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より良い工事をめざして:「KAIZEN PROJECT」活動日記 vol.2

#9 産業と技術革新の基盤を作ろう
SDGs
#11 住み続けられるまちづくりを
SDGs

2025年11月20日

JICA海外協力隊の中西と申します。現在、ミルンベイ州アロタウ市(以下、任地)にある同州政府工事監督局(以下、当局)に勤務しています。さて、この活動日記では任地での活動、地域の自然や工事現場の様子をご紹介しております。この度は任地で国や州が管理する道路の現状と課題についてお伝えします。

パプアニューギニア(以下、PNG)では、2040年までに国内道路網を整備すべくコネクトPNGプログラム1が策定されています。つい先日、首都ポートモレスビーと任地であるアロタウを結ぶハイウェイ(以下、国道)が開通、陸路での連絡が可能となり、8月にはマラペ現首相が祝賀のため現地訪問されています。

国道はアロタウを経て海岸線沿いにミルンベイ州の東端まで舗装されており、市内の国道事務所が管理しています。ここ任地はPNGの中でも多雨の地域であり、日常的に道路が冠水します(写真1)。

(写真1)

(写真2)

この国道から分岐してタウポタ方面へと北上する未舗装道が州道「North Coast Road」であり、当局が管理しています。オーエン・スタンレー山脈の東端を峰越しする区間(写真2)であり、尾根・谷の地形に沿った平面線形、高い切土のり面に現場打ちのコンクリート側溝、故郷の2級林道が思い出されます。急峻な縦断勾配(14%程度)の未舗装道のため、路面水により浸食痕が散見されました。

以前、「KAIZEN PROJECT」のワークショップで簡易な丸太の横断排水溝(写真3)を紹介しましたが、折を見て現地での実証試験を提案したいと考えています。

(写真3)

さて、尾根を下って海岸部では一転して広々とした風景(写真4)となり、遠くにソロモン海が広がります。一見、良さそうに見えますが、起伏が少ないことから道路の排水がままならず(写 真5)、長雨の際には路面が泥濘化して車両が通行できなくなります。

(写真4)

(写真5)

また、河川の渡渉部ではたびたびの増水のため、コルゲート暗渠管と盛土の被災が散見され、復旧工事(写真6)による事後保全的な維持管理が負担となっています。これらについて、予防保全的な維持管理への転換が課題と考えます。

(写真6)

PNGは火山、地震、サイクロンに度々見舞われる日本と同様の災害多発地です。道路インフラの強靭化への課題について、焦らずに同僚スタッフと共に解決に向けて活動したいと思います。

引用文献
1. パプアニューギニア独立国公共事業・道路省HP(2025); https://works.gov.pg/pages/19

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