収容以前のSCP-001-JP-1(画像左)
アイテム番号: SCP-001-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-001-JPはエリア-██に設置された人型実体用特殊収容房に不可逆的に無力化された状態で収容されます。SCP-001-JPの意識が回復した場合、収容房内に設置されている器具によりSCP-001-JP-Aは即時に終了されます。SCP-001-JPが死亡した場合、その死体は再びナンバリングされエリア-██の冷凍特別遺体保管室にて保存されます。
生存している全ての人間は、タンデムマス・スクリーニング法検査、法令または個人の意思により行われる全ての健康診断、財団加入時の身体検査の際に検査の一部に偽装したプロトコル・テミスを受けます。プロトコル・テミスの結果はエリア-██にて常に確認され、プロトコル・テミスによってSCP-001-JPと判断された人物は検査終了後SCP-001-JP対策チームによって無力化の上拘束され、ライオネル記憶走査機構による脳への調査が行われます。必要に応じて、収容対象を認知していた人物に対し記憶処理やカバーストーリーの流布を用いて適切な処理を行ってください。
説明: SCP-001-JPは特異な能力を持つ人型実体の総称です。
SCP-001-JPの能力において最も特筆すべきものは、SCP-001-JP個体(以下、SCP-001-JP-A)が自身以外の存在に接触した際に発揮されます。SCP-001-JP-Aが接触した存在は、SCP-001-JP-Bに変化します。SCP-001-JP-Bは即座にその場から消失し、SCP-001-JP-Bについての情報を保持していた全ての記録媒体からSCP-001-JP-Bについての情報が消滅します。ここでの「記録媒体」にはSCP-001-JP-Aを除くあらゆる生物の記憶を含み、消滅したSCP-001-JP-Bについての情報は一切の復元が不可能になります。SCP-001-JP-Bには実体存在だけでなくミーマティックオブジェクトを始めとした非実体存在も含まれますが、どのような方法でSCP-001-JP-Aが非実体存在との接触に成功しているかは不明です。消失後のSCP-001-JP-Bに似た、または一致した存在が再び出現する事象も確認されているため、SCP-001-JP-Bは消失した瞬間に消失した地点とは違う場所に転移しているという仮説が立てられましたが、SCP-001-JP-A収容に対する相対的な優先度の低さを理由に、消失後のSCP-001-JP-Bの行方を確認することを主目的とした実験計画は凍結されました。
SCP-001-JP-Aと、Wクラス以上の記憶補強剤の摂取などにより記憶能力が一定以上強化されている生物は、SCP-001-JP-Aの能力の影響力が弱まることが判明しています。しかしながら、ライオネル記憶走査機構によって明らかになったSCP-001-JP-Aの記憶には、財団が指定する記憶処理薬の副作用に見られるものとは異なった不自然な欠落が複数発見されているため、SCP-001-JP-Aは何らかの方法を用いて自らの記憶を操作している可能性があります。
SCP-001-JPは前述されたもの以外にも超自然的な能力の行使が確認されており、現在判明しているのは以下の通りです。
・瞬間移動
・他者の記憶に干渉する反ミーム的方法による情報の隠蔽
・身体の透過や不可視化
SCP-001-JP-1は、SCP-001-JPのみが保持するDNAのヌクレオチド配列です。SCP-001-JP-1は、SCP-001-JPがヒトにない特異能力を持つ原因であると結論付けられています。SCP-001-JPは、SCP-001-JP-1を除いたあらゆる特徴が、ヒト(学名:homo sapiens)と一致しているため、発見済みのCP-001-JPの多くはいずれもヒトに擬態し、人間社会内で生活していました。
・瞬間移動
・他者の記憶に干渉する反ミーム的方法による情報の隠蔽
・身体の透過や不可視化
経緯:SCP-001-JPの発見の起点は、事案001-JPの発生でした。事案001-JPは、ナンバー指定される以前には、便宜上超常現象記録に記録されていました。
事案001-JP
日付:2006年12月8日
説明:「サイト-██にて行われたSCP-████を用いた実験(以下事案001-JP-A)に参加していた」と自称する職員6名(以下事案001-JP-1)が、「エドワード・トウラー博士の手の上に乗っていたSCP-████が、突然消滅した」と訴えました。トウラー博士は当時レベル4職員で、先述の職員らは全員トウラー博士をSCP-████の管理主任であると主張していました。しかし、事案001-JP-1が存在を示唆したSCP-████と特徴が一致したオブジェクトが、財団に収容されていたという記録は存在しておらず、トウラー博士は当該の実験に参加した記憶がないという主旨の弁解を行いました。
対応:事案001-JP-1に対する精神鑑定、忠誠度テストが行われ、事案001-JP-1全員に精神の異常やオブジェクトの影響はなく、またこの事案が事案001-JP-1の悪戯によるものである可能性もないと結論づけられました。しかし、事案001-JP-1から得られた「SCP-████」の異常性や実験時の状況に関する証言がほぼ一致したこと、実験が行われていたと主張されていた時刻にトウラー博士と事案001-JP-1がWクラス記憶補強剤を摂取していたことが複数の研究職員の興味を引き、7名の職員には第三級秘密監視措置が行われました。
2006年12月15日、反ミーム部門と情報災害部門の共同提言によって、事案001-JP-Aに関係したとされる職員全員に対する、ライオネル記憶走査機構を使用した脳への調査がO5議会で可決されました。その結果、二名の職員の記憶が証言と一致しました。他の四名とトウラー博士に記憶における該当箇所は不明瞭な欠落が見られました。加えて、トウラー博士が財団加入後から証言で示唆された実験が行われたとされる時刻までの期間において、財団に収容されたオブジェクトと直接の接触したのと同時に該当するオブジェクトが外見上完全に消失するという内容の記憶が発見されました。調査中にトウラー博士が急死した為走査は打ち切られ、トウラー博士の遺体には初期収容措置が行われました。実験に参加していた人員にはBクラス記憶処理が行われ、トウラー博士の死亡に関してはカバーストーリーが適用されました。トウラー博士が接触したSCP-001-JP-Bの数は判明したものだけでも███とされています。監視官は、記憶の欠如が見られなかった職員のみが解放後にトウラー博士との身体的な接触をしてなかったことを報告しています。
2007年1月20日、トウラー博士の遺体に対する一連の研究が終了しました。結果、SCP-001-JP-1を、トウラー博士が保持していたことが判明しました。また、
同年11月、収容違反を起こしたSCP-████の再収容に伴い、再収容プロトコルの実行を指揮していたO5-4の生命反応が消失したため死亡として扱われました。その後O5-12の提案によりO5-4のクローン体の解放及びクローン体へのプロコトル・テミスの実行が行われ、O5-4の体内からSCP-001-JP-1と同様の特異な塩基配列が発見されました。また、クローン体用バックアップとして貯蓄されていたO5-4の記憶を走査した結果、O5-4がO5昇格する以前の期間に、トウラー博士とオブジェクト消失に関する記憶と同様の内容のものが多数発見されました。これを受けてO5議会はトウラー博士とO5-4は同種の異常存在であると結論づけSCP-001-JPとしての収容を宣言しました。トウラー博士、O5-4のクローン体はそれぞれSCP-001-JP-A-1、SCP-001-JP-A-2とナンバリングされ収容されました。また、ヒトとSCP-001-JPの判別方法として"プロコトル・テミス"が暫定的に確立されました。
第███回O5評議会緊急会議議事録
議題: 新O5-4任命について
O5-12の提言
前O5-4は非常に聡明で、実務能力が高く、意思決定に長けた人物だった。先のSCP-████収容違反の際には、自らの命を賭して被害を食い止める勇敢さや的確な判断能力を示し、O5評議員としての資格にふさわしい人物であることを我々に再確認させた。O5評議員憲章の所定の規定に従って前O5-4のクローン体を解放し、彼女の職務復帰を行うことには私も賛成する。
しかし、先程O5-1が触れたように、前O5-4は生前自らのクローン体解放に関して反対していた。そして彼女の抗議はいずれも却下されている。彼女の倫理観がそうさせているのだろうと私は理解していたが、ここで違う可能性を示唆したい。
率直に言おう。私は、前O5-4はSCP-001-JP-Aではないかと疑っている。
これは科学的推論では断じてない。あくまで疑念に違いない。しかしSCP-001-JPが関連しているとなると、我々は、あの財団の理念を真っ向から否定するような忌まわしい人型実態に関する、ただの疑念でさえ、無視できないと私は考える。私の勘がよく当たることは諸君らもご存じであろう?まずは私なりの推理を聞いてほしい。
補遺3: SCP-001-JP-A-1,2の収容後からプロコトル・テミスの財団内外での運用が開始されました。以下が現在までに確認されているSCP-001-JPのリストです。
アイテム番号 | 収容前使用されていた氏名 | 収容前の情報 | 備考 |
---|---|---|---|
SCP-001-JP-1 | エドワード・トウラー | 財団にて研究職として勤務。 | 遺体を収容中。 |
SCP-001-JP-2 | 前O5-4 | 省略。 | クローン体を収容中。 |
SCP-001-JP-3 | イ・サラン | 財団にて研究職として勤務。 | 収容後死亡。遺体を収容中。 |
SCP-001-JP-4 | ガブリール・ロマノフスキー | 財団にてエージェントとして勤務。 | 同上。 |
SCP-001-JP-5 | "ゴッドハンド" | GOI「世界オカルト連合」にて勤務。プロトコル・テミス実行後、同個体が非常に強く抵抗し世界オカルト連合との協力の上鎮圧。その直後に心肺停止状態となり死亡を確認。 | 未収容。現在GOCと身柄の移送について協議中。 |
SCP-001-JP-6 | フランソワ・ジョンシエール | 財団にて研究職として勤務。 | 収容後死亡。遺体を収容中。 |
SCP-001-JP- | 城島 幸助 | 財団にて研究職として勤務。 | 同上。 |
SCP-001-JP- | マティナス・レナト | 同上。財団による抜き打ちのプロトコル・テミス実行が開始された後に死亡。遺体にプロトコル・テミスを適用しSCP-001-JPと判明。 | 同上。 |
SCP-001-JP- | クロエ・ジョンシエール | SCP-001-JP-6の実娘。 | 検査後死亡。遺体を収容中。 |
SCP-001-JP- | シャロン・スレイド | 同上。 | 同上。 |
SCP-001-JP-1 | アリエル・ファルコナー | 財団にてエージェントとして勤務。 SCP-001-JPと同様。 | 同上。 |
SCP-001-JP-1 | リカルド・マルティ | 芸術家。リオデジャネイロにて当時未収容だったSCP-████-FRを追跡していた財団エージェントと接触。その後逃走。 | 捜索の結果、サンパウロ市街地にて遺体が発見された。現在遺体を収容中。 |
ライオネル記憶走査機構による調査の結果、SCP-001-JP-A個体はいずれも自らの特異的能力を異常存在の消去に関連する行動にのみ使用していたことが判明しました。収容中のSCP-001-JP-A個体は全てプロトコル・テミスの実行直後、あるいはそれ以前に原因不明の循環器疾患や多臓器不全による突然死を起こしています。
文書001-JP
財団に取引を持ち掛ける 収容という手段は結果的にサーバーへの負荷によって世界へ悪影響をもたらす 破壊では世界滅亡につながるもの(217など)もあるので、理解は示すしそれで協力してほしい 世界を守るためにここはひとつ
緊急通達
O5権限解放による緊急通達 | |
---|---|
From: | O5-12 |
