<生け花―サハリンでの道程>:草月流の展覧会 オープニング (2017年04月28日)

出掛けるために車を待って、待ち合わせ場所辺りに立っていた10分間程の間に、近くに用事が在って通り掛かった知人に出くわすという「凄い偶然」に驚いたということが在ったのですが、更に驚いたのはその知人から、なかなかに興味深い催しの開催に関して聴いたということでした。

サハリン州美術館は、樺太時代の北海道拓殖銀行豊原支店の建物を殆どそのまま利用した建物で知られています。そこで「生け花の展覧会のオープニング」と聞き、サハリン事務所から歩いて3分掛かるか、掛からないかの場所なので寄ってみました。

サハリンで草月流の生け花の普及を始めた方は、造園家として活躍した経過が知られるアレクサンドラ・クドリャショーワさんです。今般、サハリンでの草月流の活動が15年になり、活動の端緒を拓いたクドリャショーワさんが70歳の誕生日を迎える年であるというので、記念行事として<生け花―サハリンでの道程>が企画され、開催に至ったのです。

↓展覧会の期間は4月29日から5月2日です。美術館の入口に催事案内が掲出されています。
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↓来賓や草月流の生け花の活動に携わる関係者、その友人や知人、こうしたものに関心を寄せる人達で場内は賑わいました。
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↑1930年頃の銀行支店の建物という雰囲気がよく判るように、バルコニー状になった2階の側から会場を見てみました。

↓草月流の生け花の活動をしている皆さんの、色々な作品が寄せられ、展示されていました。
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↑こちらの作品は、日本国内でも視掛けそうな感じで纏まっていると思いました。

↓こちらは華やかな色彩を好むような、ロシアの方の作品らしいと思いながら拝見しました。
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↓アヴァンギャルド(前衛芸術)と言うのか、何やら金属の針金を駆使した作品も登場していました。
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↓多くの来賓の方達からの挨拶の後、クドリャショーワさんが大きな生け花をその場で創るデモンストレーションが在りました。
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↑中央の方がアレクサンドラ・クドリャショーワさんです。

サハリンで造園家として多くの事績を残している他方、生け花の研修に励んで指導普及に努めて今日に至っています。そういう通って来た経過を振り返り、更に先を目指すという意味で、展覧会は「サハリンでの道程」と命名されたのでしょう。

↓デモンストレーションで創られた生け花が仕上がりました。
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多くの国や地域で各々に「花を愛でる」という感覚が在る中、「日本の生け花」も方々で各々に受け入れられて普及しているようです。サハリンでは、「街の一寸知られた文化人」とでも呼ぶべき、造園家のアレクサンドラ・クドリャショーワさんが種を蒔き、生け花の文化という花が開いています。