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シリア
Syria
シリアにおいて2011年3月から始まった反体制デモと治安当局の衝突は、2012年7月現在、内戦状態にまで発展し、日本人が現地に入れない状況が続いています。そのような中、水資源管理、母子保健、障害者支援等の人道的分野を中心に、騒乱勃発時に実施していた技術協力の現地活動を日本からの遠隔指導し、将来のシリアの国づくり、人々の生活の改善のために支援を継続しています。
Project プロジェクト
JICAがシリアで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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救急医療整備計画
シリアでは、近年、心臓疾患等の非感染症疾病を抱える国民が増加するとともに、交通網の発達や都市化により交通事故が多発しており、救急患者搬送サービスの利用件数は増加の一途を辿っています。都市部以外に救急患者搬送サービスを受けられるところは少なく、シリア保健省は自助努力で購入・配置を進めていますが、利用件数増加のペースには追いついていません。日本は、全国的な救急患者搬送サービス体制を改善・強化するために、救急車の不足が深刻化している地域及び救急医療の全国的拠点を選択・優先し、救急車関連機材の整備を支援しました。
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節水灌漑農業普及計画プロジェクトフェーズ2
水資源の絶対量が少ないことから、農業において水の確保が重要な課題となっているシリア。農産物の安定供給のために灌漑農業は重要です。日本は、「節水灌漑農業普及計画プロジェクト(フェーズ1)」を2005年より3年間実施し、プロジェクトサイト3県(ダマスカス郊外県、ダラ県、ハマ県)の農家が節水の必要性やそのための知識を身につけ、節水灌漑の導入が進みました。この協力(フェーズ2)では、上記3県にアレッポ県、ラッカ県を加えた5県を対象とし、農作物に対する灌漑用水の適切な利用を目指す支援を行いました。これにより、同国全体および近隣諸国への成果の拡大に寄与しました。
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ゴラン病院医療機材整備計画
シリアでは、第3次中東戦争の結果イスラエルに占領された経緯もあり、最も開発の遅れた地域であるクネイトラ県の開発が積極的に進められています。2002年4月にクネイトラ県の中核病院として、ゴラン病院が完成しましたが、政府の財政難のため、十分な機材が整備されておらず、医療サービスが十分に提供できない状況にありました。日本は、ゴラン病院において医療機材の整備を支援しました。この協力により、クネイトラ県の住民への十分な保健医療サービスの提供に寄与しました。
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アル・ザラ火力発電所建設事業
シリアでは1980年後半以降、電力需要の伸びに対して発電設備の拡張が追いつかず、電力の供給不足が顕在化していました。1994年にはジャンダール火力発電所の一部運転開始などにより供給不足が緩和されましたが、高い人口増加率や着実な経済成長、鉱工業分野の潜在需要から、電力需要の増加が予測されていました。この協力では、アル・ザラ地区に天然ガス・重油併用焚きの火力発電所(200メガワットを3基)の建設を支援しました。これにより、電力供給拡大および国産天然ガスの有効利用・輸出用重油の国内消費削減を図りました。
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ダマスカス繊維工業専門学校機材整備計画
シリアでは繊維産業が、輸出額、GDP、労働者数などで重要な地位を占めています。しかし、中堅技術者養成のための唯一の専門教育機関であるダマスカス繊維工業専門学校では、実習機材の老朽化・陳腐化が進み、実践的な技術教育に支障を来していました。この協力で日本は、同校に対し、ミシンや織機などの教育・実習用機材や、品質検査実習に必要な試験器などの整備を支援しました。これにより、より市場ニーズに近い実践的な繊維関連技術の習得が可能となり、同国の繊維産業の発展に貢献しました。
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ダマスカス市内配水管改修計画(第二次)(第2期)
シリアの首都ダマスカス市では、水の供給不足が深刻化していました。その主な要因は水の需要増だけでなく、老朽化した配水管からの膨大な漏水によるものであり、水質悪化の原因にもなっていました。日本は第一次協力において市街地中心部を対象に支援を行い、この協力(第二次)では市街地外周部のメゼ地区を対象に配水管資材の調達などを支援しました。これにより、漏水率は34.7パーセント(1995年)から20.5パーセント(2007年)に改善され、同市の給水量の向上と保健衛生の改善に寄与しました。
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水資源情報センタープロジェクトフェーズ2
乾燥地に位置するシリアでは、効率的な水資源配分を行う必要があります。しかしながら、降雨量や河川の流量などを正確に把握するためのモニタリング体制が整っていません。日本は、2002年から実施したフェーズ1に続き、本フェーズ2協力を実施しています。フェーズ2では、バーディヤ流域(シリア中央部の半乾燥地帯)の観測体制を整備し、さらに水資源公団に対し、シリア全流域の水資源情報を一元管理するための支援を行います。これにより、精度の高いデータが水資源公団で使用され、より適切な水資源管理が行われることが期待されます。
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第二次ダマスカス郊外県給水開発計画(第2期)
シリアの首都に隣接するダマスカス郊外県では、都市化による人口増加に伴い、水不足が深刻でした。近くに適当な水源が存在しないため、住民は浅井戸を使用せざるを得ない状況で、水質汚染による水因性伝染病の発生も危惧されていました。この協力(第2期)では、人口増加率が激しいグータ・ガルビーエ地区において、遠方に位置する有力水源を活用するため、送水管、揚水ポンプなどの資機材の調達を支援しました。これにより対象地域の住民に対して安全かつ安定した給水が可能となり、人口1人あたりの給水量の増加に貢献しました。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
シリアで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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