To: | セキュリティクリアランスレベル5-001-JP保持者 |
日付: | |
さて、諸君らには申し訳ないが、この通達の送信を私の財団での最後の職務とさせていただきたい。私はSCP-001-JPについての決定的な情報を手に入れたが代償としてこの身の自由を失い、諸君らと肩を並べて活動することが不可能になってしまった。だが私は私の本来の自我が消失する前に己が得た全てを残す所存であり、諸君らが見事SCP-001-JPを完全に収容することを確信している。
それでは本題に入る。途方も無い話になるが聡明な諸君は明確に理解するだろう。
とある者は考えた。自分たちの住む世界では到底行えないような大規模な実験、例えば世界を破壊、操作するようなものを行うための空間があれば、我々はさらに進歩できるだろう。そして彼らは世界中の叡智を結集させ仮想的な「世界」を作り上げた。
最終的に彼ら(私は連中をSCP-001-JP-Cと呼ぶことを提案する)は、この計画における最後の一大プロジェクトとして挙げられていた「知的生命体の行動についての長期的な観察」を遂に実行へと移した。SCP-001-JP-Cは持てるだけの財と技術によって非常に高いレベルの自立型プログラムを複数生み出すことに成功した。その中でも特に発達した種族―――我々に「SCP-1000」と呼称される彼らである―――を主な観察対象とし、他のプログラムも予備、あるいは賑やかしとして同様に「世界」に解き放たれた。
「ビックフット」の進化が目まぐるしいものだったことは諸君も知っているだろう。SCP-001-JP-Cは計画が順調に進んでいることを喜んでいた。しかし、安寧は保たれなかった。「ビックフット」はとある予備のプログラムの暴虐によって突然にして滅んだ。
SCP-001-JP-Cは彼らを滅ぼしたプログラムを憎み処分を検討した。しかし、SCP-001-JP-Cらに「ビックフット」に匹敵する新たなプログラムを作成するほどの金銭的な余裕はもはや無くなっていた。彼らに成り代わり「世界」の支配者となったプログラムが予想以上に進化していたことを鑑みてSCP-001-JP-Cは観察対象を「人類」へと変更したのである。
「人類」は「ビックフット」ほどではないにしろSCP-001-JP-Aを十分に満足させるレベルの進化を続け、計画の続行を可能なものにしていたが、ここで再び致命的な問題が発生した。「世界」が大量のエラーを吐き出し始めたのである。
その「世界」というのは謂わばサーバーであり、負荷がかかれば不具合が出る。「世界」は長期間にわたる非常に強い負荷についに耐え切れず、「ビックフット」の運用開始前から増えつつあった「バグ」の数が異常なまでに増加した。SCP-001-JP-Aは今まで使用していたデバッガーでの処理は「バグ」の増加スピードに追いつかないことを理解し、残っていた財と「人類」を利用し早急にデバッガーの補強を進めた。この時作成されたものの中で特に優秀だった108のプログラムは後に統合され、「世界オカルト連合」という「世界」で最も優れたデバッガーとして再構築された。
そうして「バグ」とSCP-001-JP-Cの闘いが加熱する中、一つの特殊なエラーが発見された。SCP-001-JP-Cの意思とは関係なく、デバッグ機能を兼ね備えたプログラムが現れたのである。そのプログラムは周囲の「バグ」を自らのデータ内へと吸収し、無力化しているように見えた。つまり「バグを食すバグ」が出現したのである。
それはSCP-001-JP-Cが作成したデバッガーと同様に人類を使役することで稼働していた。SCP-001-JP-Cはプログラムの意思によって大規模な自己防衛組織が生み出されたことを手放しで喜び、
私
wikidot name:west-plain west-plain
参加日:2017年3月11日
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west-plain | 0 | 0 | 11 Mar 2017 09:23 |
超常現象記録
概要紹介: 東京地下鉄██線の██駅で40代男性が列車と接触した後、男性の口内と遺体の傍にラーメンとその食器と推測されるものが発見されました。駅の監視カメラを確認したところ、男性が列車と接触する寸前突然一杯のラーメンが出現していたことが判明しました。
発生日時: 2014/█/██
場所: ██駅のプラットホーム
追跡調査措置: 男性の職場環境などの点から男性は自殺として処理されました。事故現場に散乱していたラーメンや具の成分を調査したところ、男性が高校生の時に通っていた店のものと一致しました。
その他
サンドボックス
@westplain248 Twitterアカウントです。たいていの場合ここにいます。
以下、ネタバレ注意のアレ 上から作成順です。
新人執筆者コンテスト出品作品。投稿、削除、改稿、再投稿、改稿で息を吹き返した我が不死鳥。初めて書いた作品だったため右も左もわからない状態からスタートし、非常にたくさんの方の助力によって今の形になりました。
現在私が作成したページの中では最低の評価なため、さらなる改稿も考えていますが「まあこれでもいいか」と思ってしまい筆が進む気配は一切ありません。
クリスマスも通り過ぎた12月末に投稿した初tale。使用させて頂いたEFU EFU 氏のSCP-1982-JPが超の着く傑作だったためオリジナリティの捻出やらその他諸々に苦労しました。展開に煮詰まっては風呂を二日繰り返して作りあげた自信作です。風呂はいいぞ。
この作品ではt2zki t2zki 氏に多大なるお力添えをいただいています。他の方からも批評、アドバイスをいただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
思いついたのは3/31の午後7時頃。勢いにすべてを任せエイプリルフールに間に合わせたSCP-JP初のEXの着いたJ記事。隣のタブで言ってる新作とはこれのことですね
SCP財団というコンテンツの伝播に伴い増えた気がする「関係ないものを見てSCPと言ってしまうムーブ」にあるあるネタを交えて書き上げました。最近のそれを嫌う風潮とエイプリルフールの喧騒に乗れば多少揶揄が入ってても大丈夫と思ってましたが内心すごくひやひやしてました。本部のJ記事との類似点が見受けられるため今後もっと揶揄に寄せる改稿する気でいます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは
説明: SCP-XXX-JPは、印刷物・視覚メディア・口頭伝達などのあらゆる情報を媒介物として拡散するミーム感染です。SCP-XXX-JPの影響を受けた人間は、「██大学█学部教授Lucy Bryant(以下SCP-XXX-JP-A)」の存在を信じるようになります。
SCP-XXX-JP-Aに該当する人物は実在しませんが、SCP-XXX-JP曝露者はあたかもSCP-XXX-JP-Aが実在するかのように行動します。SCP-XXX-JPの感染力は強く、現在██大学内のSCP-XXX-JP曝露者は████人と推定されており、その結果██大学内ではSCP-XXX-JP-Aは当然に実在するものとして扱われています。
SCP-XXX-JPの起源は、██大学内のデータベースによると1998年3月と推測されます。1998年3月、██大学の
音声記録 2018年04月01日
<音声開始 13:██>█████: よし、新作の評価も何とか+で安定したな。さて、せっかくだし俺もエイプリルフール著者ページ作ってみるか。とりあえずガイドライン読んでみよう。えっと…。
もしあなたがSCP-JPでSCP報告書とTaleを合わせて少なくとも3つ以上を作成したのなら、著者ページを作って、あなたの仕事の記録を残してください。作成後、連続して24時間以上Rateが+1以上のもののみカウントします。
作成後、連続して24時間以上Rateが+1以上のもののみカウントします。
█████: あっ。
<音声終了>
名前: 西園寺 眞子(Saionzi Mako)
セキュリティクリアランス/職員レベル: 1(場合によって限定的に4まで付与)/C
職務: 財団医療部門所属。病気や外傷により職務から外れた職員の障害の状況の診察・評価。職員のリハビリテーションの管理。
所在: サイト-81██医務室。必要に応じ各財団施設への訪問診察。
来歴: 19██年6月██日生まれ。兵庫県出身。医師国家試験合格後、██大学附属病院に勤務。20██年、当時未収容だったSCP-███-JPの影響を受けた人物に対し、適切な処置を行い症状を緩和させた際に財団に認知され、その功績から財団へと雇用されました。
人物: 女性。国籍は日本国。身長16█cm、体重4█kg。温厚かつ明晰でありややマイペースで睡眠欲が強い傾向にありますが、職務には支障を来しておらず患者や他の職員に対しても真摯に接するため他者からの評価は比較的高めです。西園寺医師はよく冷静沈着で落ち着きのある人物であるかのように振る舞い初対面ではそのような印象を受けることが多いですが、親しい人物からは「むしろ真逆である」「キャラ作りは上手いが脆さは異常」といった評を受けているようです。
西園寺医師は異様なまでに騙されやすく、簡易的幼稚的な嘘でさえ見抜くことを困難とします。また、誤った情報を伝えられた結果その情報を他者に広めたり奇行に走ったりし、些細な冗談が問題化する事例が多数報告されています。そのため彼女に冗談を言うことは禁止されていませんが、その場で訂正するべきです。西園寺医師は手帳に何か書いている姿がよく目撃されている理由について「同じ嘘にひっかからないように」と話していますが、手帳に記述されたものと類似した嘘に騙されることは多いようです。
西園寺医師の手帳(抜粋)
・水道からジュースが出るようになる呪文はない ←水道局に電話して唱えてもだめ
・バルサンの煙を目に当ててもいいことはない
・アマゾンの本社はアマゾンじゃない
・カナヘビさんはヤマタノオロチの末裔じゃない
SCP-682の親族
爬虫類を統べる王様
・この人の話すことはだいたいウソ ・カナヘビはヘビじゃない
・私は財団に作られたロボットじゃない ・宇宙から来た記憶喪失の侵略者でもない ・この世界は私の見ている夢ではない
・サンタクロースはいない
・きのこたけのこ戦争に重火器は持ち出されていない
いや、きのこたけのこ戦争はやばかったで。財団内でも死傷者出てたみたいやしボクもえらい目に遭うたわ。-エージェント・████
え、そうだったんですか?ということは最近ケガ人が多かったのは...。-西園寺医師
知らんけど。-エージェント・████
は?-西園寺医師
西園寺医師は非常に不器用で、手先で行う作業を苦手としています。そのため彼女に手先で行う細かい作業を任せることは推奨されていません。
私がリハビリテーション科を選んだのはそりゃあ手術しなくていいからもあるんですが、学生時代にお世話になった先生がいるからでもあるんですよ。-西園寺医師
なんでそんなに騙されやすいんですか。-██看護師
私にもわかりません...。多分ピュアに育ちすぎたんですよ!多分。-西園寺医師
先生、もう殆ど傷も治ったんでそろそろ退院したいのですが。-エージェント・██
いえ、その嘘にはもう幾度となく騙されてきましたのでもう信じませんよ。そんなこと言って痛い目を見るのは貴方なんですからね。-西園寺医師
西園寺先生、ツチノコ見ませんでしたか。-██博士
見てませんが、ツチノコ!?-西園寺医師
この前発見されて初期収容されてたんですが脱走しましてね。逃げ足が速くて参っちゃってんですよ。-██博士
おお、ツチノコですか!見つかったら見せてもらってもいいですか?-西園寺医師
上に掛け合ってみますよ。まあ全部嘘なんですけど。-██博士
しばくぞ。-西園寺医師
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは
説明: SCP-XXX-JPは縦24cm横17cmのフェイスマスクです。材質は不明であり検査の結果、いかなる方法をもってしても破壊不能と判明しました。SCP-XXX-JPは直接目視した場合その外見を正しく記憶できないことから、何らかの認識災害を発生させていると推測されています。SCP-XXX-JPには活性状態と非活性状態の二つの形態があり、活性時のみ自我を持ち、あらゆる言語を用いた高度な会話が可能となります。
