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ホンジュラス
Honduras
ホンジュラスは、中南米の中でもハイチ、ニカラグアに次ぐ貧困国で、都市部と地方の所得格差は大きく、自然災害にも脆弱な国です。経済構造はコーヒーやバナナなど一次産品への依存度が高く、保税加工区(マキラ)における投資の誘致や観光業など、新規産業の育成が図られているものの、産業の多様化や雇用の創出には未だ課題が多くあります。また、国外への移民の流出も顕著です。さらに、2020年のハリケーン・イータ、イオタをはじめとして、頻発する自然災害は、同国の持続的発展の大きな妨げになっています。このような中、ホンジュラス政府は、長期的な国家開発目標として「国家ビジョン2010‐2038」を掲げ、積極的に自国の課題に取り組む意志を表明し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に取り組んでいます。JICAは、地方自治体の能力強化や地方経済の活性化を通じた地方開発、及び、自然災害に対する強靭な社会づくりに重点をおいて支援を行います。
Project プロジェクト
JICAがホンジュラスで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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ホンジュラス国バジェ・デ・スーラ都市圏を流れるチャメレコン川下流部の狭窄部(ラ・リマ市に位置し、洪水時には氾濫が発生する箇所) バジェ・デ・スーラ都市圏洪水対策マスタープランプロジェクト
「バジェ・デ・スーラ」と呼ばれる地域は、国内総生産の60%以上を産出する地域であるものの、カリブ海上で頻発する熱帯低気圧やハリケーンの被害を受け易いため、ホンジュラス経済は毎年大きな経済的損失を被っています。ホンジュラス政府は、従来災害リスク削減に向けて災害対策を重点分野の一つとしているものの、流域全体のバランスを考慮した治水計画に基づいた対策が講じられておらず、開発に伴い被害が拡大しています。 本事業はバジェ・デ・スーラ都市圏において、流域特性・気候変動影響を踏まえ科学的根拠・客観的事実に基づく洪水対策マスタープラン(FCMP)を策定することにより、先方政府により 洪水対策マスタープラン(FCMP)承認を図り、もって同都市圏における洪水リスクの削減に寄与する。 【上位目標】 ウルア川及びチャメレコン川における洪水リスクが削減される。 【プロジェクト目標】 FCMPがホンジュラス政府により承認される。 【成果】 成果1:洪水の発生現象とそのメカニズムが解明される。 成果2:FCMP及び優先事業に関するPre-FSが実施される。 成果3:FCMPに基づく洪水リスク削減のための組織体制が構築される。
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コマヤグア市給水システム改善・拡張計画
ホンジュラスの流通の要所で人口増加が進むコヤマグア市では、浄水場の老朽化や設計不備の理由から、76パーセントの市民に水質基準を満たしていない未処理の河川水が供給されており、市民の健康への悪影響が懸念されています。また配水池の容量が不足し、断水が常態化しています。この協力ではコマヤグア市において、浄水施設の建設を含む上水道施設の整備・拡張を通じ、水質や衛生環境の改善を図りました。これにより、河川水を原水とする浄水量の増加とともに、供給される上水の水質の改善および給水時間の拡大等を目指し、公衆衛生の課題解決にも寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、ホンジュラスの流通の要所であるコマヤグア市において、浄水施設の建設を含む上水道施設の整備・拡張を通じ、水質や衛生環境の改善を図り、もって同地域の地方開発に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 浄水場(急速ろ過法、施設能力 15,500m3/日)、配水池(有効容量 5,000m3)等 2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 コンサルティング・サービスの内容は、詳細設計、入札支援、施工監理。ソフトコンポーネントの内容は、浄水場運転・維持管理に係る能力強化。
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金融包摂を通じたCCT受給世帯の生活改善・生計向上プロジェクト
ホンジュラスでは、国家計画において、貧困問題の緩和と地域経済の活性化が謳われています。同国政府は、「Bono10Mil(ボノ・ディエスミル)」という条件付現金給付制度(CCT)による貧困層への支援に力をいれて実施しています。このプログラムでは、貧困層の福祉依存を避け、世代を越えて受け継がれる貧困サイクルを断ち切ることを目的とし、全国約60万世帯に保健や教育についての条件を課して現金を支給しています。この協力では、同プログラムのより効果的な実施と、戦後日本の貧困からの脱却に貢献した「生活改善アプローチ」の連携モデルの形成を支援しました。これにより、同国における連携モデルの普及に寄与しました。 【上位目標】 CCT受給世帯の生活改善・生計向上を促進するために構築されたモデルが全国展開に向けて制度化される。 【プロジェクト目標】 CCT受給世帯の生活改善・生計向上を促進するモデルが構築される。 【成果】 成果1 対象市のCCT受給世帯の家計管理能力が強化される。 成果2 対象市のCCT受給世帯の金融サービスへのアクセスが改善される。 成果3 対象市のCCT受給世帯が、生活改善・生計向上に必要な技術を身につける。 成果4 成果1〜3をとりまとめ、CCT受給世帯の生活改善・生計向上を促進するためのガイドラインが作成される。
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第三保健地域病院網強化計画(第1期)
ホンジュラスの第2の都市サンペドロスーラが位置する第3保健地域では、公的な分娩施設や緊急診療所が不足しています。そのため、同地域のマリオ・カタリノ・リバス病院に患者が集中し、本来果たすべき高度医療の提供が困難な状況になっていました。この協力(第1期)では、同市のレオナルド・マルティネス地方病院に新たに母子棟を建設するとともに、必要な機材の調達を支援しました。これにより、地域住民への医療サービスの向上とともに、病院網の整備にも寄与しました。
