<ТАНКИ>:ロシア映画『タンク』(2018年04月30日)

休日の朝、「特段に予定は無いが、何か催しでも?」というようにでも思ったのなら、インターネットの地元情報ポータルサイトに在るАфиша(アフィーシャ)=チラシというコーナーを視ると、色々な情報が得られます。

>>Афиша - События Южно-Сахалинска и Сахалина: кино, клубы, рестораны, концерты, выставки, театр, спорт.

想い起すと、インターネットが広く普及して"当然化"するような以前の、1990年代前半位には正しく「チラシ」という内容が掲載された新聞が売られていて、それに演劇の公演や映画の上映、スポーツの試合等々の情報が掲載されていて、それを見て入場券を入手しに出て、催しを観たものでした。

そういう状況に対し、現在では上述のようなウェブサイトがサハリンにも在る訳です。恐らくロシア国内各地の都市で、この種のモノが在るのでしょう。一部、入場券のオンライン予約・購入ということが出来る場合さえ在ります。

このサイトで『タンク』というロシアの新しい映画が上映中であることを知りました。

↓予告編が出回っています。
[フレーム]

この作品は、戦車が戦車砲を発射する場面は在りましたが、「戦車の闘い」が描かれるような感じの作品ではありません。<T-34>として、第2次大戦期のソ連軍の主力戦車となって行く車輛が初めて登場したような頃のエピソードを脚色したものでした。

強力で使い易い戦車の開発を目指すエンジニアが、後に<T-34>として知られることになる試作車を2輛完成させます。工場はハリコフに在るのですが、これをモスクワでの軍の幹部や政府高官が試作車を含む軍の新装備を閲覧する会に送り込むこととなりました。

ハリコフからモスクワへは概ね700kmの距離が在ります。工場に在って、試作車をモスクワに届ける仕事を手伝うことになっていた連絡将校は、貨物列車に積み込むというような輸送手段を用意出来ないという電信を受取りました。エンジニアにその旨を報告するのですが、エンジニアは「この距離なら自走出来る筈だ!」と言い出し、2台の試作車を走らせてモスクワを目指すことになります。

軍の高官と電話連絡し、「極秘任務」ということにして2台の試作車が自走してモスクワの催しを目指すことの内諾も得て、いよいよ出発です。2台の試作車と、必要な補給品等を積んだトラックが隊列を組んで、意気揚々と出発しました。

こういう中、新しい戦車の試作車の件を知ったドイツの諜報部が「自走による輸送を行っている試作車を道中で奪取または破壊せよ」と工作員の一団を送り込む、金目になる新しい車輛を欲しがるコサック集団が襲撃をする、「極秘任務」の故に仔細を知らない各地のソ連軍部隊が「不審な車輛?」と臨検に出て来るというようなことで、色々とアクシデントが起こります。

エンジニア、連絡将校、強引に一行に入ってしまった女性整備工、試作車のドライバー達というグループは、数々の危難をどのように乗り越えるのでしょうか?そしてモスクワでの大切な催しに、無事に参加出来るのでしょうか?

というようなお話しです。

↓<T-34>は第2次大戦期を通じて、累計で5万輛以上も製造されるのですが、ロシアの各地で"記念碑"的に展示されています。(因みに、第2次大戦後にも製造されていたそうです。)
映画 タンク (2).jpg
↑ユジノサハリンスクにも在ります。<T-34>には幾つかの仕様が在りますが、ユジノサハリンスクで見受けられるのは第2次大戦後期の、砲塔と戦車砲が大型化された型と見受けられます。映画に登場するのは、最初期の砲塔が少し小さな型です。

なかなかに面白い冒険譚の映画ですが、映画館は何となく空いていました。連休の最初の方の朝早くに足を運んだのでしたが。

↓他所の方が視えなかったので、館内の雰囲気が判る写真を撮っておきました。
映画 タンク (1).jpg
↑稚内市サハリン事務所にも近い辺りに在る映画館で、500人位は収容の大きなホールの他、200人弱収容と視られる小ホールが在ります。この作品は小ホールでの上映でした。

↓映画館では、上映作品を紹介するハガキより小さい程度のチラシが色々と置かれています。
映画 タンク (3).jpg
↑今回観た『タンク』のチラシと入場券の半券を写真に収めてみました。

作品本編の前に出る映像を観ると、作品にはロシアの制作会社、関係団体の他、外国資本系統の会社も関わっているように見受けられました。

本編が始まる前には、日本国内の映画館でも見受けられるように、色々な作品の予告編等も流れます。この作品は<T-34>として勇名を馳せて行くことになる車輛が初めて登場したような頃の挿話に想を得たモノでしたが、今後の公開作品としては「戦車の闘い」が描かれるような作品も在るようです。

休日には、こういう具合に、思い付いて映画館へ足を運ぶというのも楽しいものです。

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