/overseas/afghanistan/__icsFiles/afieldfile/2023/04/12/Afghanistanb.JPG
アフガニスタン
Afghanistan
アフガニスタンは、1970年代から続いた紛争によって、国内の経済社会インフラは壊滅的な打撃を受け、多数の難民が発生しました。2001年にタリバン政権が崩壊し、新たな政府が樹立されましたが、2011年UNDP人間開発指数は187か国中172位と、依然として世界最貧国の一つであり、電力・運輸・上下水道等の基礎インフラは圧倒的に不足しています。JICAでは、アフガニスタンにおける不安定な治安情勢を踏まえ、最大限の安全対策を講じながら、雇用創出を含む経済成長と民生の安定化に貢献する事業を展開しています。JICAはカブール首都圏開発を中心とするインフラ整備と農業・農村開発を最重点分野として支援しています。また、5年間で500人の長期研修員を日本の各大学院に受け入れる未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)も開始されており、アガ・カーン財団等の国際NGOとも密接に連携し、支援を広げる試みも進めています。
News ニュース
Project プロジェクト
JICAがアフガニスタンで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
-
カブール国際空港ターミナル建設計画
内陸国のアフガニスタンでは、他国との人・物の円滑な流れを確保し、開発を着実に実施するため、航空分野の開発が不可欠です。首都カブールの国際空港は、紛争で破壊された他、ピーク時の旅客数を取り扱うには床面積や必要な設備が不足し、国際線と国内線の旅客も混在して厳重な安全対策ができないという問題を抱えていました。この協力では、2010年のピーク時の旅客数を想定した国際旅客ターミナルの建設や必要な機材の整備を支援しました。これにより、同国の航空需要への対応が適切に図られ、国家の復興に必要な人と物の輸送が確保されるよう貢献しました。
-
カンダハル帰還民社会復帰・コミュニティ開発支援計画プロジェクト
タリバン政権の崩壊後、周辺国から帰還した難民や、故郷に戻れない国内避難民などを抱える、アフガニスタン南西部。長期の干ばつに苦しみ、働き口もない彼らの多くは、再定住がとても困難な状況でした。同国政府の行政能力は脆弱で、限られた雇用を巡る人々の間で軋轢も見られる一方で、国際社会からの支援は緊急人道援助に偏り、自立発展のための支援はいまだ不十分でした。この協力では、緊急援助から開発協力への切れ目のない支援を行うために、カンダハル市周辺部で持続可能なコミュニティ開発活動に従事する人々の能力開発を支援しました。
-
特殊教育強化プロジェクト
アフガニスタンでは、20数年に及ぶ戦乱や埋設地雷、文化に起因する姻戚婚などの要因で、国内には多数の障害者がおり、このうち学齢期の障害児は20万人近くにのぼると言われています。障害児のうち4分の3は学校に通っておらず、一般校に通う障害児の多くも適切な指導が受けられず落第・退学していました。この協力では、障害者への教育に関心が低い同国で、主な教育大学に特殊教育を導入し、また教育行政を担当する諸機関の意識を高め、必要な政策を提言する協力を行いました。
-
IHSカンダハル助産師教育計画プロジェクト
アフガニスタンの妊産婦死亡率は、出生10万当り約1,700と極めて劣悪でした(2002年)。総人口2,300万人に対し、認定助産師はわずかに489人で、分娩ケースの95パーセント以上は適切な知識や技能を習得していない伝統的助産師や、家族隣人などによる立会いのもとに行われていました。特に、地方部での助産師不足は深刻で、分娩異常への迅速な対応が遅れ、適切な治療を受ける前に死亡する女性が非常に多いことが問題でした。この協力では、中間医療従事者、特に助産師を育成する保健科学院の機能を強化するため、助産師の数が著しく少ないカンダハル州で、施設の改修、助産師教育の充実化を支援しました。
-
デサブ南地区給水施設整備計画
アフガニスタンの首都カブール市では、人口の急増に伴い効率的な都市開発が課題となっています。そこで同国政府は、カブール市北の郊外に位置するデサブ地域で、官民連携による新都市開発計画を進めています。この協力では、同計画の推進に向けて初期開発地区の水道水を確保するための取水施設と送配水施設の整備を支援します。これにより、計画予定住民4万2000人に生活用水を安定供給できる給水施設が整備されます。また、同地区をモデル地区として、その他の地区における民間開発の促進にも寄与します。
-
土地区画整理・都市再開発におけるカブール市役所機能向上プロジェクト
アフガニスタンの首都カブールは、シルクロードの時代から交通の要衝であり、オアシス都市として栄えてきた都市です。しかし、近年のカブールは紛争などにより疲弊し、また2000年代以降は急激な人口増加と、無秩序な都市の拡大によって、様々な都市計画上の課題に直面しています。この協力では、日本が2011年に支援したカブール市マスタープランの見直しを踏まえ、カブール市自らが土地区画整理事業、都市再開発事業を計画・実施できるように指導・育成を行います。これにより、計画的な都市開発が実現されることが期待されます。
-
カブール市道路建設管理能力強化プロジェクト
アフガニスタンでは急速に都市化が進行し、人口増加に伴う自動車登録台数の増加により、交通渋滞が悪化していますが、道路整備が追いつかず、市内道路の舗装率は2割に留まっています。日本は「カブール首都圏開発計画推進プロジェクト」(2010年5月〜2015年5月)においてカブール市の道路整備を実施しましたが、開発計画推進にかかるより実践的な人材能力の向上が必要です。この協力では、同市において道路設計、道路建設監理並びに、道路維持管理にかかる能力向上を支援します。これにより、道路事業部署の事業実施能力と、管理能力が強化され、同市の適切な道路維持管理に寄与します。技術移転は市役所内で講師役となる職員を対象に2016年9月から3年間にわたり進められ、市役所全体への技術の波及が期待されます。
-
未来への架け橋・中核人材育成プロジェクトフェーズ2
アフガニスタン政府は、2015年から2024年を「変革の10年」と位置づけ、「自立(Self-Reliance)」の実現を大目標に、平和、復興、成長のための改革に取り組んでいます。同国の開発のコアとなる公務員の能力強化のため、未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACEプロジェクト)では、インフラおよび農業・農村開発、また、この協力(フェーズ2)からは教育・保健分野も対象に、フェーズ1に引き続き、行政官と大学教員を本邦大学に研修員として受け入れ、同国省庁の人材育成を支援します。また、帰国した研修員のフォローアップにも力を入れ、これにより、省庁の計画・事業実施能力の強化に貢献します。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
アフガニスタンで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
scroll