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ニカラグア
Nicaragua
ニカラグアは一人当たりGDPが1,904.3米ドル(2019年:IMF)と、アメリカ大陸で2番目に貧しい国とされています。近代では地震、ハリケーン、内戦などに見舞われ、2018年4月には政治社会的な緊張状態に陥り、失業率の増加など経済がさらに悪化しています。JICAは1991年のボランティア派遣以降、国の社会経済発展に協力し、2001年には「日本政府とニカラグア政府間の技術協力に関する協定」を締結し、現在ではJICA全てのスキームを有しています。協力プログラムでは、安定した経済成長を通じた貧困と社会的格差の是正を目的として、1)マナグア首都圏開発プログラム、2)地域力活性化プログラム、3)社会サービスプログラム、4)環境・防災プログラムの4つを定めています。「信頼で世界をつなぐ」というJICAのビジョンに基づきニカラグア事務所は、ニカラグア国民が裨益するよう「人から人へ」のスローガンを掲げ、人々を協力の中心に位置づけています。また、2021年にはニカラグアへの協力開始から30周年を迎え、これまで築いてきた信頼と友情の絆をさらに深めるよう、今後も尽力してまいります。
Project プロジェクト
JICAがニカラグアで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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みんなにわかりやすい中等数学プロジェクト
ニカラグアでは近年、中等教育の純就学率は大きく向上しています。しかし、児童の学習理解度は低く、中等教育を修了できる児童は約半数に留まっています。中でも数学は生徒の理解度が低いことから、ニカラグア政府は、大学教員と協働して中等数学の教科書を開発したものの、難しい説明が多く練習問題の数も不十分なものでした。この協力は、同国において、中等教育の数学科改訂カリキュラムに則した教科書・教師用指導書・生徒用学習帳の開発、現役教職員に対する導入研修システムの強化、教員養成課程における数学科指導法講座プログラムの改訂を行いました。これにより、中等教育課程数学科において、改訂されたカリキュラムに則った教育活動の導入に貢献しました。 【上位目標】 中等教育課程数学科において、改訂されたカリキュラムに則った教育活動が実施される。 【プロジェクト目標】 中等教育課程数学科において、改訂されたカリキュラムに則った教育活動が導入される。 【結果】 1)中等教育課程全 5 学年の数学科の教科書、教師用指導書、生徒用学習帳が作成される 2)公立普通中等教育数学科教員に対する導入研修システムが強化される。 3) マナグア校と UNAN レオン校の数学科中等教員養成のための数学指導法講座プログラムが改訂される。
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第三次児童保健強化計画
ニカラグアでは、内戦や災害の影響で保健医療分野の整備が遅れ、妊産婦および5歳未満乳幼児の死亡率が極めて高い状況が続いていました。しかし、厳しい財政事情により、母子保健分野の改善は困難な状況でした。この協力では、未電化地域や僻地を中心に、ソーラー式冷蔵庫やワクチンキャリアなどのコールドチェーン機材、吸入器、必須医薬品の調達を支援しました。これにより、母子保健サービスの向上を図り、同国の妊産婦および乳幼児の死亡率の低減に寄与しました。
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サン・ファン・デル・スル漁業施設整備計画
ニカラグアは、食料自給と外貨獲得の両面から、水産業を重要な産業と位置づけています。しかし沿岸漁業の中心であり、太平洋側で最大の水揚げ量を誇るサン・ファン・デル・スル漁港では、水産基盤整備の遅れのために漁獲物の鮮度が保持できず、漁獲後の損失が大きいことが問題となっていました。この協力では、同港の水揚げ効率を向上させる岸壁の整備、荷捌き場、製氷・貯氷施設など鮮魚流通に必要な施設の整備、および関連機材の調達を支援しました。これにより同港の漁獲物の鮮度が改善し、漁獲後損失の軽減に寄与しました。
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ボアコ病院建設計画
ニカラグアは周辺国と比べて医療水準が低いため、地域中核病院の近代化を目指していました。中でもボアコ病院は、倉庫などを暫定的に病院として使用していたため機能的な問題が多く、安全・衛生面で適正かつ十分な医療サービスの提供が困難な状況にあり、早急な整備が必要でした。この協力では、同病院の新設と機材整備を支援しました。これにより、外来患者数は2004年の20,519件から2011年には56,957件に増えており、同県と近隣地域住民に対する医療サービスの向上に寄与しました。
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海岸災害に強い地域作りのための事前防災投資促進プロジェクト
