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「chocoZAPは国益とさえ感じる」。有識者が選ぶ"2024年フィットネストレンド"

[ 2024年12月18日 09:00 ]

ウェルネス/運動施設向けオールインワン・マネジメントシステム「hacomono」を提供する株式会社hacomonoが、「有識者が選ぶ5大フィットネストレンド2024」を発表しました。その内容とコメントをお届けします。

登壇者:
株式会社ティップネス 代表取締役社長 岡部 智洋氏
日本体育大学 教授 岡田 隆氏
株式会社MIGRIDS 代表取締役 鈴木 太郎氏
SOELU株式会社 取締役CPO 越塚 麻未氏
株式会社hacomono 代表取締役CEO 蓮田 健一

1. マシンピラティスの出店が加速

2024年のトレンドにおいてマシンピラティスの急成長は外せません。新規参入だけでなく、既存のフィットネス事業者が新たにマシンピラティスのブランドを立ち上げるなど、第三次ピラティスブームが到来したと言われています。


越塚氏:
女性から人気の著名人の方が取り組んでいる影響が大きいですが、マシンピラティスはリフォーマーが難しい動きをサポートしてくれることで難しい動きもとりやすく、「できない」というネガティブな思いになりづらい点も人気の要因であるように思います。


鈴木氏:
当社は2022年からマシンピラティス事業をスタートしましたが、年々反響が高まっています。ただ、マシンピラティスを体験に来る方というのはどちらかというとこれまであまり運動をしてこなかったり、運動が好きではない方が多く、やってみたけれど「どこに効いているのかわからない」という方も多いので、継続してもらうには、指導者が効果を実感してもらえるよう丁寧に指導することが非常に重要だと考えています。

2. コンビニジムが運動初心者を開拓

「chocoZAP」の躍進も今年、フィットネス業界ではとても大きな話題になりました。2022年7月にブランドがスタートし、2024年5月には会員数120万人を突破、店舗数も全47都道府県に1,500店を超えて日本一となりました。


岡部氏:
フィットネス業界のなかには、「chocoZAP」の存在を脅威と見る方もいますが、私はとてもポジティブに捉えています。入会する94.1%の方がジム初心者ということで、フィットネス参加率が長年3〜4%台で伸び悩んでいたところを簡単に押し上げてくれたのが素晴らしいです。

私たち総合クラブも幅広いプログラムがあり、フィットネスへのエントリーモデルとして最適な施設だと思うので、ぜひ同じように利用して欲しいですね。「chocoZAP」から「RIZAP」へは少し距離があると思うので、そこを埋める役割も総合クラブは担えると思います。


岡田氏:
実際、私の元にも「あれは筋トレといえますか?」というコメントが寄せられていますが、これまで誰も考えなかったアイデアを実現し、120万人の方を筋トレのテリトリーに踏み込ませたことは国益とさえ感じます。これからは、この120万人の方に対して、怪我が起こらないように知識を提供する、挫折しないようにモチベーションとなる情報を提供する、などといった取り組みが大切になると思います。


越塚氏:
フィットネスコンテンツだけに絞らなかった点がすごいですよね。お客さまにアンケートを取って、ニーズの上位にあるものをスピーディに検証しているという点も面白いと思いますし、ビジネスの取り組み方がとても参考になります。

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3.職場ルールの緩和で若手を魅了

ルネサンスが2025年度新卒社員の給与を10%引き上げたり、東急スポーツオアシスが従業員の身だしなみルールを緩和するなど、採用強化に向けた動きも見られました。


越塚氏:
フィットネス業界の給与水準は低いうえ、1人に任される業務量が多いので、これでは人が集まりにくいだろうと感じます。当社では、ITを活用するなどして少数精鋭でも生産性高い運営を実現することで給与を高めようと取り組んでいますし、店舗におけるレッスンにもオンラインコンテンツを使い、スタッフはお客さまサポートに徹するなど分業を検討しているところです。