SCP-XXX-JPは成人男性(以下、被験者)が手に取った際に活性化します。活性化後すぐに被験者との会話を試み、「これをつければヒーローになれる」といった主旨の言葉を発しSCP-XXX-JPを顔に装着するように促します。SCP-XXX-JPが一度装着された場合、その後被験者が死亡するまで活性状態を続行します。被験者がSCP-XXX-JPを装着しなかった場合周囲に成人男性がいなくなってから約10分後に非活性状態に戻り、それまでの間被験者や他の成人男性への呼びかけを続行します。また、活性化時に被験者が生命的な危機に陥った場合、被験者がSCP-XXX-JPを何らかの言葉で呼んだ場合直ちに被験者の元へ瞬間的に移動し装着を強行します。移動の際周囲と転移先ののヒューム値が大幅に低下することから、SCP-XXX-JPは現実改変能力を所持していると結論付けられました。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPが活性状態にある際に出現するKeterクラス相当の脅威的存在です。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの周囲半径500m以内に不定期的突発的に出現し、外見や知能は出現毎に異なっています。現在までに確認されているSCP-XXX-JP-1は全て人間への敵意を示し、出現してから終了されるまでの間破壊活動を続けます。SCP-XXX-JP-1出現時、SCP-XXX-JPの周囲半径500m以内のヒューム値が大幅に下がることからSCP-XXX-JP-1の発生はSCP-XXX-JPの現実改変能力によるものだと推測されています。
SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JPを装着した状態の被験者です。SCP-XXX-JP-1は元の被験者に比べ身体能力や治癒能力が大幅に向上し、SCP-XXX-JP-1の終了が可能なほどの能力を得ます。SCP-XXX-JP-2は常に一人に保たれ、SCP-XXX-JP-2が死亡するまでの間被験者の変更は不可能です。Dクラス職員を用いたSCP-XXX-JP-2の終了実験は全て失敗しており、前述のSCP-XXX-JPの現実改変の特性からSCP-XXX-JP-2及び被験者の終了は困難です。詳細は実験記録XXX-JPを参照してください。
SCP-XXX-JPは██県の路上に非活性状態で落ちていたのを財団エージェントが発見した際直接触れたために活性化し、財団へと移送される途中にSCP-XXX-JP-1が出現したため、異常性の調査の後収容されました。
全実験終了後SCP-XXX-JPへのインタビューが行われました。以下はその記録です。
インタビュー記録XXX-JP
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: エージェント██
付記: エージェント██はSCP-XXX-JPの初期収容に関わった。
<録音開始>
SCP-XXX-JP: 遂に悪の研究所のおでましかい。いいねえ。
エージェント██: 私語は慎んでください。ではインタビューを開始します。まずあなたはどこから来ましたか?SCP-XXX-JP: そりゃあとある博士が世界を救うヒーローを作るために俺を作ったんだ。よくある話だろ?
エージェント██: その博士はどういう人物でしたか?
SCP-XXX-JP: ...調子が狂うな。嘘だよ。本当は何も覚えていないんだ。俺を生み出した奴が博士なのかおもちゃメーカーなのかもわからねえ。
エージェント██: なるほど。では、ここに来る前のことは覚えているでしょうか。
SCP-XXX-JP: わかったよ。それなら最近のことだけだが覚えてる。俺には前の契約者がいたんだ。
エージェント██: それは誰でしょうか。
SCP-XXX-JP: 名前は確か田村██だった。普通の新卒サラリーマンで気は弱いが真っ直ぐな奴だった。俺に話しかけられた時はうろたえていたが少々妄想癖があったようでな。契約はすぐに決まった。
エージェント██:
SCP-XXX-JP:
エージェント██:
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: 田村氏の捜索が先決です。彼を見つけない限りSCP-XXX-JPの完全な終了は不可能でしょう。
インタビュー終了後超常現象記録にSCP-XXX-JP-1、2のものと思われる記録が発見され、過去に少なくとも2人のSCP-XXX-JP-2が存在したと推定されています。
補遺: SCP-XXX-JPがインタビュー内で言及した田村氏の住居を捜査したところ、SCP-XXX-JPに関する情報を記した日記形式の文書が発見されました。以下はその日記の抜粋です。
収容以前の██駅
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが発生した駅のプラットホームにはホームドアが設置され、可能であればフルハイトタイプが採用されます。██駅には駅員として財団エージェントが設置されます。
全ての駅は常時監視され、SCP-XXX-JPの発生が確認された場合直ちに██駅は封鎖されホームにいた者全員にAクラス記憶処理が行われます。列車との接触によって死亡した身元確認と身辺調査を行い、SCP-XXX-JPの内容詳細が調査されます。
説明: SCP-XXX-JPは、旧█電鉄███線の██駅にて人間(SCP-XXX-JP-A)がプラットフォームに進入する列車に接触し、死亡した際に発生する現象です。SCP-XXX-JPの発生は、SCP-XXX-JP-Aの死亡時にSCP-XXX-JP-Aが死亡直前に抱いた願望が何らかの形で実現されることで完了します。SCP-XXX-JP発生時、██駅構内でヒューム値の大幅な変動が起こることが判明していることから、SCP-XXX-JPは現実改変と結論付けられました。この時SCP-XXX-JPが与える影響の規模の限度は不明です。以下はSCP-XXX-JPの事案です。
事案記録XXX-JP-1
日時: 2013/█/██
被害者: 20代女性
内容: 被害者が列車と接触したのとほぼ同時刻に当時被害者の上司だった50代男性が自宅にて心筋梗塞で死亡した。調査の結果被害者と死亡した男性が肉体関係を結んでおり、生前被害者がそれを苦にしていたことが判明した。
追記: この事案はSCP-XXX-JP-3が発見された後の調査で判明したもので、初のSCP-XXX-JP事案と判断されたためSCP-XXX-JP-1として登録されています。
事案記録XXX-JP-2
日時: 2013/█/██
被害者: 50代男性
内容: 被害者は乗車中に10代女性に痴漢と疑われSCP-XXX-JP-で女性と共に下車し口論になった。仲裁に入った駅員が被害者を駅長室に連行しようとしたところ被害者が逃走し線路に転落。██駅に到着した列車にはねられて死亡した。その後女性が行方不明になり午後自宅で死亡しているのが発見された。女性の遺体に異常はなく死因は不明。
追記: この事案はSCP-XXX-JP-3が発見された後の調査で判明したものです。
事案記録XXX-JP-3
日時: 2014/█/██
被害者: 40代男性
内容: 被害者の口内と遺体の周囲にラーメンとその食器と思われるものの欠片が散乱していた。監視カメラを解析したところ、被害者と列車が接触した直前に男性の頭部の近くに食器に盛り付けられた一杯のラーメンが突如出現していたことが判明した。被害者は生前某民間企業の中間管理職に就いていた。出現したラーメンの内容物を調べたところ、被害者が高校生時代に通っていたラーメン屋の商品と同じであることが判明した。
追記: この事案は財団が最初に認知したもので発見当初超常現象として記録されていました。
事案記録XXX-JP-4
日時: 2014/██/██
被害者: 20代男性
内容: 被害者は線路に転落した6才の男子児童を庇い死亡した。その際被害者の交際相手だった20代女性が突然プラットホームに出現した。後のインタビューで、事案発生前女性は出先で被害者と口論になり別れ帰宅途中だった事、ホームに現れた際事故の瞬間を目撃していた事が判明した。
追記: 女性は重度の精神耗弱と自傷行為が見られメンタルケアの効果が薄かったためCクラス記憶処理の後解放されました。事案時██駅にいた者にはAクラス記憶処理が行われました。男子児童は事案発生後病院に搬送され軽傷と診断されました。
事案SCP-XXX-JP-4発生後、██駅自体に異常性があると判断されたため、██駅についての調査とSCP-XXX-JPの異常性特定のための実験が行われました。以下はその記録です。
実験記録XXX-JP-1
対象: 一般的なマネキン人形
実施方法: 対象とSCP-XXX-JP-Aで使用されている車両をSCP-XXX-JP-Aホーム内で衝突させる。現場にカント計測器を設置しSCP-XXX-JP-A内のヒューム値を測定する。
結果: 変化なし。カント計測器の示す値にも変化はなかった。
分析: やはり生物でないとSCP-XXX-JPは発生しないようです。
実験記録XXX-JP-2
対象: ハツカネズミのオス
実施方法: 実験1と同様の方法で行う。
結果: 対象と列車が接触する直前にハツカネズミのメスが対象の傍に出現し、対象とメスは交尾した状態で列車にはねられ終了された。その瞬間カント計測器の値は大きく変動したが対象が終了された瞬間元の値に戻った。
分析: 今までの事案、本実験の結果から考えるとSCP-XXX-JPとはSCP-XXX-JP-Aで死んだ生き物の欲求を満たす現象であると考えられます。
実験記録XXX-JP-3
対象: D-XXX-JP-1
実施方法: 実験1と同様の方法で行う。その際対象を[編集済]し生存本能を強く活性化させる。
結果: 対象と列車が接触し対象は大きく吹き飛ばされ壁に強く打ちつけられました。生死を確認した結果生命活動を行うのに必須の部位を大きく欠損したにも関わらず生物学的に生存していました。その後対象を終了する試みは全て失敗しました。現在D-XXX-JP-1はAnomolousアイテムとして登録されサイト-81██に併設されている病院に入院しています。
分析: SCP-XXX-JPが必ずしも死者が求めているものに完璧に応えるわけではないようです。
実験記録XXX-JP-4
対象: ハツカネズミ
実施方法: 対象をSCP-XXX-JPの線路上、プラットホーム、改札口で拳銃によって終了する。
結果: 異常なし。
分析: 列車での轢殺でないとSCP-XXX-JPは発生しないようです。
SCP-XXX-JPの異常性が死者の願いを叶えるというものならば事案での偶然とも思える現象にも説明がつきますね。-平井博士
実験終了後特別収容プロコトルが制定され収容に至りました。
補遺1: 2015/█/█、市販のハンマーで武装した二人組がSCP-XXX-JP-Aのホームドアを破壊する事案が発生しました。またそのうち一名がSCP-XXX-JP-Aに到着した列車にはねられSCP-XXX-JP-5が発生しました。以下はその記録です。
事案記録XXX-JP-5
被害者: 福田 ██
内容: 被害者が列車と接触し多数の箇所の骨折が見られましたが、病院への搬送中その全てが治癒、再生しました。その後被害者に強力な再生能力が備わったことが判明しました。現在被害者の容態は安定しているものの現在も意識不明です。
分析: 実験3の結果と類似しているようです。被害者は飛び込んでから怖気付いてしまったのでしょうか。
現場に配属されていた財団エージェントが集団を鎮圧、拘束し、後にインタビューが行われました。以下はその記録です。
インタビュー記録XXX-JP
対象: 長谷川 █
インタビュアー: エージェント██
付記: 対象は26歳男性、高校中退後無職。事案発生時興奮状態だったため拘束の際に鎮静剤を使用している。インタビュアーは事案の収束に協力していた職員。
<録音開始>エージェント██: ではインタビューを開始します。まずあなた達はどこで知り合いましたか?
