輸・交通の確保を図り、もって地域の経済活性化の促進及び地方部の生活改善に寄与する。 【事業内容】 1) 土木工事の内容 国道 4 号線上の 4 橋(1テレガンチュ橋:2 車線、橋長 40m【トンサ県】、2ベテニ橋:2 車線、橋長 33.5m【サルパン県】、3サムカラ橋:2 車線、52.5m【サルパン県】及び4パッサン橋:2 車線、41m【サルパン県】)の架け替え工事(切り土面保護工、歩道含む)及びアプローチ道路の整備 2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、施工監理(ソフトコンポーネントはなし)
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全国総合開発計画2030策定プロジェクト
ブータン政府は、農村と都市のバランスの取れた開発を政策目標に掲げて進めていますが、近年は若年層を中心として、農村部から都市部への人口移動が顕著となっています。そのため、農村部では若い働き手が減少し、休耕地の拡大や公共サービスの担い手の不足が見られる一方で、都市部においては十分な雇用がなく、若年層の失業に伴う社会問題が発生しています。このような国家レベルの人口分布の不均衡に伴う問題を解決していくためには、包括的な開発計画が必要であり、この協力で、2030年を目標年次とする全国総合開発計画を作成しました。これにより都市と地方間のバランスの良い開発が促進され、国民総幸福量が最大化されることに寄与しました。また、2030年は持続可能な開発目標(SDGs)の目標達成年であり、SDGs達成に向けた基本計画としても期待されます。
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災害用緊急時移動通信網整備計画
ブータンは国土のおよそ半分が急峻な地形であるため各地域間のアクセスが悪く、孤立している地域が多く存在します。頻発する地震や土砂災害などの自然災害に対応するためには確実で安定的な通信手段の確保が不可欠です。携帯電話の普及率は80パーセント以上と市民の情報伝達の主要な手段であるものの、通信システムが冗長化されていないため、災害時に携帯電話の通信が途絶するリスクがあります。この協力では、ブータンのジャカール市において、移動体通信ネットワークの冗長化のためのシステムを整備しました。これにより、国内の通信状況が改善され安定的な通信が可能になり、リスク軽減につながりました。 【事業の目的】 本事業は、ブムタン県ジャカール市において、移動体通信ネットワークの冗長化のためのコアシステムを整備することにより、ブータン国内の安定した通信ネットワークの確保を図り、もって同国の気候変動等による自然災害への対策及び防災機能強化を通じ、自然環境の悪化に対する脆弱性の軽減に寄与することをめざす。 【事業内容】 日本側: 1)機材調達:回線交換機、メディアゲートウェイ、加入者データベースシステム、加入 者パケット交換機、中継パケット交換機、ファイアーウォール、オペレーションシステムなど 2)コンサルティング・サービス:詳細設計、入札補助、調達監理 相手国側: 電源設備の強化、伝送設備の改善、土木工事、相互接続作業
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ナムリン橋の現況 モンガル県における主要国道一号線橋梁架け替え計画
ブータンは国土の大部分が険しい山岳地帯であり、国土を東西に横断する主要国道一号線は代替幹線道路がなく、平時の物資輸送や救急医療の際の患者搬送を円滑に行うためには、橋梁を含む路線の整備・強靭化が重要です。 ブータン東部モンガル県で主要国道一号線上にあるナムリン橋、ダーダリ橋は過去に落橋し、現在は仮設橋であることから速やかに架け替えが必要です。しかしながら、この2つの橋は急峻な山岳部に位置しており、永久橋架設に当たってはその地形条件に鑑み、高度な技術と豊富な経験が必要とされています。 本事業は、橋梁架け替えの難易度、災害リスク等の観点から、特に優先度が高いと判断される2橋梁の架け替えを通じてブータンの基幹幹線道路の利便性・持続性の向上を図り、物流、人の移動の円滑化、及び医療等の社会的サービスへのアクセスを向上させ、持続的な経済社会の安定と発展に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は、モンガル県において、主要国道一号線上の橋梁を架け替えることにより、基幹幹線道路の利便性・持続性の向上を図り、もって物流、人の移動、医療等社会的サービスへのアクセスを向上させ、持続的な経済社会の安定と発展に寄与するもの。 【事業内容】 1) 施設、機材等の内容 【施設】2 橋の架け替え、取付道路の整備、橋梁周辺の斜面対策工 ナムリン橋:橋長 44.0m、取付道路延長 327.7m、斜面対策延長 160m ダーダリ橋:橋長 34.5m、取付道路延長 359.1m、斜面対策延長 95m 2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達・施工監理
