アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8106内の低危険度収容ロッカー内で直立させた状態で固定して収容してください。生物を使った実験は████博士の監督の下実施します。現在SCP-XXX-JPでの生物を用いた実験は監督員の人選が審議されており中断されています。
説明: SCP-XXX-JPは1700年代に作られたと推測される直径30cmの漆器のお盆です。SCP-XXX-JPを用いた実験から、異常性は置いた物体が偶然か必然かに関わらず自然落下でかつ、破壊されるであろう高さから落とした時に発現することが判明しました。落とした物体はSCP-XXX-JP-1となり、落下開始点の地面からの距離に比例した時間、SCP-XXX-JPによる効力が切れるまで再度の落下や他の要因に対する破壊に耐性を持ちます。その異常性が消失するとSCP-XXX-JP-1は当初の高さから落としたのと同じ壊れ方をします。
SCP-XXX-JPは京都府██市の茶屋で発見されました。エージェント████が昼休憩時に立ち寄った店で、盆の上から落ちた湯のみが大きな破砕音とともに落としたのにもかかわらず無傷だったのを目撃し、その店の店員にクラスA記憶処理を施した後SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1を回収しました。
実験記録
担当: ██研究員
実験日時: 202█/02/31
対象: 陶器のコップ
高さ: 1mの高さからSCP-XXX-JPをひっくり返す。
結果: 破砕音はしたものの傷は見当たらなかった。通常通り使用可能だった。再度博士の手から落としたが割れず、衝撃に対する異常性が付与されていると推測される。実験から1時間40分後に破片となり崩れ落ちた。
実験日時: 202█/02/31
対象: ガラスのワイングラス
高さ: 5cm
結果: 破砕音せず50cmの高さから落としてみると通常通りに割れた。通常時に割れる高さでなければ効果は発揮されない模様。
実験日時: 202█/03/02
対象: 棒状の黒鉛
高さ: 10cm
結果: 破砕音を確認。██研究員の協力の元固定したSCP-XXX-JP-1-3の上に乗っても折れず。10分後2つに割れた。
実験日時: 202█/03/02
対象: モルモット
高さ: 5m
結果: 音を確認。落とした生物は通常時と変わらない振る舞いを見せた。約8間後に終了。
実験日時: 202█/03/03
対象: D-1048-9
高さ: 50mの高さに設置したSCP-XXX-JPから落下させる。
結果: 確認。痛みなどはなかった模様、検査の結果異常は見当たらなかった。約3日後に終了。
実験日時: 202█/04/██
対象: SCP-XXX-JP-1-1(████博士)
高さ: 約2000mからヘリに固定したSCP-XXX-JPより落下。
結果: 余命1ヶ月と診断を受けた本人の希望により実施、音は未確認。実施日から痛みが無いのとこと、余命とされた日数を超えているため実験を続行。
インタビュー日時: 202█/05/██
担当:██研究員
SCP-XXX-JP-1-1: まさか実験を受ける側になるとはね
██研究員: 私もそう思います・・・
SCP-XXX-JP-1-1: まぁ、楽しいからいいんだがね。取り合えず何を聞くかい?
[茶をすする音]
██研究員: ええっと、実験後に身体への違和感などはありますか?
SCP-XXX-JP-1-1: うーん、[数秒空いて]全く無いね。落ちてあの凄い音を自分自身で聞いてから病巣からの悲鳴も何も無いよ。██研究員: 全くですか、確かに痛み止めを申告しなくなりましたね。
SCP-XXX-JP-1-1: お陰で頭の中スカっとしたよ、ここまで気が楽なのはアメリカでマリファナパーティした時以来さ。
██研究員: そうですか。あとは何かありますか?
SCP-XXX-JP-1-1: サラッと流されるのは何だか悲しいのだが[3秒の間] 後は目の前の元部下が最近冷たいことと、ここ数日考えたあのSCiPの特性についての考察かな
██研究員: 元からです。それと考察ですか?
[茶をすする音]
SCP-XXX-JP-1-1: [数秒の間] 落下の瞬間、音はするだろう。
██研究員: しますね。
SCP-XXX-JP-1-1: 音はするのに、すぐには壊れない。さてこのSCiPを作った人が居たとしたらどんな理由なんだろうね?
██研究員: [数秒の間] 誰かに見つかってもすぐにはバレないようにしたかったから?
SCP-XXX-JP-1-1: それだと30点だね、悪戯っ子の発想なんだが。
██研究員: 博士よりはマシです。で、結局なんだと思うんですか?
SCP-XXX-JP-1-1: 私はこう思うかな、「自分の手で壊したかった」からだな。
██研究員: 発想がDクラスなんですが。
SCP-XXX-JP-1-1: 誉め言葉として受け取っとくよ。音に関しては「壊した」と実感が欲しいから、しばらくして壊れるのはその「実感」と「後悔」を愛でるためかな。
██研究員: 作った人とその発想に至った人はとんでもない[削除済み]ですね
SCP-XXX-JP-1-1: 君切れると怖いタイプか、口説かなくってよかったよ。
██研究員: XXXの効果がなかったら今頃トカゲの餌にしてましたよ。
SCP-XXX-JP-1-1: おおぅ、怖い怖い。あとその効果についてなんだが、さっきの理由を元に考えるならどこからエネルギーを引っ張ってきてるかなんとなくわかったよ。
██研究員: それは何ですか?人体に影響が出るものではないと思いたいのですが。
SCP-XXX-JP-1-1: 出ないさ、多分ソースは人の感情だと思うよ。
██研究員: [数秒の間] 感情、ですか?
SCP-XXX-JP-1-1: ああ、感情。証拠に今、私の落下音をわざと記録しないほどの研究者失格な奴が悪態をつけるほど精神が回復しているでしょ。
██研究員: [数秒の間] えっ?
SCP-XXX-JP-1-1: そのものが「壊れる」ことによって生じる強い感情、恐怖なり畏怖なり、探求心とかも含まれそうだね。その感情をどういうわけかエネルギーとして変換し現実改変を起こしているのではないのかと思うよ。
██研究員: 現実改変・・・
SCP-XXX-JP-1-1: ヒューム値でも調べてみない限りは断定できないけどね。でもリソースが感情だし、道具っていうのは製作者が「こうであってほしい」と作ったのが始まりだからそういうことだと思うよ。
██研究員: [数秒の間] 取り合えず審議会に元博士の強度実験の提案でもしていきますね。[削除済み]野郎。
SCP-XXX-JP-1-1: 照れ隠しとして受け取っとくよ。
[茶をすする音]
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