長谷川氏: ████████。その中でも僕みたいな死にたい人が集まるところです。エージェント██: なるほど。ではなぜあの駅で集団自殺することになったのですか?
長谷川氏: 確かそこの自殺の名所スレに、オカ板の書き込みが貼られたんです。その中に██駅で自殺した人は、願いが叶うっていう都市伝説があって、そこで死ねればアイツ殺せるのかなあとか言ってたんですよ。
エージェント██: [三秒間沈黙] それはいつ頃の話でしょうか。
長谷川氏: うーん。恥ずかしながら長い間引きこもっていたので記憶が曖昧なのですが、多分秋だったかなあと。2014年の。エージェント██: ありがとうございます。では事件当日までのことをお聞かせください。
長谷川氏: はい。まず自殺板にさっき話したのが貼られてから、ここで本当に死んでガチの話なのか確かめようぜという話になりました。で、社会人らしい人が駅を見にいったんですけど、もう天井の辺までホームドアがついてて飛び降りは出来なさそうみたいな書き込みがあって、そのスレは落ちました。
エージェント██: 続けてください。
長谷川氏: そこから、あの駅の話題はなかなか出てきませんでした。そしたら、クリスマスくらいに、あの、亡くなった方の名前なんでしたっけ。
エージェント██: 福田さんですね。
長谷川氏: あ、すいません。その福田さんがもう死にたいからあのコピペの駅で集団自殺しませんかとスレで言い出したんです。
エージェント██: なるほど。そしてその二人で集まったのですね。
長谷川氏: あ、いや、もう一人いたんですけど日時とか決めてる時にその人精神病棟みたいなとこに行っちゃって。
エージェント██: [咳払い]わかりました。では飛び込むときに願うことは決めていましたか?
長谷川氏: 少し言いにくいのですが、世界が滅びますように、と。どっちかが飛び込んでそう願いましょうと話しました。もし死ねる上に世界を道連れに出来るなんて最高だと。
エージェント██: なぜ、そんなことを。
長谷川氏: 僕はいじめを受けていて、高校をやめました。そのあとはさっき話したように引きこもり、ネットでニュースを見たり死にたい人たちと話をしたりしていました。そうしていると、よく悪意に押しつぶされたような気持ちになるんです。その度、僕は悪者に強い殺意を持ちました。もし僕に力があればこいつを殺せるのにと子供くさいことも思いました。でもこんな生きてる価値ないような負け組には何もできない。そのとき、あの都市伝説を見ました。
エージェント██: なるほど。
長谷川氏: この悪意に満ちた世界ごと消してしまえれば、願ったり叶ったりだと。でも、僕は邪魔が入って死ぬことができなかった。そしてあの話も嘘だったみたいですし。もう生きていたくないんです。これからどうすればいいのか...。
エージェント██: [五秒間沈黙] あの方は亡くなっていません。
長谷川氏: [三秒間沈黙] え?
エージェント██: あの人は死ぬ直前に生きたいと願ったそうです。そして今病院で眠っています。
長谷川氏: [沈黙]
エージェント██: あなたに辛いことがあったのはわかります。でも鬱なんて気分でどうにか出来るんです。僕だって仕事でうまくいかない時は死にたくなるときだってありますよ。それでも、頑張って働いて生きているんです。あなただけではありません。だから諦めないで。
長谷川氏: [沈黙]
エージェント██: すいません。少し熱くなってしまいました。では[長谷川氏の叫び声]
[長谷川氏がエージェント██に襲い掛かる]
長谷川氏: お前らいつもそうだ。なんもわかってねえ。さっき言ったあのサラリーマンもきっとお前みたいなやつのせいで死んだんだ。
エージェント██: 離してください。
[部屋の傍で待機していたエージェント██████が長谷川氏を取り押さえる]
長谷川氏: 離せ。
エージェント███ 動くな。
[エージェント██████が長谷川氏に鎮静剤を打つ]
<録音終了>
補足: エージェント██には三日間の謹慎処分が言い渡されました。長谷川氏はメンタルケアの後クラスB記憶処理を受け解放されました。
オブジェクトに関係のない応答は控えるように。後で記憶処理するからといって一般人にオブジェクトの性質を教えるのは問題だ。 -███博士
事案記録XXX-JP-5発生後、SCP-XXX-JP-Aを駅として使用しながら収容することのリスクはSCP-XXX-JP-Aを廃駅にし別の路線を作ることのコストを上回ると判断されたため、特別収容プロコトルが改定されました。
補遺2: インタビュー終了後、インタビュー内で言及のあった書き込みと思われるものが発見されました。以下がその書き込みです。
646 ██████████████ 20██/██/██(土) ██:██:██.██ ID:████████
お前らこれどう思う?死んだら願いが叶うらしい駅だとさ。
165 ███████████ 20██/██/██(土) ██:██:██.██ ID:████████
最近、俺の部署の部長が呪い殺された。確信はないが多分呪いだ。
その上司は確かに良い人だったんだがセクハラが過ぎると有名だった。さらには今年二年目だった女の子と付き合ってたなんて噂まで流れた。まあ当の二人は否定してたが女の子の様子は日に日におかしくなってた。
そんで何日か前にその子がついに自殺した。会社帰り██駅で身を投げたらしい。
このことは勿論翌朝伝えられ瞬く間に社内に知れ渡った。やっぱあの二人は付き合ってたんだとも言われた。
そうやって騒いでいると始業前なのに電話が入った。
あの部長の奥さんだった。部長、その日の晩いきなり倒れてそのまま死んじまったらしい。
50過ぎてるのに健康診断で全部正常値たたき出すような人だったのにな。心筋梗塞だと。
偶然だと思いたい。192 ███████████ 20██/██/██(土) ██:██:██.██ ID:████████
»165
██駅といえばさ、一年くらい前痴漢騒ぎで疑われた男がはねられてその後家で女も死んでだやつあったじゃん?
あの駅なんかあるんじゃね?
