<ヴォストーク65> 「格上」に競り勝った!!:バスケットボールの<スーパーリーグ>と並行開催の<ロシアカップ>(2018年12月19日)
ロシアバスケットボール連盟が主催する<ロシアカップ>という、リーグ戦と並行して開催されるカップ戦が在ります。これは"トップリーグ"である<ユナイテッドリーグ>や、<ヴォストーク65>も参加している<スーパーリーグ>の各チーム、更に希望が在ればその他の「参加希望チーム」が出場するという大会です。ホームとアウェイで試合をして、2試合の総合点で優劣を競い、勝った側が次のラウンドへ進むという大掛かりなトーナメントで大会が進んで行きます。
この<ロシアカップ>は、ソ連時代からの国内のカップ戦の流れを汲むもので、現在の<ロシアカップ>は2000年から現行体制で続いています。そしてこの<ロシアカップ>の大会規定に「ロシア国籍の選手が出場する」と在るのです。これは、国内の競技レベル向上を目指すというような、古くから続くモノを踏まえた規定なのだと見受けられます。
現在は「1/4」という段階に入り、最初の試合がユジノサハリンスクで開催されました。迎えた対戦チームの<パルマ>は"トップリーグ"である<ユナイテッドリーグ>のチームです。「格上」な対戦相手ということになります。
<パルマ>はペルミという街からやって来ました。
ペルミはウラル山脈の西側の麓に在る街です。ペルミ地方の中心都市で98万人程度の人口を擁します。18世紀、ピョートル大帝の時代にウラル地方の開発が行われた頃に街の基礎が築かれたと伝わりますが、1723年がペルミの開基とされているそうです。河川を利用した水上輸送の拠点であると同時にシベリア鉄道の分岐点になっている輸送上の要地ですが、機械工業、石油・化学工業、木材加工、軍需品製造等の工業が盛んな地域となっています。
嘗てペルミには、1995年から2009年に活動して、ロシア国内のリーグ戦を何度か制し、強豪チームとして大きな存在感を示した<ウラル・グレート>というチームが在りました。このチームが解散してしまった後、ペルミ地方の様々な団体等の支援を受けて<パルマ>が設立され、2012年から活動しています。<スーパーリーグ>や<ロシアカップ>に参戦して善戦しますが、2016年からはトップリーグである<ユナイテッドリーグ>に参加しています。
<ロシアカップ>に関して、「ロシア国籍の選手が出場する」ということなのですが、<ユナイテッドリーグ>はロシア以外出身の選手達が多いリーグです。<パルマ>も多くの外国出身選手を擁しているので、ユジノサハリンスクのコートに登場したのは8人の選手でした。
対する<ヴォストーク65>は11人の選手で迎えました。11月に観戦した<ロシアカップ>の試合では2人の外国出身選手を除く10選手が居ました。その後、ロシア人選手が新たに2人加わりました。が、1人が傷病のために欠場となってしまったので、外国出身選手を除く選手は11人でした。
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「トップリーグのチームがユジノサハリンスクに登場する」というのがバスケットボール好きの間では少し話題で、会場はなかなかの賑わいでした。
この<ヴォストーク65>と<パルマ>の対戦ですが、何方も「なかなか抜け出せない」という感じの競り合いになっていた感の試合でした。
第1クォータの残り3分位までは1点から3点の差という感だったのですが、第1クォータの終わりに向けて<パルマ>が得点を重ね始め、16対21と<パルマ>が少しだけ先行しました。
DSCF7304.JPG
第2クォータは得点を巧く重ねようとする<パルマ>に<ヴォストーク65>が追い縋るという状況になりました。何れかが「停まらない勢い」を得て得点を連続というのでもありません。32対39で<パルマ>の先行は変わらず、点差がほんの少し開きました。
DSCF7340.JPG
第3クォータが始まると<ヴォストーク65>が連続得点し、39対39の同点に追い付きます。が、<パルマ>は僅差の競り合いが得意なようで、なかなか差を離されないようにしながら「何時の間にか逆転?」という具合で、第3クォータ終了時点で53対56と<パルマ>は依然として僅かな先行を維持しています。
