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新天地に懸ける30歳SO松田力也 トヨタを初Vへ導き桜の10番返り咲く 21日開幕リーグワン

[ 2024年12月18日 05:00 ]

開幕戦に向け意気込むトヨタ・松田力也(撮影・椎名 航)
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4季目を迎えるラグビーのリーグワンが21日に開幕する。昨季準優勝の埼玉からトヨタに移籍したSO松田力也(30)が取材に応じ、新天地での決意を語った。W杯2大会出場経験を持つ日本代表の主力ながら、10月のニュージーランド戦や11月の欧州遠征には招集されず。再び日本代表の10番を背負うために今すべきことは何か、胸に秘めた思いを明かした。(取材・構成 前川 晋作、滝本 雄大)

トヨタの松田が新たなスタートを切る。3季連続でチームを決勝進出に導いた司令塔は埼玉を離れ、新しい環境を選んだ。きっかけは、23年W杯で1次リーグ敗退に終わったこと。「(8強入りした)19年を超えられなかった。何かを変えないといけない。もっと違うラグビーを知りながら自分の引き出しを増やしたい」。自身のさらなる成長を求めた。

今季日本代表として出場したのは、6月のイングランド戦と7月のイタリア戦のみ。10月以降は代表に呼ばれなくなった。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)からは通訳を通して「今回は選ばれていないけどいつでも準備するように。聞きたいことがあれば連絡して」と説明を受けたという。「何で使ってくれないのか、何回か聞きに行ったけど明確な答えは返ってこなかった」。自らと向き合って、克服すべき課題を探すしかなかった。

松田のいない日本代表は、フランスやイングランドなどに大敗。SOを本職としない選手が毎試合代わる代わる10番を背負った。松田は「自分ならこうできるのに...という歯がゆさもありつつ、誰もが認める真の10番になればいいと理解した」と決意。そして「悔しさをエネルギーに変えるしかない。(リーグワンで)優勝することがエディーさんを納得させられる方法だ」という答えにたどり着いた。

9月末から新チームに合流。今季から、ともに元ニュージーランド代表監督のスティーブ・ハンセンHCとイアン・フォスター・コーチの指導を受ける。「プレーの中で余裕を持つことが大事。そうすればパス、ラン、キックの中から、局面においてチームにベストな選択をすることができる」と自分なりに課題を分析し、改善に取り組んできた。

新天地で臨む今季の目標は「優勝しか考えていない」と力強く明言。さらに「個人としては得点王を」と個人タイトルも狙う。世界を制したコーチの下で、世界を制したSHアーロン・スミスとハーフ団を結成、そして帝京大の同期のNo・8姫野和樹と再タッグを組むチームで勝利に貢献することを誓った。古巣の埼玉との対戦については「楽しみ。ラグビーにはないと思うけど、ブーイングもされてみたい。やってくれた方が燃える」と笑顔。手の内を知られているが「僕はこっちに来て進化しているので」と自信をにじませた。

日本代表が成績不振の今「勝てる日本代表の10番を取り戻したい。10番へのこだわりは変わっていない」と燃えている。進化した松田が昨季7位のトヨタを初優勝へ導き、誰もが納得する形で日本の司令塔に返り咲く。

◇松田 力也(まつだ・りきや)1994年(平6)5月3日生まれ、京都府出身の30歳。伏見工高(現・京都工学院高)、帝京大から17年にパナソニック(現埼玉)へ。昨季終了後に埼玉を退団し、トヨタに移籍。大学4年の16年6月カナダ戦で代表戦初出場し、通算39キャップ。W杯は19年日本大会、23年フランス大会の2大会連続出場。試合前のルーティンはスパイクとキックティーを奇麗にすること。1メートル81、92キロ。

≪東京SG・松島も今季選外「まぁ、見とけ」投稿話題に≫松田の他に、FB松島(東京SG)も今季は代表に選ばれなかった。ジョーンズHCは10月の代表発表会見で「招集できるレベルではない」と説明。同日に松島が「まぁ、見とけ」と自身のSNSで投稿したことも話題となった。ケガのため代表招集が見送られていたNo.8リーチ(BL東京)やプロップ稲垣(埼玉)は、11月末からプレシーズンマッチに出場して元気な姿を披露。ともに、代表復帰を見据えて復調をアピールするシーズンとなる。

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