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ロシアまた...金メダル最有力候補の15歳・ワリエワ 禁止薬物陽性か?

[ 2022年2月11日 05:30 ]

10日に練習会場で調整するワリエワ(AP)
Photo By AP

北京五輪フィギュアスケート団体のメダル授与式が中止になった件で、ロシア有力紙コメルサント(電子版)は9日、金メダルを獲得したロシア・オリンピック委員会(ROC)の女子選手カミラ・ワリエワ(15)がドーピング検査で陽性反応を示したと報じた。検出されたのは禁止薬物のトリメタジジンで昨年12月か1月の欧州選手権の検査だったと報じられている。ROCが失格になった場合、3位の日本は銀メダルに繰り上がる。

ワリエワは4回転ジャンプとトリプルアクセルを武器とし、女子シングルで金メダル最有力とされる「大会の顔」。9日の練習は欠席したが、10日は会場のサブリンクに姿を見せ、4回転サルコーや4回転―3回転の連続トーループなどを披露した。練習後は首を横に振りながら取材エリアを無言で通過した。

狭心症や虚血性心疾患の治療に用いられるトリメタジジンは心臓への血液量を増加させることで心肺機能を上げる効果があり、競技力向上につながるため世界反ドーピング機関(WADA)が禁止物質に指定。競泳の孫楊(中国)らが資格停止処分を受けている。日本スポーツ協会公認ドクターで兵庫県立リハビリテーション中央病院の荒木大輔氏は「一般的に考えて15歳の選手が常用する薬ではない」と指摘した。

WADAの規定では、16歳未満の選手は違反があっても処分軽減の可能性がある対象で、実名も公表されない。ロシアのスポーツ情報サイト「sports.ru」は10日、「告発は取り下げられた」とのジャーナリストのコメントを掲載した。国際オリンピック委員会(IOC)などの公式発表がないまま、15日の女子SPに出場する可能性もある。

▽ロシアとドーピング 陸上界の組織的な不正疑惑に端を発し、15年にWADAがロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格を停止。16年リオデジャネイロ大会で五輪は全面締め出しを免れたが、パラリンピックは選手団が除外された。WADAは19年にロシアの検査データ改ざんを認定し、五輪・パラの東京大会、22年北京冬季大会を含む4年間の主要大会から選手団を除外する処分を決定。国旗や国歌の使用を禁じ、潔白を証明した選手のみ個人資格での出場を認めている。

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