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第4クォータが勝負という状況になりました。依然として、大声援を受けて攻める<ヴォストーク65>が得点して同点で逆転機会を伺えば、<パルマ>はまた得点を重ねて僅かな先行を護ります。
第4クォータの半ばに差し掛かろうとする頃...58対62で<パルマ>を追っていた<ヴォストーク65>は3点シュートで61対62としました。ここから<ヴォストーク65>は、連続得点を挙げ、75対62と逆転して抜け出すことに成功します。残り時間が2分程となった時点で<パルマ>は得点を漸く加えましたが、時期を逃した感でした。第4クォータ自体は26対13と、<パルマ>に沈黙を強いた形でした。
この第4クォータの「勝利を掴み取った連続得点」の場面は観ていて力が入りました。#6 アレクサンドル・グドゥマークのシュートで1点差に迫った後、#12 セミョーン・シャシコフがボールを奪って猛然とドリブルでゴールに向かった場面では思わず拳を強く握ってしまいました。そして得点すると逆転です。更にベテランガードの#63 アレクセイ・ゴリャホフが「巧い!!」という距離の在るシュートを決めて得点を重ねます。
こういう展開で<ヴォストーク65>が79対69と勝利を掴み取りました。この後、<ロシアカップ>の試合としては1月10日(サハリン時間では日付が改まって11日)に<ヴォストーク65>がペルミを訪ねて<パルマ>と対戦することになっています。ここで勝てば、「4強による順位決定シリーズ」に入ることが叶うようです。
熱い試合を盛り上げていたダンスチームですが、試合後半になると、11月までの観戦機会では登場していなかった、黒いバスケットボールのユニフォーム、チームのアウェイ用を模した#65のモノを着ていました。
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愉しいパフォーマンスを観ながら、「あの黒いユニフォーム...欲しい...」等と余計なことも考えてしまいました。
<ヴォストーク65>は、リーグ戦では11勝3敗で目下首位ですが、カップ戦でも「格上」との競り合いを制する活躍を見せてくれています。今後の活躍が酷く楽しみです。
この<ロシアカップ>は、ソ連時代からの国内のカップ戦の流れを汲むもので、現在の<ロシアカップ>は2000年から現行体制で続いています。そしてこの<ロシアカップ>の大会規定に「ロシア国籍の選手が出場する」と在るのです。これは、国内の競技レベル向上を目指すというような、古くから続くモノを踏まえた規定なのだと見受けられます。
現在は「1/4」という段階に入り、最初の試合がユジノサハリンスクで開催されました。迎えた対戦チームの<パルマ>は"トップリーグ"である<ユナイテッドリーグ>のチームです。「格上」な対戦相手ということになります。
<パルマ>はペルミという街からやって来ました。
ペルミはウラル山脈の西側の麓に在る街です。ペルミ地方の中心都市で98万人程度の人口を擁します。18世紀、ピョートル大帝の時代にウラル地方の開発が行われた頃に街の基礎が築かれたと伝わりますが、1723年がペルミの開基とされているそうです。河川を利用した水上輸送の拠点であると同時にシベリア鉄道の分岐点になっている輸送上の要地ですが、機械工業、石油・化学工業、木材加工、軍需品製造等の工業が盛んな地域となっています。
嘗てペルミには、1995年から2009年に活動して、ロシア国内のリーグ戦を何度か制し、強豪チームとして大きな存在感を示した<ウラル・グレート>というチームが在りました。このチームが解散してしまった後、ペルミ地方の様々な団体等の支援を受けて<パルマ>が設立され、2012年から活動しています。<スーパーリーグ>や<ロシアカップ>に参戦して善戦しますが、2016年からはトップリーグである<ユナイテッドリーグ>に参加しています。
<ロシアカップ>に関して、「ロシア国籍の選手が出場する」ということなのですが、<ユナイテッドリーグ>はロシア以外出身の選手達が多いリーグです。<パルマ>も多くの外国出身選手を擁しているので、ユジノサハリンスクのコートに登場したのは8人の選手でした。
