アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8122内の、幅2mをあけて2重壁にした標準人型収容室に収容されます。収容室内のすべての扉は取り除き、室内に壁で区切られた空間が生じないようにしてください。2重壁内の空間は監視カメラを用いて24時間監視します。2重壁内の空間にSCP-XXX-JP-1が出現したことを確認した場合、速やかに終了してください。
SCP-XXX-JPへの給餌の際には、調理済みのSCP-XXX-JP-1を必要な分だけ摂取させてください。残りのSCP-XXX-JP-1は焼却処分されます。食餌の材料がSCP-XXX-JP-1であることをSCP-XXX-JPに明かすことは禁止されています。また、SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1を対面させることは現在許可されていません。
説明: SCP-XXX-JPは身長171cm体重68kg、20██年時点で51歳の日本人男性です。遺伝子構造は通常のモンゴロイドと同じであることが判明しています。SCP-XXX-JPは24時間に1度、直前に就寝した地点から最も近くにある壁を1枚隔てた空間に自らの複製(SCP-XXX-JP-1)を出現させます。このとき、SCP-XXX-JPの損傷はすべて消失します。SCP-XXX-JP-1が出現する際、直前にSCP-XXX-JPが就寝した地点から壁までの距離に制限はありません。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1を出現させた後、最長6時間以内にSCP-XXX-JP-1に対する食人欲求と著しい空腹を訴えます。実験により、これらはSCP-XXX-JP-1を摂取するまで解消されないことが分かっています。
SCP-XXX-JPは19██年7月██日、滋賀県██市における連続殺人事件の被疑者として逮捕、勾留されました。SCP-XXX-JPが居住していたアパートの一室から異臭がすると近隣住民が通報し、██体の一部腐敗した身元不明の死体に囲まれているところを発見されました。逮捕までに死体の一部を摂取していたことが判明しています。また、逮捕時には著しく精神的安定を失っていたことが報告されています。勾留中にSCP-XXX-JP-1を出現させたため異常性が判明、財団に委譲されました。
SCP-XXX-JP-1は発生時点でのSCP-XXX-JPの記憶及び損傷を含む健康状態を引き継ぎます。また、実験によりSCP-XXX-JPと同一の異常性を持つことが判明しています。
実験記録XXX-1 - 日付19██/03/27
対象: SCP-XXX-JP-1
実施方法: 死なないように右脚を取り除いた状態で24時間の監視をつけて観察する。
結果: 24時間後に、SCP-XXX-JP-1と同様に右脚を取り除かれた複製(SCP-XXX-JP-1')を出現させた。SCP-XXX-JP-1'の出現と同時にSCP-XXX-JP-1の損傷が消えたことを確認した。
分析: SCP-XXX-JP-1もSCP-XXX-JPと同じか、類する異常性を持つと思われる。また、SCP-XXX-JP-1'出現時にSCP-XXX-JP-1の損傷が消失したことは注目すべき点である。検査の結局、治癒ではないことが判明した。さらなる調査が必要と思われる。
追記: SCP-XXX-JPに非致死性の軽微な損傷を与えて同様の実験を行った結果、SCP-XXX-JP-1出現時にSCP-XXX-JPの損傷が消失することが確認された。
実験記録XXX-2 - 日付19██/10/09
対象: SCP-XXX-JP-1
実施方法: 監視をつけて24時間絶食させる。
結果: 実験開始から約3時間後にSCP-XXX-JP-1'を出現させ、その約2時間後に著しい空腹を訴えた。空腹を訴えてから約10時間後に激しい精神的苦痛を訴え始め、その約9時間後新たにSCP-XXX-JP-1'を出現させた後、自己終了した。
分析: 通常、24時間の絶食で自己終了に至ることはないため、SCP-XXX-JP-1には絶食中かなりの精神的苦痛が生じていたと思われる。
実験記録XXX-3 - 日付19██/04/21 - 19██/04/22
対象: SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1
実施方法: 両者に異なる問題を解かせた後、SCP-XXX-JP-1を終了。翌22日に新たに出現したSCP-XXX-JP-1にどのような問題を解いたか聞き取りを行う。
結果: 回答は前日にSCP-XXX-JPが解いた問題と同一であった。また、前日にSCP-XXX-JP-1が解いた問題については記憶していないことが判明した。
分析: 少なくとも複製後の記憶を新たに共有することはないようだ。
インタビューログ1 - 日付19██/05/26
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: ██研究員
<録音開始>
██研究員: 今日は、あなたが逮捕された時のことを教えてください。
SCP-XXX-JP: はい。
██研究員: あなたは逮捕時、自分に殺されそうになったからやり返したと証言しましたね?
