木曜日の晩にジャズの生演奏(2017年10月26日)

ユジノサハリンスク市内の飲食店では、生の歌や楽器演奏を聴くことも出来る場所というのが存外に多く在ります。

「生の歌や楽器演奏を聴く」という状況ですが、「貸切かそれに近い状態の中で歌舞音曲」ということでもなく、「普通に飲食店に立寄る」という状況下で、何処かのプロ、またはプロ級の技術を持つ方が歌や演奏を披露しているという場面に出くわします。更に、少し名前が通ったプロやかなり巧い愛好家のグループが登場することが店の広告ということで告知される場合も在ります。

「少し名前が通ったプロやかなり巧い愛好家のグループが登場することが店の広告ということで告知」ということの他、登場するグループの関係者、「友達の友達は皆が仲間」というような"人伝"でそういう歌や演奏が聴ける機会という情報は或る程度広まります。そういうことのお蔭で、ユジノサハリンスクに滞在していれば、存外に多く「生演奏!」を愉しむ機会に恵まれます。

軽い食事や各種のビール、ワイン、或いはウィスキー等も愉しむことが出来る、米国調な内装の店で<カウボーイ>という場所が在ります。平日は「軽食を摂って、気が向けば呑む」という感じの店ですが、週末を中心に「少し名前が通ったプロやかなり巧い愛好家のグループが登場」で音楽が楽しめます。金曜日、土曜日がそうした催しの日ですが、木曜日に催行される場合も在ります。

↓こういう場所です。日本からサハリンを訪ねて、ユジノサハリンスク市内で滞在する場合に利用される例も多いホテルや、<チェーホフセンター>等にも近いエリアです。
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↑ビルの脇に入口が設けられていて、ビルの地階がお店です。

10月26日はその音楽演奏の「木曜日催行」の日でした。

ユジノサハリンスクで活動しているグループに<アブソリュート・ジャズ・カルテット>というグループが在ります。

「アブソリュート・ジャズ」(=絶対にジャズ)というグループ名を名乗っていますが、彼らは"ジャズ"という括りの楽曲、そういう色彩の濃い音創りに拘っていて、各パートの即興演奏の掛け合いのような「うゎっ!"ジャズ"だ!」というような演奏までも披露してくれます。

「カルテット」(=4人編成バンド)ということで、ベース、ギター、ドラムス、キーボードというのが「何時もの編成」です。今回、ここにサックス奏者が加わったセッションが行われるという情報が伝わって来ました。

こういうことになれば...「<アブソリュート・ジャズ・カルテット>フューチャリング 〇〇」とか、<アブソリュート・ジャズ・カルテット+1>ということにでもなりそうですが、一寸違いました。リーダーのベース奏者、ヴィターリー・ブィチコフは言いました。「今日は"クインテット"さ...5人で演奏するから...」とです。

「新たな編成による初のライブ!<アブソリュート・ジャズ・クインテット>!」というような具合に、彼らはステージに登場しました。

↓登場した"カルテット"改め"クインテット"です。
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↑ベース、キーボード、サックス、ドラムス、ギターの5人編成になりました。サックスは華やかな感じの女性演奏者でした。

<アブソリュート・ジャズ・カルテット>の演奏も聴いたことが在りますが、<アブソリュート・ジャズ・クインテット>は一味違いました。華やぎの在るメロディーを奏でるソロパートに、サックスとギターの掛け合いのような演奏が入るので、選曲が従前とは変わり、聴いた印象も随分と変わりました。

現時点では"臨時編成"で、リハーサル時間も然程多くは無いようですが、そこは"即興"も在りの演奏をやっているグループの"技"というもので、素晴らしい演奏でした。

時間の経過を忘れて聴き入っていました。演奏が全て終わった後にメンバーが、木曜日なのでやや少な目であることが否定出来なかった感の聴衆に向かって「愉しく演奏した!ありがとう!」と一言発した辺りに、この日の雰囲気が集約出来るかもしれません。

今回も、特段にチャージが発生するのでもなく、店内で普通に飲物をオーダーして、それを頂きながら演奏を楽しんでいました。今回は250ルーブルの黒ビールを1本と、やってくれる店員さんとその限りでもない店員さんも居る"裏メニュー"のアイリッシュコーヒーを頂きました。

音楽を聴いて愉しむには色々な手段が在りますが、何といっても"生演奏"は素晴らしいものです。

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