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ハビ独占手記「ユヅル、歴史を築いたね!」「またユヅルのいる日本でアイスショーがしたい」

[ 2022年2月11日 07:30 ]

北京冬季五輪第7日・フィギュアスケート 男子フリー ( 2022年2月10日 首都体育館 )

オータムクラシック インターナショナル2019で再会を果たしハビエル・フェルナンデス氏(左)と抱擁する羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

北京五輪での戦いを終えた羽生に、同門で18年平昌五輪銅メダルのハビエル・フェルナンデスさん(30=スペイン)がスポニチ本紙に独占手記を寄せた。4回転半に挑んだ盟友をねぎらい、より深みを増す演技を見続けたいという率直な思いを明かした。

ユヅル、今度会ったら、まずハグをするよ。コロナ禍では無理だけど、できれば強くハグしたいよ。君のエネルギーは尽きない。歴史を築いたね!

何度も言うけど、君は喜怒哀楽の全ての感情を共有しながら日々を過ごしてきた仲間で素晴らしいやつだよ。ユヅルに加えて、私がカナダにいた時のブライアン・オーサー・コーチの仲間たちは皆、大事な存在。今は、新型コロナでどこにも自由に行けないが、ユヅルやみんなに会いたい。

ユヅルと一緒に過ごした年月の中で、最も思い出深いのはカナダのトロントでの練習の日々、そして一緒に臨んだ大会だと思う。練習で最も近い場所にいる最大のライバルであり、一方で、チームメートである。親友のユヅルがいて、一緒に切磋琢磨(せっさたくま)しながら頂点を目指してきたことが、何よりも一番の印象深いシーンと言えるだろうね。

平昌五輪後の4年間、依然としてユヅルは素晴らしい才能に満ちたスケーターだったと思う。しかし、現在のフィギュアスケート界はとても複雑な状況だ。なぜなら、ここ数年で新しい選手たちが出てきているから。ユヅルは、大会で勝つことはより複雑でとても困難であることを分かっていたと思う。だが、ユヅルには素晴らしい才能がある。とても良いプログラムをつくり、素晴らしい演技をしてほしいと思っていた。

この数年でフィギュアスケート界は採点方法だけでなくいろんな面でとても変革された。そして、これからも変革されていくべきでしょう。なぜなら採点方法が変わるたびに、選手たちがそれに折り合うようにより調整して大会に臨まなければならなかったから。

私はフィギュアスケーターとして、そして、一人のファンとして、ユヅルのように長い時間と年月をかけて成長してきた選手を見ていたい。15〜16歳の少年少女が大会で素晴らしい活躍をした後、たった数年でフィギュアスケート界から姿を消してしまうのを見たくないんだ。フィギュアスケートの選手は、アーティストとしてスケーティングがうまく、表現できるのを前提として、それから個性が加わっていくからね。

私は今、故郷のマドリードで世界で一番美しいスポーツ・フィギュアスケート振興のために頑張っているよ。今年3月にはマドリードでアイスショーを開く予定だけど、コロナ禍が収まったらまたユヅルのいる日本でアイスショーがしたい。ぜひこれからもユヅルをはじめ、フィギュアスケートの選手たちを応援してほしい。(ハビエル・フェルナンデス)

◇ハビエル・フェルナンデス 1991年4月15日生まれ、スペイン・マドリード出身の30歳。11年からブライアン・オーサー・コーチに師事。サルコー、トーループの4回転を武器に15、16年世界選手権2連覇。五輪は10年バンクーバー14位、14年ソチ4位、18年平昌銅メダル。19年1月の欧州選手権で7連覇を達成し、現役引退。現在は地元でアイスショーやスケート教室を通じて競技普及などを行う。1メートル73。

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