「ルーブル」=ロシアの通貨

サハリンで、或いはロシアで使うお金は「ルーブル」と言います。

「ルーブル」という言葉は、相当に古い言葉に起源が在るらしく、昔は商取引に用いる銀の塊のことを「ルーブル」と呼んだそうです。16世紀頃の史料に「ルーブル」という呼称は登場するようですが、ロマノフ王朝の時代になって以降、1654年―日本では徳川家綱が江戸幕府の4代将軍で、由井正雪や丸橋忠弥らによる討幕未遂事件(慶安の変)が起こっていたような時代です。時代劇の『水戸黄門』の設定時代よりも以前です。―にロマノフ王朝の2代目の皇帝であるアレクセイ帝が「ルーブル」の硬貨を造ったのが、確認出来る最古の"ルーブル硬貨"であるようです。

サハリンで動き回る現金のルーブルを得るには「銀行で両替」ということになります。

個人が動き回る場合に使うような、「多くても数万円」という範囲の現金であれば、特別な手続等も無く、銀行の窓口で簡単に両替は出来ます。銀行の営業時間は、銀行毎、更に支店毎に違っているようです。概ね「平日の9時から17時」という程度に思っておけば"ハズレ"は無いのですが、一部に「8時から20時」という感じで営業時間が長い場所や、「土曜日も営業」という場所も見受けられます。

↓サハリンでは外貨レートがこういう具合に表示されます。銀行の辺りを通り掛かると、この種の外貨レートが、比較的見付け易い辺りに掲出されている場合が多いように思えます。

Курсы валют на Сахалине

↑左に米国ドル、右に日本円のレートが表示されています。

右側の"JPY"が日本円ですが、下の数字は「"100円"がXルーブル」ということです。例えばここに「50」とでも出ていれば、「100円が50ルーブル」なので「1ルーブル=2円」ということになります。

3行の数字が在りますが、1行目の「ЦБ РФ」はロシア中央銀行が示す目安です。2行目の「ПРОД.」は「売り」で、金融機関で「ルーブルを日本円に替える」場面での平均的なレート、「ПОК.」は「買い」で、金融機関で「日本円をルーブルに替える」場面での平均的なレートです。こういうような事柄の基本的な仕組みは、何処の国でも然程大きく変わるものでもありません。

当然ですが、このレートは毎日のように変わります。

実際に銀行に立ち寄って両替をしましたが、例えば4月18日は1ルーブルが2円4銭、4月20日は1ルーブルが2円2銭、4月27日は1ルーブルが2円5銭という具合に変化しています。

↓出くわす機会が多いロシアの紙幣と10ルーブル硬貨です。
ルーブル (1).jpg
↑50ルーブル、100ルーブル、500ルーブルの出番が少し多く、1000ルーブルは少々出番が少ないかもしれません。

この1000ルーブル紙幣ですが、稚内市内でも市内に在る2行の支店で両替をやっていて、入手出来ます。正しくは「外貨両替の取り扱いにロシアルーブルも在る」と言うべきなのでしょうが、金種として1000ルーブルの用意が在るのみなのです。ですから、稚内市内の銀行支店で両替をお願いする場合には、例えば「1万円をお願いします」とではなく「5千ルーブルを希望しますが、幾らですか?」とでも尋ねなければなりません。

交通の都合で夕方や夜にサハリンへ到着するのであれば、銀行での両替が行い悪い場合も考えられます。「一寸、飲物位は求めたい...」―ユジノサハリンスクでは、夜は22時や23時頃も営業しているスーパー等が多く、「飲物位...」という買物には事欠きません。―と思っても、現地通貨のルーブルが全く無いのでは不自由です。そうした意味で、「出発前に両替」というのも好いかもしれません。

↓今般、これまで余り見た事が無かった5000ルーブル紙幣を手にする機会も在りました。
ルーブル (2).jpg
↑この5000ルーブル紙幣で少額の買物をしようとすれば、「出来れば、もう少し細かいお金で...」というお店の方の反応が在る場合も見受けられます。

日本でも「円」に対して「銭」という「円の1/100」の単位が在ります。ロシアでも「ルーブル」に対して「コペイカ」という「ルーブルの1/100」の単位が在ります。実際のお金のやり取りの中で、「コペイカ」は殆ど顧みられていませんが、外貨両替等の場合には確りとカウントされています。

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