対する<ヴォストーク65>は11人の選手で迎えました。11月に観戦した<ロシアカップ>の試合では2人の外国出身選手を除く10選手が居ました。その後、ロシア人選手が新たに2人加わりました。が、1人が傷病のために欠場となってしまったので、外国出身選手を除く選手は11人でした。
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「トップリーグのチームがユジノサハリンスクに登場する」というのがバスケットボール好きの間では少し話題で、会場はなかなかの賑わいでした。
この<ヴォストーク65>と<パルマ>の対戦ですが、何方も「なかなか抜け出せない」という感じの競り合いになっていた感の試合でした。
第1クォータの残り3分位までは1点から3点の差という感だったのですが、第1クォータの終わりに向けて<パルマ>が得点を重ね始め、16対21と<パルマ>が少しだけ先行しました。
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第2クォータは得点を巧く重ねようとする<パルマ>に<ヴォストーク65>が追い縋るという状況になりました。何れかが「停まらない勢い」を得て得点を連続というのでもありません。32対39で<パルマ>の先行は変わらず、点差がほんの少し開きました。
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第3クォータが始まると<ヴォストーク65>が連続得点し、39対39の同点に追い付きます。が、<パルマ>は僅差の競り合いが得意なようで、なかなか差を離されないようにしながら「何時の間にか逆転?」という具合で、第3クォータ終了時点で53対56と<パルマ>は依然として僅かな先行を維持しています。
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第4クォータが勝負という状況になりました。依然として、大声援を受けて攻める<ヴォストーク65>が得点して同点で逆転機会を伺えば、<パルマ>はまた得点を重ねて僅かな先行を護ります。
第4クォータの半ばに差し掛かろうとする頃...58対62で<パルマ>を追っていた<ヴォストーク65>は3点シュートで61対62としました。ここから<ヴォストーク65>は、連続得点を挙げ、75対62と逆転して抜け出すことに成功します。残り時間が2分程となった時点で<パルマ>は得点を漸く加えましたが、時期を逃した感でした。第4クォータ自体は26対13と、<パルマ>に沈黙を強いた形でした。
この第4クォータの「勝利を掴み取った連続得点」の場面は観ていて力が入りました。#6 アレクサンドル・グドゥマークのシュートで1点差に迫った後、#12 セミョーン・シャシコフがボールを奪って猛然とドリブルでゴールに向かった場面では思わず拳を強く握ってしまいました。そして得点すると逆転です。更にベテランガードの#63 アレクセイ・ゴリャホフが「巧い!!」という距離の在るシュートを決めて得点を重ねます。
こういう展開で<ヴォストーク65>が79対69と勝利を掴み取りました。この後、<ロシアカップ>の試合としては1月10日(サハリン時間では日付が改まって11日)に<ヴォストーク65>がペルミを訪ねて<パルマ>と対戦することになっています。ここで勝てば、「4強による順位決定シリーズ」に入ることが叶うようです。
熱い試合を盛り上げていたダンスチームですが、試合後半になると、11月までの観戦機会では登場していなかった、黒いバスケットボールのユニフォーム、チームのアウェイ用を模した#65のモノを着ていました。
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愉しいパフォーマンスを観ながら、「あの黒いユニフォーム...欲しい...」等と余計なことも考えてしまいました。
<ヴォストーク65>は、リーグ戦では11勝3敗で目下首位ですが、カップ戦でも「格上」との競り合いを制する活躍を見せてくれています。今後の活躍が酷く楽しみです。
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