ニカラグアは地震、津波災害、風水害、土砂災害、火山災害など自然災害のリスクを抱えており、これら自然災害による人的・経済的損害は持続的な開発の大きな阻害要因となっています。国家災害管理・防災機構(SINAPRED)の指揮のもと防災事業が展開されているニカラグアにおける海岸災害リスク削減に向け、事前防災投資を推進するためには、SINAPREDに対して、自治体が構造物対策を含めた海岸災害対策施設計画等を適切に作成し、それを全国で実践するための指導力を強化する必要があります。 本プロジェクトは対象地域において、海岸保全基本戦略が関係機関より提案され、具体化され、事業化の準備が行われるとともに、自治体による海岸災害対策を推進するシステムを構築します。これによって、海岸災害対策を推進するための枠組みの構築を図り、もって海岸災害対策推進を目指します。 【上位目標】 海岸災害対策が推進される。 【プロジェクト目標】 ニカラグアにおいて国・自治体レベルで海岸災害対策を推進するための枠組みが構築される。 【成果】 成果1 海岸保全基本戦略が関係機関より提案される。 成果2 海岸保全基本戦略の考えが太平洋・カリブ海沿岸の特性に対応し、具体化される。 成果3 海岸の特性に応じた対策が理解され、関係機関により事業化の準備が行われる。 成果4 自治体による海岸災害対策を推進するシステムが構築される。
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道路維持管理能力強化計画
ニカラグアでは、旅客・貨物の約90パーセントが道路を通じて輸送されています。しかし道路網の整備は遅れていて、面積当たり・人口当たりの道路延長は中米諸国の中でも低い水準にあります。幹線道路の舗装率も低く、特に地方部の貧困地域の道路事情は劣悪で、貧困問題の解決に必要な経済成長の推進役となる投資促進、生産力増強、輸出振興などを阻害していました。これまでも日本の無償資金協力により、主要幹線道路を中心に道路・橋梁など交通インフラの整備を支援してきましたが、この協力では、道路建設機材の供与を支援しました。これにより、道路状況が劣悪な地方部の道路改修事業の促進に寄与しました。
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マナグア市における上水道改善計画
ニカラグアの首都マナグア市では、人口増加に伴って水需要が急増していますが、水源及び配水池容量の不足に加えて、施設老朽化や水圧管理能力不足による漏水により、安定的な供給が課題となっています。 このような状況に対して、日本政府は、技術協力プロジェクトを通じて、上水道施設改善計画マスタープランの策定や無収水の削減のための実施能力強化を支援しました。しかし、これらの成果を有効に活用し、首都圏の上下水道事業を担う上下水道公社(ENACAL)の給水サービスを改善するためには、送配水施設からの漏水修理と配水池設置による水圧適正化に加えて、既存井戸の取水ポンプへのインバータ設置や老朽化した送水ポンプの更新によるエネルギー効率改善のための施設整備を行うことが必要となっています。 この協力では、漏水削減及びエネルギー効率化に必要な資機材並びに配水池を整備することにより、運転維持管理費の削減及び送配水の効率化を図り、対象地域における給水サービス安定化及び住民の生活・衛生環境の改善に寄与します。
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チョンタレス保健管区およびセラヤセントラル保健管区における母と子どもの健康プロジェクト
ニカラグアでは、医師や看護師などにより構成される家庭地域保健チームを基盤に、巡回診療などの活動を通じて、病気の予防、健康増進、診療・診断を包括的に実施する「家族コミュニティ保健モデル」を保健戦略として、2008年に導入しました。国内の全保健管区において、同戦略に基づく保健医療サービスが実施されていますが、その質の向上と、へき地住民の医療サービスへのアクセス改善が急務となっています。この協力では、チョンタレスとセラヤセントラル保健管区において、妊産婦と2歳未満児を対象とする質の高い保健医療サービスの提供能力の強化などを支援します。これにより、同地区の母子の健康の改善に寄与します。 (1)上位目標 チョンタレス保健管区とセラヤセントラル保健管区の母子の健康が改善される。 (2)プロジェクト目標 対象地域において妊産婦と 2 歳未満児を対象とする質の高い保健医療サービスがより利用される。 (3)成果 成果1 妊産婦と2歳未満児を対象とする医療施設でのサービス提供能力が強化される。 成果2 妊産婦と2歳未満児の健康に関するコミュニティ活動が強化される。 成果3 妊産婦と2歳未満児の健康に関するSILAISの行政能力が強化される。 成果4 国家承認された知見や好事例が全SILAISに共有される。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
ニカラグアで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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