アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の敷地内に建設された特別製のAVBに収容されます。車両整備は2週間おきに自動化システムによって行われます。
説明: SCP-XXX-JPは知性を有するポルシェ・991モデルです。SCP-XXX-JPと非異常性の同型車両には外見的・構造的な差異は存在しておらず、異常効果の発生原因は判明していません。
SCP-XXX-JPは燃料や運転手の有無に関わらず自律動作が可能です。また、SCP-XXX-JPは自身の周囲、及び内部を認識しており、カーオーディオから発せられる音声によってコミュニケーションを行う能力を持ちます。通常時のSCP-XXX-JPは財団に対して従順であり、協力的な態度を示しています。
現地時間における満月の夜の間、SCP-XXX-JPはマウスに変形します。変形したSCP-XXX-JPは通常時と同様の自律動作性を示します。変形した状態のSCP-XXX-JPは極めて敵対的であり、積極的にAVBの破壊と近辺に存在する生物の殺傷を試みます。通常時のSCP-XXX-JPは自身の変形を制御する事が出来ず、満月の夜の間の記憶もないと主張しています。
インタビュー記録XXX-JP-A
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: リスキィ博士
<記録開始>
リスキィ博士: 初めまして、SCP-XXX-JP。本日は宜しくお願いします。
SCP-XXX-JP: 宜しく、博士。どれだけ役に立てるかは分からないが、答えられる事には答えたいと思う。
リスキィ博士: ありがとうございます。それでは早速ですが、あなたは自身の状態、つまりあなたに意識があり、今このように会話を行っている、という事をどのように感じているのですか?
SCP-XXX-JP: 異常であるという事を自覚しているか、という事かな。
リスキィ博士: あなたの見解を聞きたいのです。
SCP-XXX-JP: 少し難しいな。まあ私は異常なクルマではある、とは思う。ただ、意識を持つクルマというものが、即ち異常である、とは思わない。
リスキィ博士: 意識がある事についての疑問はないという事ですか? それではあなたが異常であると感じているものは、満月に起こる──。
SCP-XXX-JP: ああいや、それもまあそうなんだが。意識の有無はそもそも重要ではない、という話だよ。
リスキィ博士: 続けてください。
SCP-XXX-JP: 私とあなたがコミュニケーションを取れるのは、私が私自身を操作できるからだ。単に意識があるというだけでは、何もする事ができないし、誰も意識の存在に気が付かない。それは単なるクルマと変わりない。