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バングラデシュ
Bangladesh
バングラデシュは、年率平均6%の堅調な経済成長を続け、1億6千万人という人口規模と豊富で安価な労働力により、投資先・成長市場としても近年注目されています。しかしながら、未だ人口の24%(2017年)の貧困層を抱え、経済インフラの未整備に加え、サイクロンや洪水といった自然災害に脆弱で、気候変動による影響を受けやすい国でもあります。二国間援助のトップドナーであるJICAは、持続可能かつ公平な経済成長の加速化と貧困からの脱却という基本方針の下、2021年までに中所得国化するというバングラデシュ政府の目標の実現を支援しています。経済成長への支援としては、運輸・電力等のインフラ整備への協力を継続的に実施するとともに、民間セクターの活性化のための支援も行っています。また、社会の様々な脆弱性を克服するために、基礎教育、保健医療、農村開発、ガバナンス、災害対策等の分野における支援も全国で実施しています。
Project プロジェクト
JICAがバングラデシュで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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季節予報に関する技術移転の様子(写真提供:気象業務支援センター) 気象気候分析に関する能力向上プロジェクト
国土の大部分が低平地で、洪水・サイクロンなどの自然災害が多発しているバングラデシュ。バングラデシュ気象局(BMD)は、気象情報だけでなく、地震や津波に係る情報も含めて政府・関連機関や国民に対し提供する政府機関であり、24時間体制で観測、予測及び予報を行っています。しかし、実際の観測値による校正が十分ではないために気象レーダーによって得られたデータを十分に活用できておらず、また、気象予測も予報官によって予報にバラつきがあるなどの問題もあります。 本事業は、バングラデシュにおいて、気象観測機器の適切な運用・維持管理、それら観測機器から得られる情報を基にした気象解析・予報とその発信及びBMDの中長期計画を策定することにより、BMDの気象観測、予報及び情報発信に係る能力の向上を図ります。これをもって災害対応のための情報提供力の向上に寄与するものです。 【上位目標】 バングラデシュ国において、改善された気象情報及び予報が継続的に提供され、災害対応のための情報提供力が向上する。 【プロジェクト目標】 BMDの気象観測、予報及び情報発信に係る能力が向上する。 【成果】 成果1:地上及び高層気象観測の能力が改善される。 成果2:気象レーダーの運用とデータ解析の能力が改善される。 成果3:気象解析と予報に関する能力が改善される。 成果4:気象情報の発信能力が改善される。 成果5:気象観測・予報・情報発信業務向上のための中長期計画(ロードマップ)が策定される。
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開通したジャムナ鉄道専用橋1 ジャムナ鉄道専用橋建設事業(第三期)
バングラデシュは総延長約3,122キロメートルの鉄道網を有していますが、その施設・機材のほとんどは旧英領時代(1947年以前)に整備されたもので、老朽化が進んでおり、定量・定時・大量・安全・省エネという鉄道輸送の強みが十分発揮されていません。他方、同国及び近隣諸国の堅調な経済成長に伴い、コンテナ輸送需要が増加しており、コンテナ輸送を最も効率的に担う鉄道輸送能力の強化が課題となっています。 本事業は、ジャムナ川流域において既存のジャムナ多目的橋と並行して新たに鉄道専用橋を建設することにより、鉄道輸送の需要への対応、既存橋の道路容量の拡大、持続性の向上及び安全性の改善を図り、もって当国内及び近隣諸国との輸送ネットワークの効率化に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は、ジャムナ川流域において既存のジャムナ多目的橋と並行して新たに鉄道専用橋を建設することにより、鉄道輸送の需要への対応、既存橋の道路容量の拡大、持続性の向上及び安全性の改善を図り、もって当国内及び近隣諸国との輸送ネットワークの効率化に寄与するもの。 【事業内容】 1)ジャムナ鉄道専用橋(複線のデュアルゲージ。橋長約4.8kmの鋼下路トラス橋)の建設(国際競争入札) 2)両岸のアプローチ橋(高架)の建設及びレールの移設(両岸計約7.7km)(国際競争入札) 3)関連施設(信号システム、両岸の駅舎(バンガバンドゥ・セツ東駅及びバンガバンドゥ・セツ西駅)の移設・改修)の整備(国際競争入札) 4)コンサルティング・サービス(F/Sレビュー、詳細設計、入札補助、施工監理、環境社会配慮手続き及びモニタリング補助等)(ショートリスト方式) 5)付帯設備(ミュージアム、警備員宿舎、カフェテリア等)の整備(国際競争入札)
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クルナ水供給事業