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thmbnail 東部地域における保健医療サービス強化計画
ブータンの人口の約 24%を擁する東部地域では、特に母子保健に関し、乳児死亡率、5 歳未満児死亡率が高く、母子保健サービスの強化が喫緊の課題となっています。背景として、脆弱な医療提供体制があり、各レベルの医療施設において妊産婦及び新生児の状況に応じた適切なケアが行われていないことが挙げられています。 本事業は、ブータン政府が建設する一次〜三次医療機関計19施設に対する母子保健分野を中心とした医療機材の整備を通じ、同地域の医療サービスの強化を図り、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC) の推進を目指すものです。 【事業の目的】 本事業は、ブータン東部地域の一次〜三次医療機関に対し、母子保健分野を中心とした医療機材の整備を行うことにより、医療サービスの強化を図り、もって同地域のUHCの推進に寄与するもの。 【事業内容】 ア)施設、機材等の内容 【機材】 三次医療機関: 一般X線撮影装置2台、インファントウォーマー16台、超音波診断装置6台、除細動器5台、保育器3台、患者監視装置35台、人工呼吸器7台、分娩監視装置10台、手術台3台、無影灯 3台、麻酔器 2台、腹腔鏡 1台、子宮鏡1台、高圧蒸気滅菌器 2台、血液凝固分析装置 1台、血液ガス分析装置 2台等 二次医療機関: インファントウォーマー6 台、超音波診断装置 5台、除細動器 7台等 一次医療機関: インファントウォーマー11台等 イ)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理、機材の維持管理に関する技術支援等
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#無償資金協力
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#保健医療
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現地大学により試作されたデジタルヘルスデバイスの紹介(写真提供:ブータン保健省) 政府のデジタル技術及びデータ利活用能力強化プロジェクト
ブータンは国民の幸福感や伝統的な文化を維持しつつ、地理的・気候的条件を活用した水力発電事業や農業などを中心に発展してきた国です。一方、農業離れが顕著な若年層の失業率の増加や頭脳流出、 生活習慣の変化による糖尿病の増加などの社会課題があります。 この解決の糸口の一つとして、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に期待がされています。医療・健康データの蓄積及びそれを活用したサービスを検討・実証することにより、データ活用基盤の構想に基づいた保健医療サービスの質向上と拡充を図り、国民総幸福度の向上を目指します。 【上位目標】 国民の多様な幸せ(GNH/Well-being)の実現のための保健医療データの利活用が促進される。 【プロジェクト目標】 事業で新たに構築されるデジタルヘルスプラットフォーム上に蓄積される保健・健康関連データ(保健データ)の利活用によりデジタル保健医療サービスの拡充及び質の向上が達成される 【成果】 成果1 [分析] 保健データ利活用に係る現状及び課題・可能性が整理される。 成果2 [立案] ブータンデジタルヘルス戦略、及び具体的な保健データ連携基盤の整備計画(要件定義)が策定される。 成果3 [実証] 保健データ連携基盤の機能がデータ収集・蓄積・利活用の試行実施を通じて検証される。 成果4 [構築] 保健データ連携基盤及び利活用の実施枠組みが構築される。 成果5 [普及・成長] 保健セクターを端緒としたデータ利活用の促進により、次世代の成長に向けたイノベーティブな取組みが実施される
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技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
ブータンで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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