イイダコ完全養殖への道(その6)

ども、ヒロです。

これまでの記事

前回までの記事で報告した通り、アキアミ以外にも、魚肉を刻んだものや生シラスなんかも食べることが分かってきました。
しかし、食べるからといって、刻まなくてもいい生シラスばっかり与えていても食べなくなることも分かってきました。他の魚肉も同じで、連続で与えると飽きてしまうのか、どうも食いが悪くなるのです。

なんて気難しい、というかグルメな生き物なのでしょう。
種苗生産の技術が確立している一般的な魚種については、ふ化直後にはちょっとメンドウな生物餌料(微小な生物)を与える時期はあったりしますが、その時期を過ぎれば配合飼料を食べてくれますし、それを与え続けることができます。

ところがイイダコさんは、毎日の献立を工夫しなければならないのですよ!コレは飼育者泣かせです。
凍った餌を溶かして与えるだけなら良いのですが、魚肉の場合は適切なサイズに適切な量を刻まなければなりません。
サーモン肉の場合はこんな感じ。

少量であれば苦になりませんが、大量に刻むのはけっこう大変なのです。溶けちゃうとグニャグニャと切りにくいし、細かい作業を長時間続けますので手首が痛くなってきます。

こりゃ、とてもじゃないけどやってられん。ということで、省力化を考えました。
フードプロセッサーとやらで人参を細かく刻んでるのをテレビで観たような記憶がありまして、ソレを使えば簡単に大量に刻み魚肉ができるんじゃないかと。

思いついたら、すぐに実行。フードプロセッサーを入手して、サーモンの切身を早速ブイーンとやってみました。

う〜ん、なんか想定してたんと違うな。刻まれた部分とネチネチの部分が混在してるような・・・
でも、せっかく作ったので、夕方にこの餌を与えてみました。

そして、翌朝に水槽を覗いてみてビックリ!ショッキングなので画像は無しですが、イイダコ赤ちゃんが大量にへい死しているではあ〜りませんか。
飼育水もなんだか濁っています。イイダコの飼育水槽は、かけ流し式と言って、循環ろ過をさせる家庭用の金魚水槽のようなものではなく、ろ過海水をどんどん入れて排出していく贅沢仕様なのですが、それでも水質を悪くしてしまったようです。

ゴメンナサイと泣きながら死んだイイダコを回収し、二度とフードプロセッサーで手抜きはしないと誓いました。

こんな失敗をしながらも、なんとか放流サイズまで成長させた稚イイダコを、放流しました。

この時、放流せずにおさかな試験場に約120個体を残しまして、ここから完全養殖への道がスタートしたワケでございます。
(続く)

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