この書き込みを表示したと思われる端末の所持者にはAクラス記憶処理が行われ、██駅について言及していると思われるネット上の書き込みは全て削除されました。
収容以前の██駅
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが発生した駅は発見次第直ちに封鎖され、近隣住民にはカバーストーリー「欠陥工事の判明」「経済的事情による休止駅扱い」が適用され、可能であれば近辺に新駅が設置されます。
現在唯一SCP-XXX-JPの発生が確認されている██駅内には機械警備を配置し、実験を含み██駅のホームへの生物の侵入は一切阻止されます。
██駅のプラットホームにはホームドアが設置され、可能であればフルハイトタイプが採用されます。██駅には駅員として財団エージェントが設置されます。
全ての駅は常時監視され、SCP-XXX-JPの発生が確認された場合直ちに██駅は封鎖されホームにいた者全員にAクラス記憶処理が行われます。そして事故で死亡した者の身元確認と身辺調査を行い、SCP-XXX-JPの内容詳細を調査してください。その後SCP-XXX-JP研究主任を中心にSCP-XXX-JP対応チームが結成されます。
現在財団はSCP-XXX-JPの発生予防のため人身事故への対策の施行を世界の各交通機関に呼びかけています。
説明: SCP-XXX-JPは東京地下鉄██線の██駅でプラットホームに進入する列車と動物が接触する直前に発生する現象です。SCP-XXX-JPが発生すると被害者が生前最後に抱いた願望が何らかの形で実現されます。SCP-XXX-JPの発生時、██駅構内や実現が起こった近辺でヒューム値の大幅な変動が起こることが判明していることから、SCP-XXX-JPは現実改変によるものであると結論付けられました。この時SCP-XXX-JPのよって実現される事象とSCP-XXX-JPが与える影響の規模の限度は不明です。以下はSCP-XXX-JPの事案です。
事案記録XXX-JP-1
日時: 2013/█/██
被害者: 20代女性
内容: 被害者が列車と接触したのとほぼ同時刻に当時被害者の上司だった50代男性が自宅にて心筋梗塞で死亡した。調査の結果被害者と死亡した男性が肉体関係を結んでおり、生前被害者がそれを苦にしていたことが判明した。
追記: この事案はSCP-XXX-JP-3が発見された後の調査で判明したもので、初のSCP-XXX-JP事案と判断されたためSCP-XXX-JP-1として登録されています。
事案記録XXX-JP-2
日時: 2013/█/██
被害者: 50代男性
内容: 被害者は乗車中に10代女性に痴漢と疑われSCP-XXX-JP-で女性と共に下車し口論になった。仲裁に入った駅員が被害者を駅長室に連行しようとしたところ被害者が逃走し線路に転落。██駅に到着した列車にはねられて死亡した。その後女性が行方不明になり午後自宅で死亡しているのが発見された。女性の遺体に異常はなく死因は不明。
追記: この事案はSCP-XXX-JP-3が発見された後の調査で判明したものです。
事案記録XXX-JP-3
日時: 2014/█/██
被害者: 40代男性
内容: 被害者の口内と遺体の周囲にラーメンとその食器と思われるものの欠片が散乱していた。監視カメラを解析したところ、被害者と列車が接触した直前に男性の頭部の近くに食器に盛り付けられた一杯のラーメンが突如出現していたことが判明した。被害者は生前某民間企業の中間管理職に就いていた。出現したラーメンの内容物を調べたところ、被害者が高校生時代に通っていたラーメン屋の商品と同じであることが判明した。
追記: この事案は財団が最初に認知したもので発見当初超常現象として記録されていました。
事案記録XXX-JP-4
日時: 2014/██/██
被害者: 20代男性
内容: 被害者は線路に転落した6才の男子児童を庇い死亡した。その際被害者の交際相手だった20代女性が突然プラットホームに出現した。後のインタビューで、事案発生前女性は出先で被害者と口論になり別れ帰宅途中だった事、ホームに現れた際事故の瞬間を目撃していた事が判明した。
追記: 女性は重度の精神耗弱と自傷行為が見られメンタルケアの効果が薄かったためCクラス記憶処理の後解放されました。事案時██駅にいた者にはAクラス記憶処理が行われました。男子児童は事案発生後病院に搬送され軽傷と診断されました。
事案SCP-XXX-JP-4発生後、██駅自体に異常性があると判断されたため、██駅についての調査とSCP-XXX-JPの異常性特定のための実験が行われました。以下はその記録です。
実験記録XXX-JP-1
対象: 一般的なマネキン人形
実施方法: 対象とSCP-XXX-JP-Aで使用されている車両をSCP-XXX-JP-Aホーム内で衝突させる。現場にカント計測器を設置しSCP-XXX-JP-A内のヒューム値を測定する。
結果: 変化なし。カント計測器の示す値にも変化はなかった。
分析: やはり生物でないとSCP-XXX-JPは発生しないようです。
実験記録XXX-JP-2
対象: ハツカネズミのオス
実施方法: 実験1と同様の方法で行う。
結果: 対象と列車が接触する直前にハツカネズミのメスが対象の傍に出現し、対象とメスは交尾した状態で列車にはねられ終了された。その瞬間カント計測器の値は大きく変動したが対象が終了された瞬間元の値に戻った。
分析: 今までの事案、本実験の結果から考えるとSCP-XXX-JPとはSCP-XXX-JP-Aで死んだ生き物の欲求を満たす現象であると考えられます。
実験記録XXX-JP-3
対象: D-XXX-JP-1
実施方法: 実験1と同様の方法で行う。その際対象を[編集済]し生存本能を強く活性化させる。
結果: 対象と列車が接触し対象は大きく吹き飛ばされ壁に強く打ちつけられました。生死を確認した結果生命活動を行うのに必須の部位を大きく欠損したにも関わらず生物学的に生存していました。その後対象を終了する試みは全て失敗しました。現在D-XXX-JP-1はAnomolousアイテムとして登録されサイト-81██に併設されている病院に入院しています。
分析: SCP-XXX-JPが必ずしも死者が求めているものに完璧に応えるわけではないようです。
実験記録XXX-JP-4
対象: ハツカネズミ
実施方法: 対象をSCP-XXX-JPの線路上、プラットホーム、改札口で拳銃によって終了する。
結果: 異常なし。
分析: 列車での轢殺でないとSCP-XXX-JPは発生しないようです。
SCP-XXX-JPの異常性が死者の願いを叶えるというものならば事案での偶然とも思える現象にも説明がつきますね。-平井博士
実験終了後特別収容プロコトルが制定され収容に至りました。
補遺1: 2015/█/█、市販のハンマーで武装した二人組がSCP-XXX-JP-Aのホームドアを破壊する事案が発生しました。またそのうち一名がSCP-XXX-JP-Aに到着した列車にはねられSCP-XXX-JP-5が発生しました。以下はその記録です。
事案記録XXX-JP-5
被害者: 福田 ██
内容: 被害者が列車と接触し多数の箇所の骨折が見られましたが、病院への搬送中その全てが治癒、再生しました。その後被害者に強力な再生能力が備わったことが判明しました。現在被害者の容態は安定しているものの現在も意識不明です。
分析: 実験3の結果と類似しているようです。被害者は飛び込んでから怖気付いてしまったのでしょうか。
現場に配属されていた財団エージェントが集団を鎮圧、拘束し、後にインタビューが行われました。以下はその記録です。
インタビュー記録XXX-JP
対象: 長谷川 █
インタビュアー: エージェント██
付記: 対象は26歳男性、高校中退後無職。事案発生時興奮状態だったため拘束の際に鎮静剤を使用している。インタビュアーは事案の収束に協力していた職員。
<録音開始>エージェント██: ではインタビューを開始します。まずあなた達はどこで知り合いましたか?
長谷川氏: ████████。その中でも僕みたいな死にたい人が集まるところです。エージェント██: なるほど。ではなぜあの駅で集団自殺することになったのですか?
長谷川氏: 確かそこの自殺の名所スレに、オカ板の書き込みが貼られたんです。その中に██駅で自殺した人は、願いが叶うっていう都市伝説があって、そこで死ねればアイツ殺せるのかなあとか言ってたんですよ。
エージェント██: [三秒間沈黙] それはいつ頃の話でしょうか。
長谷川氏: うーん。恥ずかしながら長い間引きこもっていたので記憶が曖昧なのですが、多分秋だったかなあと。2014年の。エージェント██: ありがとうございます。では事件当日までのことをお聞かせください。
長谷川氏: はい。まず自殺板にさっき話したのが貼られてから、ここで本当に死んでガチの話なのか確かめようぜという話になりました。で、社会人らしい人が駅を見にいったんですけど、もう天井の辺までホームドアがついてて飛び降りは出来なさそうみたいな書き込みがあって、そのスレは落ちました。
エージェント██: 続けてください。
長谷川氏: そこから、あの駅の話題はなかなか出てきませんでした。そしたら、クリスマスくらいに、あの、亡くなった方の名前なんでしたっけ。
エージェント██: 福田さんですね。
長谷川氏: あ、すいません。その福田さんがもう死にたいからあのコピペの駅で集団自殺しませんかとスレで言い出したんです。
エージェント██: なるほど。そしてその二人で集まったのですね。
長谷川氏: あ、いや、もう一人いたんですけど日時とか決めてる時にその人精神病棟みたいなとこに行っちゃって。
エージェント██: [咳払い]わかりました。では飛び込むときに願うことは決めていましたか?
長谷川氏: 少し言いにくいのですが、世界が滅びますように、と。どっちかが飛び込んでそう願いましょうと話しました。もし死ねる上に世界を道連れに出来るなんて最高だと。
エージェント██: なぜ、そんなことを。
長谷川氏: 僕はいじめを受けていて、高校をやめました。そのあとはさっき話したように引きこもり、ネットでニュースを見たり死にたい人たちと話をしたりしていました。そうしていると、よく悪意に押しつぶされたような気持ちになるんです。その度、僕は悪者に強い殺意を持ちました。もし僕に力があればこいつを殺せるのにと子供くさいことも思いました。でもこんな生きてる価値ないような負け組には何もできない。そのとき、あの都市伝説を見ました。
エージェント██: なるほど。
長谷川氏: この悪意に満ちた世界ごと消してしまえれば、願ったり叶ったりだと。でも、僕は邪魔が入って死ぬことができなかった。そしてあの話も嘘だったみたいですし。もう生きていたくないんです。これからどうすればいいのか...。
エージェント██: [五秒間沈黙] あの方は亡くなっていません。
長谷川氏: [三秒間沈黙] え?
エージェント██: あの人は死ぬ直前に生きたいと願ったそうです。そして今病院で眠っています。
長谷川氏: [沈黙]
エージェント██: あなたに辛いことがあったのはわかります。でも鬱なんて気分でどうにか出来るんです。僕だって仕事でうまくいかない時は死にたくなるときだってありますよ。それでも、頑張って働いて生きているんです。あなただけではありません。だから諦めないで。
長谷川氏: [沈黙]
エージェント██: すいません。少し熱くなってしまいました。では[長谷川氏の叫び声]
[長谷川氏がエージェント██に襲い掛かる]
長谷川氏: お前らいつもそうだ。なんもわかってねえ。さっき言ったあのサラリーマンもきっとお前みたいなやつのせいで死んだんだ。
エージェント██: 離してください。
[部屋の傍で待機していたエージェント██████が長谷川氏を取り押さえる]
長谷川氏: 離せ。
エージェント███ 動くな。
[エージェント██████が長谷川氏に鎮静剤を打つ]
<録音終了>
補足: エージェント██には三日間の謹慎処分が言い渡されました。長谷川氏はメンタルケアの後クラスB記憶処理を受け解放されました。
オブジェクトに関係のない応答は控えるように。後で記憶処理するからといって一般人にオブジェクトの性質を教えるのは問題だ。 -███博士
事案記録XXX-JP-5発生後、SCP-XXX-JP-Aを駅として使用しながら収容することのリスクはSCP-XXX-JP-Aを廃駅にし別の路線を作ることのコストを上回ると判断されたため、特別収容プロコトルが改定されました。
補遺2: インタビュー終了後、インタビュー内で言及のあった書き込みと思われるものが発見されました。以下がその書き込みです。
646 ██████████████ 20██/██/██(土) ██:██:██.██ ID:████████
お前らこれどう思う?死んだら願いが叶うらしい駅だとさ。
165 ███████████ 20██/██/██(土) ██:██:██.██ ID:████████
最近、俺の部署の部長が呪い殺された。確信はないが多分呪いだ。
その上司は確かに良い人だったんだがセクハラが過ぎると有名だった。さらには今年二年目だった女の子と付き合ってたなんて噂まで流れた。まあ当の二人は否定してたが女の子の様子は日に日におかしくなってた。
そんで何日か前にその子がついに自殺した。会社帰り██駅で身を投げたらしい。
このことは勿論翌朝伝えられ瞬く間に社内に知れ渡った。やっぱあの二人は付き合ってたんだとも言われた。
そうやって騒いでいると始業前なのに電話が入った。
あの部長の奥さんだった。部長、その日の晩いきなり倒れてそのまま死んじまったらしい。
50過ぎてるのに健康診断で全部正常値たたき出すような人だったのにな。心筋梗塞だと。
偶然だと思いたい。192 ███████████ 20██/██/██(土) ██:██:██.██ ID:████████
»165
██駅といえばさ、一年くらい前痴漢騒ぎで疑われた男がはねられてその後家で女も死んでだやつあったじゃん?