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テグシガルパ市上水道復旧整備計画
ホンジュラスの首都テグシガルパ市は、1998年のハリケーン・ミッチで大きな被害を受けました。上水道インフラは甚大な被害を受け、一部の地区では汚染された川の表流水が飲用されて伝染病が蔓延し、乳幼児の死亡率もハリケーン前に比べ上昇していました。この協力では、上水道関連インフラの復旧と同時に、老朽化した配水管の更新や配水池の整備もあわせて支援しました。これにより、同首都圏における上水道の回復および給水サービス全般の向上に貢献しました。
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地すべり対策現場全景 国道六号線橋梁建設計画
国道六号線はホンジュラスの首都テグシガルパと隣国ニカラグア間の物流を支える二つの国道のうちの一つです。今後も交通量の増加が見込まれるうえ、山岳地帯を抜けるルートのため、自然災害による通行止めや大幅な迂回が生じるリスクが高いことが懸念されています。特に16.3km地点においては過去に地すべり対策を実施済であるものの、2016年以降再度変状が確認されており、この箇所が損壊すれば大事故に繋がるだけでなく、首都圏を中心に物流網が麻痺し、多大な経済損失を招く恐れがあります。 本事業は、主要幹線道路である国道六号線の上記地すべり箇所において擦り付け橋梁を建設することにより、自然災害への脆弱性を低減し安全かつ円滑な物流網の整備を図り、もってホンジュラスの経済の活性化に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は、主要幹線道路である国道六号線の地すべり箇所において擦り付け橋梁を建設することにより、自然災害への脆弱性の低減による安全かつ円滑な物流網の整備を図り、もって当国の経済の活性化に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設の内容:道路すりつけ(延長:380m)、 橋梁の建設(延長 140m) 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容:詳細設計、入札補助、施工監理、ソフトコンポーネントによる技術指導(過積載防止対策、橋梁の維持管理手法、地すべり応急対策)
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統合固形廃棄物管理のための自治体連携管理モデル確立プロジェクト
ホンジュラスでは都市部を中心に、不適切な廃棄物管理による自然環境や公衆衛生への影響が深刻となっています。廃棄物管理は地方自治体の責任ですが、地方自治体においては衛生的な最終処分場の整備や適切な廃棄物管理に関する技能・知識を持った人材が限られており、その育成が課題です。 ホンジュラスの地方行政では、廃棄物管理等の特定の公共事業を行うために、近隣の地方自治体同士が自治体連合を結成し、広域的な行政サービスの提供を行う事例が存在しています。本事業では、自治体連合による広域的な統合固形廃棄物管理モデルの草案の作成及びパイロットサイトでのモデル検証を行います。これによって、自治体間協力による統合固形廃棄物のモデル形成を図り、それによってホンジュラス全国の自治体における自治体間協力による統合固形廃棄物管理の促進を目指します。 加えて、2023年3月にG/A締結した無償資金協力「感染性廃棄物管理改善計画」において、本事業の対象自治体連合の最終処分場で使用される重機が整備されており、本事業ではこれらの機材の効果的な活用や運営体制の強化も実施します。 【上位目標】 自治体間協力による統合固形廃棄物管理が促進される。 【プロジェクト目標】 自治体間協力による統合固形廃棄物管理のモデルが形成される。 【成果】 成果1 SERNAにより自治体間協力による統合固形廃棄物管理のガイド草案が作成される。 成果2 AMUPROLAGO自治体連合における自治体間協力による統合固形廃棄物管理のモデルが形成される。 成果3 MANCURISJ自治体連合における自治体間協力による統合固形廃棄物管理のための財政管理モデルが形成される。 成果4 SERNAにより自治体間協力による統合固形廃棄物管理の普及が促進される。
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病院ネットワーク強化事業
ホンジュラスの保健セクターは脆弱であり、当国医療施設の70%以上が修繕あるいは建て替えが必要とされています。(当国国家計画2022-2026)さらに、一床あたりスタッフ数の平均は汎米保健機構(PAHO)が推奨する数値を大きく下回っており、ハード・ソフト両面での対応が急務となっています。 本事業は、首都テグシガルパ及び当国第二の都市サン・ペドロ・スーラにおいて救急専門病院の建設と必要な機材の供与、病院間の連携強化及び医療従事者の育成を行います。これによって、救急医療体制の強化を図り、もって救急患者の医療サービスへのアクセス及び質の向上を目指します。 【事業の目的】 本事業は、首都テグシガルパ及び当国第二の都市サン・ペドロ・スーラにおいて救急専門病院の建設と必要な機材の供与、病院間の連携強化及び医療従事者の育成を行うことにより、救急医療体制の強化を図り、もって救急患者の医療サービスへのアクセス及び質の向上に寄与するも の。 【事業内容】 1)テグシガルパ救急専門病院(病室160床)、サン・ペドロ・スーラ救急専門病院(病室150床)の建設、及びそれぞれの病院に必要な医療機材の調達 2)質の高い病院の組織運営、及び病院間のネットワーク連携強化に係る技術支援 3)コンサルティング・サービス(入札補助、施工監理支援) 4)医療人材育成(専門分野を学ぶために約70名の医師が設定されたポスト(整形外科、外傷学、脳神経外科、外科、内分泌学、末梢血管外科、胸部外科等)に応じて保健省と雇用契約を締結し、補助金付きの研修期間を設け医療人材の育成を行う「大学院プログラム」を実施)
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
ホンジュラスで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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