SCP-XXX-JP: はい。今にして思えば、様子を見に来た近所の人とかだったんでしょうけど、当時は本当にそう思っていました。......玄関先に私が立っているのを見たときは本当に恐ろしかった。
██研究員: なるほど。今は、同じような妄想はありますか?
SCP-XXX-JP: いいえ。ここへ来てからは落ち着きました。
██研究員: それは良かったです。話を戻しますが、あなたは逮捕されるまでに、殺害した相手を食べていますね。
SCP-XXX-JP: ......はい。
██研究員: なぜそんなことを?
SCP-XXX-JP: ......分かりません。ただ、本当にお腹が空いて......生きてきた中で、1番つらい空腹でした。
██研究員: 空腹だったのなら、外へ買いにいくなどすれば良かったのでは?
SCP-XXX-JP: はい、その通りです。あの時の私は、とにかく目の前の肉が食べたくて仕方なかったのです。空腹といい、本当に気が狂いそうなほどで......でも、もうその時には私はおかしくなっていたんでしょうね。
██研究員: なるほど、分かりました。たしかに、以前の絶食実験時にも激しい精神的苦痛を訴えていますね。
SCP-XXX-JP: はい。さすがに幻覚を見るようなことはありませんでしたが、かなり当時に近い苦痛でした。
██研究員: ありがとうございます。今回はここまでで結構です。お疲れさまでした。
<録音終了>
終了報告書: SCP-XXX-JPの異常性にはSCP-XXX-JP-1を出現させることだけではなく、SCP-XXX-JP-1への激しい食人欲求の誘発も含まれる可能性があります。また、自身が経験していないはずの絶食実験の記憶を有していたのは特筆すべきでしょう。- ███博士
インタビューログ2 - 日付20██/05/07
対象: SCP-XXX-JP-1(このインタビューの約30分前に出現)
インタビュアー: ██研究員
<録音開始>
██研究員: では、今からいくつかの質問をします。分からなかったり、答えられない場合はそう回答してください。
SCP-XXX-JP-1: はい。わかりました。
██研究員: では、今日は西暦何年の何月何日ですか?
SCP-XXX-JP-1: 20██年5月7日です。
██研究員: 昨夜はどこで眠りましたか?
SCP-XXX-JP-1: それはもちろん、部屋のベッドです。
██研究員: 今朝はどこで目覚めましたか?
SCP-XXX-JP-1: 同じベッドです。
██研究員: 目覚めたとき、違和感はありましたか? 身体が動かしにくいなどです。
SCP-XXX-JP-1: いいえ。いつもと変わりありませんでした。あ、昨日机にぶつけた膝は今朝も痛かったです。
██研究員: あとで湿布を用意しましょう。
SCP-XXX-JP-1: いつも親切にありがとうございます。
██研究員: 必要なことですので、気にしないでください。では、今日の15時ごろは何をしていましたか?
SCP-XXX-JP-1: ここへ呼ばれる前ですね? ええと、たぶんトイレにいたように思います。
██研究員: たぶん、とは記憶が不明瞭という意味ですか?
SCP-XXX-JP-1: はい。トイレに行った時に貧血を起こしたので、トイレに行ったことははっきりと覚えています。しかし、次に気づいたら通路のような空間にいて、あなた方に連れ出されました。
██研究員: そういうことでしたか。分かりました。
SCP-XXX-JP-1: ......あの。
██研究員: はい。なんでしょう。
SCP-XXX-JP-1: あの、ありがとうございます。[編集済み]......すみません、ずっとお礼が言いたかったんです。
██研究員: 構いませんよ。夜眠れているのはいいことですね。では、以上でインタビューを終了します。ありがとうございました。
<録音終了>
終了報告書: SCP-XXX-JP-1は自身が出現する前のSCP-XXX-JPから継続した記憶を持ち、新たに自らが出現した自覚がないことが判明しました。- ███博士
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