あの駅なんかあるんじゃね?
この書き込みを表示したと思われる端末の所持者にはAクラス記憶処理が行われ、██駅について言及していると思われるネット上の書き込みは全て削除されました。
アイテム番号: SCP-001-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-001-JPはサイト-00の地下階に設置された標準的人型収容房に無力化された状態で収容されます。SCP-001-JPの収容房は監視カメラによって常に監視され、SCP-001-JPの意識が回復した場合設置された器具により直ちに無力化されます。
生存している全ての人間は、誕生時の身体検査と不定期で行われる健康診断、財団加入時の検査の際に検査の一つと偽装してプロトコルを受けます。プロトコルにおいてSCP-001-JPと判断された人物は検査終了後人型アノマリー対策チームによって直ちに無力化、拘束されライオネル脳走査機構による脳の全部位への調査が行われます。
説明: SCP-001-JPは現実改変能力を持つと思われる人型実体です。SCP-001-JPは複数体存在すると推測されており、現在四体を確認、収容済です。
SCP-001-JPの能力において最も特筆すべきものは、SCP-001-JPが自身以外のものに接触した時に発揮されます。SCP-001-JPは接触した存在と、その存在を記録していた全ての媒体からその存在についての情報を消滅させます。その際人間を含むあらゆる生物の消滅した存在についての記憶も抹消されますが、Wクラス以上の記憶補強剤を摂取した場合のみ影響を受けないことが判明しています。この能力以外にも現実改変による特殊な行動が可能であり、主な例として瞬間移動、自身に関する記憶に干渉する反ミーム的情報隠蔽が挙げられます。
SCP-001-JPの能力によって消滅した存在がその後どうなるかについては不明ですが、一度消滅したオブジェクトに酷似したアノマリーが再び同ナンバーで収容された事例が報告されています。
補遺1: 現在までに確認されているSCP-001-JPはいずれも財団内で勤務していました。以下がそのリストです。
補遺2: SCP-001-JP-4収容時、SCP-001-JPについてのさらなる調査が行われました。以下がその内容です。
驚かせてしまって済まない。最初に貴方が今どういう状況なのかを伝えよう。
私はこの組織に所属していた人間のメールアドレスを使って、君のコンピュータへ自動化されたメッセージを送った。それに添付された画像によって君の活動は固定されている。金縛りにあっている状態、と思ってくれればいい。厳密に言えば違うがね。そして、その画像を通して今貴方の脳へと情報を送り込み、私の話を飲み込むとともにの貴方の身体と精神は作り変えられている。
何を言ってるかわからないと思う。だからここで全てを一から説明させてほしい。このアップデートには時間がかかるし、何よりも私は君に、そして君たちに詫びなければいけないことがある。
まずは私のことを話そう。私はエンジニアで、とある特務機関のチームに所属している。私は君たちの住んでいる世界よりいくつか上の次元の世界に生きている。君たちの言葉で言えば上位存在である。
[[/collapsible]]
3081
特別収容プロトコル:
1.オブジェクトの保管(或いは封鎖している)場所について
2.収容ロッカーや収容室について
3.オブジェクトの封じ込めや制御法
4.実験上での注意点
5.その他(収容プロトコルの改定など)
説明:
1.オブジェクトの全体的な形状や性質
2.規格・重量・作成年代(人型や生物の場合は年齢)
3.異常性
4.SCP-XXX-JP-2(-A)
5.実験記録・インタビュー・補遺...など
対象を捕捉
アップデートを開始します
鉄筋コンクリートを好むキノコというのは面白いのですが、記事内でもう少しそこを掘り下げてほしかったと思います。人間にも生えるところでそこがあんまり活かされてないかなと思いました。
また鉄筋コンクリート造の建物となると中型から大型の建物になります。戸建住宅で鉄筋コンクリートはあまりないと思います。そうなるとあの家族だけでなく他にも色んな人が住んでいてすごい被害が出てる方が自然と思いました。
コンクリートを苗床にする、という面白い異常性なのにクローズアップされているのが一般家庭かつ一家族単位なのはもったいないですね。もっと大規模なビルや集合住宅が被害にあっていてもおかしくないと思うので、市井の小単位ではなく社会の広範囲を脅かす側面をピックアップした方が面白くなると思いました。
僕の場合、皆さんのご意見とは少し違うのですが、そもそも異常性にあまり魅力を感じることができず、「コンクリートをターゲットに着生する超強力なカビ・キノコ」という感じで終わってしまいました。
何か超劇的な変異が起きれば、こういうのに似た変異も実際にあるかも、みたいにも感じました。
「ヒトにも寄生する」とか「意思を持ってる」とか これは凄く安直な例で、実際はもっと練る必要がありますが そういったインパクトのある異常性が更に必要なように思えます。
実験記録もインタビュー記録も、どちらもその強力さの陳述に留まっていて、意外性が無いように感じました。
現段階で言えることはあまり多くなくて申し訳ないのですが、どうか改稿頑張ってください!
×ばつ10mの個室に着生した状態で収容されます。
特性を見る限り、鉄筋コンクリートで作られた物体であれば良いように見えます。鉄筋コンクリートの建材に付着させ、木造その他鉄筋コンクリート製ではない収容室に入れておけば良いのではないでしょうか。10x10x10mも広すぎだと思われます(高さ10mとは3階建ての建物に相当します)。
周囲を補強ガラスで覆われ
「補強ガラス」というのが何かよく分かりませんでした。強化ガラスの事でしょうか? なぜガラスで覆うのかもよく分かりません。
SCP-871-JPはキノコの一種で
「キノコ」とは俗称ですので、学術的な報告書であるならば「菌類の一種」とした方が良いでしょう。
鉄筋コンクリートを苗床とするという部分はおもしろいのですが、その後の菌の振る舞いが一般的なキノコと同様すぎてあまり面白みが感じられませんでした。
いっそのこと、鉄筋コンクリートが全て菌糸に置換され、建造物自体が巨大なキノコになるくらいあった方が楽しいと思います。そしてキノコ自体は養分をとれずに自壊するとか。
オブジェクトの背景に描写が主に置かれているようです。しかしながらSCPの異常性自体も非常に興味深いものであり、さらりとした説明で流すには惜しいものがあると思います。加えて、研究者の発言に根拠が薄い部分もあるので、背景自体もあまり強く響くものではないと感じました。異常性の描写を増やす、オブジェクトの背景に関してより描写するなど、まだまだ改善の余地がある作品だと感じました。
初めまして、[名前]さん。
まずガイドはお読みになりましたか?これらのページはサイトルールや執筆のガイドラインなど様々な情報が書かれています。何度も読み返してください。もう読まれました?ならばもう一度!
