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コソボ
Kosovo
コソボは2008年にセルビアから独立を宣言して誕生した、バルカン地域で最も若い国です。近年は平均で毎年約4%程度の経済成長を実現している一方、海外移民からの送金や国際援助が同国経済を支える部分も大きく、また、失業率が20%(2021年、出典:WB)を超えるなど、依然として欧州地域の最貧国のひとつとなっています。貧困削減のため、今後は国家としての安定的な経済発展が不可欠です。また、コソボはEU加盟を将来的な目標としており、環境分野などにおけるEU基準への適合も大きな課題です。
JICAは、「持続可能な国造りに向けた経済・社会基盤の安定化」という基本方針のもと、「環境インフラ整備・管理能力向上」及び「人材育成を含む社会経済安定化支援」を重点分野として掲げています。「環境インフラ整備・管理能力向上」では、EU加盟を見据えて廃棄物管理や大気汚染対策、森林火災情報システム、生態系を活用した防災・減災などの分野で支援を実施しています。「人材育成を含む社会経済安定化支援」では、公共放送局による多民族に配慮した番組制作への支援などを実施しています。
基礎情報(2022年)
人口:1,761,985人
GNI総額:9,524百万米ドル
一人あたりGNI:5,590米ドル
失業率:20.4%(2021年)
国土面積:10,887平方キロメートル
(出典:世界銀行「World Development Indicators」)
News ニュース
Project プロジェクト
JICAがコソボで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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JICAセミナー「フェイクニュース対策とメディアリテラシー」(写真提供:NHK財団) コソボ公共放送局能力向上プロジェクト フェーズ3
コソボでは、全ての国民に正確・中立・公正な放送を届けるという理念を達成すべく、公共放送局コソボラジオ・テレビ局(RTK)が多民族性に配慮した番組編成・制作をしています。アルバニア語の総合チャンネル(RTK1)に加え、セルビア語チャンネル(RTK2)が開設されていますが、セルビア系住民の多い北ミトロビッツァ及び周辺地域ではRTK2がいまだ放送されていません。また、南部の主要都市プリズレンでは、諸民族が混住しているため各民族のRTKスタッフが取材にあたっていますが、いまだ情報の精度が低い状態です。加えて、過去の映像素材の利活用に関する規定やマニュアルが整備されていません。 本事業は、コソボにおいて、RTKの報道・番組制作における民族間の協働の仕組みづくりやペヤ支局の設立、全ての多民族に配慮した番組制作への協力を通じて、RTKの報道・番組制作プロセスにおける民族統合の促進を図ります。これをもってRTKが多民族に信頼される公共放送局となることに寄与するものです。 【上位目標】 RTKが多民族に信頼される公共放送局となる 【プロジェクト目標】 RTKの報道・番組制作プロセスにおいて、民族統合が促進される 【成果】 成果1 全作業工程で民族間の協働が促進される 成果2 ペヤ支局が設立される 成果3 多民族の視聴者の RTK への信頼及び親近感を高める番組が制作される
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地理空間情報人材開発プロジェクト
2008年に独立したコソボはEU加盟を最重要課題としており、そのための法整備や経済成長などの課題に取り組むべく、都市・地域開発と自然環境保全を目的とした「コソボ空間計画」を掲げています。しかしながら、これを実現するためのマスタープラン策定には信頼性の高い国土基本図が必要であり、そのためのデータ収集や人材育成は急務となっています。この協力では、同国全土にわたる縮尺2万5,000分の1の地形図およびGISデータの作成や地理情報関連業務を担当する人材の育成を支援しました。これにより、本事業で作成した地理空間データが国土開発事業/計画策定に活用されるなど、「コソボ空間計画」に基づく国土開発に寄与しました。
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循環型社会へ向けた廃棄物管理能力向上プロジェクト
コソボでは、紛争終了後の国内の安定に伴い都市部の人口が激増している一方、廃棄物処理の料金徴収率が低いことなどにより財源が不足し、ごみ収集車両の老朽化、廃棄物収集率の低下が著しく、同国の環境分野では廃棄物管理が最も深刻な課題のひとつとなっていました。この協力では、主に国内第二の都市プリズレン市を対象として、廃棄物管理計画の立案支援、住民への理解の醸成と排出マナーの徹底など、廃棄物収集対策の改善を支援しました。これにより、同市における公衆衛生の改善に寄与しました。
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廃棄物管理向上計画
コソボでは、ごみ収集機材の老朽化や不足によって、廃棄物収集が効率的に行われていないため、都市公衆衛生の悪化が深刻な社会問題となっています。特に、近年人口が大幅に増加している首都プリシュティナや第二の都市プリズレンでは、緊急にごみ収集サービスを改善する必要があります。 日本は、廃棄物収集用コンパクタートラックや車輌修理用機材の調達を支援しました。この協力は、日本の優れた環境・エネルギー技術の海外展開支援の取り組みの一環として実施され、コソボの自立的、持続的経済発展に寄与しました。
