アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:全てのSCP-XXX-JPはサイト-8181の中度危険物収容倉庫に保管し、取り扱いには遠隔操作のロボットアームを用いてください。過去に心臓移植を受けた、または人工心臓の職員はSCP-XXX-JPを収容しているフロアへ進入してはいけません。実験を行うにはレベル4以上の担当研究職員1人の承認が必要です。
追記:エージェントによって全国の薔薇農家及び薔薇園を監視します。新たなSCP-XXX-JPの発生が確認された場合は即座に一帯を封鎖し、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1の確保を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPはノイバラ(Rosa mulitiflora)の棘に酷似した形状の物体です。通常のノイバラの棘と異なり黒色で、非常に高い硬度と耐熱性を持っています。SCP-XXX-JPによって傷を負った人間はSCP-XXX-JP-1へと変化し、下記の特異性を発現します。
第一段階として、24~28時間の間隔で、SCP-XXX-JP-1の周囲にSCP-XXX-JPが出現します。SCP-XXX-JPは確認された全ての事例でSCP-XXX-JPが踏み出すまたは触れようとした位置へ、その直前に出現しており、結果としてSCP-XXX-JP-1のほとんどはSCP-XXX-JPが出現するたびに軽傷を負います。また、この段階で出現するSCP-XXX-JPに限り出現から1秒以内に消滅します。平均して1か月経過するとSCP-XXX-JP-1は第二段階へと移行します。
第二段階では同じく24~48時間の間隔で、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1の皮膚上のランダムな位置に突き刺さった状態で出現するようになります。また、この段階で出現したSCP-XXX-JPは消滅することはありません。平均して1か月続いた後、同時に██個のSCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-1の心臓内部に出現し、SCP-XXX-JP-1は死亡します。
死亡したSCP-XXX-JP-1の心臓部からSCP-XXX-JP-2に指定する植物が出現します。SCP-XXX-JP-2はその棘が全てSCP-XXX-JPであることを除けばノイバラに酷似していますが、成長が極端に早くSCP-XXX-JP-1の死亡から10分ほどで2m程度に成長し黒い花を咲かせます。24時間が経過するかSCP-XXX-JP-1から分離されたSCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JPを残し急速に風化します。
20██/8/18、SCP-XXX-JPは茨城県██市の██警察署内で不自然な怪我が相次いでいるという潜伏中のエージェントの報告により財団の注意を引きました。SCP-XXX-JPの性質が確認された時点で最低でも█人がSCP-XXX-JP-1へ変化し、うち█人が第二段階へ達していることが判明したため機動部隊に-8("地域猫")が投入され未収容のSCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1の捜索を開始しました。20██/8/29をもって全てのSCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1が収容されたと判断され、関係者には記憶処理が行われました。
実験SCP-XXX-JP-A - 日付20██/██/██
対象: D-5341,D-5342,D-5343
実施方法:SCP-XXX-JPでD-5341は表皮のみ、D-5342は出血する程度の傷をつける。また、D-5343から採取した皮膚にSCP-XXX-JPで傷をつける。
結果:D-5341,D-5342がSCP-XXX-JP-1に変化。D-5343は変化なし。
分析:直接傷つける必要はあるが、非常に軽い傷でも影響を受けてしまうようだ。
実験SCP-XXX-JP-B - 日付20██/██/██
対象: D-5341,D-5342
実施方法: 第一段階、第二段階それぞれのSCP-XXX-JP-1が死亡した時の反応を調査する。
結果: D-5341,D-5342共にSCP-XXX-JP-2が出現した。心臓内部にSCP-XXX-JPは出現しなかった。
分析:死因によらずSCP-XXX-JP-2は発生するらしい。
実験SCP-XXX-JP-C - 日付20██/██/██
対象: D-5344,彼は過去に心臓移植を受けている。
実施方法: SCP-XXX-JPで皮膚に傷をつけ、経過を観察する。
結果:[データ削除済]。
実験SCP-XXX-JP-Cの結果を受け、以降心臓移植を受けた、または人工心臓を持つ者がSCP-XXX-JPに接近する事を固く禁じます。-財団倫理委員会
補遺1:当時██警察署では、地元の薔薇農家である████氏の不審死についての調査が行われていました。捜索の結果多数のSCP-XXX-JPが発見されたこと及び発見された日記の内容から、彼の所有していた畑がSCP-XXX-JPの発生源であると考えられています。
20██/5/24
奇妙な薔薇が咲いているのを見つけた。ノイバラと似ているが棘と花だけが黒い。特に棘の色が違うものは長年交配してきたが初めてだ。
20██/5/27
例の薔薇で腕を切ってしまった。ほかの種よりも棘が鋭いらしく結構深い傷になっていた。
20██/6/20
最近不可思議な怪我が頻発している。痛みを感じてみてみるといつの間にか傷ができている。薔薇の手入れに夢中になりすぎて気付かなかったのだろうか、老いというのは怖いものだ。
20██/7/1
最近頻発している怪我の原因が判明した。激痛で目が覚めると肩に黒い棘が刺さっていたのだ。いくら年でもそこまで鈍感なはずがない。途端に恐ろしくなって衝動的に例の薔薇を引き抜いたら、不思議なことに棘だけ残して瞬く間に消えてしまった。もう訳が分からない。
20██/7/3
例の棘が現れる瞬間を見てしまった。もうあの薔薇は無いはずなのに、全て終わったはずなのに。ひょっとしたら俺の気がおかしくなって幻覚を見ているのかもしれないが黒い棘は確かに存在している。育てた薔薇を全部抜いて燃やした。クソッタレ、もう薔薇なんて見たくない。
補遺2:20██/██/██、大分県██市の薔薇園にてイザヨイバラ(Rosa roxburghii)に酷似したSCP-XXX-JPと同様の性質を持つ亜種が発見されました。SCP-XXX-JPが通常の薔薇同士の交配または突然変異によって発生する可能性があるとして現在研究が行われています。
棘が理不尽に刺さる(執筆中)
逆行するタイムリープ
無念の没ネタ集
1速度超加:収集がつかなくなった。