交流や自分の書いた下書きを見てもらう際はフォーラムやチャットをお使いください。チャットでは毎週土曜日の晩にあのように定例会が行われ、たまに下書き批評会も開催されます。ぜひご活用ください。
サンドボックスは作られましたか?一人に一ページ与えられる自由に編集できる場所です。下書きやアイデアの保管にお使いください。
他何か不明な点がございましたら、是非フォーラムやチャット、PMでお聞きください。
財団へようこそ。
SCP-XXX-JP-J感染者の判定に使われる画像の一例
アイテム番号: SCP-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Euclid Keter Explained
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Jの感染の疑いがある場合直ちに診断が行われ、SCP-XXX-JP-Jが発症したと確認された人員は一時間の講習及び場合に応じた記憶処理を受けます。SCP-XXX-JP-Jに特別収容プロコトルは必要ありません。
説明: SCP-XXX-JP-Jは非異常存在を異常存在と認識してしまう未知の病です。SCP-XXX-JP-Jは財団及びSCiPを知覚している人間にのみ発症し、20██年現在までに確認された感染者はいずれも財団に勤務する職員でした。
SCP-XXX-JP-J感染者はまず視認したものを「それはSCPオブジェクトかもしれない」「収容すべきである」というように考えるようになり、他人にそれを伝えようとします。症状が進むと知覚した存在に対し今までに記憶したSCPオブジェクトの異常性を重ね合わせ、「それはSCP-███だ」と誤認するようになります。SCP-XXX-JP-J感染者の「あれはSCPかもしれない」というような言葉を聞いた人物もSCP-XXX-JP-Jを発症する可能性があるため、SCP-XXX-JP-Jは声を媒介するミーム的異常性を含んでいると推測されています。
なんかSCP-040-JPみたいですね。-██研究員
██研究員はSCP-XXX-JP-Jに感染していたためBクラス記憶処理が行われました。
SCP-XXX-JP-JはAクラス以上の記憶処理によって治療が可能ですが再発する危険性があり、その確率は個人差があるものの受けた記憶処理の回数に応じて低くなっていくことが判明しています。
SCP-XXX-JP-J感染者の特徴としてアノマリー、またはSCPオブジェクトを指して「SCP」と呼称する傾向にあり、発症者の半数以上が財団に勤務し始めて間もない職員であることが判明しています。しかし全ての感染者が当てはまるわけではないため診断による判定以外の方法で感染者を判別することは困難です。
以下はSCP-XXX-JP-Jの症例です。
SCP-XXX-JP-J 症例記録-1 20██/█/██
感染者: D-█████
内容: SCP-1475-JPの実験に参加後から椅子に座るとノースカロライナに射出されると考えてしまい椅子に座れない。
対応: D-█████に精神鑑定を行い異常なしと診断。
SCP-XXX-JP-J 症例記録-4 20██/█/██
感染者: ██研究員
内容: 最近目に付くもの全てが異常存在に見え、特に今使っているボールペンがSCP-485だと思ってしまいノックすることが怖い。
対応: ██研究員にAクラス記憶処理を行った。
何か怪しい。症例記録1の時刻から4の時刻までが短すぎていて商用自体もどこか一貫しているようにも思える。これはきっとSCPだ。この謎の症状は収容すべきでないか?-██博士
承認。これをSCP-XXX-JP-Jとし、██博士を研究主任に任命する。あと異常存在のことをSCPと呼ばないように。それはその存在を指す言葉として不適格だ。-O5-█
SCP-XXX-JP-J 症例記録-12 20██/█/██
感染者: ███博士
内容: 以前インターネット上で見た画像にSCPらしきものが写っていたため、収容のために機動部隊を貸し出してほしい。
対応: プロコトル通りに対応。
SCP-XXX-JP-J 症例記録-19 20██/█/██
感染者: エージェント・ヤマトモ
内容: 自分がSCiPに思えてきて夜も眠れない。
対応: 即座にPクラス記憶処理を実行。
SCP-XXX-JP-J 症例記録-27 20██/█/██
感染者: エージェント・桜庭
内容: 前原博士が人間に見える[データ編集済]である可能性が非常に高いため収容すべきであるとしか考えられない。
対応: [削除済]
日本支部でまず最初に教わることをあのバカは忘れていたのか?これもSCP-XXX-JP-Jの影響か?-██研究主任
ころす。-前原博士
最近発見されたオブジェクトが非異常的であったという事例が相次いでいる。初期収容エージェントも我々機動部隊も無尽蔵にいるわけではない。それを留意していてくれ。 -機動部隊か-2("蟹漁船")█隊長
補遺1: SCP-XXX-JP-Jに感染していたと推定されるエージェント・██が財団管理下外においてSCP-XXX-JP-Jの症状を発露させたため、財団の秘匿及び機密の漏洩を行ったとして終了処分を受けました。エージェント・██の発言を聞いたと思われる一般人にはAクラス記憶処理が行われました。詳細はインシデント-XXX-JP-Jを参照してください。
O5はSCP-XXX-JP-Jの危険性を鑑みオブジェクトクラスをKeterに格上げしました。
補遺2: インシデント-XXX-JP-J後、財団内にてSCP-XXX-JP-J判定診断が一斉に行われました。その結果、SCP-XXX-JP-J担当者がSCP-XXX-JP-Jに感染していたことが判明したため、本報告書がSCP-XXX-JP-Jの症状によるものである可能性があるとして再調査が行われました。その結果、SCP-XXX-JP-Jに異常性は一切なかったと判明しExplainedクラスに再分類されました。██研究主任は解雇されました。
判定診断の結果はO5評議会の命令によって破棄されました。
勿論、我々は最初からわかっていたとも。-O5-1
SCP-871-JPの子実体
アイテム番号: SCP-871-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-871-JPは、サイト-8102の木造の収容ロッカーに鉄筋コンクリートのブロックに着生した状態で収容されます。新たなSCP-871-JP-1が確認され次第、機動部隊う-10("キノコ狩りツアー")によってSCP-871-JPの廃棄、SCP-871-JP-1の破壊が行われます。近隣住民にはクラスA、またはクラスB記憶処理が施され、場合に応じて適切なカバーストーリーが適用されます。SCP-871-JP-1に住んでいた住民にはクラスB記憶処理の後再び適切な住居が与えられ、必要であれば一時的に財団で療養を受けます。
追記: SCP-871-JP-1-12の周囲には臨時サイト-81██が設置され、月に一度機動部隊う-10("キノコ狩りツアー")
による内部の調査が行われます。
説明: SCP-871-JPは糸状菌の一種です。SCP-871-JPは外見や生態からホンシメジ(Lyophyllum shimeji)の突然変異種と推測されていますが、情報が不足しており種の特定には至っていません。
SCP-871-JPはコンクリートを菌床とし、表面に付着すると非常に硬い菌糸をコンクリート内の鉄筋に侵入させ菌根を形成します。その後コンクリートに含まれた水分やセメントの成分を養分として成長します。この過程において鉄筋はSCP-871-JPの菌糸の動きを補助します。そのためSCP-871-JPは鉄筋が無い場合でも成長できることが判明していますが、鉄筋がある場合に比べてその成長速度は非常に遅くなります。
SCP-871-JP-1はSCP-871-JPが着生したコンクリートです。SCP-871-JP-1の内外にはSCP-871-JPの菌糸や子実体が多数確認されます。またSCP-871-JPがある程度まで成長し、SCP-871-JP-1の強度が十分でない場合SCP-871-JPの菌糸によってSCP-871-JP-1は崩壊します。以下はSCP-871-JPの事案記録です。
事案記録871-JP-1-2
日時: 19██/█/█
場所: ██県██市
被害内容: ██県が管理している集合住宅が侵食を受けていた。█号棟4██号室を中心に8部屋にわたってSCP-871-JPが確認され、█号棟は破壊された。近隣住民にはAクラス記憶処理が施され、█号棟の住民は財団で一時保護された後Bクラス記憶処理を受けて建て直された█号棟へと戻された。
分析: 宿主の大きさとSCP-871-JPの成長の速さは比例するようだ。
事案記録871-JP-1-5
日時: 19██/█/█
場所: ██
被害内容:
分析:
事案記録871-JP-1-9
日時: 19██/█/█
場所: ██県██市街地
被害内容: SCP-871-JPに寄生されていた市内のアパート一件が崩落した。空き部屋となっていた一階から大量のSCP-871-JPが発見され、支柱のコンクリートがひどく老朽化していた事が判明した。崩落により事案当時住宅内と周囲にいた█人が巻き込まれたがいずれも命に別状はなかった。
分析: 宿主のアパートは高度経済成長期に建てられていたものだった。今回はアパートが小さ目で良かったが高層マンションやビルの崩落の可能性を考えると危険だな。
詳細は事案記録871-JPを参照してください
SCP-871-JPの起源はわかっておらず、鉄筋コンクリートの普及に伴い国内での被害が多数報告されました。SCP-871-JPの活動は戦時中の鉄不足の一因とも考えられており、蒐集院による破壊活動や竹筋コンクリートの使用の推奨が行われましたが絶滅には至らず、終戦後財団に収容されました。
補遺-1: 20██年、██山中の旧██鉱山にてSCP-871-JP-1が発見された際、無人探査機による内部の調査中に突如探査機が破壊されました。そのためDクラス職員を使用した探査が行われました。以下はその探査記録です。
日付: 20██/█/█
調査員: D-████(カメラ、マイクを装備)
備考: SCP-871-JP-1-12が発見された時に行われた。██鉱山は良質な鉄が取れることで有名だったが、現在既に閉鎖されている。
<記録開始>
D-████: なんだよここ、湿気がすげえし森ん中みてえだぜ。
野島博士: そのまま続けて。とりあえずそこを歩き回って気づいたことは全て教えてください。
D-████: どうもこうもねえよ。壁は全部糸だらけキノコだらけだ気色悪い。すげえカラスの数だし怖えよ。
野島博士: 我慢してください。ではそこの建物に入ってください。
D-████: ここに入るのか。[三秒間の沈黙]わかった。ここは事務所だったみたいだな。やっぱりここもキノコがびっしりだ。なんかが腐ったみたいなニオイもするぜ。[短い悲鳴]すげえデカいクモだ。見たことねえぞこんなやつ。
野島博士: ありがとうございました。ではさっきの大通りに戻って。
D-████: 了解。うん?[悲鳴]
>
[何かが崩れる音]
野島博士: D-████。応答してください。何が起こりましたか?
D-████: ああ、大丈夫だ。危なかったぜ。壁が崩れやがった。
野島博士: 建物が劣化していてもおかしくありませんから、十分注意してください。ではさっきの大通りを進んでください。
> D-████: わかったよ。[重要度が低いため割愛]ここは・・・広場だったみたいだな。瓦礫がたくさんあるぜ。これも多分建物だったんだろうな。量からして結構デカいやつだったはずだ。[沈黙]
野島博士: どうかしましたか?
D-████: [声を潜めて]野良犬、いやオオカミか?絶滅したんじゃねえのかよ。
野島博士: カメラに映せますか?
D-████: わかった。こんな感じでいいか?
野島博士: うーん、こちらからははっきりとは確認できませんね。後で機動部隊を派遣します。では[D-████の声に遮られる]
D-████: やべえ、こっちに走ってきてる。
野島博士: 逃げてください。
D-████: なんでオオカミなんかいるんだよ[罵倒]、ああ壁だ。糸でできてる。
野島博士: 迂回できそうですか?
D-████: いや行き止まりだ、ただ糸に手がかかる。登るぞ。[オオカミの鳴き声]こら、近寄るな。
野島博士: 大丈夫ですか?
D-████: [D-████の力む声]ああ、なんとかな。[オオカミの鳴き声]歓迎されてねえなあ。[D-████が地面に着地する]
野島博士: ただ映像を見ていると最近あまり見ない生物が映りますね。まさか絶滅したはずの動物がいるとは思いませんでしたが。
D-████: 人間様が住めるような環境じゃなくなったしなあ。動物には住みやすいんだろうよ。
[何かが落下する音]
D-████: [罵倒]、またかよ。
野島博士: 大丈夫ですか?何か大きな音が聞こえましたが。
D-████: また建物が崩れた。瓦礫だ。瓦礫が落ちてきた。誰かが俺を狙ってるんだ。
野島博士: 落ち着いて。まずはその路地を抜けてください。
D-████: [罵倒]、カメラを落としちまった。[崩落の音]
野島博士: D-████、応答してください。
D-████: 大丈夫だ。[罵倒]まだ死にたくねえよ。[何かが落下する音]先生、道が塞がり始めた。糸だ。キノコが糸を出しやがる。
野島博士: 急いでください。向こうはまた広場のはずです。
D-████: [短い悲鳴]まずい、糸が足に[崩落音]
野島博士: D-████、応答してください。D-████。
<記録終了>
終了報告書: D-████と連絡が取れなくなってから機動部隊う-10隊員8名をSCP-871-JP-1-12内に派遣したところ、この探査と同様に建造物に接近した者を狙ったように思えるSCP-871-JP-1-12の崩落が見られ、一名が軽い怪我を負いました。また、探査中にD-████に発見された動物の遺伝子を解析した結果、動物はニホンオオカミ(Canis lupus hodophilax)だったと判明しました。その他絶滅したと思われていた、または絶滅危惧種に指定されている生物がSCP-871-JP-1-12内で多数確認されました。破壊された探査機とD-████の遺体はそれぞれの通信が途絶えた場所で発見されました。
SCP-871-JP-1-12内において人間は邪魔者として扱われるようです。なぜ絶滅種が住み着いているのかは今後の研究課題ですね。-野島博士
補遺-2: SCP-871-JPについての調査の結果、SCP-871-JPと同じ外見の菌類が19世紀、アマチュアの探検家に発見されていたことがわかりました。該当の菌はシメジ属(Lyophyllum)の新種として提出される予定でしたが、提出前に発見者が死亡し後継者がいなかったために正式に認知されませんでした。その時点から該当の菌の発見情報は一切見つかっておらず、SCP-871-JPとの関係性などは現在も調査中です。
朝起きると枕元にプレゼントが置いてあった。ああ、何年ぶりだろう。嬉しいものだな。
――うん?プレゼント?独り暮らしの男に?