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国家森林火災情報システム(NFFIS)とEco-DRRによる災害リスク削減のための能力強化プロジェクト
コソボは国土の約45パーセントが森林であり、森林火災は、特に夏季(乾燥期)に頻繁に発生しています。森林火災は、森林資源の減少や生物多様性に影響を与えるだけなく、土壌流出など他の自然災害の発生を招く可能性があり、対策の遅れは国土を脅威にさらすことになります。また、同国では死亡など人的被害が大きい災害として、疫病の発生(37パーセント)に続き雪崩災害(27パーセント)が挙げられています。このような災害による被害を最小限に抑えるためには早期発見・対策が非常に重要であり、これには、衛星画像を活用し上空から国土全体を監視するシステムの活用が有効です。同国政府もこれまでに植栽等の対策を行っていますが、体系的な技術の不足などにより活着率が悪く、有効な対策となっていません。この協力は、同国において、森林火災のみならず洪水などの災害に対しても効果のある拡張性を持つ国家森林火災情報システム(NFFIS)を開発・運用すること、及び森林の多様な機能を利用した「生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)」を展示的に試行することにより、森林火災及びその他自然災害の防災・減災にかかる政府関係者の能力強化を図り、同国における統合危機管理システム(IEMS)の強化に寄与します。
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コソボ国営放送局能力向上プロジェクト
多民族国家の成立を掲げるコソボにおいて、社会的責任があるコソボ国営放送局(コソボラジオ・テレビ局(RTK))が国民の異民族間の対話促進をリードする重要な役割を果たすことを課題としています。この協力では、コソボ唯一の公共放送局であるRTKが、正確で中立・公正な情報を提供するための報道、番組放送をするとともに、それを支える安定した機材運用システムを確立するための支援を行います。こうした支援を通じて、コソボ国内のすべての民族に正確で公正な情報が届けられることが期待されます。
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コソボ公共放送局能力向上プロジェクトフェーズ2
コソボでは、全ての国民に正確・中立・公正な放送を届けるという理念を達成すべく、公共放送局コソボラジオ・テレビ局(RTK)が多民族性に配慮した番組編成・制作をしています。アルバニア語の総合チャンネル(RTK1)に加え、セルビア語チャンネル(RTK2)が開設されていますが、セルビア系住民の多い北ミトロビッツァ及び周辺地域ではRTK2がいまだ放送されていません。また、南部の主要都市プリズレンでは、諸民族が混住しているため各民族のRTKスタッフが取材にあたっていますが、いまだ情報の精度が低い状態です。加えて、過去の映像素材の利活用に関する規定やマニュアルが整備されていません。この協力(フェーズ2)では、プリズレン、北ミトロビッツァ地域をそれぞれ管轄する支局を設立するとともに、公正で偏りのない番組制作のための内部基準の策定及び番組制作に活用可能な映像素材を蓄積するためのアーカイブスシステムの活用を支援することによって、RTKがコソボ全土を取材し高品質の番組を放送することを図り、全国民がRTKの番組を視聴可能な状況になることに寄与します。
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循環型社会に向けた廃棄物管理能力向上プロジェクトフェーズ2
コソボでは、紛争からの復興や国内の安定化のよる経済活動の活発化に伴い、廃棄物が増加していますが、ごみ収集車両の老朽化や廃棄物管理を担う行政機関の人員や予算等の制約から、ごみの収集運搬が十分に行われず、また収集サービスが及ばない地域では不法投棄などの不適切な処理が問題となっています。このような中、日本は、コソボ第二の都市プリズレン市における技術協力プロジェクト及び無償資金協力(6自治体に対する43台のごみ収集車両供与)を通じて、廃棄物管理にかかる組織強化、廃棄物収集の改善、廃棄物5カ年計画策定、ごみ料金及び徴収方法の見直し等の取り組みに協力しました。その結果、廃棄物収集サービスの提供地域の拡大や料金収入の増加による財務安定化が図られました。今後は、プリズレン市で構築された持続可能な廃棄物管理モデルを同市周辺の中小規模の地方自治体4市(マリシェバ市、スハレカ市、ドラガッシュ市、マホベッツ市)で活用するとともに、さらに全国に普及することが求められています。この協力では、対象4市において、各市固有の課題を踏まえた廃棄物の収集・運搬サービスの改善を行い、各自治体の廃棄物管理能力の向上を図ることにより、コソボ国内における中小規模の地方自治体で活用可能な廃棄物管理モデルの策定に寄与します。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
コソボで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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