アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、必ずコンクリートなどの完全に不透明な壁の部屋に収容してください。収容室の扉の前には、もうひとつ 小部屋を用意してください。収容室内部の様子を確認するときはカメラを使用してください。もし収容室に入室する場合は、必ずひとりで入室するようにしてください。また、収容室前の小部屋に入って、扉を閉めてから、収容室の扉を開け、入室するという2段階方式にしてください。持ち運ぶ際も、箱の中に入れて持ち運びますが、念のために持っていく職員以外がSCP-XXX-JPに近づかないようにひとりで行動してください。
説明: SCP-XXX-JPの外見は、10c×ばつ10c×ばつ7cm程度の石のようです。色は石炭のようで、重さは約100gです。SCP-XXX-JPは、かすかな匂いと音(25dB程)を発しています。表面はつるつるしていて、なめると独特な味がします。
SCP-XXX-JPの姿、匂い、音、味、感触のいずれかをそれぞれの五感で捉えた人が同時に複数いた場合、その人たちのその感覚は合体します。(以降は感覚が合体してしまった人たちのことを、対象A、対象B・・・とします)視覚でSCP-XXX-JPを認識した場合、対象Aと対象Bにはお互いの視界が重なって知覚されます。同様に、嗅覚でSCP-XXX-JPを認識した場合、対象Aと対象Bにはお互いの匂った匂いが重なって知覚され、味覚でSCP-XXX-JPを認識した場合、対象Aと対象Bにはお互いの味わったものの味が重なって知覚されます。
なお、複数の感覚を合体させることもできます。
視覚や触覚が合体してしまった対象たちは、歩くことさえできません。そしてほとんどの場合パニック状態におちいり、1時間以内にショック死します。対象たちは、感覚が合体しているほかの対象が一人でも死ぬと、そのほかの対象たちも死に至ります。
補遺: この現象はカメラ越しだと発生しないことが判明。
「いただきまあす!」
肉にかぶりつく子供。父はそれを見て微笑む。
「うまいか?」
「うん、うまい!」
「そうか、そりゃよかった」
「ねえ父さん、このお肉、どこで捕ってきたの?毎日おんなじお肉が出てくるじゃん」
それを聞いた父から笑顔が消える。
「.........」
「父さん?」
「『捕ってきた』というより『取ってきた』だな。」
「じゃあ、何のお肉?」
子供が興味津々で聞いてくる。
「...このことはほんとは言ったらいけないんだけど...坊やを信じるから言うよ。...それは...昔は恐ろしかったけれど、今は取扱い法が確立していて、収容されている生き物の肉だ。食用になるし、繁殖もできるから、今は食料にもなっているんだ」
「ふうん...そいつらって怖い?」
子供が少し肩をすくめて言った。父はまた微笑んだ。
「なんだ、怖いのか?大丈夫だ。今はしっかり父さんたちが収容してる。さあさあもう寝よう」
父は子供の背中をたたいてせきたてた。
「うん。おやすみ父さん」
「おやすみ、かわいい坊や。いい夢見ろよ」
そう言うと父も自分の寝床に入った。
「おはよう父さん」
「おはよう坊や。ごはんにしようか」
「父さん、今朝のお肉、僕も取りに行っていい?」
子供は父にすり寄って言った。父は言葉に詰まる。
「...それはちょっと無理だ」
「なんで?僕もそいつらがどんなのか見てみたいんだ。ちゃんと収容されているからいいでしょ?怖くないよ」
「今はスペシャリストが厳重に管理しているから坊やはまだ収容場所を見られないんだ。父さんはもちろん坊やがいい子だっていうのは知っているけれど...上の人たちがが許さないんだよ」
「そんな...」
子供は父から離れながらがっかりして言った。父は慰めるように言う。
「いい、いい、坊やも大きくなったら収容所で働け。そうすれば職員として見ることができるよ。さあここで待っていなさい」
「うん...」
そういうと父はかけていった。
「ついてきてないな」
父は度々振り返りながら大きな建物に入っていった。
「警備状況は?」
「万全です」
収容室前の者が言った。
父は収容室の扉をロックを解除する。そして憎しみをこめた笑みを浮かべて言った。
「俺たちはこいつらが許せない...こいつらは永遠に俺たちが蝕んで行ってやる...」
そう言うと父は収容室の扉を開け、おびえているたくさんの『収容物』の一人を指差した。
「今朝はお前だな」
「やめろ!やめてくれ!いやだ、いやだぁぁぁ!」
父――SCP-939――は、その声を無視して『収容物』――人間――を引きずって行った。
アイテム番号: SCP−XXX−JP
オブジェクトラス:
特別収容プロトコル: SCP−XXX−JPは、発生したことが、路上での演劇が行われている、何か騒ぎが発生してもそれが本人たちの意思によるものなのか分からない、などの問題によって、非常に分かりにくいです(SCP−XXX−JP−Aたちが集まるまでの進行状況では特に)。そのため、少しでもSCP−XXX−JPが発生している疑いがある光景を目撃した場合は、即座に担当博士(現在は杉山博士)に連絡し、その状況を細かくメモ、または記憶してください。必要であれば彼らの追跡も行ってください。
説明: SCP−XXX−JPは、突如として何の共通点もない複数の人物がドラマを展開し、そのドラマを終了させるまでの彼らの一連の異常な行動です。
SCP−XXX−JPは、前記したように、何の共通性もなく、性別、年齢もまばらな複数の人物(SCP−XXX−JP−Aら)が突如として一か所に集まり始めることから始まります。それはSCP−XXX−JP−Aがどこのどんな状況に居ようと行動され、いくら妨害しようと、偶然の積み重ねで妨害は失敗に終わります。SCP−XXX−JP−Aらが集まる際は皆、その時発生しているSCP−XXX−JPのドラマに関する言動を取っています。SCP−XXX−JP−Aらが集まった時、彼らが展開するドラマはクライマックスを迎えます。彼らの展開するドラマは必ず全員が死亡する形で終わりを迎えます。こうしてSCP−XXX−JPは終了します。