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2005年05月30日

アウシュビッツ

先日、エレクターとよばれる、大型のラックをふたつ、壊れたビデオ、加湿器、テレビなどを粗大ゴミ処理場に処分に行った。処理場の入り口で車、人、共に重量を量り、出口でまた測定をして料金を払うシステムだ。リサイクル法の施行でテレビは捨てられなかったが、粗大ゴミの予約を市役所でして、当日何時までにどこどこにシールを貼って置いておく、よりは、自分の車で運んだ方がはるかに能率がいい。はじめてその処理場に行ったのはおよそ10年前。引っ越しで不要になったエアコンを捨てに行った。ほとんどの粗大ゴミは分別され、解体され、パーツごとに再生するシステムのようだが、はじめて足を踏み入れたとき、昔訪れたアウシュビッツの収容所と同じ空気を感じてぞっとした。大学卒業後、ポーランドの古都、クラコフの音楽祭に合唱団員として招かれた時のことで、アウシュビッツがポーランドにあることもその時はじめて知った。あの時の重い空気、ガス室や人を焼く炉にもはいったが、そのゴミ処理場も同じ空気が漂っていた。ドイツ人の几帳面さから、ユダヤ人のめがね、義足、入れ歯、等がきちんと分別され保存してある。ゴミ処理場にもアルミの鍋だけ大量に大きなかごに分別してあり、何故か切なかった。モノにも命があるんだなあ、と思いつつ、ゴミ処理場でアウシュビッツを思い出す人もあまりいなかな、と思うと、人は如何に経験で物事を感じ、考えるかがわかる。そうそう、今日東京は霧雨が降り、どんよりしているが、ぼくが訪れた「アウシュビッツ」もこんな感じだった。

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金子健 (KEN KANEKO) Bass
1964年、東京生まれ。
国立音楽大学卒業後演奏活動をはじめ、同時に高校の音楽講師も6年間つとめる。コントラバスを松野茂(国立音楽大学)、永島義男(東京芸術大学)両氏に師事。ジャズ・ベースを池田芳夫氏に師事する。
‘93年、岡安芳明(g)『Midnight Groove』(キングレコード)に参加後、山本剛(p)、大隅寿男(ds)、阿川泰子(vo),中本マリ(vo)等、多くのミュージシャンと共演。参加したアルバムも多数。2005年には、自己のリーダー作 『I Like It !』Ken's Trio+1(WNR)を、つづく2006年には2ndアルバム『The Chant』 Ken's Trio(WNR)発表。2007年以降は山下洋輔(p)Special BigBand、寺井尚子(vln)カルテット、矢野沙織(as)カルテット等のツアーにも参加。2009年8月に3rdアルバム『Tripression』 Ken's Trio(WNR)をリリース。2010年5月には、ベニー・グリーン(p)、井上智(g)とのリーダーユニット「KBS TRIO」のアルバム『What Am I Here For』も発売され、スイングジャーナル誌「ゴールドディスク」を受賞する。2012年にはKBS 2nd CD『RESONANCE』も発売された。また、2006年より国立音楽大学講師も務め、後進の指導にもあたっている。

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