ジャズの夕べ <チョコレートのようなジャズ>(Вечер Джаза "Джаз в Шоколаде")(2017年04月30日)

4月30日は「国際ジャズ・デー」ということになっているそうです。「International Jazz Day」ということになる訳です。

ジャズを通じて世界の様々な文化に対する理解を深め、全世界195のユネスコ加盟国を始め、未だ十分に教育を受けられる環境にない地域に住む少年少女たちに、ジャズを伝えることを目的としているそうです。ユネスコと、ユネスコ親善大使をつとめるピアニストのハービー・ハンコックが2011年に「2012年4月30日を嚆矢に」とこの日を実施すると発表して以来、世界中でジャズ関係の催しが企画されているのだといいます。

サハリンでも、この「国際ジャズ・デー」を意識し、催しが企画されました。

最近は「少し新しい催事会場」として定着しつつある感じの<スタリッツァ・ビジネスセンター・コングレスホール>を会場に、サハリンを代表するジャズバンド<ジャズタイム>をメインに、モスクワからのゲストミュージシャンも迎え、「ジャズの夕べ <チョコレートのようなジャズ>(Вечер Джаза "Джаз в Шоколаде")」が開催されることとなったのです。

こういう催事の準備で「なかなかに忙しい...」という<ジャズタイム>のリーダー、ウラジーミル・キンジーノフさんにお会いする機会が在り、「力が入っている催し」と御紹介頂き、御招き頂きました。

キンジーノフさんは、職業音楽家として活動する以前、稚内市の友好都市であるネベリスク市で音楽教員を務めていて、稚内とは縁が深い方です。そして<ジャズタイム>も稚内で公演を何度も行っています。

彼らが稚内に初登場した2007年頃、<ジャズタイム>と同じ意味のロシア語である<ヴレーミャ・ジャザ>と名乗っていて、以降2009年、2010年、2012年に登場した時には、既に<ジャズタイム>を名乗っていたのでしたが、「稚内では<ヴレーミャ・ジャザ>で通ってしまった...」とそのまま<ヴレーミャ・ジャザ>と呼んでいました。2007年の公演を経て2009年に再登場となった時、「1回限りだった幻の名演...あの<ヴレーミャ・ジャザ>が還って来る...」と宣伝したのが切っ掛けで、そういう具合になったのでした。

とにかくもその<ジャズタイム>の演奏に触れられることになりました!入場時の「ドレスコード=正装」ということになっている催事でした。そんなことを言われると、多少緊張するのですが、要は気楽なジーンズ姿ではなくスーツ着用、ネクタイ着用という感じで好い訳です。(会場に行けば、ノーネクタイの方も存外に見受けられました。)大変に楽しみにしながら会場へ向かいました。

↓こんな感じに会場が設えられていました。「光の演出」が何やら凄く、少々驚きました。
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↑<スタリッツァ・ビジネスセンター・コングレスホール>を入ると、入った辺りが"2階"風になっていて、階段が設けられ、その階段の下に広い場所、ステージが在ります。ステージではミュージシャン達が演奏し、歌うようになっていて、進行係もステージ上で話します。ステージ手前は広めなフロアで、ダンスチームが舞踊を披露する時間が在る他方、来場者がダンスを愉しむことも出来る趣向です。そのフロアを囲むようにテーブルや椅子が設置され、オードブルや飲物が供されました。

↓ステージ前では、来場者がダンスを愉しむことも出来ます。
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↑凄くダンスが好きなようでで何度もフロアに出ている方、或いは凄く上手な方も見受けられました。中には一緒に来ている仲間や、会場で出くわした友人から喝采を受けていたという方まで在りました。

↓演奏の合間に、ダンスチームの華麗なパフォーマンスという場面も在りました。
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↓艶やかな、同時になかなかに迫力のステージでした。
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↑「時に甘く、時にほろ苦い」というのが"チョコレート"というもので、正しく<チョコレートのようなジャズ>という感じです。それぞれのヴォーカリストの個性が生かされた歌、アドリブも混じるソロ演奏、堅実なリズムと流麗なメロディー、最近変わったという編成に合わせて苦心して行った新しいアレンジと、なかなかに興味深く演奏に耳を傾けていました。

<ジャズタイム>が2012年に稚内に登場してから少し御無沙汰してしまっています。その間にメンバーの交代等も色々と在ったようです。が、稚内に来た経過がある皆さんが、元気に活躍している様子を大変に嬉しく観て、演奏や歌を楽しんだのでした。とりあえずテーブルにスパークリングワインも在りましたが、それは頂かず、夢中で音楽を楽しみました。

↓キーボード担当でリーダーのウラジーミル・キンジーノフさんが65歳、アルトサックス担当のユーリー・スヴォ―ロフさんが60歳と節目の誕生日の年であるということも最終盤に紹介されました。
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↑キンジーノフさんが愛用するキーボードをイメージする大きなケーキが用意され、来場者に切り分けられる場面も在りました。

↓全ての演奏を終え、ステージに立った各ミュージシャンと関係者が記念写真を撮っていました。
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↑「国際ジャズデーに因む催事」ということで、こうした催しが行われたのは、サハリンでは初めてだったようです。力を尽くして催事を成功させた皆さんから、笑顔が零れています。

<ジャズタイム>は「チェーホフ劇場の音楽部門」というような位置付けがされていたのですが、昨年から「交響楽団の関連グループ」と"組織替え"が生じ、最近は演奏機会も目に見えて増えているのだそうです。機会が在れば、是非また彼らの演奏に触れたいものです。

こういう音楽やら舞踏というような事柄ですが、「文化大国=ロシア」の一隅であるサハリンにも、「視るべきモノ」は多いように思います。

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