イイダコ完全養殖への道(その2)

ども、ヒロです。(これまでの記事:その1)
今回は、イイダコの完全養殖に取り組んだ経緯をお話ししようと思います。
うどん県おさかな試験場では、激減したイイダコ資源を回復させるために、2つの取組みを行っています。
1つめは、お母さんイイダコと貝殻をおさかな試験場の水槽に入れ、貝殻の中に卵を産みつけてもらい、その卵が産み付けられた貝殻とお母さんイイダコを適切な場所に放流するという取組み。

2つめは、卵を産み付けられた貝殻をそのままおさかな試験場の水槽に残し、赤ちゃんイイダコをふ化させて、少し大きく育てた赤ちゃんイイダコを適切な場所に放流するという取組み。

ということで、担当であるワタクシのお仕事は、2月にお母さんイイダコを導入し、7月に赤ちゃんイイダコを放流した時点で終了なのであります。
では、なんで人工的に生産した子供から親まで育て、再び子供を生産する完全養殖に取り組んだのか。
それは、完全にワタクシの「興味本位」であります。
赤ちゃんイイダコの放流が終了した時点で必要なお仕事は完了していますので、何の問題もなかったのですが、ついつい可愛い赤ちゃんイイダコを手元に残して飼育を続けてしまったのです。
時系列で説明しますと
令和5年6月におさかな試験場でふ化した赤ちゃんイイダコを、そのまま飼育し続ける

成長したイイダコを12月頃に交接(一般的にいう交尾)させる

令和6年4月に成長した雌のイイダコが貝殻の中に産卵

6月にふ化 ← 完全養殖に成功
このような流れになります。
実は、この前年の令和4年6月にふ化した赤ちゃんイイダコも一部を飼育し続けたのですが、成長が悪くその年の秋には全滅させてしまいました。
この時、タコ類研究の権威D先生から「イイダコを飼育環境下で大きく成長させるのは難しい」とコメントをいただいたのですよね〜。
というわけで、リベンジのつもりで令和5年に赤ちゃんイイダコの飼育を開始したのでした。しかも、その時点では再生産までいくという目標を立てていたわけではなく、なんとなく「今度はでっかくするぞ〜」という夏休みの小学生のようなノリで始めたのでした。
しかし、ここまで書いてアレですが、「興味本位」とか小学生のノリとか、あんまり印象が良くないですなぁ。
ここは、「研究計画には無かったが、まだまだ不明確なイイダコの飼育方法や成長について解明するため、困難な道のりが予想されたが強い意志を持って取り組んだ」ということにしてください。
コレでカッコよくなりました。ふぅ〜危なかった。

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