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2012年05月30日

ミナミヤンマ舞い立つ

足摺半島で、ミナミヤンマの羽化が始まりました。ただ、何れの河川も周辺樹木の過剰繁茂によって流水量が激減、さらに乏しい食料を求めるイノシシたちの環境かく乱も加わってその個体数は激減しています。大半のエリアが国立公園に含まれているということを抜きにしても、採集行為には格別の配慮が求められる状況に陥った感があります。とりわけ、産卵前の未熟成虫採集は厳に慎むべきでしょう。真に憎むべきは、気持ちのいい自然は手を加えなければ永久にいい状態で維持されるといった勘違いに基づく法律で、水質汚濁をも招く河川内の倒木撤去も許されないのだそうです。日照が確保されている河川ならまだしも、植物による光合成が困難になるくらい薄暗くなった環境では、落ち葉や倒木はヘドロ化するほかありません。「ここには、かつてミナミヤンマという上品なトンボが住んでいた...」などと言わなくても済むよう、件の法律改正が遠からんことを祈るのみです。

_MG_7426ミナミヤンマ生息地2.gif _MG_7373ミナミヤンマ♂羽化2.gif _MG_7416ミナミヤンマ♂羽化2.gif _MG_7424ミナミヤンマ♂羽化2.gif
生息環境 ♂ 羽化 (3枚とも、同一個体)

一方で、陰湿な環境を好むシコクトゲオトンボはさらに増加しているようで...

_MG_6906シコクトゲオトンボ.gif _MG_6902シコクトゲオトンボ.gif _MG_6910シコクトゲオトンボ.gif _MG_6907シコクトゲオトンボ.gif
シコクトゲオトンボ♂♀羽化 同 ♂なわばり

同じ足摺半島にある、大戸のトンボ・ビオトープでは早くもネキトンボの産卵が始まっていました。

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トンボビオトープ ネキトンボ連結産卵 同 単独産卵

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クロスジギンヤンマ♂ オオシオカラトンボ産卵 同 ♂警護飛翔

去る26日にハナショウブまつりが終わり、ようやく咲き揃いつつあるトンボ王国のハナショウブ。入梅を目前に控え、早生まれのイトトンボたちが産卵活動に余念ありません。

_MG_7464ハナショウブ2012・5.gif _MG_7466ノハナショウブ2012.gif _MG_7483ノハナショウブ2012.gif _MG_6782スイカズラ2012・5・.gif
ハナショウブ ノハナショウブ スイカズラ

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アオモンイトトンボ交尾 同産卵 オオイトトンボ連結産卵 セスジイトトンボ連結産卵

日高村の調整池では、アオヤンマが最盛期を迎えています。

_MG_7119アオヤンマ羽化殻201.gif _MG_7154アオヤンマ交尾2012.gif _MG_7188サラサヤンマ♂なわ.gif _MG_7207サラサヤンマ♂2012.gif
アオヤンマ羽化殻 同 交尾 サラサヤンマ♂(同一個体)


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by 杉村光俊 at 17:50 | トンボ王国最新情報 | comment (0) | | page top
イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのお知らせ

【トンボ王国・秋と冬の生きもの写真展】

目的:木の枝に産卵するオオアオイトトンボ、湿地保護区に飛来するルリビタキなど、秋から冬にかけてトンボ王国で見られる動植物の生態写真を通し、生物多様性環境の楽しさを感じてもらうこと。
内容:トンボなどの昆虫を中心に、この季節ならではの生物や生態を捉えた写真A-3サイズ64点を展示。
期間:2025年10月11日(土)より2026年3月1日(日)まで
場所:とんぼ館ロビー

【秋と冬の生きものクイズ】

内容:上記【秋と冬の生きもの写真展】のキャプションの中に答えがある、A-4版用紙の3択10問クイズ。希望により有料入館者1名1回挑戦でき、8問以上正解するとトンボ王国で見られる赤トンボ数種を模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。クイズ用紙は受付で配布。年間パスポートでの入館者は、期間中8問正解できるまで何度でもチャレンジ可。
期間:2025年10月11日(土)より2026年3月1日(日)まで

【個別観察会】

内容:トンボと自然を考える会員限定。日程・時間調整の上でスタッフが適宜実施している調査・整備作業に同行でき、希望によりトンボ撮影の便宜も図ります。
ご入会は四万十川学遊館受付のほか、ホームページからもお申し込みいただけます。

【毎日イベント】

ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

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杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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