"オリヴィエ・サラダ"(Салат Оливье)=「ロシア風サラダ」とも言われる定番を「お持ち帰り」で... (2018年05月09日)

「ユジノサハリンスクに滞在中」というような話題になれば、「さぞかし日本国内と様子が違うのであろう」というように思われるのかもしれません。が、住まいの近所のスーパーに「惣菜コーナー」が在って、「何となく部屋で摘まむモノ」を求める場面が多々在ります。そういうようなことを時々、或いはそれなりの頻度でやるというのは、ユジノサハリンスクに在る時も、地元の稚内に在る時でも、国内の出先の街に在る時でも大きな差は在りません。(国内の出先の街では、所謂"デパ地下"を利用してみる場合も在って、スーパーとは雰囲気が変わることも在りますが。)

ユジノサハリンスクのスーパーで、惣菜に類するモノは「量り売り」がポピュラーです。店頭で係の方に「しろまるしろまるを御願いします」と申し出て、容器に入れてもらいます。必要な量に至ったという時点で計量し、機器から「100グラムXXルーブル」から算出される代金とそのバーコード等が記されたシールが出て来て、容器に貼り付けられます。それをレジへ持って行って精算するのです。

↓こういう具合に、容器に入れられて、シールが貼られて、ラップで包まれたモノをレジ袋に入れて持ち帰るようなイメージです。
オリヴィエサラダ (1).jpg
↑近所の店で「100グラム=58ルーブル」ということで売りに出ていて、「三百数十グラム」が画の容器に入るので「250ルーブルで釣銭」というような価格帯です。気分的には「500円ワンコインで一寸摘まむモノを求める」という感です。これを求めようと店に寄れば、容器に入れてもらう場面で一寸した"順番待ち"も生じます。他のサラダ類も価格はそれ程変わりませんから、「概ね地元消費者に受容れられている価格帯」のように見受けられます。

"オリヴィエ・サラダ"は、ロシア国外で「ロシア風サラダ」と言われる場合も在るらしいです。ロシアでは大変にポピュラーなものです。ユジノサハリンスク市内のスーパーに在る惣菜コーナーで「サラダの類」が売られていれば、大概はこの"オリヴィエ"が在ります。更に言えば、「所謂"オリヴィエ"?しろまるしろまるが加わった?」と見受けられるバリエーションらしきモノも色々と見受けられます。

"オリヴィエ"というのは「フランス語?」と思って調べてみたのですが、これは人名です。19世紀後半にモスクワで、裕福な商工業者が盛んに出入りして大繁盛した高級フランス料理店の料理長だったベルギー人、リュシアン・オリヴィエの名に因むのだといいます。オリヴィエが創り出したサラダは大変な人気であったそうです。

オリヴィエが創り出したサラダは大変な人気であったということでしたが、彼が精確なレシピを特段に伝えていなかったため、何時の間にかこの料理は流行らなくなったようです。それがソ連時代になって「オリヴィエが居た店での勤務経験が在る」と称する料理人が「"オリヴィエ・サラダ"はこういうモノだった」として"首都風サラダ"なるモノを売り出しました。そういう契機が在って、"オリヴィエ・サラダ"は「ポピュラーなサラダ」になって現在に至っている訳です。

「19世紀後半の...」という起こりが語られることは在りますが、実質的には「ソ連時代から一般化しているメニュー」という感でもあると見受けられます。

"オリヴィエ・サラダ"は、ジャガイモが使われるサラダです。"マッシュポテト"のようなモノではなく、小さくサイコロ状に刻んだジャガイモが使われます。他の野菜や肉類等も、概ね小さなサイコロ状の刻み方をしています。そうした材料を合わせて、マヨネーズ等で和えるのです。

↓容器を開けてみると、こういう感じです。こういうモノを「作る」となれば、「手軽?」なように視える他方で、野菜を細かく刻むので「存外な手間」かもしれないと思えます。
オリヴィエサラダ (2).jpg
↑他の料理やパンと一緒に頂くのにも、「ビールの肴」のように頂くのにも好適な感じで気に入っています。

実質的には「ソ連時代から一般化?」と見受けられる「ロシア料理」という感の"オリヴィエ・サラダ"ですが、「起こり」は「ロシアのフランス料理店だったらしい」という代物です。そして考案者が「ベルギー人の料理人」だったようですが、主に国外で「ロシア風サラダ」と言われ、何時の間にかその言い方が"逆輸入"されて、ロシア国内でも一部に「ロシア風サラダ」とこのメニューを紹介している場合さえ見受けられます。

「スーパーで求める惣菜」というような、極々身近なモノに関して考えてみると、話題が際限無く拡がる感です。

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