えっ、こわ。なんかやったっけ?駄目だ、思考を巡らすにも頭が痛い。昨日はかなり飲んだんだった。昨日…。
クソ。
深夜の歓楽街。もはや見慣れてしまった景色だが今日はいつもより浮足立った雰囲気だった。
そうだ。クリスマスだ。
クソ、どいつもこいつも浮かれやがって。特にアイツだけは絶対に許さねえ。あの「ちょっと待ち合わせしてて〜」とか言って残業から逃げやがった新卒。お前のせいで俺がどれだけ被害被ったのかわかってんのか?もう11時だぞ?いやわかってるよ。「どうせお前には予定無いんだから」とでも言いたいんだろ。死ね。
そうして心の中でキレ散らかしていると、ますます俺の惨めさが際立って嫌になる。俺は今年でもう34になるが、まだ女性とは一度も付き合ったことがない。同い年の連中はもう結婚して家庭を持ってる年だがな。その上特に突出した能力があるわけでもなく、むしろポンコツな方だ。昇進の話なんざ一度たりとも出たことがない。これからの人生には希望もクソもない。実家に帰れば両親が結婚しろだの何だののたまいやがる。ああ、そうだよ、典型的なダメ人間ですよ、舐めんなボケ。
俺がそういうことを言うとあのクソ忌々しい成功者たちは言う。人生なんて何があるかわからないと。俺はそんな無責任な言葉が大嫌いだ。その言葉を信じたせいで今こうやって別に好きでもない職に就き、クソみたいな上司や同僚には無下に扱われ、後輩にさえ仕事を押し付けられては遅くに帰る羽目になっている。
ああ、もうどうでもいい。いっそ今から死んでしまってもいいか。いや、早まるな俺。こういう時はやっぱり酒だ。酒を飲もう。そうして俺は独り居酒屋に入ったんだ。
頼んだ熱燗を少しずつ飲み、もつ煮を食べているといつもよりも幾分か酔いが早く回ってきた。――いけねえ。目頭が熱い。思えば小さい頃からそうだ。周りに振り回されて、どうにもならなくて、こうやって独りでベソかいてしょげるんだ。情けねえ男だな、本当に。
「またまた浮かない顔をして、愚痴なら聞きますよ。」
いきなり耳に入って来た聞きなれない声に俺ははっとした。
「あはは、びっくりしすぎ。」
そう言ってその声の主はころころと笑った。
マジで誰だこいつ。
そもそもなんで知らない女がいきなり俺に話しかけてくるんだ?店員ではなさそうだし、まずこの店はそっち系ではない。どっかで会ったのか?いや、全く見たことのない顔だ。えっ、めっちゃかわいいじゃん。えっ。
俺の頭はひどく混乱していた。正直言って俺には到底不釣り合いな女性だ。どうしてこんなことになったのか本当に意味が分からない。俺の気持ちは興奮と不信感でいっそう緊張した。あっ、それはやばいって、見えるって。
「隣座りますね。いや、なんかこの人死にそうだなあって心配だっただけです。たまに嫌なこととかを吐き出すのは大切ですよ。そんでお酒を飲んで一発ヤれば全部忘れちゃいますよ。」
おう、テレパシーかな?そんでまた随分大胆な娘だな。クソ童貞の俺はこの類の女は苦手だったはずなのだが、彼女の声によって不思議なことに俺の緊張は一気に解けた。
そしてそれから、俺は随分と色んなことを喋った。学生時代にやらかした馬鹿、失敗の連続だった大学受験、最近のヘマや嫌な同僚の話。こんなくだらない男のくだらない話を、彼女はずいぶん親身になって聴いてくれた。考えてみればこうして女性と長時間話したのは初めてかもしれん。最近に至っては女の同僚には明らかに避けられてるしな。あの新卒からすればこんなこと、ありふれたものなのかも知れないが、俺にとってこの状況とは天国そのものだった。時々彼女の口から下ネタが飛び出してきてカルチャーショックに近いものを受けたが、こんなに素敵な人がいるなんて世の中捨てたもんではないなと感じていた。
かなり飲んでしまったな。今は何時だろうか。ふと彼女の方に目を向けると明らかに酔いつぶれていた。声をかけても何かよくわからないことを言うだけだった。
いや、これはやばいな。かなりやばい。拍動がさらに早くなるのを感じた。夢かとも思ったがこの股間の熱さから考えればこれは確かに現実だ。人生何が起こるかわからないか…。確かにそうなのかもしれねえ。このままうまくいけば俺も勝ち組の仲間入りだ。俺は彼女を何とか起こして店から出た。
しかし、緊張してしまうな。俺は自分のコミュニケーション能力の低さと女性経験の無さを呪った。さっきまであんなに喋れてただろ俺、なんでそこで言葉が出ないんだ。そういうところだぞ俺。こんな千載一遇のチャンスをドブに捨てるわけにはいかねえだろう?なんか言え!言うんだ!
そうだった。俺はその後彼女をタクシーに乗せて帰したんだ。
なあ、一体全体何をやってるんだ?何でそこでヘタレちまうんだ!だからお前はいつまで経ってもダメ男なんだよ!
朝からクソみたいな気分になった。仕事も半休取ろう。二度寝だ二度寝。
それにしても、このプレゼントはいったい何なのだろう。赤色の小さな箱には緑色のリボンがついていて、「ミスター・サンタクロースより」と書いたカードが貼ってあった。本当に誰だよ、こんな何の魅力もない男にサンタがプレゼントをやるか?普通。
気になる。
俺は目の前の不審物への恐怖を振り払い、箱を開けた。
中から出てきたのはスマートフォンだった。
誰のものだ?ピンク色のスマホケース、どこかで見覚えがあったような…?あれっ、ロックがかかってない。
その瞬間スマホが鳴った。
うおっ、という悲鳴と共に俺は携帯を落としてしまった。電話だ。俺は急いでスマホを拾い上げ、書いてある名前を見たがやはり誰かわからない。非常に怖い。
いや、しかし、やはり出るべきだ。出ねばならない。俺は不思議とそう思い、おそるおそる電話に出た。
聞こえてきたのは昨日の彼女の声だった。
彼女の話を要約すると、朝起きるとスマホが見当たず、いつ無くしたか見当がつかなかったのでとりあえず電話してみたらしい。
はは、何だよ。いるのかよ、サンタ。最高じゃねえか。この際怪しいなんて言ってられねえ。彼女はあと15分でこっちに着くらしい。それまでに掃除してしまおう。おっと、その前にまず顔を洗わねば。俺は身支度をしながら頭の中で作戦会議を始めた。今日はつながりを作るだけで良い。あまり急いても事を仕損じるだけだ。此間ネット掲示板で見た情報をもう一度思い出した。ああ、せっかく彼女の電話がここにあるんだ。連絡先を聞いてもそこまで不自然ではないはずだ。よし、いける。
大急ぎで場を整えているとインターフォンが鳴った。きっと彼女だ。ああ、今度はきっとうまくいくさ。
俺はドアを開けて彼女を迎え入れた。
「朝早くから本当にすみません、助かりました。」
こちらこそ紛れてたのに気付かなくて申し訳ない、なんて誤魔化し携帯を渡した。あまり引き留めるのも良くないだろうし玄関で全て済ませよう、そう思っていると彼女はこう言った。
「すいません、今日結構乾燥してて喉乾いちゃって。お忙しいのに申し訳ないんですが何か一杯もらえませんか?」
おお、そう来たか。やっぱちょっと図太いところあるんだな?じゃねえとまあ夜の居酒屋で俺に話しかけたりしねえわな。俺は小急ぎで温かいお茶を入れた。
今思えば、俺はその外見とヘタレ癖で幾度となく損をしてきた。今までの好きな人は皆俺を避け、こちらからは勿論何も出来なかった。何かに打ち込むということも出来ないまま大人になって、このザマだ。さて、これが本当に最後のチャンスだろう。これもサンタと彼女がくれたものだ。生かさねえ手はねえ。さあ、行け。俺のヘタレ史に終止符を打つ時だ。そう思いながらも俺はまた何も言えないまま、ただただ彼女のお茶を啜る音だけが部屋に響きわたった。
「じゃあ、私も仕事に行かなきゃ。あなたもそうでしょう?」
沈黙を破ったのは彼女だった。待ってくれ、と言おうとしたが声が出ない。引き留めようとしても体が勝手に動いて彼女を送り出そうとしている。
駄目だ、待ってくれ、待って――。
「そうだ、私から最後に話しておきたいことがあったんです。」
何だろう、と思った次の瞬間だった。
「ブワハハハハハハハハ!メリークリスマス!ゲーマーズ・アゲインスト・ウィードのミスター・小悪魔系女子(X-mas mix)を見つけてしまったようだな!据え膳食わぬは男の恥だぞ?これからは昔の失敗など忘れ今を必死に生きることだ。では、よいお年を。」
デーモン閣下だった。紛れもない、サンタ衣装を身に纏ったデーモン閣下がそこにいた。
部屋は元の静寂を取り戻し、いつもの清々しい朝だ。
人生何が起きるかわからない。そうだ、その通りだ。俺は久々に大笑いした。愉快、実に愉快だ。
背後で俺の携帯が鳴った。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
実施方法:
結果:
分析:
日時: 出来事
[テキスト]
SCP財団
URL-アドレスは-ここに-書けて-ください | |
写真の説明 |
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