安全な水の安定的な供給が十分に行われていないバングラデシュ。とりわけ第三の都市クルナ市では、まだ大規模上水道施設は整備されていません。日本は、クルナ市で住民が安全な水に安定してアクセスすることができるよう、取水・浄水・送水・配水施設の整備を支援しました。本事業により、上水道サービスを利用することができる人口は、22パーセント程度から約73パーセントに増加すると見込まれます。また、低所得者コミュニティでは水利用者グループを組織し、コミュニティ共同給水栓を設置することにより、貧困層にも本事業の成果が行き渡るよう配慮しました。 【事業の目的】 本事業は、バングラデシュ・クルナ県クルナ市において、上水道施設の整備を行うことにより、安全かつ安定的な上水道サービスの提供及び気候変動に伴う塩水遡上への対応を図り、もって同地域住民の生活環境の改善に寄与するものである 【事業内容】 1) 取水施設及び浄水場・貯水池 2) 送配水管網 3) コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工監理、組織強化等)
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小規模農家農業生産性向上・多様化振興融資事業
バングラデシュにおける農業は、GDPの約17パーセントを占め、就業人口の約45パーセント(2012年)が従事する重要な産業です。穀物については自給率100パーセントを達成していますが、都市化の影響による耕作地の減少と人口増加にともなう食糧需要の増加のため、生産性を高める必要があります。一方、農家の生計向上のために作物の多様化も進めていく必要があり、政府による農業融資が拡充されています。しかし、これらは主に担保を必要とする銀行融資であるため、主要な生産者である小規模・零細農家は融資を得にくい状況です。この協力では、マイクロファイナンス機関による融資を支援することで、小規模・零細農家の金融アクセスを改善しました。また、マイクロファイナンス機関を通して借入農家に対する技術指導を行い、農業生産性の向上を支援しました。 【事業の目的】 本事業は、バングラデシュ全土においてバングラデシュ中央銀行から参加マイクロファイナンス機関(Participating Microfinance Institutions:以下、「PMIs」という。)への転貸を介した小規模・零細農家への農業生産性向上に資するツーステップローン供与、及び借入農家に対する農業技術指導を実施することにより、農業金融に係る資金仲介機能の円滑化、小規模・零細農家の農業生産性の向上、作物の多様化を図り、もって農業金融の深化及び農業セクターの発展に資するものである。 【事業内容】 1) 小・零細農家農業生産性向上、多様化振興融資:PMFI を通じた小・零細農家に対する農業生産性向上、作物多様化に資する活動への融資。中央銀行から PMFIはタカ建て、金利は公定歩合以下、返済期間最長 2 年で転貸される。PMFI から小・零細農家はタカ建て、金利 20%以下、返済期間は 3 ヶ月〜2 年(含む据置期間 1 ヶ月〜半年)で貸し出される。 2) コンサルティング・サービス:PMFI の審査や農業技術指導、事業進捗に係るモニタリング支援。
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教育テレビ設立支援プロジェクト
バングラデシュのテレビの普及率は急速に進んでいます。しかしながら、放送されている番組はニュース番組、娯楽番組、アジアの諸外国や欧米で制作された購入番組が多く、コンテンツが少ないのが現状です。そのため、同国独自の開発ニーズや文化風土に根差した教育・啓発番組を国営テレビ局が制作・放送することのニーズは高いです。この協力では、テレビ放送を人間開発の観点から活用するためのメディアプラットフォーム(HDTV)のプロダクションチームを設け、高品質のHDTVプログラムの制作などを支援しました。これにより、継続的に国営放送チャンネルを通じて放送され、教育・啓発活動がHDTVを通じて改善されました。 【上位目標】 教育·啓発活動が HDTV を通じて改善される。 【プロジェクト目標】 高品質の HDTV プログラムが制作され、継続的に国営放送チャンネルを通じて放送される。 【成果】 成果1 HDTV番組制作の体制・制度が確立される。 成果2 HDTV番組制作チームの能力が改善される。 成果3 教育·啓発活動に HDTV を効果的に利用する方法が導入される。
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金融包摂強化プロジェクト
バングラデシュは気候変動の影響を受けやすく、特に貧困層にとって農作物の不作や価格の急変、病気による収入低下や支出の増、失業といった負の要素は、容易に消費・生活水準の低下につながります。これらの負の要素に対し、貧困層は友人や家族、マイクロファイナンス機関(Mfls)などからの借り入れで対応していますが、このような事後的な対応では不十分かつ不安定であると指摘されています。また、家計のリスク対応力が弱ければ恒常的貧困・絶対貧困層化を招くことから、Mflsのマイクロクレジット(貧困層を対象とした小口融資)だけでなく、保険などの金融サービスに加え、金融以外のサービスも含めた幅広いリスク軽減手段が貧困層に求められています。この協力では、金融および金融以外のサービスの組み合わせの開発、実施機関のマイクロ保険提供能力の向上支援を通じたサービス提供メカニズムの整備を図り、貧困層へのこれらのサービスの利用促進に寄与します。
