サハリンの消防車輛(2017年08月25日)

ロシアでは「消防の仕事」は<МЧС>(エムチェーエス)と呼び習わされている「ロシア連邦民間防衛・非常事態並びに重大事故対応担当省」という連邦政府機関の管轄下に置かれています。サハリン州に在っては、<サハリン総局>という管理局が設けられ、各地に在る消防署はその管轄下で活動をしています。

稚内市サハリン事務所の近くにも消防署が在りますが、視掛ける関係職員の皆さんは<МЧС>(エムチェーエス)という文字ロゴが入った、ダークグリーンのユニフォームや青いTシャツを着ています。日本の消防署のように市町村等の管轄ではありません。

ユジノサハリンスクの場合、市街が「南北に広い」感じなので、消防署も南北に担当区域を分けるようにして配置されているように見受けられます。稚内市サハリン事務所の在る辺りから南の方へ、または北の方へ進むと、別な消防署に出くわすことになります。

↓街のやや東寄りを南北に貫くミール通を北上すると、消防署に出くわしました。
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↑大概、消防署の車輛は車庫に入っているのですが、時々こうやって車庫前に並んでいる様子を視掛けます。そして、視掛けると思わず眺めてしまう場合が在ります。

消防署の車輛は赤い塗装が施されています。日本の消防車輛も赤を基調としていますし、ロシア以外の諸外国でも「赤い消防車」は定番のように思えます。

この署には、ロシア製の厳つい外観のトラック―太い6輪のタイヤで、どんな悪路でも踏破して現場に駆け付けそうな迫力が感じられます。「5月9日」のパレードで視た軍のトラックと、ベースにしている車輛は同じなのだと見受けられます。―を改装した消防車輛が2台と、小型四駆車と見受けられる連絡・指揮車輛が駐車していました。

車輛そのものは、日本でも見受けられる赤なのですが、火災対応で出動する際に転倒する運転台の上のランプは青になっています。日本の赤ランプとは違います。この"青ランプ"は警察車輛にも共通しています。

↓奥の方に視えた車輛は、手前のモノと車輛正面のデザインが少し違いました。製造年次が違うのか、メーカーが違うかなのでしょう。
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↑こちらの車の後方には「<МЧС>(エムチェーエス)設立25年」というロゴマークも描き込まれていました。

この消防車輛の様子を何となく眺めて、その場を離れようとすると、近所の猫が消防車輛の車庫辺りに迷い込んで、<МЧС>(エムチェーエス)という文字ロゴが入ったユニフォーム姿の消防署の方が「おい...どうしたんだ?」と姿勢を低くして猫を構っていました。消防車輛のようなモノは、何時でも活躍出来るようにメンテナンスを日常的に行う他方、署員が猫を視ていられる位な長閑な雰囲気である方が、平和で好いのかもしれません。

因みにこうした消防車輛ですが、ユジノサハリンスク以外の街でも、消防署は連邦政府機関である<МЧС>(エムチェーエス)の<サハリン総局>の管轄下で在り、各都市の消防署には同じような車輛が配置されていますし、関係職員のユニフォームも同じです。