Шрупа(シュルパー)=中央アジア風のスープ(2017年07月25日)

「食事を愉しむ場所」を選ぶには色々な基準が在るでしょうが、「美味しい」に加えて「然程高くない」とか、「ボリュームが在る」とか、「場所の雰囲気」や「行き易さ」等々の要素が在ると思います。

「沢山食べたい!」ということなら、「然程高くない」とか「ボリュームが在る」ということが大切かも知れませんが、そういう条件を十分に満たし、同時に「非常に美味しい」というモノを見付けて来ました。

↓こういうモノを頂きました。何やら凄いボリューム感ですが、250ルーブルです。
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↑ロシア語ではスープを頂く場合には「飲む」ではなく「食べる」なのですが、正しく「ガツガツと食べる」感じの一皿です。

これはお店で「シュルパー」(Шрупа)と呼んでいましたが、中央アジア風のスープです。一寸調べると、こうしたスープは広く分布し、各々の地域で少しずつ違った呼び方が在るようです。

色々な呼び方も在るようですが、ここでは「シュルパー」で統一します。立寄った店で提供されていたのは、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタンというような中央アジア諸国の流儀によるスープでした。羊の肉が使われていました。

一見すると、北海道でポピュラーな"スープカレー"のような感じですが、カレーの様なスパイスを色々と入れているというのでもありません。肉と野菜の出汁が基本で、「ジワり」と身体の奥が温まるような、複雑な味わいのスープです。煮込まれて柔らかくなった大き目な野菜と、骨付きの羊肉が入っています。正しくスープを「食べる」という具合に、ゆっくりと頂きました。

「中央アジアの料理」と言っても「どういうモノ?」という感じですが、色々な要素が入り込んでいると見受けられます。悠久の歴史の中で想像を遙かに超えるような範囲で交易等による往来が在った中央アジアなので、"スープ"を示す語彙自体が、現在"中央アジア"と呼んでいる地域を大きく踏み越えた、相当に広い範囲で「シュルパー」と同根の単語が使われているようです。中央アジアは「遊牧民の伝統」が在る国々ですから、羊の肉を用いる料理が色々と在るように見受けられます。

「中央アジア由来」と視られる料理ですが、ロシアで一定程度広まったのは、ソ連時代のようです。それにしてもこの「シュルパー」は、スープや肉料理を好むロシアの皆さんならずとも、なかなかに満足度が高いと見受けられる一品です。

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