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被災箇所の状況:下流側は床面の崩落が現在も進行中 コックスバザール県におけるバングラデシュ漁業開発公社水揚場整備計画
コックスバザール県にあるバングラデシュ漁業開発公社水産センターは、河岸侵食の進行により桟橋、荷捌所および岸壁一部が崩壊し、現在も崩落が進行しています。このため、水揚げ作業は崩壊していない荷捌所を利用せざるを得ず非効率で、汚染された浅井戸や河川水を利用するため衛生面にも課題があります。また、2017年8月以降、隣国ミャンマーからコックスバザール県への避難民流入の影響により、生活物資の高騰や日雇い労働機会の減少、賃金の低下等が生じており、零細漁業従事者を含む避難民受け入れにかかる地域住民(ホストコミュニティ)への貧困削減対策のニーズが高まっています。 本事業は、コックスバザール県のバングラデシュ漁業開発公社水産センターにて水揚場施設及び関連機材等の整備を通じてバングラデシュの漁獲物の品質向上や廃棄率の減少及びそれに伴うホストコミュニティの漁業従事者の生計向上等を目指します。 【事業の目的】 本事業は、コックスバザール県の BFDC水産センターにおいて、水揚げ場等施設、関連機材の整備を行うことにより、漁獲物の水揚効率の向上、衛生的な取扱いによる漁獲物の品質向上を図り、もって同県の水産業従事者の生産性向上と流通水産物の損失減少、ホストコミュニティの生計向上に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 【施設】護岸(約70m)、浮桟橋2基(×ばつ幅約4m)、連絡橋2基(×ばつ幅約3m)、鮮魚荷捌所棟、トレーダー事務所棟、職員住宅(1棟)、トイレ棟、ゲートポスト/電気室、料金収集所、ごみ置き場等(総延床面積約 6,300 m2)、深井戸 【機材】鮮魚洗浄槽(18個)、洗浄・運搬バスケット(180個)、パレット(140枚)、クーラーボックス(360個)等 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 コンサルティング・サービス:詳細設計、入札補助、施工・調達監理 ソフトコンポーネント:鮮魚取扱い研修指導、衛生管理研修指導
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2024年11月23日現地プラスチック企業の視察1(写真提供:ユニコ インターナショナル株式会社) 産業競争力強化プロジェクト
バングラデシュの経済構造は、縫製品輸出と海外労働者送金に過度に依存しています。国民の生活水準の向上を支える経済成長を維持するためには、製造業を中心とした国内市場向けに競争力があるや輸出競争力のある産業を育成し、産業の多角化を図ることが必要です。 本事業は、先行案件での産業振興関連政策の実施促進や、地場製造業の現場での技術指導・経営能力向上に資する研修等の成果を活用し発展させながら、裾野産業の育成、産業競争力強化に更に焦点をあてるものです。特に産業競争力強化の政策実施、外国企業と現地企業の連携強化・関係構築に資する産業人材育成及びマッチング機能を中心に、これらの取組みの実施体制の強化を図ります。 【上位目標】 バングラデシュの製造業セクターにおいて、政策実施能力並びに人材育成及びリンケージ形成にかかる取組能力が強化され、バングラデシュにおける産業並びに企業の競争力の向上に寄与する。 【プロジェクト目標】 バングラデシュにおける産業競争力強化に資する政策実施能力並びに人材育成及びリンケージ形成にかかる取組能力が強化される。 【成果】 成果1 プロジェクトで対象とする政策/計画について、期日を定めた詳細なアクションプランが策定されることにより、実務者の実施能力が向上する。 成果2 ライトエンジニアリング及びプラスチック産業においてプロジェクトが対象とする技術について、研修実施機関が提供する研修の質が改善される。 成果3 品質・生産性の効率的な向上に資するよう、既存のカイゼン研修コースがより精緻に更新され、品質・生産性向上における具体的な手段としてデジタル化(ICTの活用)の要素が導入される。 成果4 必要な情報と実施体制が整備され、リンケージ形成のためのマッチング機能が強化される。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
バングラデシュで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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