岡部氏:
コロナ禍が明け、ティップネスでは新たに「Enjoy!Smile!Happy! Thank you!〜快適なウェルネスライフへ〜」というコンセプトを掲げ、取り組みを進めていくことを決定しました。

今いる従業員がまずは笑顔で楽しんで仕事ができるように、また多様化する時代に合わせるため、髪色も自由に、またピアスも着用OK((注記)プールエリアおよびキッズレッスン時は不可)など身だしなみルールを刷新しました。お客さまからは「似合ってるね」「可愛い」など好意的な声を多くいただいており、従業員のモチベーション向上につながっているようです。


岡田氏:
大学での教育に15年以上携わっていますが、先ほどお話ししたように成長意欲のある学生の増加を感じていて、在学中からSNSを活用して自分の知名度を高め、卒業後すぐに自らの力で稼げる子もいます。そのような子は向上心、学習意欲が高いので、自分で稼げるけれども、学べて、成長していける環境が整っている企業であれば就職を選ぶ傾向もあります。企業側がそのような環境を用意できるかも、今後は重要になると思います。

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4. 大衆化する24時間ジムが急成長

「chocoZAP」が今年1,500店舗を達成し、「ANYTIME FITNESS」も日本国内で1,100店舗以上を展開しています。その他にも多くの24時間ジムが誕生し、ここまで身近に広がったことには驚きます。「FIT-EASY」においては上場も果たしました。


越塚氏:
当社も入会者の約半分はフィットネス初心者の方ですが、chocoZAP含む24時間ジムで運動習慣がついて、「もっとトレーニングしたくなったから」というお客さまもいます。


岡田氏:
「chocoZAP」も、靴を履いたままでいい、着替えなくていいなど、これまでのトレーニングの制約を排除して、参加へのハードルを大きく下げてくれました。「筋トレはこうあるべき」というイメージをいい意味で崩してくれましたよね。いつでも、どこでもできるものとして筋トレの概念をアップデートしてくれたことは素晴らしいと思います。


鈴木氏:
24時間ジムが増えたことで、トレーニングの場所が大きく広がりました。当社に入会する方のほとんどはフィットネス初心者ですが、私たちがサポートできるのは週1〜2回の限られたセッションの間だけですから「もしこの時間帯以外に運動したいと感じたら、近くのしろまるしろまるジムでマシンを使って、こんなトレーニングを試してみてください」と提案することもあります。

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5.ライバル企業のコラボが拡大

他業界でも広がりつつある「競合」から「協働」への変化。フィットネス業界でも企業間の「共創」という考え方が浸透してきたことを感じます。


岡部氏:
最近は、大手総合デベロッパーも、生活者にとってより良い環境を提供するために一緒にまち作りに取り組む姿勢が目立っています。「共創」のなかでそれぞれの強みを発揮する「競争」により、これからはより大きな価値の創出を目指す時代なのだと思います。

当社も、12月8日に開催する「超スポーツクラブ!ファンランリレー」を企画しました。総合クラブが肩を組んで、会員に晴れの場を提供するという取り組みは、FIA(一般社団法人日本フィットネス産業協会)主催以外では初の試みです。


鈴木氏:
私たちも、今年は総合クラブや24時間ジムを運営する6社と共創し、それぞれの店舗の中で「ELEMENT」のパーソナルトレーニングやマシンピラティスの指導をスタートしています。総合クラブや24時間ジムのスタッフさまは対応すべき業務が多岐にわたるため、新たなサービスを提供する余裕がないというケースが多いです。そこを私たちのような専門業社にお任せできないかというご相談をいただき、実現しました。

これまでに、店舗の会員の方が「ELEMENT」のパーソナルトレーニングに申し込んでくれたり、「ELEMENT」のパーソナルトレーニングを受けていた方が、卒業してその店舗に入会したりという効果が生まれています。施設というハードをお借りして、私たちのサービスというソフトを提供するという取り組みは、今後もさらに広げていきたいと考えています。

提供:株式会社hacomono

<Edit:編集部>

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